第201回国会 衆議院 予算委員会第4分科会-1号

○古屋(範)分科員 公明党の古屋範子でございます。

 萩生田大臣には、副大臣在任中、副長官でいろいろとお世話になりました。きょうはよろしくお願い申し上げます。

 冒頭、新型コロナウイルス感染症に関して一問質問をさせていただきます。

 新型コロナウイルスの感染症の拡大、新たな局面を迎えていると思います。政府の方はきょうにも対策の基本方針を発表されるということでございます。専門家会議では、この一、二週間が感染の拡大を抑止をしていく瀬戸際、正念場であるという報告書を提出をしております。

 公明党は、政府よりもいち早く対策本部を立ち上げまして、二月の六日には提言を発表いたしました。六日時点ではまだ子供への感染は認められておりませんでしたけれども、その中で、さまざまなケースを想定して、学級、学校閉鎖、またスポーツイベントの開催などについて、二〇〇九年の経験を踏まえてあらかじめ検討しておくことということを盛り込ませていただきました。

 萩生田大臣、本日午前中の記者会見で、児童生徒の安全が最優先である、速やかに方針を周知する旨の発表をされております。

 当面の対策より少し中期的な問題になりますけれども、新型コロナウイルス感染症抑制に向けたワクチン開発の促進についてお伺いをしてまいります。

 御存じのように、中国の湖北省武漢を中心に新型コロナウイルスの感染患者が報告されて以来、わずか二カ月の間に世界じゅうで四万人を超える感染者、千名を超える死亡者が報告をされております。世界的に公衆衛生上の非常に大きな問題でありまして、早急な対策が求められております。現在、このウイルス感染症に対する治療薬及び予防法は確立をされておりません。

 新型コロナウイルス感染症は世界じゅうに蔓延する可能性が危惧をされておりまして、予防のためのワクチン開発が急がれていると承知をしております。このワクチンがあれば、医療従事者また検疫の関係者が安心して安全に対応ができるということだと思います。

 新型コロナウイルス感染症抑制に向けたワクチン開発の促進についてお伺いをしたいと思います。これまで日本で研究者が行ってきたSARS、MERSに関する知見を踏まえて、コロナウイルス感染症を制御するため、人材を集約をして基礎研究を強力に推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村田政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に関する御指摘がございましたワクチン開発を含む研究開発につきましては、関係省庁連携のもとで、政府全体として取組を進めております。文部科学省としても、日本医療研究開発機構を通じ、海外における情報収集や基盤的研究を支援しているところでございます。

 こうした研究開発を進める上で、ウイルスの遺伝子組み換え実験等を行う場合につきましては、カルタヘナ法に基づく大臣の確認が必要となります。これまで申請がございましたものにつきましては、迅速に対応をし確認手続を完了したところでございます。今後とも、引き続き申請に迅速に対応してまいりたいと考えております。

 さらに、二月の二十日でございますけれども、お話がございましたSARS等に対する診断法開発の実績がある長崎大学の研究者を中心とした六大学十人の研究グループが行う新型コロナウイルス感染症に関する緊急研究に対して、科学研究費、特別研究促進費による助成を行うことを決定をいたしました。

 この研究では、六大学が、アジア地域に展開をしております感染症研究拠点におきまして、新型コロナウイルス感染症に関する検体や臨床情報を収集するとともに、集めた情報を活用して、簡易検査キット、治療薬やワクチン等の開発において基盤となる技術の確立を早期に目指すものと承知しております。

 文部科学省としては、こうした研究の進捗や成果も確認しつつ、引き続き必要な研究についてしっかりと支援をさせていただきたいと考えております。

○古屋(範)分科員 長崎大学、ここはこうした感染症についてさまざま知見を積み重ねている大学だと思います。ここを中心に、アジアとも国際連携をし、またAMEDとも協力をしながら、できるだけ早くワクチンの開発をしていただきたいと思っております。

 ワクチンの開発は、安全保障上の問題だと思っております。いざというときに海外に頼っているようであっては、我が国の国民の生命、生活を守ることはできませんので、我が国のワクチンの研究開発力、この向上にも努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、リカレント教育についてお伺いをしてまいります。

