第179回国会 衆議院 厚生労働委員会 2号

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 きょう、初めての小宮山大臣との議論になります。副大臣当時も、子育てとか雇用、大変前向きな答弁をちょうだいしておりましたので、女性初の厚労大臣ということで期待を申し上げております。

 私、これまで公明党が強力に推進をしてまいりました、医療、介護、子育て支援など、基金事業について質問してまいりたいと思っております。

 本年度で終了する主な基金事業、地方自治体のワクチン接種事業を財政支援するための子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金、あるいは、保育所、放課後児童クラブなどの整備を進める安心こども基金、それから、妊婦健診の軽減を図る妊婦健康診査支援基金、それから、介護職員の賃金引き上げを行うための介護職員処遇改善等臨時特例基金など、いずれも国民生活の安心を図る上から、我が党が力を入れて取り組んできた事業ばかりでございます。

 これらの事業が今年度限りで終了してしまうという時期になっております。地方自治体の方も、来年度予算をどう組んでいくかというところに差しかかってまいりますので、この先、国の方針がどうなるのか非常に不安に思っております。

 これらについて、九月の臨時国会において、山口代表の質問に対しまして、野田総理の答弁は、事業存続への明言を避けられて、基金事業の存続というものはそのとき決断されていないんですね。

 続いての予算委員会では、我が党の松副代表の質問に対して、小宮山大臣から、ワクチンは継続することと、それから、安心こども基金、妊婦健診の検査の支援基金はしっかりと積んでいけるように努力する、そして、介護職員の処遇改善等の臨時特例基金、基金でやるのか、あるいは介護報酬の中でやるのか、しっかりと確保はしていきたいという趣旨の答弁をされていますね。

 来年度の概算要求で、これらの扱いにつきましては、安心こども基金については期限延長等について検討する、妊婦健診についても期限延長について検討する、あるいは、ワクチンの方は予算編成過程で検討する、同じく、介護職員の方も予算編成過程で検討すると概算要求の中には盛り込まれております。

 事業が継続できるのかできないのか政府が決断できない状況では、全国の自治体では非常に今困惑をしております。存続をする、この結論を一刻も早く明確に出していただきたいと思っております。安心こども基金、妊婦健診について、努力をするという答弁では自治体は動き出せません。自治体が安心して計画が立てられるよう、ここではっきりと存続をすると明言をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、長妻委員長代理着席〕

○小宮山国務大臣 おっしゃいますように、安心こども基金や妊婦健康診査支援基金、さまざまな基金事業というのは、それぞれ本当に大事な施策だということは私もよく承知をしております。そういう意味では、自治体の方が区切り区切りのある基金の中で不安定だということもよく承知をしております。

 ただ、厚生労働省の予算が非常に莫大なものですから、こうやってつなぎつなぎしかできない状況にございますが、来年度も安心して自治体がこうした事業を行っていただけるように、予算編成過程でしっかりと確保をしていきたいというふうに思っています。

○古屋(範)委員 どの事業も今年度で終わりというわけには実際にはいかないものであります。接種をしてきて、あるいは健診をしてきて、今年度で打ち切りました、それでは済まされない事業ばかりですので、これは厚生労働省全体の予算がどうであろうと、それを超えて、大臣、しっかり体を張って確保をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 私も、子供の健康ということはずっと取り組んでまいりまして、この前の八月二十三日の委員会において質問させていただきました胆道閉鎖症のことをここでもう一回触れておきたいと思っております。

 国立成育医療研究センターの松井病院長、またこの患者のお母さんたち、肝ったママ’sという会があるんですが、胆道閉鎖症の早期発見のためのカラーカードを母子手帳に挿入してもらいたいという御要望をいただいております。

 あのとき、ちょうど副大臣が御答弁くださいまして、乳児に日常的に接する保護者自身が乳児の便をチェックするということは、健康管理で非常に重要なことだ、御指摘の便の色のカラーカード、胆道閉鎖症の早期発見について、厚生労働科学研究によりまして一部の地域で試験的に実施をされていまして、その利用方法などが検討されている、厚労省としても、この研究成果を参考にして、母子手帳に挟むという提案、このカラーカードの活用方法について積極的に検討をしたい、このような答弁をいただきました。

