第173回国会 衆議院 厚生労働委員会-5号

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。少しのどを痛めておりますのでお聞き苦しいかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。

 まず初めに、この質疑終了後、当委員会におきまして肝炎対策基本法の委員長提案がなされ、本会議に緊急上程されることが決まっております。

 私たちも、薬害肝炎患者の一律救済法の成立から、さまざま肝炎対策に取り組んでまいりました。この肝炎対策基本法、平成十九年十一月に、自民、公明で作成をし、そして提出をし、廃案になっていたものを再提出したところでもございます。これまで御苦労されてきた患者また関係各位に心から敬意を表したい、そのように思います。肝炎対策基本法の成立、本当にこれ以上の喜びはございません。これからもぜひとも総合的な肝炎対策には、大臣また厚労省挙げて取り組んでいただきたい、このように思いますので、何とぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、本法案の質疑に入ってまいります。私は、本会議で質問させていただきました。それをまたさらにフォローする形で、きょう質問してまいります。

 厚生労働省は、先週の十七日でありますけれども、新型インフルエンザワクチンの接種回数見直しに伴って、標準的な接種スケジュールを変更されました。これによりますと、基礎疾患を有する者、「最優先」ではなく「その他」、それから幼児、一歳から就学前、ここが十二月上旬から十一月後半へ、それから小学校低学年に相当する年齢の者が十二月中旬から十一月後半に、一歳未満の小児の保護者及び優先接種対象者のうち身体上の理由により予防接種できない者の保護者が一月前半よりこれも十二月下旬へ、小学校高学年に相当する年齢の者が一月後半から十二月下旬、中学校に相当する年齢の者が一月後半から一月前半、このような形で開始時期が変更されております。

 しかしながら、ワクチンの供給量が不足しているわけであります。都道府県間で接種開始時期のばらつきもございます。医療現場では、入手可能なワクチンの見通しが立たない、こういうことで対応に苦慮しております。私どものもとへも、地方議員、また医療の現場、患者の方々等々、多くの声が寄せられております。

 例えば、これは東京日野市の妊婦の方なんですが、かかりつけの病院に行きましたが、もう当病院割り当てのワクチンはなくなり、次にいつ入ってくるかわからない、予約も受け付けてもらえなかった、私は妊娠中ですし、二歳の子供にもワクチンを打たせてあげたいと。

 あるいは、これは基礎疾患をお持ちの男性でありますけれども、ひどいぜんそく持ちで心臓にも病気がある、かかりつけの病院に新型インフルエンザのワクチン接種を受けたいと言ったが、看護師もまだ全員接種していない状況だ、割り当てのワクチンの数量では最優先の方にもワクチンは接種できない。

 あるいは、これは六十五歳以上の高齢者の方なんですが、かかりつけの病院で新型インフルエンザワクチンの予約の話をしたら、もう在庫がないので打てません、市に聞いてくださいと言われた、市の健康課に聞いたら、リストを渡すので自分で探してくださいと言われた、住まいの周辺の病院へ電話したが、どこもワクチンの在庫はないと言われた。

 また、東大和市では、国の方針に従い、市民にワクチン接種のスケジュールなど情報提供したにもかかわらず、結局、現場ではワクチンが全く行き渡らず、予約ができない状況になってしまい、役所に対して苦情が殺到している、こういう状況であります。

 第一波のピークを過ぎた北海道の医療機関では、どれくらいの量が確保できるか見通しが立たないので、問い合わせに対応できないとの声も上がっております。

 このように、実際、対象者に現場ではワクチンが行き届いていないという現状がございます。厚生労働省は前倒しを発表したわけでありますけれども、ただ単に半月から一カ月前倒しのスケジュール変更に伴って数字を入れただけのことではないのか、もしそうならば、より国民は混乱に陥ってしまう、このように思います。

 大臣、国民の不安、またこうした現場の混乱、必要な人にワクチンが行き渡らない、この実態についてどうお考えになりますでしょうか。

○足立大臣政務官 この委員会で先日来何度もお答えしたことではありますが、まず理解していただきたいのは、ワクチンが出荷されます。大体二週間に一回です。今までに四回出荷されております。その一週間前に、今回出荷する分についてはこういう方々に接種をしてくださいというふうに通知をするようにしております。そして、出荷された後、いろいろな通知が都道府県から現場へ回り、そして流通されて現場に届くまで、通知から約三週間かかります。

