第171回国会 衆議院 厚生労働委員会-4号

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、雇用保険法の改正案、そしてさらなる雇用対策につきまして質問してまいります。

 本改正案は、失業者救済という緊急性の高い法案であることを踏まえまして、与野党で精力的に議論を行ってまいりました。雇用失業情勢の厳しさが増す中で、政府は政策を総動員して、雇用不安を広げないよう手だてを講ずるとともに、失業者への救済支援策を充実するため、今回の改正案を一刻も早く成立させるべきと申し上げます。

 初めに、今回の法案でございますが、雇用失業情勢が厳しい中で、セーフティーネットを強化することを目指しているものと思っております。その中には適用範囲の拡大がございます。

 まずは基本的なことを確認しておきます。現在、雇用保険は、いわゆる正社員やフルタイムの期間工であればすべて加入となるという認識でよろしゅうございますか。

○太田政府参考人 お答え申し上げます。

 雇用保険制度は、みずからの労働により賃金を得て生計を立てている労働者につきまして、失業時に必要な給付を行うことによりまして、生活の安定を図りつつ求職活動を支援するための制度でございます。こうした観点から、御指摘のとおり、いわゆる正社員やフルタイムの期間工でございましたら、これは雇用見込みを問わず、全部適用対象となるところでございます。

○古屋(範)委員 今回の改正では、それ以外の非正規労働者で雇用保険に未加入の約一千万人のうち、約百五十万人が新たに加入できることとなります。また、非正規労働者が拡大をする中で、非正規労働者が雇いどめになった場合の受給資格について、十二カ月から六カ月に緩和することとされております。

 今後、多くの非正規社員が契約期間の満了で雇いどめになることが予想されております。そうした方について、一刻も早く法律を成立させ、必要な支援が受けられるようにすべきではないでしょうか。法案を早期成立させ、セーフティーネット機能を強化することについて、改めて大臣の御決意をお伺いいたします。

○舛添国務大臣 今委員おっしゃったように、非正規労働者に対するセーフティーネット機能を強化する、それから離職者に対して再就職の支援をすることを強化する、これが非常に重要でありまして、こういう点を盛り込んだ形での改正案でございます。

 今おっしゃったように、六カ月以上の雇用見込みということで、これを緩和することによって給付の対象となる労働者の数をふやす、それから今度は、地域や年齢その他さまざまな点を考慮して、重点的に再就職に支援が必要な方には、個別に六十日間の給付日数の延長を図るということでございますので、セーフティー機能の強化、まずこの第一歩として、この法律の改正ということをぜひお願いしたいと思っております。

○古屋(範)委員 大臣の御決意を伺うことができました。

 雇用の重要なセーフティーネットである雇用調整助成金について、さらにお伺いをしてまいります。

 昨年の十一月、その対象者は八千八百人ということでございましたが、一月に入って百倍に激増をいたしております。二月は百万人を超すのではないかという推計もされております。経済情勢が急激に悪化する中で、雇用調整助成金の利用が急増しております。

 雇用調整助成金は、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、解雇を避け、休業等により雇用を維持する場合に、手当の一部を助成するというものでございます。休業を開始してから実際に助成金が支給されるまでに、通常、二、三カ月程度かかると言われております。

 しかしながら、事業活動の縮小を余儀なくされて雇用調整助成金の申請を行う企業の中には、助成金が実際に支給されるまでの運転資金の確保にも御苦労されていると伺っております。経営状況が苦しい中でも雇用の維持に懸命に取り組まれている企業に対して、ぜひ積極的な支援を行うべきと考えております。

 この助成金を利用する事業主の運転資金の確保に対して何らかの支援が必要と考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

○舛添国務大臣 まずその前に、雇用調整助成金、一刻も早く申請手続を簡素化、迅速化するということが必要なので、これはやっております。ただ、今おっしゃったように、この二、三カ月のつなぎをどうするか。

 昨日、金融庁、中小企業庁などの関係省庁に対しまして、そういうつなぎ資金について、ぜひ円滑に融通してくれということの協力要請を行っておりますので、政府を挙げまして、そういう事態に対して対応したいと思っております。

