女性の力で日本を変えよう!(公明新聞 2011年1月1日付)

(左から)松あきら副代表、中沢けいさん、古屋範子女性委員長

中沢けいさん 作家・法政大学教授
松あきらさん 副代表・参院議員
古屋範子さん 女性委員長・衆院議員

中沢 ゆとり持ち男女が家庭生活を楽しめる社会に
お母さんが明るければ家族が、社会が元気に
古屋 地域密着の課題を解決していくのが地方政治

2011年の「新春てい談」は、子育てや親子関係に造詣の深い作家で法政大学教授の中沢けいさんをゲストに招き、松あきら副代表(参院議員)、古屋範子女性委員長(衆院議員)が、子育て、仕事と生活、家族、地方政治の役割などについて大いに語り合いました。

松あきら副代表、古屋範子女性委員長 明けましておめでとうございます。

 きょうは、中沢けいさんにお会いできるのを楽しみにしてまいりました。

中沢けいさん おめでとうございます。私の住む地域でも公明党の女性議員が頑張っていますよ。地方議員で一番頼りになるのは公明党の議員さんです。どんな人の言葉にも丁寧に耳を傾けて、誠実に対応してくれます。

小さな問題も丹念に取り上げてくれ、国政に反映させてくれるところが素晴らしいですね。

 ありがとうございます。多くの女性に喜ばれている乳がん・子宮頸がん検診無料クーポンも神奈川県平塚市の議員からの相談がきっかけでした。

古屋 公明党はネットワーク政党です。3000人の地方議員のうち3分の1が女性議員です。昨年、党女性委員会のプロジェクトチームを四つに再編しました。さらに国民のご期待に応えられるよう、さまざまな課題に取り組んでいきます。

中沢 それは頼もしい限りです。国政も大事ですが、地方政治も大事ですね。待機児童が多くて保育所が少ないとか、高齢者世帯ばかりで介護施設を充実しなければならないとか、地域によって力を入れるべき課題が異なっています。

古屋 まさに、そうした生活に密着した課題を解決していくのが地方政治の役割です。行政は地域にマッチ(適合)したサービスを提供していかなければなりません。

 一方で、補助金を得るために必要でない施設まで造ってしまう自治体も見られます。

中沢 体にあった洋服を作るのではなくて、洋服に体を合わせなさいと言っているようなものですね。

ある家では食事をちょっと贅沢に、ある家では洋服にお金を掛けるというふうに、家によってお金の使い方が違います。同じように、地域によっても特色あるお金の使い方があってもいいと思います。そういうことができるようにするのが地方分権だと思います。

古屋 中沢さんは、仕事をされながら、シングルマザーとして二人のお子さんを育ててこられました。子育て対策として何が一番必要だと思いますか。

中沢 子育ての問題で深刻なのはやはり保育所の整備、待機児童問題だと思います。

 今、待機児童は全国で2万6000人を超えています。小泉首相時代に、公明党の提言を受けて政府は待機児童ゼロ作戦を掲げましたが、いまだに待機児童は増え続けています。

中沢 待機児童対策は、女性が仕事を持ちながら子育てをするために必要なサポート(支援)です。それは結局、男性へのサポートでもあると思っています。

古屋 そうですね。女性が社会に進出し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が進めば、働きずくめの男性も家庭と仕事を両立できて、今よりゆとりのある生活ができるようになるでしょう。

中沢 待機児童を解消して、男性も女性も仕事以外の家庭生活を、ゆとりを持って楽しめるような生活スタイルになっていくのが望ましいと思います。

古屋 しかし、現実には、子育て世代の父親の労働時間は少しずつ延びています。経済が厳しい状態ですが、日本も発想を変えないといけませんね。

中沢 そうです。むしろ経済が厳しいからこそ家族で過ごせる時間を作るべきです。親子でレジャーを楽しめば消費が伸びます。発想を変えてお金の使い方を変えましょう。

古屋 まだまだ“仕事か子どもか”の選択を迫られるような現状です。仕事と生活の調和が図れれば、持ちたい人は子どもを持てる環境へと改善できるのではないでしょうか。

中沢 もう一度“何のために働いているのか”を見詰め直す時ではないでしょうか。家族が楽しく暮らすために働いているはずなのに……。

 それがいつの間にか本末転倒してしまって、家族を犠牲にし、自分の時間を犠牲にして働いています。

父親は不在、子どもは遅くまで出歩いている。家でのそれぞれの役割が不明確になるにつれ、家での人間関係、絆が希薄になってしまっています。そこから不幸な事件も起こってきています。

中沢 家族間の関係を深めるためには、一緒にいる時間を増やすことです。長く一緒に居れば情も深まるものです。血縁関係があるなしにかかわらず、共に過ごす時間は大切ですね。

家族や友達が楽しく一緒に居られる時間を持てるような政策を公明党には実現してもらいたいと思います。

 お母さんが明るければ家庭が楽しく明るくなります。女性が元気で活躍できる社会は元気な社会になります。

中沢 女性がおしゃれをしたり、和やかに楽しそうに暮らせない社会は良い社会ではありません。私は早晩滅びていく社会であると思っています。

こうした課題に挑戦できるのは生活に根差した視点を持っている女性議員なのではないでしょうか。

古屋 女性が幸せになれる社会こそ、めざすべき社会だと思います。

 子どもと女性の笑顔が輝く社会をめざして、女性のパワーで日本を変えていきましょう!

党女性委員会の4プロジェクト

公明党女性委員会は、四つのプロジェクトチーム(PT)を中心に女性政策の充実に取り組みます。

【教育・文化PT】

人格形成の土台である教育と、文化・芸術の発展へ向け、(1)子どもの読書運動のさらなる普及(2)学校教育における本物の芸術に触れる機会、嗜む機会の創出(3)民間美術館への支援を重視した美術品国家補償制度の推進(4)「児童虐待防止法」の見直し—などが柱です。

【子ども・若者支援PT】

全ての子ども、若者の健全な成長をめざし、(1)薬物乱用防止教育(2)インターネット利用におけるモラル教育、電子黒板などの導入によるICT(情報通信技術)教育環境の整備(3)デジタル教科書などによる発達障がい児への支援(4)保育ママ事業—などを推進します。

【健康・医療PT】

生涯にわたる女性の健康を支えるため、妊婦健診の公費助成の恒久化や、産後うつ対策の推進。高齢単身世帯を支える地域ネットワークの構築。乳がんや子宮頸がんの検診は、一層の受診率向上のため、検診の公費助成や無料クーポンの継続を訴えていきます。

【平和・環境PT】

「地球的視野に立って考え、足元から行動する」を掲げ、環境分野では「低炭素社会」の実現に向けた先進事例を精力的に視察し、情報を発信していきます。平和分野では、発展途上国の女性や子どもの支援、地雷除去などを行うNGO(非政府組織)などの活動を積極的に応援します。

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