第169回国会 青少年問題に関する特別委員会 10号

○古屋(範)委員 私は、公明党を代表して、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案につきまして、意見の表明を行います。

 インターネットは、急速に普及し、私たちの生活を大きく変えています。特に、青少年を中心に携帯電話、インターネットの利用が比類ない発展を遂げ、現在では携帯文化と呼ばれる新たな文化創造の動きも見られます。

 一方で、インターネット利用の方法を誤ることにより、青少年が犯罪に巻き込まれる例は後を絶ちません。また、ネット上での陰湿ないじめが問題となるなど、青少年のインターネット利用のあり方について私たち大人が真剣に考えることが求められています。

 本法案は、こうした課題に対し、青少年保護に関係するさまざまな主体の果たすべき役割を明らかにしている点で大きな意義があるものと評価いたします。

 その上で、青少年のインターネット利用環境を整備するに当たっての国の役割について意見をƒ申し上げます。

 まず第一に、本法案では、民間の自主的取り組みの促進について、フィルタリングの性能の向上と普及促進を一つの柱としています。

 民間においては、十八歳未満の携帯電話の利用者にフィルタリングを原則適用する取り組みが進んでおり、その利用者は現在三百四十万人に至っています。また、本年四月には、フィルタリングの精度向上とIT啓発教育を目指して、第三者機関であるEMAが設立される等、さまざまな民間の取り組みが開始をされています。こうした取り組みを阻害することなくさらに順調に発展させるため、本法案に基づく支援を適切に行うことが重要と考えます。

 その際、フィルタリングの普及、性能向上の推進団体を登録機関とし、国の一定の関与を予定していますが、ここはあくまで民間の取り組みを推進する役割にとどめ、同じ機関が有害情報の基準策定などコンテンツの内容に直接的、間接的にもかかわらないことが望ましいと考えます。今後も国の関与は最小限にとどめ、むしろ産業政策的視点も生かしながら、民間によるフィルタリングサービスの多様化により利用者の選択肢がふえることに期待いたします。

 また、第二に、インターネットリテラシーの向上支援について、本法案では、国、地方公共団体、家庭における教育の重要性をうたっています。

 ここでは、特に学校教育の役割の重要性を改めて指摘をしておきます。本法案においてインターネット青少年有害情報対策・環境整備推進会議が設置されることとなっていますが、ぜひとも文部科学大臣が、青少年の健全な育成に資するため、学校教育におけるインターネットの適切な利用に関する教育の推進を積極的に講じていただくことを求めます。

 フィルタリングはあくまで青少年の違法・有害情報対策の一つの手段であって、フィルタリングの性能が幾ら向上しても、それだけでは問題の解決にはつながりません。何よりも、子供と一緒になってインターネットの使い方を真剣に考える親の姿勢と教育の充実が重要であります。

 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境を整備するために、以上のことを強く要望して、公明党の意見表明といたします。

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