○古屋(範)委員 関係省庁に要請をしてくださったということでございます。

 有効求人倍率がさらに低下をする中で、前月、完全失業率が四・一%と若干下がったということでございますが、こうしたセーフティーネット機能、これがきいているものというふうに考えております。さらに雇用調整助成金の利便性を高めていただきたい、このように要請をしておきたいと思います。

 次に、育児休業給付の見直しについてお伺いをしてまいります。

 我が国の女性の労働力人口、平成十九年におきまして二千七百六十三万人と、四年連続で増加をしております。また、女性の労働力率が四八%と、前年と同じになっております。また、育児休業制度取得率は増加しているものの、妊娠、出産を機に離職をする割合が七割にも上っており、女性が働き続ける環境整備はまだ十分には整っていないというのが現状でございます。

 こうした中、今回の改正において、第六十一条の四では、育児休業者職場復帰給付金を廃止し、育児休業基本給付金に統合される。すなわち、全額が休業期間中に支給されるとなったわけでございます。さらに、附則第十二条では、育児休業給付の暫定措置、給付率四〇%から五〇%への引き上げが継続されることとなりました。前回の改正、平成十九年に育児休業給付が四〇%から五〇%に引き上げられましたけれども、これは、平成二十二年三月三十一日までに育児休業を開始した者という暫定の措置でありました。

 私は、さらなる拡充をすべきと訴えてまいりました。少子化が急速に進んでいる我が国において、少子化対策の総合的な取り組みの強化が求められております。こうした中、雇用保険制度においても、育児休業を取得しやすくなる今回の暫定措置が当分の間延長されることとなったことは、一応の評価はできると思っております。

 また、一括給付については、昨年四月に公明党女性委員会が作成した女性サポート・プランにも盛り込んでおります。働きながらの子育てを応援しよう、育児休業制度取得率一〇〇%を目指し、育児休業給付を一括給付するよう、これも総理、舛添大臣に申し入れを行ってまいりました。この育児休業給付の一括支給が今回の法案で実現することになったことに、子育てをしながら働き続けたいと願うお母さんたちからさらに喜びの声が、また雇用主の方々からも、申請の手間が省けたという声をいただいております。関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

 今回の育児休業給付の見直しを恒常的なものとすべきであるか、あるいは少子化対策の中できちっと位置づけるべきであるかという課題もございますが、いずれにいたしましても、決して制度を後退させてはいけないと思います。大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

○舛添国務大臣 まず、少子化対策の面からも、第二子、二人以上の子供を持ちたいときに、女性がどうしても今の状況だと持てない、それから働き続けたいというときに問題があるということで、これはもう複合的な多くの問題がありますので、一つ一つ解決しないといけないですけれども、職場復帰後に支給するお金を一括して支給するということは、今、そのことだけが原因で、そのお金をもらえるかもらえないかだけで復職するかを決めるわけじゃないので、これは一番困っているときに必要なものをきちんと給付する。

 それから、四〇%から五〇%、やはりこういう時代ですから、これはもう当分の間続けさせていただくということで、今後ともこういう施策を積み重ねながら、育児をし、そして仕事ができる、そういう体制を整えたいと思っております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。

 今回の改正案で、育児休業給付五〇%が、暫定措置ではありますが、当分の間継続されて、その全額が育児休業期間中に支給される。少子化対策の一助となるものと、そのように期待をしております。

 一方で、不況にあえぐ企業が人員削減をするために、育児休業中の正社員を解雇するという事例が広がっております。育児・介護休業法に抵触する疑いが強いが、被害者の多くは再就職の妨げになることを恐れて泣き寝入りするケースが多いと言われております。法令で守られているはずの働いて産み育てる権利が脅かされている状況は、何としても変えていかなければならないと考えております。

 厚生労働省が一昨日公表した調査によりますと、妊娠、出産のために育児休業を申し出たら退職を強要されたなどとして、全国の労働局などに寄せられた育児休業中の解雇の相談件数が、ことし二月末までの十一カ月間で一千百七件に達したということがわかりました。十一カ月で一千百七件、非常に多いというふうに感じております。昨年度一年間に比べても二五%以上増加しておりまして、相談件数は既に過去最高となっております。