 人生百年時代の到来がうたわれておりまして、我が国でも生涯にわたるリカレント教育が注目を集めております。

 欧米では、会社に勤めてからもう一度学習する、こういうサイクルが比較的一般的になっております。しかし一方、日本では、学校を卒業するとずっと職業人として、企業人として働き続ける、こういうケースが一般的だと思います。また、学校卒業後は会社がそういった教育を担ってきた側面があると思います。しかし、大企業でもそのような余裕がだんだんなくなってきた、中小企業においてはそもそもそういう余裕がなかなかないという現状だと思います。

 会社の終身雇用制度も変化をいたしまして、また技術革新によってあらゆる業界の変化のスピードというものは急速に高まっております。それを全部個人で勉強してくれというのはいささか難しいと思っております。人生百年時代、技術革新が進む中で、誰もが幾つになってもライフスタイルに応じたキャリア選択を行って、新たなステージで求められる能力やスキルを身につける、そうした社会環境整備が必要だと思っております。

 骨太二〇一九の中で、このリカレント教育につきましては、社会人、女性、高齢者等の多様なニーズに対応して大学や専修学校等のリカレント教育を拡充をする、また、大学、大学院等において、産業界との連携、接続を強化をして、人文社会科学系も含めた幅広い分野の教育プログラムを構築し、社会人が学び直す機会を拡充するということが既に掲げられております。

 この生涯教育、またリカレント教育というのは、人生をより豊かにするということもありますし、社会人となった後も生涯教育の場を持ちたいという方々、新たな仕事に対応できるように社会人としてもう一度大学等で学び直しを求められる、そういう場合もございます。

 文科省では統計をとられておりまして、社会人になった後でも学び直しをしたいかという質問に対して、学習したことがあるあるいは現在学習している、学習してみたいという方が三六・三%いらっしゃいます。特に三十代の方々では五一・九%の、半分以上の方々が、学習意欲が高いという結果が出ております。

 社会人が大学などで学習しやすくするために必要な取組、これにはやはり費用の支援、経済的な支援が大事だと思います。また、時間の配慮、仕事をやめなければ大学、大学院に行けないというので非常に決意が要ります、難しいと思います。また、就職、資格取得などに役立つプログラム、あるいは、放送、インターネットなどで受講できるプログラム、こうしたプログラムの拡充また情報を得る機会の拡充が必要だと思っております。

 アメリカでは、コミュニティーカレッジという形式があります。これは多くの移民を入れてきたアメリカ社会で、社会の成長とともに、意思のある者なら誰でも学ぶことができる、こうしたコミュニティーカレッジの教育を充実させています。

 公立二年制で、全米大学約四千校のうち約一千二百校が設置をしております。平均年齢も二十八・五歳、親からも援助がないという方が半分以上いて、働きながら学ぶ方も六割以上ということで、地域住民が無償あるいは本当に安く教育を受けて学位を取得できる、こういう教育機関がございます。

 日本において、費用も安くて、働く人にとって学んでいこう、あるいは高校で学び損なったけれどももう一度大学に行きたい、こうしたコミュニティーカレッジのようなものが必要だと思っております。

 日本では、リカレント教育に関する公的な補助や支援制度、関係機関の連携はまだ未成熟な部分が多いと思っております。こうした欧米のような有給教育制度がある企業は日本ではまだ少ないと思っております。リカレント教育の機会が得られたとしても、費用負担が増大した場合、行政からの支援、給付金がまだまだ少ないということが言えるのではないかと思っております。

 働きたいと思っている女性、高齢者、また学びたくても学べなかった方々、あらゆる人々、全ての人々にとって、こうした大学、専修学校等でのリカレント教育を拡大して、希望する全ての人に門戸を開くリカレント教育を展開すべきと考えますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

○萩生田国務大臣 人生百年時代の到来や技術革新の進展等の中では、個々人が人生を再設計し、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択を行い、新たなステージで求められる能力、スキルを身につける機会の提供が求められるため、リカレント教育の抜本的拡充が重要だと私も思っております。

 文部科学省では、人づくり革命基本構想などに基づいて、これまでも産学連携による実践的なプログラムの開発促進等に取り組んできたところですが、令和二年度の予算案におきましては、大学や専修学校等における産学連携プログラムの開発促進、それから社会人向け短期プログラムの開発促進、放送大学における実践的なオンライン配信コンテンツの充実、学び直しを支える実務家教員の育成など、多様なニーズに応じた取組の実施を検討しています。

