公明の主張が反映 税制・予算案 認知症地域で支える(公明新聞 2016年2月5日付)

初期支援チームを3倍に拡充
「認カフェ」やサポーター養成も

認知症は、早期診断と対応が症状の軽減などにつながる。2016年度予算案には、国が15年1月に策定した「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に基づき、認知症の人や家族などをキメ細かく支える施策が盛り込まれた。

国の推計では認知症の高齢者数は25年に最大730万人、高齢者の5人に1人の割合に達するという。また、14年に行方不明の届け出がされた認知症の人は1万783人、うち168人(昨年6月時点)は行方不明のままになるなど社会問題化している。

こうした状況を踏まえて16年度予算案では、認知症に気付いた本人や家族などから相談を受け、医師や看護師らが自宅を訪ねてサービスを提供する「初期集中支援チーム」について、現在の316カ所から約3倍の911カ所に拡大する。18年度には同チームを全市区町村(政令指定都市の行政区含めて1896カ所)に設置する方針だ。

また、認知症の専門医や臨床心理士などのスタッフ、検査機器が整い、関係機関とも連携する、地域における治療の拠点として、「認知症疾患医療センター」を現在の366カ所から433カ所へ増やす。併せて地域で医療機関などとの連携や相談を支援する「認知症地域支援推進員」も配置する。

認知症の人の在宅生活を孤立させない観点から、認知症の人や家族などが交流する「認知症カフェ(認カフェ)」の設置や、認知症を正しく理解して地域で支える「認知症サポーター」養成を進める。

公明は具体策示し認知症対策進める

公明党は、住み慣れた地域で医療、介護、生活支援などのサービスを提供する「地域包括ケアシステム」の構築を進め、同時に認知症の人やその家族を支える国家戦略と施策の重要性を重ねて訴えてきた。14年7月には新オレンジプランに向けて政府に提言を行ったほか、昨年8月には厚生労働省への予算概算要求重点要望では、認知症対策の拡充を主張していた。

党厚労部会長の古屋範子副代表は、「認知症の人の意思を尊重するためにも初期集中支援が重要だ。公明党は、先進事例を視察し、有識者の声を聞き、具体策を提言や国会質問で訴えてきた。認知症の増加は、日本の大きな課題だ。引き続き、取り組みを加速させていきたい」と語っている。

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