第166回国会  災害対策特別委員会 第5号

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 能登半島地震から二週間余りがたちまして、改めて、今回の地震で亡くなられた方、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 国会で、各委員会におきましてもこの能登半島地震に対する活発な質疑が繰り広げられております。若干前の委員と重なる部分もございますが、順次質問してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 初めに、今後の余震状況の見通し、また地盤の緩み等に配慮した取り組みにつきまして、気象庁にお伺いをいたします。

○平木政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十九年能登半島地震の余震状況につきましては、けさ八時までに、震度五弱が三回、震度四が五回を含め、震度一以上を観測した地震は三百六十六回となっております。

 余震活動は、このたびの地震としては平均的な減衰の仕方をしてきております。現在、震度五弱以上の揺れとなる余震が発生する可能性は小さくなっております。震度一以上となる余震、すなわち、体に感じるような余震につきましても、四月下旬ごろにはおおむね一日に一回程度になるものと見られます。

 被災地においては、地震による強い揺れにより地盤が脆弱になっている可能性が高いため、大雨警報、注意報を発表する雨量の基準を引き下げて運用しているところでございます。

 なお、地元の金沢地方気象台では、一日三回、被災地の天気についてわかりやすく解説した資料を作成し、石川県や関係する九市町村に提供して、復旧復興に当たられる方々への支援に努めているところでございます。

○古屋(範)委員 余震はほぼ終息しつつあるということでございますが、これから梅雨の季節にも入ってまいります。どうか、こうしたことにも配慮した、さらなるきめ細やかな対応をよろしくお願い申し上げます。
 次に、激甚災害指定について質問してまいります。

 公明党は、安倍総理に対しまして、復旧事業への国庫補助率の引き上げなどを行う激甚災害制度の速やかな指定を求めたところでございますが、安倍総理は、地震発生の翌日、二十六日夕刻に、被災者の方々が激甚災害指定を強く希望されているので私も要望にこたえたいと述べられ、前向きに検討する考えを示されております。現時点ではまだ指定がなされておりません。一刻も早い指定をと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

○溝手国務大臣 気持ちは我々も同じでございます。

 それで、従来から、激甚災害の指定、特に局激の方はいつも年度末に査定をして指定するというのが習慣的に行われていたわけでございますが、今回はとにかく早くやろうということで、スピード感を持って指定をしようということで、先ほども申し上げたわけですが、少しラフな見積もりになろうと思いますが、航空写真とか地図とか本省から人間を派遣するとかいろいろな手をやって、早い段階で現地の皆さんに安心していただくように対策をとってまいりたい。来週には何とかめどをつけたいと思って、今フル稼働をしているところでございます。

○古屋(範)委員 大変速やかな検討をしていただいていることに敬意を表する次第でございます。来週というお言葉もちょうだいいたしましたので、一日も早い指定を何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 次に、文部科学副大臣に質問してまいります。

 地震発生から二週間が過ぎまして、この地震のショックが長期化する中で、避難生活のストレスから、不眠、頭痛、体の調子が悪いなどを訴える方が多いと聞いております。この被災者の方々は急性ストレス反応が出ている、あるいはうつ病、PTSDなども懸念されるとの指摘がございます。

 前回の質問では、高齢者の方々の心身両面にわたるケアを質問いたしました。今回は、被災地の児童生徒への対応についてお伺いをいたします。

 輪島市教育委員会では、地震後の児童生徒の精神状態を把握するために、市内十七小中学校の児童生徒を対象にアンケートを実施されまして、そのうち市立の二小学校では、児童の多くが心理的な圧迫、不安を訴えているということでございます。ちょっとした音に驚いたり、余震が気になって仕方がないと訴える児童、心的外傷後ストレス障害につながるおそれもございます。

 今回の調査で先に結果がわかった二校に限らず、被災地の全小中学校に対しまして、ぜひ、文部科学省、子供の心の専門家あるいはスクールカウンセラーを派遣し、または常駐させて子供たちへの対応をお願いしたいと思いますが、この点に関して池坊副大臣にお伺いいたします。

○池坊副大臣 今古屋委員がおっしゃいましたように、市内の十七の小学校、中学校で調査をいたしましたところ、四割の子供が不安を抱えております。地震のことを早く忘れたい、あるいはちょっとした音でも驚く、そのような結果がございますので、これは放置いたしますとPTSDにもなりますから、しっかりとスクールカウンセラー、五十億の活用事業費をいただいておりますので、今、門前東小学校、西小学校、二校に一名ずつですが、私は、一名では足りない、随時しっかりと把握をしながら追加をしてスクールカウンセラーの方の派遣をお願いしたい。

