第200回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会-3号

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 衛藤大臣、御就任、大変におめでとうございます。本日は、所信に対する質疑を行ってまいりたいと思います。

 まず、このたびの災害関連の質問からしてまいります。

 この相次ぐ台風によりまして亡くなられた方に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。全国からの関係機関の支援、またボランティアの皆様にも心から御礼を申し上げたいと思っております。

 昨年の西日本豪雨に続きまして、このたびの十五号、十九号、二十一号と、千葉を始め東日本全体に甚大な被害をもたらしました。私は神奈川に住んでおりますけれども、やはり家が古いもので、十五号で相当雨漏りがいたしました。犠牲者の方が全体で九十名、いまだに二千八百人の方々が避難所生活を余儀なくされております。

 一昨日、私も千葉に行ってまいりました。市原、また長柄町の被害現場に行ってまいりました。住宅被害、そして農業被害、竜巻の被害もございまして、大変甚大な被害をこうむっております。河川の氾濫、それから土砂崩れ、浸水、広域で相当な雨の被害が発生をいたしまして、停電も長く続きました。台風のとき、風速五十七メートルという記録的な暴風に見舞われまして、いまだに復旧は途上というところでございます。

 それに対しまして、生業、生活再建に対するパッケージがこのたび発表となりました。地元に確実にそれが届くように、活用できるように、ぜひとも御努力をいただきたいと思っております。

 災害の折に、大規模災害等が発生すると、点検商法、便乗商法、災害に関連した消費者トラブルが多く発生をいたします。過去には義援金詐欺というのもありました。

 国民生活センターによりますと、台風の後片づけをしていたら業者が来て、損害保険を使って無料で雨どい修理ができる、経年劣化で壊れたものも保険でできるというふうに言われた、かなり不審である、また、雨どい等が壊れて外壁も剥がれて、火災保険で修理できるという業者が突然来て、保険請求手続の代行と住宅修理を依頼したが、これはやめた、あるいは、屋根瓦がずれて、見積りをとるというので業者を呼んだところ、屋根にビニールシートをかけられ高額な作業料金を提示をされた、仕方なく支払ったけれども納得ができない、このようなトラブルが続いております。

 私も、千葉の地元の議員からも、高額な請求に遭ったという事例をきのう、おとといも聞いてまいりました。

 こうした、台風被害に遭って、更にその後消費者被害にも遭ってしまって、追い打ちをかけるような事例がございます。相談件数が増加をしていると聞いております。

 消費者庁から、今回の一連の台風、豪雨災害により寄せられた消費者生活相談の被害状況について御説明をお願いします。

○坂田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の台風関連で寄せられた相談は、十一月十一日時点で、十五号関連が千四百二十一件、十九号関連が五百五十五件となっております。

 内容といたしましては、被災した住まいを訪問する事業者から持ちかけられる家屋修理等の見積りに関する相談や、不審な義援金募集の呼びかけに関する相談などが寄せられているところでございます。

○古屋(範)委員 かなりの件数が寄せられているということでございます。

 国民生活センターでは、十一月一日から、今回の台風、大雨の被災地を対象として、消費者トラブルの相談を受け付けるフリーダイヤルを開設されています。

 消費者被害防止に係る取組、さらに、ウエブサイトにおける注意喚起の内容も更新、地方公共団体とも連携をして、消費者ホットライン一八八、イヤヤンの周知を進められているということを聞いております。

 こうした注意喚起、ホットラインの周知、クーリングオフの対応などについて、特に、今回の被害も、過疎地、独居老人が多い地域もございます。PCとかスマホを使わないという方も多いわけでありまして、やはりそこは対話などにより丁寧な対応が求められているところでございます。

 被災地で起きているこうした消費者相談への対応、自治体とも相談の上でしっかりと取り組んでいただきたいと思います。大臣の御答弁を求めたいと思います。

○衛藤国務大臣 災害に便乗した悪徳商法を防いでいくためには、今お話がございましたように、被害に遭わないための情報を消費者に着実に届けるとともに、切れ目のない消費生活相談の体制を確保することが不可欠です。

 そういう中で、従来の消費者ホットライン一八八(いやや)や架空請求に対する注意喚起のほか、今お話しいただきましたように、今月一日から、今般の台風等の被害地域を対象として、通話料無料で相談を受ける令和元年秋台風関連消費者ホットライン、〇一二〇―四八六―一八八、「しんぱいむよう いやや」を開設したところでございます。

 また、地方公共団体においても、独居高齢者あるいは障害者を始めとする消費者の見守りを強化する観点から、見守りネットワークの構築を進めているところであります。各地域地域において、福祉関係で頑張った方々のところにそれをお願いしながら、見守りネットワークを重層的につくり上げていこうということで今頑張っているところでございます。