 肝ったママ’sのお母さんが副大臣にあのときメールを差し上げたそうで、そのときのお返事も伺っておりまして、このカラーカードについては、母子手帳の改訂のときに、提案のとおり、挟むなど対応がとれるよう検討するよう担当に指示をしました、このような丁寧なお返事があったと私は伺っております。

 九月十四日から、母子手帳改訂のための検討会が行われております。十月七日には第二回が行われたそうでありまして、カラーカードの挿入についても検討が行われたようでございます。挿入すべきという意見と、それから費用の問題、あるいは初産の母には役に立つが、経産婦には要らないのではないか、いろいろな意見が出たそうであります。

 松井先生に伺ったところ、印刷費用、一枚当たり四円から五円というんですね。そのほかの費用としても、十円強かかるにしても、乳児が全体で百二十万人として計算しますと、千二百万円なんですね。一人、二人の胆道閉鎖症の乳児をこのカードで発見することができれば、もし肝臓移植というようなことになれば、一人当たり七百万から一千二百万という高額な医療費がかかり、簡単にこれを超してしまうわけでありまして、費用の面でも挿入した方がよいということが言えるかと思います。

 また、経産婦には効果がないという意見ですけれども、やはりいろいろな統計を見ますと、第二子以降の便の色を正しく見分けることが果たしてできるかどうかということも言い切れないということでありまして、ぜひこうした現場の方々の御意見も伺いつつ、このカラーカードを母子手帳に入れるよう御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 委員が何回も繰り返し御指摘をいただいておりますこの便色のカラーカードによる胆道閉鎖症の早期発見につきましては、厚生労働科学研究によって一部の地域で今試験的に実施をされていると思います。

 そして、母子手帳に関する検討会で、十月七日の検討会の中で、委員の方からも、この便色カラーカードを母子健康手帳に盛り込むなどして普及を図ることが適当という御意見がございました。そして、成育医療センターの専門家の方々も私のところへお見えになって、その実物も見せていただきました。

 それで、これは、この検討会の報告も踏まえまして、母子手帳に盛り込むなどの方法で、この普及をどうやって具体的にやったらいいかを今検討しているところなんです。

 ただ、これは、やり方が、ここにとじるのか、とじるとまたその費用がかかるとか、張るのか、あるいは配るのかとか、いろいろなやり方がございまして、御承知のように、市町村がそれぞれにやる事業なものですから、おいでいただいた専門家の方からも、そこの便色の印刷の精度ということも重要だということもありまして、今、どのような方法でやるのがいいかという方法論の検討をしておりますので、これは母子手帳に何らかの形でつけ加えることができるように今やっているところです。

○古屋(範)委員 挿入することはほぼ決定をして、あとはどのように進めていくか、方法論に入っているということでありますので、大変ありがたく思います。昨日も横浜に、既に行っておりますけれども、このカラーカードで胆道閉鎖症を早期発見できたという事例があると伺ってまいりましたので、早急に実施をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また先ほどの基金事業の話題に戻っていきたいと思います。

 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金についてでございます。これはやはり、年々の基金ではなく、このワクチンは定期接種化に踏み切るべきだというのが私の意見であります。

 当委員会で六月十五日に細川大臣にも訴えたんですが、改めて小宮山大臣にも要望しておきたいと思っております。

 昨年の十月六日の予防接種部会におきましては、Hibワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン、そしてこのHPVワクチン、予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべきだという意見書が出されております。これからもう一年がたってしまったんですね。医学的、科学的観点からの専門的な検討はもう十分に行われていると思います。あとは決断だけだと思います。

 これを実現するために、予防接種法の第二条第二項九号に、「前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」とあります。これを適用すれば、すぐにでも定期接種できるわけなんですね。特例基金が切れる来年度以降は一類の定期接種とするのがベストだと考えております。

 大臣が、予防接種制度については制度全体の見直しに向けた検討を進めるとおっしゃっていますけれども、もう検討は十分に行われてきたと言うことができると思います。

 この三ワクチンの定期接種化、ぜひ平成二十四年度から実現をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、この予防接種法の位置づけにつきましては、もう十分に議論されているはずとおっしゃいましたけれども、今その制度の見直しについて、昨年から厚生科学審議会の予防接種部会で議論を進めているところです。

