第165回国会  厚生労働委員会 第5号

○櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。古屋範子君。

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 感染症予防法等改正法案は、最近の海外における感染症の発生の状況等を踏まえまして、生物テロによる感染の発生を防止する対策など、総合的な感染症予防対策推進のための諸施策とともに、結核の予防施策に関する規定を整備するため上程された法案であります。私は、この法案が、我が国の平和、そして国民の安心、安全の社会を維持していくためにも大変に重要な法案であると考えております。

 そこで、初めに、感染症予防法等の改正法案の関連事項について若干質問してまいります。
 私の地元神奈川県横須賀市では、来年市制百周年を迎えますが、この事業の一環として、先月、浦賀港引揚記念の碑を建立いたしました。少し古い話にはなりますが、横須賀市浦賀港は、第二次世界大戦後、当時、引き揚げ船指定港でありました。浦賀港引揚の碑は、海外から帰還する復員兵を乗せた引き揚げ船でコレラが発生し、多くの人々が祖国の土を踏むことなく亡くなった悲惨な歴史を後世に伝えていこうとするものであります。

 今回の法案で、コレラは、二類感染症から三類感染症に見直されたことにより、患者の入院措置が必要なくなりました。さらに、隔離する必要もなくなり、在宅でも治療が可能になったことから、検疫感染症からも除外されることとなっております。

 しかし、一九四五年に最初の引き揚げ船氷川丸が到着した当時、コレラ発生は緊急事態でありました。また、一九四六年春、中国の広東省からの引き揚げが始まりますと、船内にコレラが発生、感染者の乗る船はコレラ船と呼ばれ、引き揚げの指定港であった浦賀港にその二十四隻がすべて泊められたわけであります。陸から隔離された船中は、食料不足と病状の悪化、暴動が起きるなど混乱をして、ふるさとを目の前にしながら多くの人々がコレラに倒れ、相当多くの方々が亡くなったという悲惨な歴史があったと認識しておりますが、この事実を簡単に御説明いただきたいと思います。

 また、当時、横須賀市久里浜にありました旧海軍対潜学校・久里浜検疫所の関係者が供養塔を建てられたと伺っておりますが、このことは御承知でありましょうか、お伺いいたします。

○荒井政府参考人 戦後の引き揚げ船でのコレラ発生に関してのお尋ねでございますが、戦後の引き揚げにおいては、引揚者が居住していた地域にコレラの流行地が多かったということもございまして、引き揚げ船内で保菌者がコレラの病気を発病するという形で船内での流行が生じたために、米軍の指示のもとで入港が制限され、隔離されることになりました。このような中で、多数の引揚者の方々がお亡くなりになりました。また、特に浦賀港においては多くの方が亡くなられたところでございます。

 そういう中で、御指摘の供養塔についてでございますが、私ども調べてみました。浦賀港における引き揚げ船コレラ発生に伴いまして、死亡者の供養のために昭和二十五年に建てられたものでございます。現在は、横須賀市の久里浜少年院の中に置かれているものと承知しております。

 また、供養塔は少年院の中にあるということで、自由に参拝することができないということのために、供養塔の移転についての議論がなされていたと聞いておりますが、この点につきましては、関係者の合意のもとで、横須賀市において、先ほどお話がありましたように、ことしの十月に新たに浦賀港引揚記念の碑が設置されたというふうに承知しております。

○古屋(範)委員 ただいま御説明いただきました供養塔でありますが、供養塔のあるところが現在久里浜少年院となっているということでありまして、御説明のように、特殊事情もありまして、なかなか立ち入りが厳しいというわけであります。当時を知る人も少なくなり、コレラ船の歴史と供養塔の件は余り知られなくなってまいりました。

 当時一緒に引き揚げてこられた方々から、間接的に私のところに相談が寄せられました。この供養塔についても広く後世に伝わるようにしたい、だれがどこで亡くなったのか、無念の中で倒れていった同僚の思いを伝えたいとの一心で、広く世間に悲惨な歴史を再認識してもらい、だれもがいつでも慰霊できるような供養塔の移設を生きているうちになし遂げたいというような御相談もございました。横須賀市もいろいろと知恵を絞って考えていただいたようであります。移設後の管理等の問題も抱えておりますので、供養塔の移設ではなく、先ほど申し上げました引揚記念の碑をつくるようになったと伺っております。