 それから、今おっしゃいますように、この二校だけでなくて、四割の子供たちがそのような不安を感じているのですから、しっかりとケアをしてまいるように再度指示いたします。

 それから、保護者用には、このようなパンフレットを三万三千四百部、教育委員会を通して保護者の方々に語りかけております。保護者、地域の方々と連携をとりながら、PTSDにならないようにしっかりと今対応していきたいと思っております。

○古屋(範)委員 文部科学省におかれましては、既に対応をとっていただいているということでございますが、ただでさえ四月と申しますのは、入学あるいは進級で子供たちの生活、また心の状態も落ちつかない時期でもございますので、さらなる手厚い子供たちへのケアをよろしくお願い申し上げます。

 次に、児童生徒の生命を守るため、また地震の避難所として活用されております公共の施設、特に学校の耐震化についてお伺いをしてまいります。

 三月末に公表されました文科省公立学校施設の耐震改修状況調査結果を見ますと、全国の公立小中学校の校舎、体育館など約十三万棟のうち、耐震性が不十分な施設は三〇%に上る、耐震診断さえいまだに行っていない施設も一三%ございます。耐震診断が進めば、強度不足の建物がさらにふえる可能性がございます。

 今回の能登半島地震に見舞われた石川県では、多くの学校で、校舎の壁や窓ガラスが破損するあるいは体育館が半壊をするという被害が出ております。石川県の耐震化率は五五・一%、全国的には中位クラスであります。もしこの地震が春休み期間ではなく授業中にあったら、児童にも大きな被害が出ていた可能性がございます。

 公明党は、これまで学校の耐震化を強力に訴えてまいりました。二〇〇六年度補正予算で、当初予算に計上された学校耐震化予算一千百三十七億の倍以上、二千八百六億を計上いたしました。また、自治体間の学校耐震化に対する意識もまだばらばらである、格差があるというふうに感じております。

 文部科学省におかれましては、本年度予算とともに、昨年創設された安全・安心な学校づくり交付金も活用しながら学校耐震化をさらに前進させていただきたいと思いますが、副大臣の御決意をお伺いいたします。

○池坊副大臣 私ども文部科学省が常に教育委員会を通して学校に申しておりますことは、子供が大半を過ごす場でありますとともに、この間のような地震が起きましたときに地域の拠点なんです、地域の拠点が耐震ができていなかったら、これは避難をする場すらないのではないか。

 先日、調査の発表をいたしましたが、平成十八年度十二月現在、五六・八が耐震ができているところでございます。それから、今おっしゃったように、耐震診断実施率が小学校、中学校で七九・四%ですから、二〇・六%のところはこれすらやっていないんですね。速やかにそれをいたしますように、補正予算で千百三十六億、本予算で千百四十億を計上いたしております。

 御存じのように、地方分権、地方分権と言われておりますので、絶対にやりなさいということは指示はできませんけれども、これは市町村別でしっかりと情報公開をいたしております。ですから、情報公開をいたしますと、それぞれの首長とか議会の方が、これはうちのところは不安なんだとかあるいはしっかりとしなきゃいけないのだということがわかっていただけると思いますので、私どもは、情報公開ということをしっかりとこれからも、今もいたしておりますが、さらに進めることによって耐震化率を深めてまいりたいと思っております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。

 最後に、溝手大臣に被災地復旧への御決意をお伺いして、質問を終わります。

○溝手国務大臣 先ほどから話題になっております子供たちの問題、ともすれば高齢者を含めたことに焦点が当たっておりまして、子供たちのことがおろそかになってはいけないという御指摘については全くそのとおりだろうと思います。私のようにかなり鈍くなった男でも、当日は、到着したときに起こった五前後の余震で、当時二十五人の政府調査団が行って、しばらく口もきけないぐらい怖くて、大変な衝撃だったわけです。それで、そのときに子供たちというのは、恐らく大変な思いをして今日まで来たんじゃないかと思います。高齢者も含めて、子供たちも含めて、これからも安心して住み続ける町として再生をしていきたいと思っております。

 それで、問題は、山古志村のケースだけ申し上げたいんですが、もとの世帯数が結果として七割しか残らないという問題が起こっております。この問題も十分頭に入れまして、できるだけ多くの人が戻ってこれるように、いろいろな知恵を使って頑張ってまいりたい。また、それ以外にも、伝統的な、観光があり、温泉があり、朝市があり、漆器があるということで、そういったビジネスがしっかりこれからも継続できるような工夫をしてまいりたい、このように考えております。

○古屋(範)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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