日韓関係深化へ確かな一歩(公明新聞 2015年10月11日付)

尹外交部長官(右端)と会談する山口代表(中央右)、古屋副代表(同左)、遠山国際局長(左端)


活発に国会、政党間の交流も
首脳会談を機に「改善」進め、両国間の

課題解決へ共に努力

山口那津男代表、古屋範子副代表、遠山清彦国際局長ら公明党訪韓団は7~9日、韓国・ソウルを訪問。朴槿恵大統領と会談したほか、国会、政党間の交流を重ね、日韓関係の改善と深化へ活発に意見交換した。山口代表の訪韓は、2010年11月以来で約5年ぶり。一連の日程を終えた8日夜、山口代表は同行記者団に訪韓の成果について語り、5年前に比べて悪化した両国間の関係や国民感情に対し「両国の政治家が改善に努力しようとしている」と指摘。「ベクトルの向きが変わってきている。この機運を大切にしなければならない」と強調した。

山口代表は出発前、今回の党訪韓団の目的について「与党として関係改善を図る役割を果たしたい」と強調。今月末にも3年ぶりとなる日中韓3カ国の首脳会談が韓国で開催される見通しであることを踏まえ、このタイミングを生かし、日韓両国の関係改善を進めたいとの強い決意で臨んだ。

山口代表と朴大統領の会談は8日午前、大統領府「青瓦台」で約25分間にわたって行われた。

山口代表は、安倍晋三首相から託された親書を手渡し、首相の言葉を伝えると、朴大統領は「日中韓首脳会談を実現したい。安倍首相の出席を期待し、楽しみにしている」と語り、2人は日中韓首脳会談を機に、日韓両国の関係改善が進むよう期待するとの認識で一致。さらに山口代表は、この機会に日韓2国間の首脳で「話し合いの場が実現することを期待する」と述べた。

また、朴大統領は両国関係をめぐる課題として、従軍慰安婦問題、在日韓国人を差別するヘイトスピーチ(憎悪表現)問題などに言及。山口代表は、日韓双方が課題解決に努力し、「(その成果を)実現させるという強い政治的な意思が必要だ」と力説した。

訪韓団は8日夕、韓国外交部を表敬に訪れ、尹炳世外交部長官(外相)と会談した。

山口代表は、国交正常化50年を迎えた日韓関係について、「(今年の)残り3カ月努力して、長い間にわたる友好関係の礎を築きたい」と強調。日中韓首脳会談の成功に向け、「与党の立場から環境を整えるため尽力したい」と力説した。これに対し、尹長官は「公明党には、韓国として信頼を持っている。3カ国の首脳会談が成功するよう、あらためて山口代表の協力をお願いしたい」と述べた。

このほかにも訪韓団は8日、鄭義和国会議長、金武星セヌリ党代表、徐清源韓日議員連盟会長、南景弼・京畿道知事らと相次いで会談し、国会交流、政党間交流を深めた。

会談では、韓国側から両国関係の懸案として、慰安婦やヘイトスピーチ問題が挙げられたほか、安倍晋三首相の戦後70年談話に関して、近隣諸国への配慮を求めた公明党の対応や役割に高い評価が寄せられた。山口代表は「日韓両国が未来に向けて協力し合い、好ましい関係と協力の実績を築きたい。今回の訪韓団がその一つの歩みになることを望む」と語った。

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