 しかしながら、やはり、供養塔そのものに魂がこもっているという関係者の思いもあるようでございます。こうした過去の引き揚げ船コレラ事件でありますが、現在、少年院ということで厚生労働省とは所管が違うわけでありますけれども、ここはひとつ、国として少年院内にある供養塔そのものの移設にできれば積極的な御協力をお願いいたしたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

○柳澤国務大臣 さきの大戦の終結に伴う内地への引き揚げにつきましてはいろいろな事柄があったわけでございますけれども、今委員御指摘の引き揚げ船コレラ事件は、まことに多くの痛ましい犠牲者を出したということでございます。

 御指摘の供養塔の問題につきましては、実は、この供養塔の所在地が、実際にコレラで亡くなった方をだびに付した場所である、しかも、大谷石でつくられたそうでございますけれども、その石自身も実はだびに付した際に使用した石そのものである、こういうような事情があるようでございまして、なかなか、これの移設ということになりますと、またいろいろと関係者の間で難しい問題が起こるのではないか、このように考えるわけでございます。

 そこで、地元の方々の御努力によって、供養塔の移設ということではない別の解決法というようなことで今度引揚記念碑が建立された、こういうふうに伺っているわけでございまして、私ども、この地元の関係者の方々、その中には御党の有力な方々も参画しているということでございますけれども、大変私として敬意を表する次第でございます。

 この供養塔の移設そのものについては、いろいろな周囲の状況の変遷の中で、また別途の解決策が将来講ぜられることを私としても祈っておりますが、ここで何か国の協力ということが具体に考えられるかというと、この点は、大変申しわけありませんけれども、なかなか困難ではないか、このように考えておる次第でございます。

○古屋(範)委員 地元の案件で恐縮でございましたが、御丁寧な答弁をありがとうございました。

 次に、法案に関しまして、風疹の発生状況につきまして質問をしてまいります。

 専門家の間で、身近な感染症としてはSARSよりずっと怖いとも言われております風疹につきまして質問を行ってまいります。風疹は、一般的には三日ばしかと言われておりまして、風疹ウイルスにより発熱、発疹の出る急性の感染症で、小児は数日で治癒するため、比較的軽い感染症であると言われております。私の子供もやはり三日ぐらいで治ったという記憶がございます。しかし、二千人から五千人に一人程度脳炎などの合併症が発生するので、決して軽視できない疾患でもあります。また、成人では、小児に比べまして発疹、発熱の期間が長く、関節痛が多いとされております。一週間以上仕事を休まなければならない場合もございます。

 また、さらにこれが重要な問題でありますが、妊娠初期の女性が感染をすると、胎児に感染をして、難聴、白内障、心疾患などの障害を持つ先天性風疹症候群、CRSとして生まれることがあり、決して侮れない感染症であると言えます。

 かつて、ほぼ五年ごとの周期で大きな流行が発生をしております。例えば一九八二年三十二万人、八七年四十万人、また一九九二年には二十二万人、翌年十四万人ということで、こうした五年ごとの周期で大きな流行が発生をしているということであります。

 予防接種の効果もありまして、平成五年に大流行して以降は局地的な流行にとどまっておりました。ところが、二年前、平成十六年、群馬、大分、栃木、鹿児島、沖縄の各県で患者が多数発生いたしまして、この先天性風疹症候群も、平成十一年に全数報告が開始されて以来最も多い十例が報告をされております。過去の流行パターンから判断すると、この流行は小規模ではありますが、今回限りで終息したのではなく、数年は同様の流行が続くことが予想されておりました。

 そこで、初めに、平成十六年の流行から現在までの風疹及び先天性風疹症候群の発生状況と、この局地的な流行が終息したか否かについてお伺いをいたします。

○外口政府参考人 平成十六年に風疹の患者数が特に多数であったのは、宮城県、群馬県、埼玉県、大分県、鹿児島県でございましたが、平成十七年にはいずれの県においても患者数は減少しております。