 先ほど先生がリカレントの、言うならば日本における概念の中で、例えば、仕事をやめて、そしてもう一度リカレント教育を受けてキャリアアップを目指す人の例や、あるいは、働きながら少しスキルアップして給与の上昇を目指すなど、いろいろなパターンがあると思うんです。あるいは、チャンスがなかった人がもう一回学術的に豊かさを求めて学び直す場合もリカレント教育だと思うんです。

 実は、先日、政府の未来投資会議の中で、リカレント教育、まだ我々は歴史が浅いものですから、余り概念を広げちゃって、何でもかんでも学び直せばリカレント教育で、何でもかんでも国が応援するというのはいかがなものかと。

 例えば、アメリカの例を御提示いただきましたけれども、私も、先日、シンガポールのスキルズフューチャーというのをよく拝見をさせていただきました、視察をしてきました。これは、企業や業界側が、こういう人材を育て直してくれればうちで採用しますよ、お給料もアップしますよということを明確にしながら、要するにマッチングをちゃんとしながら勉強している、こういうものもありましたので。

 そう言ってしまうと、何か職業の選択を変えたり給料を上げることだけがリカレントの目的になってしまうのはちょっと寂しいので、確かに、豊かさを求めた学び直しもリカレント教育の一環でいいと思うんですけれども、じゃ、文科省としては何をやっていくか、あるいは経産省としてはどうするか。こういったものを、これからリカレント教育という概念の中でそれぞれ役割分担をしながら、いずれにしても、人生、一方通行じゃなくて、一度立ちどまってもう一回やり直しができて、一つ階段を上がってそしてまた違う景色が見えるような、そういう世の中をつくっていくことは私も大賛成なので、文科省としてできる努力を最大限頑張ってみたいと思います。

○古屋(範)分科員 大臣おっしゃるように、目的とそれに対応した形態というものをしっかりつくっていくことが重要なんだろうというふうに思います。

 まず初めに、女性へのリカレント教育についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 転職でキャリアアップしていく、あるいは女性の社会進出の増加によって、職業技術や知識を外部の教育機関で学習したい、そういうニーズが出てきております。

 男性中心の長期雇用が大前提であれば、企業の中での教育に依存をしていても自然にそういった知識が身につくということも言えたかもしれません。また、転職を前提として短期間で企業をかえたり、女性が産休、育休を挟んでキャリアを積む、こうした企業内教育で継続的に仕事上必要な技術、知識を身につけることが難しい、女性はこういうビハインドを強いられております。自分のキャリアパスに合わせて、みずから学習機会をつくることが求められてきております。

 女性の職業キャリア形成にはいまだにさまざまな壁が残されておりまして、その活躍を実現するための政策課題は多いと思っております。また、出産、育児を理由に離職せざるを得なかった女性たち、この再就職支援強化が非常に重要であると思っております。リカレント教育、また大学、ハローワークなどで学び直しを支援していくことが重要だと思っております。

 私は、二〇一七年に日本女子大学に参りまして、そのリカレント教育の内容を学んでまいりました。これは、結婚、出産で一旦離職した女性が再就職をする、あるいはキャリアアップをしていく、そのためのリカレント教育であります。中身も、実践的なビジネス英語であるとか、また文書管理など今必要なそういう講座をそろえておりまして、企業とインターンシップがあって、二〇一五年度の就職率は九〇・二%ということですので、ほぼ皆さん、希望する方が就職を果たされております。

 また、兵庫県にあります兵庫大学というところでは、もう少し幅広く、看護師であるとか保育士であるとかそういう方々で一旦離職をした方々、こういう方々へのリカレント教育をしてそして再復帰をしていただく、そういう道筋をつける、このようなリカレント教育もございます。

 こうした、女性が自分の力を発揮できる、そういう能力を身につけていくための、女性のためのリカレント教育の充実というものも求められていると思います。これに関する文科省の取組についてお伺いをいたします。

○浅田政府参考人 女性の力を社会のいろいろな分野でもっともっと生かすあるいは生かせるようにするということは、女性のためにもそれから社会のためにも本当に大事なことだと思います。

 文部科学省としては、リカレント教育を通じて、女性が復職あるいは再就職等をしやすい環境の整備に向けた取組を進めております。

 平成二十九年度、二〇一七年度から、女性に対するリカレント教育を推進する、男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業というのを実施しています。この事業では、大学や地域の財団法人への委託により、大学、男女共同参画センター、ハローワークなどの関係機関が連携して、地域の中で女性の学びとキャリア形成、再就職支援を一体的に行う仕組みづくりを進めてきたところです。

