第164回国会 参議院財政金融委員会 第14号
○岩井國臣君 今回のこの法案自体につきましては大賛成ですし、特に私自身質疑することはありません。質問はないわけでありますが、国有財産に絡む話はいろいろやっぱりございまして、この際、この法案と関連していろんな問題を提起させていただきたいと思っております。
・・・中略・・・
それでは、地域通貨について次に取り上げたいと思います。
総務大臣の私的懇談会、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会というのがあります。そこで破綻法制の議論が進んでいるやに聞いております。ローカル・オプティマムなどとうまいことを言っておられますけれども、結局は、企業の競争原理である選択と集中で過疎地域を切り捨てるのではないか。私は、総務省のみならず、竹中大臣の考えには大いなる疑問を感じております。地域政策は共生と分散ですよ。選択と集中ではないというふうに思います。
地方分権改革推進会議では、中山間地域における町村等、小規模な基礎自治体が総合行政を確保し、豊かな生活圏を構築することは、急激な人口減少が見込まれる中、国土保全の観点からも重要であると言っていただいておりますけれども、過疎地域を切り捨ててはならない。私たちは歴史と伝統、文化を生きています。歴史と伝統、文化に生きているのではありません。だから、過疎地域という影の部分にも光を当てていかなければならないのであります。伝統こそ大事なのであります。
この際、政府が過疎地域を切り捨てている点を一つ例として指摘しておきます。
例えば、通信インフラでいえば、過疎地域といえども、もはや都市と同等のブロードバンドを実現し、地理的、地域的なデジタルディバイドの解消を目指すべきであります。ところが、そうはなっておりません。政府のe―Japan計画というのがあります。そこで、学校、図書館、公民館、市役所などを高速、超高速で接続する地域公共ネットワークの全国的な普及について、二〇〇五年度までの実現を目指し、地方公共団体等への支援を行うとともに、都道府県情報ハイウエーと接続することによって全国的なブロードバンドネットワークを二〇〇五年度までに構築するということになっていたはずなんですね。ところが、看板に偽りがあったのではありませんか。政府はうそをついたらいけませんよ。
・・・中略・・・
○大臣政務官(古屋範子君) 地理的情報格差の御質問にお答え申し上げます。
地理的な情報格差、いわゆるデジタルディバイドの是正につきましては、総務省といたしましても喫緊かつ重大な課題であるという認識を持っております。これまでも、民間事業者支援、市町村に対する国庫補助、地方財政措置を講じてきたところでございます。
委員厳しい御指摘がございました地域公共ネットワークにつきましては、二〇〇五年七月現在で都道府県を含む全自治体のうち七一・六%の整備済みとなっております。したがいまして、e―Japan計画等での目標に掲げました二〇〇五年度中の全国整備の目標達成は実情は困難であるという見込みが出ております。
このために、先般策定されましたIT新改革戦略において地域公共ネットワークの全国整備を引き続き目標として掲げた上で、地域イントラネット基盤施設整備事業による支援を引き続き実施するほか、新たに昨年度からICT基盤整備事業を過疎地域自立促進重点事業の対象に加えまして、過疎対策事業債により重点的に支援いたしますとともに、さらに今年度から条件不利地域におきまして、地域の特性に応じたICT基盤の整備に取り組む地方公共団体を支援いたします地域情報通信基盤整備推進交付金を創設するなどして、目標達成に向け強力に取り組んでまいりたいと考えております。
総務省といたしましても、こうしたデジタルディバイドの是正を図ることで、いつでも、どこでも、何でも、だれでもネットワークにつながることができるユビキタスネット社会の実現を目指しまして、地域経済の活性化、また安心、安全な日本をつくるために今後も様々な施策を講じてまいりたいと考えております。
○岩井國臣君 情報通信の話は、ちょうど財務大臣もおられますので、是非総務省から強力に予算要求して、本当にデジタルディバイドがなくなるようにひとつ、これからはやっぱり高度情報化の時代ですから、地方といえども必要なんですよね。だから、切捨てにならないようにひとつよろしくお願いします。