 今後とも、被災者からの相談の状況や被災自治体のニーズをきめ細かく把握しながら、御指摘の独居高齢者等の災害弱者への対応も含め、災害に便乗した悪質商法の防止に全力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○古屋(範)委員 今、大臣からさまざまなお取組を伺いました。ぜひ、今後も消費者被害に対する対応を全力で取り組んでいただきたいと思っております。

 私も、災害対策、防災、減災につきまして、女性の視点から今までも取り組んできたところでございます。

 今回、注目を集めました液体ミルクについてお伺いをしたいと思います。

 この液体ミルク、粉ミルクのように、災害に遭って水が出ないとか、お湯を沸かせない、こういうときにそのまま飲むことができますので、災害時には特に有用であります。必要なビタミン、たんぱく質など、母乳に近い栄養素が含まれていまして、常温で約半年間保存が可能となっております。

 欧米ではこの液体ミルクの普及が進んでおりますけれども、缶であったり紙パックであったり、いろいろな形状で発売されておりまして、容器に直接吸い口をつけられるような、そういう商品もございます。

 この液体ミルク、なかなか製造、販売ができませんで、国とすれば、企業から申請があれば審査をしますということだったんですが、いやいや、待っているだけではなくて、国の方から積極的に促していくことが必要だということで、私も厚生労働副大臣のときに取り組みまして、私たちもこの製造、販売促進をさせてまいりました。

 昨年八月に、厚生労働省が製品の規格基準というものを定めた改正省令を施行いたしました。消費者庁も、乳児の発育に適した特別用途食品として表示する許可基準を定めて、施行されました。そこで、二社から、ことしの三月、生産、販売に至ったわけであります。

 災害時には、どちらかというと、ストレスなどで母乳が出にくくなる母親が多いのではないかなというふうに思います。そうしたときに、こうした液体ミルクは大変便利であります。

 私たちも、公明党の地方議員が、自治体で備蓄をするように議会の側からも働きかけているところでございます。

 そして今回、避難所に災害物資としてこの液体ミルクを輸送していただきました。

 二〇一六年四月に、熊本地震の際、フィンランドから救援物資として液体ミルクが支給され、その必要が認識をされました。しかし、昨年九月の北海道地震の際には、届いた北欧製のミルクが、被災者になじみがなかったということもあり、採用されませんでした。

 まだまだこの認識が深まっていないという現実もあるのではないかというふうに思っております。

 この液体ミルクについて、国民の理解がまだまだ深まっていない中で、災害時に認知不足で活用されないということがないように、子育て世代、自治体、医療機関、関係団体等へ液体ミルクの情報、具体的な活用方法等をわかりやすく解説し、また、防災イベントなどの場を活用いたしまして、普及啓発を図っていただきたいというふうに思っております。

 これに関して、厚生労働省の取組を伺いたいと思います。

○依田政府参考人 お答え申し上げます。

 災害時においては、授乳中の女性にとって、避難所等でのなれない生活環境により心身の負担が大きくなるとともに、断水や停電等により清潔に授乳できる環境が確保できない可能性も考えられるため、委員御指摘のように配慮が必要であると考えております。

 このため、厚生労働省におきましては、本年十月二十五日付で、各都道府県等に対しまして、災害時における授乳中の女性への支援等に関しまして、断水等によりライフラインが断絶された場合においても、水等を使用せず授乳できる乳児用液体ミルクを母子の状況等に応じて活用いただくことをお願いしたところでございます。あわせまして、平時からの対策といたしまして、育児用ミルク等の授乳用品などの母子に必要となる物資の備蓄を進めることをお願いしたところでございます。

 具体的には、災害のために備蓄した育児用ミルクにつきましては、ローリングストックでございますとか、また、防災に関する訓練や啓発活動において、災害への備えとして正しい使用方法等を説明した上で活用することが可能である旨をお示ししたところでございます。

 引き続き、関係省庁と連携しながら、災害時における母子の状況に応じた乳児用液体ミルクの活用等について周知を図るとともに、授乳に関する正しい知識の普及に努めてまいりたいと存じます。

○古屋(範)委員 ぜひ、この液体ミルク、正しい知識の普及啓発に引き続き取り組んでいただきたいと思います。

 次に、レジ袋有料化の義務化について質問をしてまいります。

 近年、プラスチックごみの海洋流出が新たな地球規模での問題となっております。地球温暖化に続く新たな地球環境問題であると思っております。

 こうした中、本年五月、政府においては、プラスチック資源循環戦略を策定し、リデュース、リユース、リサイクル、再生利用と、各方面との目標が打ち立てられました。

 その目標として、二〇三〇年までに使い捨てプラスチック二五%削減、これは海洋プラスチック憲章を上回る目標でありまして、政府としての強い意気込みが感じられるところでございます。