 例えば、今年度、委託先の一つであるせんだい男女共同参画財団では、シングルマザーなどの困難な状況にある女性を対象として、資格取得やキャリアアップを目指して基礎学力を身につけるための伴走型の学習支援あるいはキャリア相談や就職活動支援、さらに、子供がいる母親が安心して学習できる託児サービスなどを一体的に実施する取組を行っております。

 また、令和二年度の予算案では、新しく、女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業としまして、関係機関との連携のもとに、女性のキャリアアップやキャリアチェンジなどに向けた意識の醸成、相談体制の整備、学習プログラムの開発など、女性の多様なチャレンジを総合的に支援するモデルの開発や普及啓発を行うために必要な経費を計上しているところでございます。

 今後とも、こうしたさまざまな取組を通じて、女性が多様な支援と学びの機会を得て活躍できる社会の構築に向けてしっかり進めていきたいと思います。

○古屋(範)分科員 既に、令和二年度予算案の中でもこの分野の予算を確保していただいていると思います。労働力が減少していく中で、働く意欲のある女性に労働市場に出てきていただくことが重要だと思います。それも、パートまた非正規という形で復職をされて、さらに、その先、正規の社員として働いていけるよう、リカレント教育の充実を求めておきたいと思います。

 次に、産学官連携による専門分野のリカレント教育についてお伺いをしてまいります。

 昨年末なんですが、私の地元にあります神奈川県立保健福祉大学、ここが川崎に大学院をつくっておりまして、そこのヘルスイノベーションスクールに行ってまいりました。ここは、昨年四月に開設をされたばかりでありまして、健康・医療分野の専門人材育成に取り組む大学院であります。

 ここでは、社会人が働きながら学べるように、授業時間は平日の夜間それから土曜の昼間となっております。授業は全て英語になっております。現在では、医療関係者あるいは民間企業研究者十六人が在籍をしているということであります。県立の強みを生かしまして、県内にある健康診断とか医療、介護、こうしたデータ、それから県立のがんセンターもありまして、こうしたデータを生かして、データサイエンスが中心なんですが、それを更に県の政策に生かしていく、こうした循環をつくっております。いわば県のシンクタンク的要素を持っております。

 ここの理事長は大谷さんなんですけれども、大谷理事長は、国際化に対応するため多くの授業を英語で実施している、また、実践重視で人材育成に取り組んでいるということをおっしゃっていました。企業の側も、川崎ですので非常に都内からも近く、多分、行ってこいと言われて、国内に留学するような形でここに送り込まれて能力を高め、そしてもう一回企業に戻っていく、こういう大学院であります。

 ここは健康・医療分野の専門人材を育成するという大学院なんですが、こうした高度なリカレント教育、世界に通用するような人材の育成というものが今重要だと思っております。社会人になっても専門分野を深められるリカレント教育への支援についてお伺いをしたいと思います。

○浅田政府参考人 先ほど大臣からシンガポールの例の御紹介がございました。リカレント教育にはもちろんさまざまな性格のものがありますけれども、とりわけ職業につながるような分野においては産学がともに人材育成に参画する環境を整備する、そして、連携してより充実したリカレント教育の体制、機会をつくっていくということはとても大事だと考えております。

 文部科学省としても、大学あるいは専修学校などにおける産学連携による実践的かつ専門的なリカレントプログラムの開発促進などに努めているところでございます。

 具体的には、例えばですけれども、情報技術人材などの育成のための大学等での体系的で高度な産学連携プログラムの開発、やはり、大学の持っている研究力、力を生かすということです。

 それから、あるいは、専修学校もこのリカレント教育では大事な役割を担っていると思いますが、専修学校での分野横断型の産学連携プログラム、分野横断型というのは、例えば介護と美容をつなげたようなものとか、さまざまな試みが専修学校でもなされています。

 それから、実践的、専門的な社会人向けの短期のプログラム、受けていただきやすい短期のプログラムに対する大臣認定の仕組みもございます、職業実践力育成プログラムというものですが、こうした仕組みを生かしていくということも大事だと思います。