 この議論を踏まえまして、九月二十九日の予防接種部会に厚生労働省から、この三ワクチンについては、二十四年度以降も円滑な接種が行われるよう、今後の定期接種への移行を視野に入れながら検討するという具体的な検討案をお示しいたしました。

 引き続きその方向で、移行することを視野に入れということですから、移行する方向で議論を進めていきたいというふうに思っているところです。

○古屋(範)委員 視野というのがどの辺の距離感なのか。遠い先の視野に入っているのか、あるいは本当に二十四年度スタートできるのか。これは速やかに進めていただきたいと思います。

 先ほどから子ども手当の議論もございますが、現金給付よりも、ワクチン接種というのは子供の命に直接届くものでありますので、これこそ私は本当の意味で子供の生命を守るための予算だと思いますので、こういうところにこそ予算を確保していっていただきたい、このように思います。

 さらに、いつもこの件については何度も質問しておりまして恐縮なんですが、不活化ポリオワクチンについてきょうも触れておきたいと思います。

 この不活化ポリオワクチンへの円滑な移行、迅速かつ円滑に導入することに向けて、四種混合、また単独の方も最速のスピードで承認をしていただきたい、できれば、私は緊急輸入をしてほしいということで、当委員会で六回ほど質問をしております。緊急輸入の方は、厚労省は絶対的に拒否をされていまして今日に至っているというところであります。

 しかし、不活化ポリオワクチンの承認ができるまでは、急いでも来年度末と言われていまして、一年以上待たなければいけない。この間、生ワクチンを使い続けるという不安は消えておりません。

 不活化ワクチンに切りかえる方針を示している中で、生ワクチンに不安を抱いて、不活化を待ってしまおうということで、接種を控える動きが広がっております。これは十四日の検討会で示された数字なんですが、この春、生ワクチンを接種した子供が昨年の春よりもマイナス一七・五%ということで、これだけ減少してしまっております。

 ワクチンを接種しない子供がふえますと、乳児全体の免疫力の低下というものが懸念をされて、流行が起きるかもしれないという危険性があるんですね。ポリオに感染する危険性のあるワクチンをそのまま使っている国の対応は、やはり余りに遅いと思います。生ワクチンを接種するにしても発症の不安がある、しかし、不活化にしても、どちらにしても迷いと不安があるわけです。

 導入が予定をされております不活化の方のワクチン、昭和五十七年に発売をされて、今九十一カ国で承認をされているものなんです。二億三千万本が出荷をされて、いわばもうこっちの方が世界の主流なんですね。国内でも広く使用されていて、これ以上のエビデンスはないと思っております。

 不活化ワクチン、一刻も早く進めるために、国内産のワクチンが承認をされるまでの間、不活化ポリオワクチンを緊急輸入すべきだ、私はこのことをきょう再度訴えていきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 これはやはり、不活化ポリオワクチンに早く切りかえるべきだということは、副大臣のときにも、委員にも何度もお答えをしてまいりました。

 確かに、切りかえるという決定が、ずっと検討されてから随分長くかかっているということは事実だと思いますけれども、これを切りかえるという方針をこの政権の中で決めて、今、国内では、不活化ポリオワクチンを含む混合ワクチンの開発を進めているところです。ことしの末ごろから順次薬事承認申請が出される予定です。それから、海外からも今年度末ぐらいには申請が出るというふうに聞いています。

 それから、今までですと、大体一年間承認にかかるんですが、PMDAのところの人数をふやしたり、なるべく迅速化をということを言っておりますので、そこをなるべく速やかにということを今言っているところでございますので、可能な限り早く不活化ワクチンを導入できるように取り組んでいきたいというふうに思っています。

 ただ、一方で、今委員がおっしゃいました外国の不活化ポリオワクチンを緊急輸入して使用するということは、やはり国内の臨床試験のデータが確認できないなどということから難しいというふうに思っています。

 そうした中で、海外で、中国を初め今もポリオが流行しているので、不活化ポリオワクチンは本当に全力を挙げて早く導入できるようにしていますが、それまでの間は現在の生ワクチンを接種していただくように、色刷りのチラシなどもつくりまして、わかりやすく、私のところでも文章をチェックして、保護者の方にわかるように今周知を図っているところでございます。