 こうした事態に、厚生労働省は、男女雇用均等法や育児・介護休業法に違反する事例には厳正に対応するよう全国の労働局に通達しておりますが、実効性ある対応が必要と考えます。労働局が育児休業にかかわる不利益取り扱いのケースとして是正指導したのは既に四十七件、三十八件を是正させておりますが、解雇撤回にこぎつけられた事例はまだ少ないのが現状です。

 育児休業法第十条に、事業主は、労働者が育児休業申し出、介護休業申し出をし、または育児休業、介護休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないとあります。しかし、この法律には、違反した企業に対し罰則の規定がなく、実際は労働者側が泣き寝入りをするしかないというのが実情でございます。

 このような現状を許さないため、現行の育児・介護休業法に違反した企業や雇用主に対して罰則規定を設けるなど、実効性を持たせる措置が必要であると考えますが、厚労省のお考えを伺います。

○村木政府参考人 お答え申し上げます。

 委員が御指摘をくださいましたように、育児休業法では、育児休業の取得等を理由とする解雇等の不利益な取り扱いは禁止をしております。こうした中で、現下の雇用情勢のもとで、育児休業中の解雇等に関する相談もふえておりますし、私どもが指導する件数もふえているところでございます。

 こうしたことから、今月の十六日でございますが、各都道府県労働局に対しまして、こういった不利益取り扱いについて厳正な対応をするようにということで、まず、労働者からの相談への丁寧な対応、それから法違反の疑いのある事案については迅速かつ厳正な対応をすること、それから、どうしても企業から何か言われて泣き寝入りをするという場合がありますので、事前の予防が非常に大事ということで、非常に簡単なリーフレットをつくりまして、事前の予防ということで企業に配布をするというようなこともやるということで指示を出したところでございます。

 また、委員が御指摘になりましたように、この条文には罰則はございません。そうした中で、企業の多くは、行政が指導に入れば是正はしていただけますが、なかなか思うに任せない、なかなか言うことを聞いていただけない企業もやはりあるということもございます。

 こうした中で、昨年の十二月に、育児・介護休業法の見直しに関しまして労働政策審議会から建議が出されております。この建議の中で、法の実効性の確保に関しまして、一つは、育児・介護休業法違反に対する勧告に従わない場合の企業名公表、もう一つといたしまして、都道府県労働局からの報告徴収に応じない場合や虚偽の報告を行った場合の過料の創設が盛り込まれたところでございます。

 この建議を踏まえまして、厚生労働省におきまして育児・介護休業法の改正を検討しているところでございます。

○古屋(範)委員 育児休業中の解雇に対する厳正な対処を推進していただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 平成十九年度の雇用均等基本調査によりますと、女性の育児休業取得率八九・七%、二年間で一七・四ポイントも上昇しております。当然、今は九〇%を超えていることは容易に想像がつきます。また、男性は一・五六%とまだまだ取得率が低い。これも二年間で三倍の取得率になっております。こうした中でのこうした育児休業中の解雇は、女性だけでなく男性にとっても人ごとではないと思います。

 未曾有の経済危機の中で、職を失う、住むところがない、ワーク・ライフ・バランスどころではない、そういうムードが高まっているのかもしれませんが、私は、こういうときこそ逆に、社会の価値観を大きく転換させる好機だ、このように考えております。

 内閣府が二十六日に発表いたしました少子化対策に関する特別世論調査によりますと、下がり続ける日本の出生率に危機感を持つという回答が八三・〇%、前回調査より六・三ポイントふえております。少子化対策で期待するものとして多かったのは、仕事と家庭の両立支援、子育ての経済的負担軽減でございました。妊娠・出産の支援も五四・六%で、前回調査からほぼ倍増をしております。

 仕事と家庭の両立を可能にする職場環境を整備することは、出産、育児を行う女性が退職することなく働きたいという希望をかなえるものでございます。それは、女性の就業継続を促進して社会の支え手をふやすことにもなります。少子化対策の中で最も多くの方が期待しているように、仕事と家庭の両立支援は、社会を担う人々をふやすことにもつながります。雇用対策としても積極的に取り組む必要があると考えております。