 さらに、専門的かつ実践的な教育を支えるいわゆる実務家教員の育成による産学共同教育の場をつくっていく、ふやしていくということもとても大事だと思っています。

 こうしたさまざまな産業界のニーズも踏まえて、かつ学習者のニーズにも応えられるものを充実していくことが大事だと思っています。

 引き続き、産業界等と連携してリカレント教育を推進していきたいと考えております。

○古屋(範)分科員 大臣もシンガポールの例を引かれましたけれども、アメリカでも、例えばAT&Tとノートルダム大学が連携をして高度な人材を育成していく、五百五十万円の学費は企業が出して、そして大学で育成をしてまた企業に帰る、このようなシステムをつくっているところもございます。先ほど申しましたように、まだまだ日本では未成熟であると思います。こうした産学官連携のリカレント教育、これからも更に伸ばしていっていただきたいと思います。

 次に、このリカレント教育を支えていく実務家の教員というものが必要になってまいります。この実務家教員の育成が重要と考えますけれども、この取組についてお伺いをしてまいります。

○伯井政府参考人 お答えいたします。

 企業等での豊富な実務経験あるいは高度な実務能力を有する実務家の知見を、リカレント教育としての社会人向け教育プログラムに積極的に取り入れていくことは重要であるというふうに考えております。

 このような視点で、文部科学省では、令和元年度から、大学等において教育、授業を実際に行うに当たって必要な基礎的知識などを身につけるための実務家教員育成プログラムの開発実施、そして、そのプログラムを標準化し全国展開していく、また、そのプログラムの修了者の情報を収集提供するための仕組みづくり、これらのことを推進するための取組を支援しておりまして、令和二年度予算案においても必要な予算を確保しているところでございます。

 文科省としては、このような事業を通じまして、引き続き、実務家教員の育成、リカレント教育の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

○古屋(範)分科員 人材の育成もよろしくお願いしたいと思います。

 大学等で行われているリカレント教育の情報なんですが、発信を支援する制度が必要だと思っております。キャリア等の課題を抱えた社会人が、学習をしたいという意欲は持っている、具体的に大学等におけるプログラムを受講するというところまでなかなかつながらないのが課題だと思っております。

 文部科学省にお伺いをいたしましたマナパスというポータルサイト、社会人の大学等での学びを応援するサイトができております。二〇一八年に開設をされております。恥ずかしながら、私もこれは知りませんでした。大学等における学び直し講座情報また学び直し支援制度情報を発信する社会人のためのポータルサイト、社会人がみずからのキャリアに適した学習プログラムの情報を効果的に入手できる、大学等で学びやすくするための環境整備の支援を目的とされています。

 私もアクセスをしてみましたけれども、地域を指定して、大学、大学院、この分野、この資格ということを指定をいたしますと、それに応じたさまざまな大学のプログラムが検索することができます。こういうこともまだまだ国民に周知が足りないのではないかというふうに思っております。

 さまざまな取組をされているんですけれども、学びに関するニーズを把握して、また、個人の関心、ニーズに合った学びのプログラムを見つけ、情報に効果的にアクセスできますよう、更に強力な取組をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○浅田政府参考人 社会人が大学などで学び直しをする際に抱える課題、これは、例えば平成三十年度の世論調査によりますと、やはり経済的な支援、費用とか、開講時間の配慮、時間とか、あと社会人向けのプログラムとか、先ほどお話ございましたが、放送とかインターネットで受講できるプログラムがあるといいね、そういうプログラムについての要望もございますが、学習に関する情報を得る機会がもっと欲しいという回答も約二三%、非常に多くなっております。

 お話しのとおり、さまざまな機会はあるのですけれども、それにちゃんとアクセスできる環境を整えることも大事で、今御紹介いただきましたように、文部科学省としては、大学、大学院、専修学校の講座、あるいはJMOOCなんかの講座も含めて、こうした情報を一元的に学習者に提供できる総合的なポータルサイト、マナパス、これは学びのパスポートの略なんですが、の構築に取り組んでおりまして、今年度の四月から試行的に運営しております。

 本年二月現在で掲載している講座数が四千三百五十二ということでございますが、知らなかったということでございますので、やはり知っていただくのがまず第一ですから、もっと知っていただけるように、かつ、それで実際にアクセスしていただいた方に役に立ったなと思っていただけるように、充実を図っていきたいと思っております。

○古屋(範)分科員 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。

 ありがとうございました。

Follow me!