 一刻も早くできるように、最大限努力をしたいと思います。

○古屋(範)委員 現在の個人輸入している不活化の方は、安全性、有効性が認められていないということでありますが、そういうものを個人輸入で多くの人が接種をしているということは、では、その方々の安全性、有効性はどうなるのか、こういう問題もあわせてあるわけであります。

 神奈川県では、不活化ワクチンを希望する人に提供するという方針を固めています。黒岩知事は、危険とわかっているワクチンを使えと言えるかと言っています。国は対応の遅さを反省し、すぐに承認すべきだ、国が何と言おうと神奈川は断固として実施する、このような県も出てきております。

 国際機関のGAVIアライアンスというところがあります。ここは発展途上国にワクチンの支援をしている団体であります。昨日、そこのヘレン・エバンスさんという事務局次長とお会いしたんですが、発展途上国に支援をして、新しいB型肝炎のワクチンを初め新しい予防接種も発展途上国に支援をしようとされている。結局、日本が発展途上国よりもワクチン行政が逆におくれてしまうというようなことも起きかねないような状況であります。

 ぜひ一刻も早く、この不活化ワクチンの導入を初めワクチン行政を前に進めていただくよう、小宮山大臣の時代にお願いしたいと思いますので、再度このことを希望しておきたいと思います。

 次に、介護職員の処遇改善についてお伺いをしてまいります。

 二十四年度以降の介護職員の処遇改善を継続するための方策なんですが、一部報道によりますと、介護報酬に含めるというような記事も出ておりました。介護職員の処遇改善、基金の中でやるのか、あるいは介護報酬の中でやるのか、しっかり確保はしていきたいという大臣の御答弁がございました。また、さらに先日の大臣の所信の中でも、「介護職員の処遇改善については、介護人材の安定的な確保に向けて、具体的な方策について年末までに検討していきます。」このようにおっしゃっています。

 大臣としては、この処遇改善をどう考えていらっしゃるのか。来年度以降、引き続き基金事業で対応するのか、あるいは次期報酬改定で対応していくのか、方針が全く見えておりません。これもあわせて、自治体あるいは現場にいる方々も不安に思っているところであります。

 介護に携わる職員の賃金底上げの策として、これは自公政権のときに設けたわけなんですが、処遇改善の交付金、賃金が低いとされる介護職員の収入を月額一万五千円アップするために、約三千九百億、基金として積みました。この交付金が、本年六月で、全国平均八三%の事業所が申請をして、交付をされております。

 平成二十二年介護労働実態調査では、給与引き上げの多くは一時金や諸手当で、継続性には欠けますとはいうものの、交付金申請事業所では、介護職員の平均給与額が約一万五千円アップをしております。また、看護職員、ケアマネジャー等、対象外の職種でも一万円前後は増加をしてきているんですね。介護労働者の入職率が上昇したり、離職率も低下をする、この交付金には一定の効果があったと認めることができます。

 今後も適切な介護サービスを安定的に確保するために、介護労働者を定着させていかなければなりません。そのために、介護職員の処遇改善は極めて重要な課題であります。

 特に、平成二十四年からは、介護職員が二十四時間対応で高齢者宅を訪問する新しいサービス、地域包括ケアシステムが始まって、夜間働く職員の確保もしなければいけないわけですね。そのこともあわせて、どのような形で処遇改善を行っていかれるのか、この点について質問いたします。

    〔長妻委員長代理退席、委員長着席〕

○小宮山国務大臣 おっしゃるように、介護職員の処遇改善は本当に大切なことだと思っています。確かに、処遇改善交付金の中で一万五千円上げて、継続性とかいろいろなことが効果が上がっているということもよく承知をしております。

 ただ、現在の給与引き上げの半数が一時金の支給によるもので、継続性が弱いということも考慮をしながら、どのような方策がいいのかを検討する必要があると思っています。

 今、関係の審議会で御審議をいただいているところなので、交付金でやるのか、あるいは介護報酬の中に組み込むのか、これは、二十四年度の予算編成過程ということは、年末までにしっかりと、いずれかの方法でこの処遇改善が続けられるようにやっていきたいというふうに思っているところです。