 風疹の患者数、そして先天性風疹症候群の発生数とも平成十六年の流行から減少に転じており、現在、これらの地域を含め、全国的にも流行は見られておりません。

○古屋(範)委員 終息をしているという御答弁でございますけれども、局地的とはいえ、確実に流行したと思われる風疹への対策として、厚生労働省としては素早く手を打たれたと思います。平成十六年の九月には、徹底した風疹対策を呼びかける異例の緊急提言、風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言を公表されまして、胎児への感染を防ぐための予防接種の強化など対策を都道府県に通知をし、また製薬会社にワクチンの増産の要請をするなどの対応をされた結果、それ以上流行することなく終息をしたのではないかというふうに思います。

 今回の風疹流行の背景には、緊急提言にも指摘されておりましたように、風疹の免疫がない大人世代がかなりいるという実情があります。平成十四年度感染症流行予測調査事業から得られた推計では、二十代から三十代の風疹に対する免疫を持たない者は五百三十万人、中で女性は七十八万人おり、妊婦の風疹罹患が懸念をされているわけであります。

 そこで、原因を考えてみますと、まず予防接種の空白時代があります。風疹の予防接種は、昭和五十二年に、女子中学生だけを対象に、学校での集団形式で始まりました。平成六年の制度改正によりまして、平成七年四月からは、男女を問わず生後十二月から九十月未満が対象となり、個別方式となりました。この制度改正に伴いまして、昭和五十四年四月二日から昭和六十二年十月一日生まれの人に関しましては接種機会を失ってしまったというわけであります。現在、これらの方々は十八歳から二十六歳という年齢に達していまして、まさに結婚そして妊娠という時期に達しつつあるということだと思います。

 厚生労働省は、平成十五年九月三十日まで、この谷間世代を対象として、接種を公費負担するなどの措置をとってこられましたが、この結果、この世代の接種率はどれほど上がったのかということを御説明いただきたいと思います。また、この経過措置でもさらに漏れてしまった方々への対応についてどのようにお考えか、お伺いいたします。

○外口政府参考人 平成六年に予防接種法の制度改正を行いまして、先天性風疹症候群を予防するためには、男女を問わず風疹の基礎免疫を向上させる必要があることから、接種対象者を中学年齢の女子から男女の乳児へと移行したところであります。

 その際の措置として、平成十五年九月までの間については、未接種の状態になってしまう昭和五十四年四月から昭和六十二年十月までに生まれた者を対象に定期接種を行うこととしたものであります。
 平成六年の制度改正以降は風疹の大きな流行は見られておりませんが、経過措置の対象者の接種率は五〇%前後となっております。

 厚生労働省においては、これまでも、経過措置の対象となる年代の者に対して、各都道府県等を通じて風疹予防接種の重要性の周知を図ってきたところであります。

 また、経過措置の対象となる世代の者は妊娠の可能性のある年代の女性等でありますので、先天性風疹症候群のリスク等について平成十六年の結核感染症課長通知を発出するなど、広く周知を行っているところであります。

○古屋(範)委員 接種率五〇%ということであります。これも年代別の統計ではございませんので、妊娠の可能性のある女性が半分かどうかということは言えませんが、やはりその中で、妊娠をして、そして風疹の免疫がない方々がかなり多くいるということではないかというふうに考えます。

 私は、先天性風疹症候群を発生させないために、この谷間世代はもちろん、風疹予防接種をしていない方々の接種率を高めるために、国が考えられることはすべて行うべきである、その努力が必要であると考えております。

 と申しますのも、アメリカの疾病対策センター、CDCの加藤客員研究員の調査によりますと、風疹が流行すると、自然流産また妊娠中絶がふえるということが明らかになっております。過去五回の風疹大流行期に中絶と流産の数が突出していることに着目をしまして、風疹を原因とする中絶と流産の数を推計しております。昭和四十三年から平成十四年までの三十五年間、風疹大流行期の中絶と流産の数は合計二万五千九百三件、非流行期の一万二千五百九十三件と合わせて計三万八千四百九十六件に上っているわけであります。かなりの数と言うことができると思います。