 ですから、通知が出た時点で、今現場にないのにと言われるのは至極当然なことで、そこの連絡体制は非常に申しわけないと思いますが、我々が方針を出しているのは、今回出荷するあるいは一週間後に出荷するものが届くころに、その方々にはこういう方々を優先していただきたいということでお知らせをしているわけです。時間的なずれがあるということでございます。

 そして、十一月六日の件で二点申し上げます。

 一つは、厚生労働省を中心に対策本部で年代別の重症化率、入院率を詳細に検討を続けておりました結果が出ました。その結果、やはり基礎疾患を有する方々は、五歳から九歳、十歳から十四歳のところが非常に重症化率が高いということ、それから、基礎疾患を有しない方々も五歳から九歳が非常に高いというデータが出ましたので、十一月六日に出荷する分から優先していただきたいということをお願いしたわけでございます。

 そして、今現在で申し上げますと、十一月十三日現在でございますが、四十七都道府県で、基礎疾患を有する方、これは最優先が一歳から小学校三年生まででしたが、その後、四年生から中学生までの方を前倒しでできているというのが二十九都府県、それから、健康な一歳から小学校三年生に相当する年齢の方々に前倒しでできているという都府県が十四都府県という報告をいただいております。いずれも現場の詳細な取り組みの結果、努力の結果だと思って、私といたしましては、現場それから都道府県に大変感謝しております。

○古屋(範)委員 今の御答弁ですと、出荷された時期とそして接種の時期、それが都道府県に通知がおりるまでにタイムラグがあるという御答弁でございました。

 でしたら、供給量をしっかりと確保するとか、あるいは逆に、こうした発表あるいは通知もそれなりの周知の期間も考えた上でしていかなければいけないのではないか、そのように思います。結局、その時間差が、現場においては、通知が来て、そして国民にとっても、これが発表されたにもかかわらず、実際医療機関に行っても受けられない、このような現象が起きているのだというふうに思います。

 私も十七日の本会議で質問した際、大臣も接種時期の前倒しに触れられまして、こうした見直しの趣旨や内容について、各都道府県に迅速に情報提供するとともに、実情をきめ細やかに把握して都道府県に助言等を行うことにより、できる限り円滑に実施されるよう努めてまいりますと答弁をされているはずであります。

 カナダで製造しているワクチンの副作用という報道もあります。これは、昨日、公明党坂口元大臣が詳しく質問させていただきましたけれども、これもあわせまして、非常に国民は不安に陥っていると思います。こうした混乱を一刻も早く取り除くために、ワクチンの供給量を含めて、医療現場や住民へさらにきめ細やかな情報提供が必要である、このように考えますけれども、大臣、いかがでございましょうか。

○長妻国務大臣 今御指摘のとおりだというふうに思います。

 きめ細やかな情報共有ということが必要でございまして、私どもとしても、特に節目には地方自治体の四十七都道府県の担当者の方に東京に来ていただいて、直接説明会を開催するということもしており、そして、厚生労働省内にも地域担当者を決めて、その地域の情報を担当者が集約して、フィードバックできるような仕組みというのも今整えたところでございます。

 その意味で、今度は、中高生に関するワクチン接種の臨床試験の結果というのが十二月中に出て、二回打ちか一回打ちかという方針も確定をするところでありますので、そういうことが将来的に予想されるという今後のスケジュールについても情報共有をしていきたい。

 そして、カナダのことにも触れていただきましたけれども、GSK社のカナダについては、ちょうど本日、先遣隊が、これは一人ですけれども、まずはオタワに出発して事前調整をして、そして調査団としては今月の二十九日日曜日に日本を出発して、調査の項目についても今かなり詰めをしているところでございまして、詳細が確定すれば速やかに公表をしていきたいというふうに考えております。

○古屋(範)委員 カナダへの調査団の派遣につきましても、本日先遣隊、そして調査団十一月二十九日ということで、当初は十二月頭というふうにおっしゃっていたものを繰り上げて、早いスケジュールで調査も行っていかれるようでございます。私たちも、これは非常に評価をしたいというふうに思っております。これは非常に大事な問題でもございますので、一刻も早い、また厳格な調査が必要かと思います。大臣、国民に対して不安のなきよう徹底した調査をぜひともお願いしたい、このように思っております。