○古屋(範)委員 これが報酬改定に含まれるとなりますと、当然、介護保険料にはね返ってまいります。そういうこともあわせて、非常に影響が大きい問題でありますので、これは慎重に検討しながら、また、早急に結論を出していただきたいと思っております。

 また、この処遇改善につきまして、民主党は二〇〇九年マニフェストで介護労働者賃金月額四万円アップということを掲げていらっしゃいますね。

 十月十三日の社会保障審議会介護保険部会では、来年度以降も交付金を続けるために必要な財源について、単年度で約一千九百億円必要であると指摘をした上で、交付金の設置目的は景気対策、平成二十四年度概算要求枠にはおさまらない、また、十兆円を超える震災復興対策が必要な状況で予算措置は現実的かとの論点を提示されております。非常に厳しい現状ではあります。現行の交付金相当額を介護報酬に上乗せしたとすると、二%程度のアップが必要で、国、地方それぞれ約五百億円の確保が必要ということになってきてしまいます。

 この一万五千円だけでも、これを手当てするために五百億円の国庫負担増ということで、六十五歳以上の方の平均月額保険料が、現在四千百六十円のところが、五千円を超してしまうという可能性も出てくるわけなんですね。

 これに対して、民主党の介護保険制度の改革ワーキングチームが、昨年十二月、交付金の継続を求めていらっしゃいます。一方、二〇〇九年民主党マニフェストで、介護事業者への報酬を加算して、介護労働者の賃金を月額四万円上げると公約をされています。平成二十四年度にこの公約を完全実施するとの工程表も御丁寧に示されております。この約束を果たすためには、来年四月には賃金四万円アップに相当する額の事業者への報酬を引き上げなければならないわけです。

 小宮山大臣は、十月二十一日の閣議後の記者会見で、民主党が二〇〇九年の衆議院選で掲げた介護労働者の賃金を月額四万円引き上げる方針について、現在も堅持をされており、目標として否定されたものではないとの認識を示したとあります。ただ、実現に向けたスケジュールについては、東日本大震災の影響などを例に挙げ、延びることはあるとの考えを示したとの報道がありました。

 政権公約の報酬四万円アップ、財源をどのように確保して取り組んでいかれるおつもりなのか。これはもう困難なら、できないということをぜひ認めていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○辻副大臣 今日、日本は高齢化社会を迎えているわけでございますけれども、ますます今後高齢化の進行が予想されるわけであります。やはり高齢者の方々の生活の明るさがいかがなるものか、あるいは、そういった生活を支えていただく若い方々の仕事にかける士気というものがいかほどであるかということは、やはり将来の日本の社会の明るさを示す鏡でもある、このように思うところでございます。

 そういった意味合いにおきまして、この重要な介護保険制度をしっかり支えていただく職員の処遇というものをしっかりと位置づけていかなければ明るい将来が描けない、このように私は考えているところでございます。

 そういった中で、党としての主張もあったわけでございますけれども、今日十分そこに至っていないではないか、その途上ではないかという御指摘は真摯に受けとめさせていただかなければならないわけでございますけれども、先ほど来御指摘いただきましたように、予算措置による処遇改善交付金という形でいくのか、あるいは介護報酬の枠組みに組み込んでいくのかというそれぞれのやり方があり、今審議されているところでございます。

 いずれにいたしましても、現場の職員の方々、現場にお届けしなければ意味がないわけでございまして、そういった見地からも、これから本格的に議論を重ねて、予算編成過程において集約をしていきたい、このように思っているところでございます。

 そして、委員御指摘のとおり、本当に財政が厳しい状況の中で、いずれにいたしましても、財源確保は本当に血のにじむ努力と言っても過言でないほどの努力が必要になるわけでございますけれども、しかし、そういった状況にあっても、今申しましたような気持ちを込めて、介護職員の方々の処遇改善につながる財政措置を図るように取り組んでいきたい。そして、四万円ということを目標にさせていただいている、そこに近づけるように頑張っていきたいと思っております。