 先日、二月の二十三日なんですが、公明党女性局で、中央区にあります株式会社エトワール海渡を訪問いたしました。ここは、一九七七年に、非常に早く企業内保育所を開園いたしまして、育児短時間勤務制度の導入など、出産と育児、仕事との両立を積極的に支援している企業でございます。

 具体的には、育児短時間勤務制度は、朝の混雑時に子供を保育園に預けるために出勤することは避けようということで導入した制度でございます。育児休業明けから三歳まで、八時間の勤務時間に対して三時間短縮が可能、さらに、小学校三年までは二時間の短縮が可能ということになっております。

 また、男性に対する出産、育児への支援策は、出産前後と子供が一歳になるまでの期間、五日間ずつ、計十日間の有給休暇の取得を認めておりまして、現在、時短社員百十二名、非常に多いんですけれども、社員全体の一四・二%、女性社員の二一・五%がとっているということでございます。

 この育児休業制度に対しまして、短時間勤務制度の義務化、残業の免除など子育て中の働き方の見直し、また、父母ともに育児休業を取得する場合の休業期間の延長や、出産後八週間以内の父親の育児休業取得を促進させるための要件緩和、また、子の看護休暇制度の拡充などを含んだ育児・介護休業法の見直しを私も早急に行うべきだと主張いたします。

 大臣、この育児・介護休業法改正案の早期提出また成立を、ぜひお願いしたいと思っておりますけれども、いかがでございましょうか。

○舛添国務大臣 今委員がお触れくださった昨年十二月二十五日の労働政策審議会の建議、内容は今おっしゃっていただいたとおりであります。

 やはり、仕事と子育てを両立させることができる、そういう社会をつくるために、これは一日も早く法案をまとめたいと思っております。

○古屋(範)委員 ぜひ、女性にとっても、また男性にとっても、育児、家庭と仕事が両立できる社会の構築を目指して邁進していただきたい、このように考えております。

 さらに、先月の二月二日でございますけれども、公明党の緊急・雇用対策本部で、東京新宿区にございます東京非正規労働者就労支援センター、東京キャリアアップハローワークを視察いたしました。この日は本格オープンをした当日でございました。このキャリアアップハローワーク、非常に多くの人であふれておりました。

 月平均の有効求人倍率、平成十八年度、十九年度に比べ二十年度は下降し、求職者は増加をいたしております。この東京キャリアアップハローワークは、離職を余儀なくされている非正規労働者の増加に対応するため、さまざまな支援でワンストップを行う専門施設として、この日に本格業務がスタートをいたしたわけでございます。

 ここで担当者も非常に熱心に、またきめ細やかに職業相談、職業紹介に取り組まれているなというふうに感じました。利用者に応じた就職活動の進め方、企業選び、また履歴書の作成指導、各種セミナーの開催、住宅の確保、こういうところまで行ってくださっておりました。昨年十二月十八日から一月末までの仮オープンの期間中、七百六十件の相談が寄せられておりまして、本格オープンの日、この日もたくさんの人が訪れておりました。

 太田代表とともに、視察終了後、担当者と質疑応答をしてみました。求職の傾向として、住み込みの求人をかき集めて待っていてくださったわけなんですが、実際は、解雇になった方というのは住み込みは避ける傾向があるということでございました。まず住むところを確保したいというのが真情のようでございました。一方で、企業が求めているのは即戦力となる人材である。既に最初の書類選考で落とされてしまうことが多い。こうした両者の要望に、懸命に担当者も奮闘してくださっているということでございました。

 センターの職員の方々からは、本年度第二次補正予算に盛り込まれた、非正規労働者を正規雇用した企業に対し、労働者一人当たり百万円助成する制度については、企業が非正規労働者を雇いやすくなり、就職率の向上につながると意見をいただきました。また、企業では、操業を短縮して従業員を休業させて休業手当などの一部を助成する、先ほど申しました雇用調整助成金を利用しながら頑張っているという企業もございます。

 視察で考えさせられたことは、二度と非正規では働きたくない、正社員になりたい、こうした人々が本当に多いということでございます。労働者三人に一人が非正規という現実に対して、やはり安心して働ける社会をつくることが最優先の課題と考えます。