 また、今回の新型インフルエンザ、予想し得なかった事態がさまざま起きてきている状況かと思います。そういう中で、ぜひ、大臣が直接国民に対してしっかりとしたメッセージを発しつつ情報提供を行っていただきたいと思いますので、この点もよろしくお願いをいたします。

 次に、優先予防接種の対象者についてお伺いをしてまいります。

 今申しましたように、ワクチンの供給量の問題というものはもともとあるわけなんですが、さらに、予防接種の優先対象者の中に、歯科医師、それから薬剤師等医療従事者及び介護に携わっている方々、また、小児と触れ合う機会の多い養護教諭、保育士及び幼稚園教諭、これはぜひ追加するべきではないか、私はこのように考えております。

 例えば、優先接種の対象として厚生労働省は、新型患者の治療に直接従事をする者、このように規定をしており、具体的には、医師、看護師、准看護師を想定しています。薬剤師などその他の医療従事者への接種は、各医療機関での判断にゆだねられております。このために、病院勤務の薬剤師は優先接種されるケースもあるかもしれませんけれども、では薬局の薬剤師はとなりますと、一般と同じ扱いになってしまいます。このように、実際、人数分よりワクチンが届いていないような状況の中で、薬局にいる薬剤師の投与される可能性というものも非常に難しいかなということが予想されております。

 先日、この薬剤師の皆様からもお話を伺う機会がございました。患者と五十センチほどの近さで面接をする、また服薬指導するのにとの不安の声もございました。特に、吸入式の治療薬リレンザの使い方を説明する際には、患者がせき込んでしまうことも多いということなんです。全部の薬剤師さんがそうだとは言えないかもしれませんけれども、直接患者と接する機会が多いというのは事実であります。複数の薬剤師が重症化して店が開けない、このようなことになりますと、地域の医療にも重大な影響を及ぼす可能性もございます。

 薬剤師さんの例を挙げましたけれども、こうした影響の出そうな方々に対して、これを優先接種の対象者に含めるべきではないか。この件に関しては、長浜副大臣にお伺いします。

○長浜副大臣 御丁寧な通告もちょうだいをしておりますし、御指名でございますので、お答えを申し上げます。

 この委員会でも既に何回か議論が出ましたけれども、今回のワクチンの接種の目的でございますが、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと及びそのために必要な医療を確保することということで議論をさせていただいているところでございます。このため、優先接種対象者は、重症化リスクが高い方及びインフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者ということになっているわけでございます。

 この委員会の中にも医師資格を持たれる方あるいは看護師資格を持たれる方もおられると思いますが、そういった国家資格を所持しているという分類ではなく、先生から今御質問にもありましたように、直接その現場において従事をしているという状況の中で判断をさせていただいているわけです。

 この理由は、当時の、前政権から今の政権へ移る状況の中においての大変危機的な状況の中において、何としてもワクチンを確保しなければならない、昨日の質疑にもありましたように、輸入ワクチンにも頼らざるを得ない、こういう状況の中の、本数をどう有効に使わせていただくかということで、大変せつない話ではありますが、カテゴライズをしながら優先順位を決めさせていただいたわけでございます。

 今の御趣旨といいますか質問の中にありました、現場に対応している薬剤師さんをどうするかという状況におきましては、先ほどの先生のお話にもありましたように、接種回数も二回から一回になったというようなこともありますので、現在の優先順位の枠を変えることはできませんが、都道府県あるいは現場での判断をもとに、そういった判断の中において現場で対応していただく、こういうことになっていくと思います。

○古屋(範)委員 基本的にはワクチンの円滑な供給がなければ進まない話ではありますが、実際現場でお子さんたち、また患者とかかわるこうした方々についてもぜひ柔軟な対応をお願いしたい、このように考えております。

 御退席されるようでしたら、どうぞ。ありがとうございました。

 次に、今回の新型インフルエンザにつきましては、危機管理の一環として国を挙げて対策を講じているわけでありますけれども、日本のワクチン接種の全体の実態を見ますと、海外で標準的に使用されているワクチンさえも日本では使えていない、これが現実であります。特に、ワクチンで防ぐことができる病気のために、多くの子供が死亡したり、あるいは健康を損ねている現状がWHO初め各方面から指摘をされております。私は、ワクチンで防ぐことのできるこうした病気の情報の発信も含め、ワクチンをもっと受けやすくすべき、このように考えます。