○古屋(範)委員 今政権をとられて、野党の時代とは違います。ぜひ、現実の中での本当に実現をする制度設計を示していただきたい、このように思います。それは、景気のいい数字を挙げればいいというものではありません。ぜひ実現可能な制度設計、それをどのように、いつ行うのか、これを国民が納得するような形でお示しをいただきたい。不要なマニフェストを見直し、副大臣おっしゃったように、ここは非常に大事な分野、必要な分野なわけですので、最大限努力をして、ここの財源の確保をしていただきたいと思います。

 次に、東日本大震災関連について質問をしてまいります。

 震災では介護従事者も被災をし、そんな中、本当に献身的な努力で高齢者を介護してきていらっしゃいます。今後も適切な介護サービスを安定的に確保するために、介護労働者を定着させていかなければならないわけであります。仮設住宅における介護サポートについて、この拠点整備について質問してまいりたいと思っております。

 七月十一日に、被災地で初めて宮城県岩沼市で仮設住宅の介護等のサポート拠点ができまして、ここへ視察に行ってまいりましたけれども、若い青年海外協力協会が担って、仮設住宅を巡回しながら非常に頑張っていらっしゃいました。

 先日の厚生労働委員会の委員派遣でも、釜石市の平田地区サポートセンターを視察することができました。ここがたしか二カ所目だというふうに記憶をしておりますけれども、やっとここまで来たなというふうに思っております。

 この平田地区のサポートセンター、なかなか時間がなくてゆっくりお話を伺えなかったんですけれども、介護サポートの拠点、そこの仮設住宅も非常によくできていて、いわばモデルとなるような拠点だなというふうに思いました。

 このサポート拠点の設置促進について、何度も委員会で質問をしてまいりました。公明党としても、第一次補正予算の地域支え合い体制づくり事業で現在推進している仮設住宅等における介護サポート拠点の設置を推進して、必要な事業を行うための基金の創設を要望してきました。

 この結果、第三次補正予算においても、介護基盤緊急整備等臨時特例基金百十九億が積み増されるということになりましたけれども、特に被災地では、地域包括ケアの実現に向けて、その実情に合わせて、サポート拠点の運営の一環として、二十四時間の定期巡回とか随時対応サービス、これができれば被災した高齢者にとって非常に安心できる体制だと思います。

 孤独死というようなこともございました。また、健康が悪化をしているという現実もございます。こうした高齢者の健康を守るためにも、サポートセンター拡充に全力を挙げていただきたいんですが、この設置状況、また今後の見通しについてお伺いをいたします。

○辻副大臣 この介護等サポート拠点等に対しまして、古屋委員、また公明党の皆様方からこれまで御指導いただきましたことを感謝申し上げたいと思います。

 御質問についてでございますけれども、被災地における仮設住宅での高齢者の安心した日常生活を支えるため、総合相談、居宅サービス、生活支援サービス、地域交流などの総合的な機能を有するサポート拠点の設置、運営を私どもといたしまして推進してきているところでございます。

 具体的には、委員からの御指摘もございましたけれども、第一次補正予算での積み増し、七十億を積み増しさせていただいて、既に六月二十四日に被災県に全額交付させていただいたところでございますが、それに合わせまして、第三次補正予算での積み増しも九十億程度措置をさせていただこうとしているところでございます。

 このような中でございますけれども、岩手県、宮城県、福島県の三県のサポート拠点につきましては、現時点で八十六カ所程度の設置が見込まれているところでございます。また、現実には、十月七日現在でございますけれども、二十六カ所が開設をされているということでございます。

 厚生労働省といたしましては、このサポート拠点の設置、運営が推進されるよう、委員からの御教示もしっかりと受けとめさせていただきながら、被災県に対する支援をさらに進めていきたいと考えております。

○古屋(範)委員 だんだんと設置が進んできているようでありますけれども、私も公明党の地方議員さんに、ぜひこの基金を活用してサポートセンターを設立してほしいということを呼びかけております。さらに被災地における設置が進むよう、お願いをしておきたいと思っております。

 このサポートセンター、ITなども使って見守り体制を非常に拡充されております。平田地区では、二十四時間、テレビ電話を使って、何かあった場合にはサポートセンターにつながってすぐに看護師が来てくれるという体制をとっております。また、宮城県の名取市では、仮設住宅で暮らす高齢者をタブレット端末で見守るという試みが始まっております。端末のA4判ほどの画面に非常事態を伝える緊急という表示があって、触れるだけで緊急通報ができるとか、さまざまな機能がついているものを使っている地域もございます。

