女川町「こころのケア」研修事業に参加

宮城県女川町で開催されている「傾聴ボランティア養成研修(聞き上手ボランティアさん養成研修会)」に参加しました。14名の方が参加されており、「女川町のこころの健康づくり」について女川町健康福祉課 佐藤由里技術補佐から説明がありました。そして、国立精神・神経医療研究センター 大野裕 認知行動療法センター所長が「悩みを理解する」と題して「うつ病」について基本的な講義を、大変わかりやすく行って下さいました。同センターの田島美幸先生は、ロールプレイで傾聴を体験する演習をして下さいました。私も挑戦してみました。参加者は「高齢者の話を聞けるように勉強したい」「家族の・地域の立場を受け入れられるように勉強したい」など、温かな雰囲気の中で、熱心に研修を受けていらっしゃいました。

(以下、2011.8.26付 公明新聞より引用)

【被災者に寄り添う町づくり/宮城・女川町 こころのケアスタッフ育成/医療、保健、福祉が連携/“聴き上手”な住民の養成も/古屋衆院議員が研修会に参加】

宮城県女川町では「こころのケアスタッフ育成事業」として、住民の悩みに対応する町民ボランティアの養成と医療や保健などの専門職を対象とした心のケアに関する講習を先月から開始。今月24日には、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長の大野裕氏らの担当で研修会を行った。

 基礎ごと倒壊した鉄筋コンクリートのビルが、いまだ横たわる女川町。死者・行方不明者は住民の8・3%に上り、町内の住宅85%超が一部半壊以上となり、43行政区の機能が停止している。
 町では、町内を8地区に分け、今年10月設置予定の「こころとからだの健康相談センター」を軸に町立病院や社会福祉協議会などが連携し、住民の心と体のケアに当たる体制づくりをめざし、今回の事業をスタートした。
 「好きな食べ物は?」「趣味は……」――。「聴き上手(傾聴)ボランティア養成研修会」では、参加者が2人1組になって“声掛け”の演習を行った。身近な人の変化に気付いて話し掛けて相談相手になったり、必要に応じて医療機関などにつなぐ“聴き上手”な住民を増やすのが目的。同町沖の離島・出島で被災し、町内の内陸部で避難生活を送る阿部京子さん(64)は「お茶飲み仲間がいなくなり、新しい土地で人とつながるために来た」と語っていた。
 この後、看護師や保健師、ケアマネジャーなど医療、保健、福祉の専門職を対象に「こころのケアスタッフ養成研修会」を実施。
 鹿児島県精神保健福祉センターの冨永秀文所長は「災害によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)発症率は一般的には10〜15%だが、今回の震災は、それ以上かもしれない。経済問題の解決や福祉制度の申請など生活支援も重要」と述べ、医療と地域生活の橋渡し役の必要性を強調した。
 次いで、認知行動療法センターの田島美幸さんの担当で、悲観的な考え方を修正する認知行動療法で用いる「問題解決シート」を使ったグループ演習も実施。研修を終えた町立病院の看護師、阿部恵美子さん(48)は「被災した患者さんの声掛けに悩んでいたので研修を役立てていきたい」と話していた。
 参加した公明党の古屋範子衆院議員は「女川をモデルに地域で住民の心を支える体制づくりを被災地、そして全国に広げたい」と決意を語っていた。
 『“支え合い”で元気に/認知行動療法センター長/大野裕氏』
 うつ病などの精神疾患は、心が弱いからかかるのではなく、脳機能が影響しているとされる。一方でさまざまなストレスや周囲からの孤立で生じる“人間関係や社会の病気”とも言える。被災地でも薬の処方だけではなく、人の支えが大切だ。
 体と心は密接に関係し、精神的な疲れが体に影響を及ぼす。逆も同じだ。体の不調を訴える人や元気のない人がいたら、まず耳を傾けることだ。悩みを抱える人は心に余裕がなく、周りの人が話を聞くだけでも気持ちが楽になることが多い。ただし、悩みを聞く人は「自分だけで何とかしよう」と思わず、医療機関などの専門家につなげてほしい。
 悩む人のそばに居て耳を傾けるだけでも町や人は元気になれる。

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