ノーベル賞受賞の山中伸弥教授の講演会を開催

党再生医療推進プロジェクトチーム(渡辺孝男座長・参院議員)で、ノーベル賞を受賞された、京都大学の山中伸弥教授をお招きし、講演会を開催しました。iPS細胞研究の進展。特に、さい帯血はiPS細胞ストックの理想的なソースであり、保存から10年以上経過したもの、有核細胞数が8億未満のものを利用したい、また、提供者の再同意の課題を克服することが早急に必要であると述べられました。
研究の促進のため、この問題を乗り越えるルールを作り、財政支援、そして、再生医療を促進する「再生医療推進基本法」の成立へ、全力をあげる決意を深くしました。

(以下、2012.10.19付 公明新聞より引用)

【ノーベル賞の山中教授が講演/移植可能なiPS早く/ストック実現へ さい帯血の転用が必要/党再生医療PT】

公明党の再生医療推進プロジェクトチーム(PT、渡辺孝男座長=参院議員)は18日、衆院第2議員会館にiPS細胞=語句解説参照=の研究・開発で今年のノーベル医学・生理学賞受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授を招き、iPS細胞の可能性と今後の課題に関する講演を聞いた。
 あいさつした山口那津男代表は、山中教授のノーベル賞受賞を祝福し、iPS細胞には幅広い応用と人類全体への大きな貢献が期待されていると強調。新たな研究への資金投入など、政府は最大限に支援すべきだとした上で、「再生医療が広がりを見せる中で法的な整備を進展させなければならない」として、再生医療基本法案の制定に意欲を示した。
 山中教授はこれまでの研究で、iPS細胞から神経細胞や心筋細胞などを作製し、パーキンソン病や心疾患、脊髄損傷などに対する臨床研究が近く始められる見通しを示した。
 また、白血病などの治療に有効な、さい帯血からは良質なiPS細胞が作られると説明。多くの人が使えるiPS細胞をあらかじめ用意しておく「iPS細胞ストック」の実現へ、さい帯血が持つ可能性に言及。さい帯血が保存から10年で廃棄されることを指摘し、「さい帯血という宝の山を、iPS細胞という違う形で患者のために使わせてもらいたい」と訴えた。
 さらに山中教授は、iPS細胞の研究で日本は世界のトップを走っていると強調。「何としても移植可能なレベルのiPS細胞第1号を作らなければならない」と力説した。
 一方、さい帯血移植の保険適用などを公明党とともに推進し、今回の山中教授招聘にも尽力したNPO法人さい帯血国際患者支援の会の有田美智世理事長は、「さい帯血を有効利用できる知恵を出してほしい。それが山中教授の研究をさらに発展させられるかどうかの分かれ道だ」と主張。治療に役立つiPS細胞ストックの実現を、市民が連携して応援したいと述べた。
 『iPS細胞』
 人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)の略称。さまざまな細胞に変わる能力を持つ万能細胞で、再生医療などへの応用が期待される。難病患者から細胞の提供を受け、iPS細胞を作り解析すれば、発症原因や治療法の発見にもつながる可能性がある。受精卵を利用するES細胞(胚性幹細胞)の倫理的問題点も解決できるので、治療への応用が早まると期待されている。
 ただ、iPS細胞による精子と卵子の作製など、新たな倫理的問題も指摘されている。

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