 先日、本会議におきましても、日本もワクチン先進国を目指して、今まさに予防接種の体制強化が必要である、子宮頸がんワクチン、また細菌性髄膜炎を防ぐHibワクチン、小児用の肺炎球菌ワクチンなど新たなワクチンの定期接種化、これに位置づけるよう予防接種法の抜本的改正を求めたところでございます。

 大臣からは、新たなワクチンを定期の予防接種の対象に位置づけること、この御提案につきましては、引き続き検討を要する重要な課題ではありますが、今後、有効性、安全性などに関する科学的な知見等に基づき十分に議論していく必要があると考えております、このような御答弁をいただきました。

 新たなワクチンを定期の予防接種の対象に位置づけていく、これは確かに、有効性、安全性、科学的な知見に基づいた、こうした十分な議論が必要かと思います。

 まず、Hibワクチンについて申し上げます。

 当委員会でもかつて一度質問をさせていただきました。Hibというのは、二十人から百人に一人の割合でのどにいる菌ですので、割合と多くの方々ののどにあるというふうに考えられます。髄膜炎や呼吸困難の原因であるのどの炎症を引き起こしまして、そして特に抵抗力の弱いゼロ歳児がかかりやすく、保育園などで他の園児からのせきや接触で感染するケースも多いと言われております。

 このHibにつきまして、WHOは一九九八年に、五歳未満の小児、特に乳幼児のワクチン接種を勧告しております。そして、二〇〇六年に公表いたしましたポジションペーパーにおいて、二〇〇六年時点で百八カ国でHibワクチンは小児予防接種計画に組み込まれ、Hib感染は激減した、しかし、最貧国にほんのわずかしかワクチンが届いていない、安全性と有効性の示された結合Hibワクチンは世界じゅうすべての乳幼児の予防接種計画に含まれるべきである、このように勧告しております。

 日本では、Hibによる髄膜炎の患者数は年間千人ということであります。患者の二五%に発達のおくれですとか聴覚障害などの後遺症が残ります。五%が死亡するという深刻な病気であります。

 このワクチンは百カ国以上で使われているわけなんですが、日本では、二〇〇三年に申請をされて、承認されたのが二〇〇七年一月、さらに、販売がおくれまして、接種が開始されたのは昨年の十二月ということでございます。

 このHibワクチンの有効性の問題ですけれども、御存じかと思いますけれども、接種率が六〇%以上になりますとHib感染症が激減するということが世界じゅうで認められております。米国では百分の一に減少したとの報告がございます。これが集団免疫と言われていまして、そのために、WHOでもすべての国で定期接種に導入すべきとの勧告を出しており、九十カ国以上でもう既に定期接種は行われております。

 そして安全性の問題ですけれども、世界的に見ても、接種した局所が赤くなる、少しはれるなどの局所反応が三〇%から四〇%に見られますけれども、DPT三種混合ワクチンと同程度とされております。

 このように効果のあるワクチンでありますけれども、任意接種ということで、接種しない子供が感染する可能性がある上に、接種の費用が一回七、八千円程度、四回で三万円かかると言われております。親の経済力で子供の健康に格差が出てしまう可能性があるわけです。

 このHibワクチンにつきまして、既に、平成十七年三月、予防接種に関する検討会の中間報告において、「Hibワクチンの予防接種法上の位置付けの検討に当たっては、この疾患の重篤性、発生頻度を充分に勘案した上で、今後、わが国において更に有効性、安全性、費用対効果等の知見を収集する必要がある。」とされています。もう既にここから四年経過しております。接種率向上のために、WHOが重要ワクチンとしてすべての国で定期接種にすべきと勧告しているHibワクチン、ぜひとも日本でも無料の、第一類の定期接種に位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○足立大臣政務官 委員から、Hibワクチンに対する多くの知見を今お聞きいたしました。私どもも、ワクチン行政を今後どうするのかということで、先日来答弁しているところでございます。

 中長期的につきましては大臣から答弁があるかと思いますが、私はHibワクチンについてだけ申し上げます。

 これは非常に重要なワクチンというふうに私どもも認識しておりまして、WHOが今予防接種を勧告しているのは二十一種類、それに対して日本は九種類であるというおくれも確かにございます。

 そして、Hibワクチンや小児用の肺炎球菌ワクチン、または子宮頸がんに対する予防ワクチン等、取り組むべきことはいっぱいございます。今回の特別措置法の附則の第六条「検討」のところで書かせていただいたことは、予防接種法の改正も含め、その種類、そして臨時接種なのか定期接種なのか、そのことも含めてしっかり議論する必要が今まさに目の前に来ているという思いを込めて書かせていただきまして、来年の通常国会にその法案審議ができれば大変いいのかなと私は思っております。