 このデータをまとめた加藤研究員は、一人の先天性風疹症候群の赤ちゃんの陰には五十八・八人の流産や中絶がある、先天性風疹症候群も風疹による流産や中絶も予防接種で防いでほしいというふうに述べられております。私も全く同感でございます。予防接種が徹底をされておらず、散発的な流行が起きている今日、緊急提言や関係機関への通知、PRだけではやはり限界があるのではないかと思います。感染症への社会防御の視点からの取り組みを考えるべきであります。

 先天性風疹症候群やそれに伴う人工妊娠中絶を出さないために、例えば、まず、妊婦の配偶者や子供、居住者、産科医など妊婦の周辺にいる方々や、また十代から四十代などの男女で先天性風疹症候群に近い存在の方々、そして、妊婦健診で風疹抗体陰性または弱陽性と判明した分娩後の女性と、免疫がない人々に対する公費負担を導入するといった対応が必要かと思いますが、これに対するお考えをお伺いいたします。

○外口政府参考人 風疹の予防接種の対象者につきましては、より強固な集団免疫を獲得するために、一歳代及び就学前に接種することが望ましいことを踏まえて接種対象者を定めているところであります。また、これまでも必要な経過措置を設けてきたところであります。

 妊婦の周囲にいる家族や抗体価の低い女性の風疹の予防接種、これも重要であります。ただ、公費負担ということについては、ほかの施策との整合性もありますので、いろいろ難しい面もありますけれども、必要に応じて、御理解いただいて、個別に接種していただくことが大事ではないかと考えております。

 厚生労働省としては、引き続き、周知広報も含めて風疹対策の強化に努めてまいりたいと考えております。

○古屋(範)委員 妊娠をしたかもしれないといって病院に行って、風疹の免疫があるかないかをそこで知ることになるわけですが、それ以前に自分自身が陰性かどうか、陽性かどうかということを認識するというのは非常に難しいわけでありまして、妊娠をしてしまってからでは既に遅いということであります。

 この先天性風疹症候群の発生をなくすために、やはり自分だけが、家族だけが予防接種を受けていただけではだめだということになると思います。より多くの風疹の免疫のない人々がワクチン接種を受け、社会全体で風疹の流行を確実に抑制をしていくことが重要であると思います。妊婦さんから、風疹にかかってしまった、どうしたらいいのかと泣いて相談をされて、予防接種が徹底していないことにやりきれなさを隠せない多くの医師があるというふうに聞いております。政府としても、今回の感染症法の改正を機に、先天性風疹症候群の撲滅に向けまして、早急なる対応をさらにお願いいたしたいと思います。

 八〇%以上の人に免疫があれば流行しないと言われている風疹でありますが、現在、一回の予防接種さえも徹底されているとは言えないと思います。これは、風疹予防接種制度が創設以来何度も改変をされている、医師や各自治体の中でも、現在どのような制度になっているのかよくわかっていないことが一因ではないかと考えられます。
 現在の風疹予防接種体制は、本年四月一日に政省令が改正されて、またすぐに六月二日に改正をされております。こうした二カ月という短期間に改正をされた理由とともに、現行制度についてわかりやすい御説明をいただければと思います。

○外口政府参考人 本年四月一日に施行された平成十七年の制度改正による風疹の予防接種につきましては、生後十二カ月から生後九十カ月、七歳と六カ月になりますけれども、に至るまでの一回接種であったものを、生後十二カ月から生後二十四カ月を第一期、小学校就学前の一年間、いわゆる幼稚園の年長児、これを第二期とする二回接種とし、使用するワクチンは、第一期及び第二期に、それぞれ乾燥弱毒生麻疹と風疹の混合ワクチンのみを使用することとしておりました。

 さらに、本年四月一日以前に麻疹や風疹の単抗原ワクチンを接種した者に対しても、第二期に混合ワクチン等を接種した場合の有効性及び安全性が予定よりも早く確認されたこと、また単抗原ワクチンの導入について地方自治体その他の関係者の要望があったことから、本年六月に再改正を行いまして、平成十八年四月一日以前に風疹の単抗原ワクチンの予防接種を受けた者も第二期の対象者とし、当面の措置として、第一期、第二期ともに、使用するワクチンに風疹の単抗原ワクチンを追加接種することとしたものであります。