 また、これは雇用の方なんですが、岩手県の北上市が、被害の大きかった大船渡市の仮設住宅の運営を支援する事業を九月から始めています。これは、民間に委託をして、仮設住宅の見守りなどなんですが、報酬を得て、働く体制を徐々につくっていく、こういう取り組みも始まっております。被災地である大船渡の雇用を創出するとともに、仮設住宅に入居している人が相談できる支援員をつくることにもつながっております。

 こうした体制整備、先ほどの介護基盤緊急整備等臨時特例基金百十九億円に加えて、緊急雇用創出事業臨時特例基金二百二億が使えるものと認識をしておりますが、これも被災地にぜひ重点配分をしていただきたいと思っております。この予算の確保をしっかりしていただきたいと思いますけれども、この点はいかがですか。

○牧副大臣 介護基盤を充実させていくということが、ひいてはまた雇用の基盤もつくっていくという事例を今御紹介いただいたと思います。雇用の観点から、基金の積み増し等ももちろん行っていかなければならないと思っております。

 被災された方の生活の再建のために、地域で雇用の場を確保するということは重要な課題と考えております。先ほど御指摘をいただいた事業を含めて、雇用創出基金事業を活用した、仮設住宅等での見守りや生活相談、地域の安全パトロールなどの事業によって、被災三県を含む全国で、既に二万五千七百九十一名が雇用されております。

 また、これから三次補正においてお願いをしてまいるのが、これはもちろん円高への対応等も含んでおりますけれども、重点分野雇用創造事業の震災対応事業の拡充、延長に二千億、さらに積み増しをお願いする予定でございます。

 さらに、仮設住宅の高齢者等のコミュニティーづくりなどにも活用できる介護等のサポート拠点や生活支援、地域交流等を支援するための地域支え合い体制づくり事業について、第三次補正予算においても九十億の上積みを計画いたしております。

○古屋(範)委員 済みません、時間がなくなってまいりました。最後の質問に参ります。ドクターヘリの運航事業費の確保についてお伺いいたします。

 私たちもドクターヘリを推進してきました。今回の大震災においても十八機が被災地で活躍をいたしました。このドクターヘリ事業なんですが、八月三十一日に、厚生労働省から各都道府県あてに「平成二十三年度医療提供体制推進事業費補助金の交付について」という事務連絡が行われました。平成二十三年度事業計画を審査した結果、今年度においては補助所要額が予算額を超えたために、予算額におさまるよう金額の調整を行っており、別表の内示額を上限として事業計画を見直し、交付申請するようお願いする、このような通達が行われました。総額が一五%程度減額されたというふうに聞いております。

 この全体の事業、救急医療ですとか周産期等々、どれも命に直結した事業内容でありまして、途中から、予算を超えてしまったからといって、要請があったのにドクターヘリを飛ばせません、そんなことはできないわけですね。ですので、確かに予算、財政は厳しいわけなんですけれども、既に年度初めに計画を立てて申請をして計画が実行されているものを途中でやめろというのは、自治体に非常に計画の変更を強いることになると思っております。

 ドクターヘリを安全運航するために、この事業計画を見直さずに済むよう、他の予算を充ててでもぜひこの確保をお願いしたいというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○藤田大臣政務官 今委員の方から御指摘がございましたように、この医療提供体制の推進事業費、予想をオーバーいたしまして、予算額を超過して、六十九億円ほど超過をしてしまったということでございます。

 そのために、八月三十一日に事務連絡を出しまして、金額の調整、事業計画の見直しもお願いしたわけでございますが、今委員の方からお話がございましたように、それぞれの事業、大変重要な事業でございますので、交付する補助金については、都道府県の判断で、各事業間で融通できるような仕組みというものもとったところでございます。

 実施の優先順位というものを御判断いただいて、事業間での交付金の融通をしていただきながら取り組んでいただきたい、このように考えているところでございまして、今後、都道府県からのいろいろな御相談にも厚労省としては応じてまいりたいと思っております。

 大変厳しい財政状況でございまして、この予算の確保については、これからもできる限りしっかりと努力をしてまいりたいと思っております。

○古屋(範)委員 時間ですので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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