 中長期的でございましたら、大臣の方に質問していただきたいと思います。

○古屋(範)委員 今政務官の方から予防接種法の改正を視野に入れているという御答弁でありましたけれども、海外では標準的に使われているワクチン、こうしたものが日本では使えない、こういう現状をぜひとも変えていかなければいけない、このように思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。

○長妻国務大臣 日本国のワクチン行政という意味でいうと、やはり先進国の中でもおくれをとっていると言わざるを得ません。

 それは、過去いろいろな問題が発生をしたということもございます。今後、ワクチン行政を前に進める方策を、開発体制も含めて今整えつつありますけれども、やはり重要なことは、安全性ということについて国民の皆様方にわかりやすく情報を開示する、問題が起こったときには速やかにわかりやすくお伝えをする。これまで、ワクチン以外、例えば薬害の問題でも、厚生労働行政というのは対応が十分ではなかった、こういう反省があり、国民の皆様から見ても、厚生労働省に対する不信ということも一定のものはあるわけでございますので、それを払拭すると同時に、ワクチン行政を立て直す必要がある。

 Hibワクチンにつきましては、今、定期接種化に向けて検討をしているところでありますけれども、副反応あるいは効果などについて情報を収集しているという段階であります。

○古屋(範)委員 ぜひ、Hibワクチン、小児用の肺炎球菌ワクチン等定期接種化に向けまして前向きな御検討をお願いしたい、このように思っております。

 最後になりますけれども、本会議におきまして、私は日本版ACIPの創設をという提案をさせていただきました。そのときに大臣の方から、担当部署が多岐にわたっていることから、おっしゃるように縦割り行政との御指摘も確かにいただいており、我が国の円滑なワクチン施策に支障を及ぼすとの意見もあります、今回の新型インフルエンザの発生等を踏まえ、ワクチン行政のあり方について総合的に検討する必要があると考えております、このように御答弁いただきました。

 このACIP、もう御存じかと思いますけれども、米国で一九六四年に設立をされた機関、製薬企業などと利害関係のない専門家、また予防接種を受ける側の代表で構成されておりまして、ここの多くの関係者による議論の結果が国の予防接種政策に反映をされる、非常に重要な役割を果たしている、ワクチンの長期戦略を担っているところでもあります。

 また、アメリカの予防接種制度がすばらしいというのは、WHOが貧しい低開発国でも定期接種に入れなさいと勧告をしているワクチンの中で、日本脳炎とBCG以外のワクチンはすべて定期接種となっていることであります。そして、接種をしていないと保育所や学校に入園、入学できない、ここまでしております。義務接種制度となっているために、VPD、ワクチンで防げる病気にかかる人の数が非常に少ないという結果が出ております。

 日本ではワクチン行政は、国立感染症研究所、厚生労働省の医薬食品局、あるいは予防接種の運用は健康局、またワクチンの販売後の調査、定期接種分が結核感染症課ということで、非常にこれが細分化をされているということが言えるかと思います。

 ぜひともワクチン行政全般を担う日本版ACIPの創設に向けて、できれば来年度の予算の確保も含めまして、大臣のお考えをお伺いいたします。

○長妻国務大臣 ワクチン行政を進めるには、これはどの行政にも共通しますが、とりわけ国民の皆様方の御理解と、意思決定にも参加をしている意識を醸成するということも重要でございます。

 今御指摘のACIPというのは、アメリカの米国保健社会福祉省から委嘱され、予防接種で予防可能な疾病について、その対策についてCDCに助言と提言を行う組織ということであります。これは外国代表の参加も認められているということで、英国、カナダ、メキシコの方もその会議に参加できるということもありますし、メディアとかあるいは一般市民もオブザーバーの参加ができるということで、かなり幅広く合意形成を積み上げていく組織だということで、大変これは参考になると私も考えております。

 その意味で、来年の概算要求で、まあ規模は少ない、調査費的なものをつけさせていただいているところでありまして、これについても、縦割り行政を排すという我々の考え方のもと検討を進めていきたい組織の一つであります。

○古屋(範)委員 少ない額ということでありますが、最低でもぜひ満額確保していただいて、この調査を大きく進めていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

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