○古屋(範)委員 ただいま詳しい御説明をいただきましたように、現行の接種制度、本年四月一日に改正をされ、さらにまた六月二日に改正をされて、この改正は、先天性風疹症候群で生まれる子供を少しでも減らそう、できるだけの方法を講じて免疫率を高めようという意味で大変よかった、きめ細やかな施策をとっていただいたというふうに思います。

 しかしながら、たび重なる短期間での改正で、実際の現場では混乱はなかったのかどうか。また、こうした制度改正のたびに、ここでもまた予防接種の適用から漏れてしまう方々が出ることも予想されます。これらの人々を含めまして、風疹の予防接種率を上げるために、予防接種に関する検討会でも課題として取り上げていますけれども、これまでの定点観測だけでなく全数報告の導入、また国民が予防接種を受けたかどうか、この予防接種歴を記録したものを残すための予防接種手帳を交付することなども考えられると思います。風疹予防接種率アップへの取り組みについてお伺いいたします。

 また、自治体間によってかなり接種率に格差があるように思われますが、この自治体間格差の解消について政府の見解をお伺いいたします。

○外口政府参考人 現行の予防接種法におきましては、風疹などの疾病の発生及び蔓延を予防するために、各市町村長が実施主体となり予防接種を行っているところであります。

 御指摘のように、風疹の予防接種の接種率につきましては地域によって差が見られます。したがいまして、接種率を上げていくことにつきましては、この地域の差をなくしていく、低いところをいかに上げるかということが大事だと思います。

 厚生労働省では、国民に対して、ガイドライン等を通じた予防接種に関する正しい知識の普及啓発に加えて、各市町村等に対して、各地域ブロックごとの研修会や全国主管課長会議等を通じた予防接種制度の周知などを通じて、風疹の予防接種率の向上に努めているところであります。

○古屋(範)委員 予防接種が徹底していないというのは風疹だけではありません。日本は、WHOが進めるはしか、麻疹廃絶計画でもおくれが目立っているそうであります。日本に対しては、問題大国、麻疹の最大輸出国とも言われております。我が国にはよいワクチンもあり、また経済力もあり、教育程度も高いにもかかわらず、なかなか予防接種が徹底をしない。この責任の所在は問題だとアメリカからも指摘をされていると伺っております。今後、さまざまな感染症予防のために、国際的な視点も加え、ワクチン施策をより積極的に進める必要があると考えます。

 最後になりますが、子供を安心して産み育てるためにも、先天性風疹症候群撲滅への大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○柳澤国務大臣 今、古屋先生と当局者である健康局長等との話を聞いておりまして、私自身も今の予防接種につきまして、何か予防接種をすると副作用で悪いことがあるからこれはやめにしようとか、あるいは今御指摘になったように、短期間の間に方針を変えるとかというようなことで、昔のように、国民が常識として、何歳になったら何の予防接種を受けるんだというようなことについての理解が少し動揺しているというか、そういう感を私は否めないのではないか、このように思います。

 私は、今のお話を聞いておって思うのでございますが、医学が日進月歩であるということはそのとおりだと思うんですけれども、もう少し各家庭あるいは親御さんに、いつどういう予防接種を受けたらいいのかということについて、何か非常に簡便なマニュアルというか、カードみたいなものですね、そういうものを母子手帳とともに交付するというようなことをやはり考えた方がいいんじゃないか、このように感じた次第です。

 これは私の今のここの感想ですから、果たして、役所に持って帰ったときにどういう反応が、あんな余分なことを言ってなんという話になるかもしれないんですが、私の印象としては、非常にそういう感が率直に言って強いですね。

 ですから、今先生がおっしゃった先天性風疹症候群の撲滅についても同様ですけれども、今後、しっかりした一つの方針のもとで、安全性にも十分配慮して、また高い接種率が確保できるように、今後とも適切な予防接種行政に取り組んでまいりたいと思っております。

○古屋(範)委員 大変具体的な御答弁、ありがとうございました。

 以上で質問を終わりにいたします。ありがとうございました。

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