 そこで、年長フリーターや非正規労働者を正社員として雇用する場合の助成措置について、現場ではまだまだ本格的に活用されていないと聞いております。この周知徹底を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○太田政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話のございました非正規労働者の正規雇用化を促進するために、平成二十年度二次補正予算によりまして、年長フリーター等や派遣労働者を正規雇用した事業主に対しまして、中小企業の場合には百万円を支給する助成制度を創設したところでございます。

 これに伴いまして、この助成金の活用促進を図るために、まず一つは、助成金の概要を紹介したリーフレットを作成してホームページへ掲載するということ、また、新聞やテレビCMを活用しました政府広報によります集中的な周知、さらには、ハローワークにおける求人受理、求人開拓等のあらゆる機会を通じた事業主に対する周知や利用勧奨に取り組んでいるところでございます。

 何といいましても、やはり周知、知っていただくことが大事でございますので、助成金の積極的な周知を行いつつ、正規雇用化への支援に全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○古屋(範)委員 非正規社員を正規社員へ、この転換のためにせっかくつくった制度ですので、多くの企業に利用していただき、正規社員を一人でもふやせるよう、その対策を重ねて要望しておきたいと思います。

 次に、雇用保険の給付の対象とならない失業者に対して生活支援と職業訓練を一体的に給付する、就労・生活支援給付の創設についてお伺いをしてまいります。

 ことし一月の完全失業率は二百七十七万人に上りますが、失業手当の受給者はたったの二割程度でございます。ここから漏れた人たちの最後のよりどころが生活保護というわけです。しかし、健康で働くことができる現役世代が生活保護を受けるというのは困難でもあり、この安全網も十分機能しているとは言いがたい状況です。雇用危機が深まる中で、労働市場の規制緩和に雇用のセーフティーネットの整備が追いついていないのが現状であります。

 こうした事態に対応する一つの方策といたしまして、政府は、昨年十一月、雇用保険の受給資格がない年収二百万円以下の非正規雇用者に対し、月額十万円を上限に職業訓練中の生活費を貸与する制度を創設し、本年一月からは、上限十二万まで増額いたしました。しかし、余り利用されていないようでございます。低賃金で短期雇用を繰り返し、雇用保険の受給資格を得られなければ、職業訓練で技能を身につけてよりよい仕事につきたくても、その間の生活資金がない、訓練が受けられないというわけであります。

 そこで、今回の改正案でも、加入のハードルが高い方々がいることを踏まえて、雇用保険と生活保護の間に、新たな支援制度が必要であると考えます。

 公明党は、三月十日に、雇用セーフティーネットの強化策として、雇用保険の加入期間が短いために失業手当がもらえない人々や受給期間を過ぎた人に対し、生活保護に至る前の新たな再就職支援策として、就労・生活支援給付の創設を提案いたしました。この制度は、職業訓練を受けることを前提として生活支援を行うものであり、予算の規模においても一兆円という大台に乗せて、万全な対策を講ずるべきであると考えております。

 ヨーロッパでは、就職せずに手当を受給し続けるモラルハザードも起きていると言われておりますが、失業中の中でも、単純労働に従事した非正規労働者にとって職業訓練は重要でございます。訓練で資格や技能を取得すれば、より安定した職業につくチャンスが生まれるはずです。職業指導を徹底し、できるだけ早期に就労させる仕組みに重点を置いた、国民の生活を守る公的セーフティーネットを構築すべきであると考えます。

 雇用保険と生活保護のすき間を埋める雇用の新たなセーフティーネット、就労・生活支援給付の創設に取り組むべきと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。

○舛添国務大臣 今委員がおっしゃった、雇用保険と生活保護のすき間を埋める就労・生活支援給付、これは公明党の皆さんからの御提案もいただき、また各党、与野党を含めていただいておりますし、三月三日には労使の代表も同様の提言を持ってこられましたので、政府としましても、そういう方向で真剣に検討を進めたいと思っております。

○古屋(範)委員 そろそろ時間でございますので、このセーフティーネットをしっかり張っていただきますよう希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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