 このプラスチックごみの削減に関して、レジ袋有料化を義務化をしていくということ、この方針が打ち出されました。来年の二〇二〇年七月、商品を持ち帰るレジ袋の原則有料化を目指すというものでございます。世界四十五カ国以上も禁止化、有料化をしており、日本もやっとそれに追いついたということになっております。

 このレジ袋有料化義務化につきまして、十一月一日に取りまとめられ、また公表されましたレジ袋有料化のあり方についてのポイント、また今後のスケジュールについてお伺いをいたします。

○松澤政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘いただきましたレジ袋有料化の取りまとめ案でございますけれども、そのポイントは、消費者が商品の購入に際し商品を持ち運ぶために用いる、化石資源由来のワンウエーのプラスチック製の買物袋を省令に基づく有料化の対象といたしております。一方、今回省令の対象とならない一定の環境性能が認められるものにつきましても、環境価値に応じた価値づけなどを進めていくことといたしております。

 それから、施行時期については、先生御紹介いただきましたけれども、来年七月一日としつつも、先駆けて有料化を実施することを推奨することとしております。

 今後のスケジュールにつきましては、現在実施中のパブリックコメントを経まして、年内には改正省令を公布させていただきたいと考えております。

○古屋(範)委員 幾つかの業界からもヒアリングをいたしましたけれども、日本チェーンストア協会では準備期間がもっと必要だ、あるいは日本スーパーマーケット協会では、もう全てのレジ袋に徹底をしてほしいというような意見もございます。また、業界団体とも調整をしながら、進めていただきたいと思っております。

 そして、このレジ袋の価格です。目的は、レジ袋を減らしていくということだと思います。

 既にスーパーなどで、一枚二円から五円というところが多いんですね。このプラスチックごみのレジ袋というのは全体のプラごみの数%なんですけれども、やはり環境問題を考える、プラスチックごみを削減していくというところで、日常生活の中で、国民にとってもその意識を高めるまず入り口になっていくと思います。

 富山ではもう長年この取組をしていまして、協定方式でスーパーと五円というふうに設定をしておりまして、辞退率は九割に達していると伺っております。

 幾らであれば消費者がマイバッグを持っていってレジ袋を買わずにいこうと思えるのかどうか、この価格設定に関して調査をしてみてはどうかというふうに思います。この提案についていかがでしょうか。

○高田政府参考人 お答えいたします。

 消費者を取り巻く社会経済情勢が絶えず変化する中、消費者の日常生活における意識や行動を的確に捉えていくことは重要だと考えております。

 御指摘のレジ袋の問題を始め、環境問題に関する消費者の意識については、消費者庁の今年度の消費者意識基本調査により実施しているところでございます。

 レジ袋につきましては、消費者のレジ袋への向き合い方等、消費者の具体的な対応に関するさらなる意識調査の可能性を関係省庁と連携して検討してまいります。

○古屋(範)委員 検討してくださるということであります。もし財源等の面で消費者庁でできなければ、きょうは環境省もいらしていますので、環境省とも協力をして、ぜひこの調査をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 最後になります、エシカル消費、倫理的消費について大臣にお伺いをしたいと思います。

 国連環境計画などでは、国内で出る食品包装容器など、プラごみは年間約九百トンに上っております。一人当たりの発生量、米国に続いて第二位となっております。こうした現状の中で、プラスチック容器の問題だけではなくて、食品ロスの問題もあると思っております。

 消費者庁の消費者意識基本調査においても、消費者が日ごろ消費生活で行っていることを聞いたところ、このエシカル消費という言葉を知らなくても、節水、節電、食品ロス、ごみを減らすなど、そういうことに対する意識は皆さん持っていらっしゃいます。

 人や社会、環境に配慮した消費行動、エシカル消費の普及に向けて、最後、大臣の御決意を伺いたいと思います。

○衛藤国務大臣 先ほどお話ございましたように、食品ロスの問題も、今改めて、ちょっとどう強化できるのか、環境省それから農林省とも打合せをさせていただいている最中でございます。

 そして、このプラスチック類とかそういうことも、もっと環境に優しいという形でどうできるのかということについて、私どもも力を入れて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、やはり、自身の消費行動が環境にどのような影響を与えるのか自覚して行動することによって、将来世代にわたり、よりよい社会実現をすることができると思います。

 そういう観点からも、消費者庁は、人、社会、環境等に配慮した消費行動、いわゆるエシカル消費の普及啓発に取り組んでいるところでございまして、今先生から御指摘ございましたように、今後ともレジ袋の有料化等も契機としながら、もっともっと環境に配慮した消費行動が更に広がるように、関係諸団体、関係省庁とももっと緊密に連絡をとりながら取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。  以上で終わります。

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