第201回国会 予算委員会第5分科会-1号

○古屋(範)分科員 公明党の古屋範子でございます。

 稲津副大臣、連日、新型コロナウイルスの対応、大変にお疲れさまでございます。

 きょうは、私が抱えております厚生労働分野の諸課題について質問してまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 初めに、母乳バンクの役割、有効性についてお伺いをしてまいります。

 母乳バンクは、二〇一三年十月、昭和大学小児科研究室内に設立をされました。母乳が出ない母親のかわりに、別の母親の母乳を小さく生まれた赤ちゃんに無償提供するものであります。低体重で臓器が未発達な赤ちゃんの病気のリスクを減らすのが狙いです。

 母乳バンクが必要とされる赤ちゃんは、千五百グラム未満で生まれた極低出生体重児、千グラム未満の超低出生体重児。医療の発達で多くの命が救われている中、特にこうした小さな赤ちゃんは臓器が未発達で、病気にかかるリスクが高い。こうした超低体重児が腸の一部が死滅する壊死性腸炎になると、五割以上が死亡すると言われております。母乳はこのリスクを低減することができます。

 日本小児医療保健協議会栄養委員会が昨年七月に提言をしております。早産、極低出生体重児においても自母乳が最善の栄養であり、早産、極低出生体重児を出産した母親に最新の情報に基づいた母乳育児、搾乳支援を提供しなければならない、もし十分な支援によっても自母乳が得られない、子に与えられない場合にはドナーミルクを用いる、このように提言をしております。

 産後、小さく生まれた赤ちゃんの母親、思うように母乳が出ずに悩んでいるお母さんにとって、母乳バンクは大変ありがたい制度だと考えております。

 初めに、この母乳バンクの役割、有効性についての認識をお伺いいたします。

○渡辺政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘ございましたように、非常に低い体重で生まれた子供さんなどは、消化管あるいは心臓に疾患を持つリスクが非常に高いと言われております。

 その際に、早期から母乳によって栄養摂取を行うと、御指摘のありました新生児壊死性腸炎ですとか、さまざまな疾病を防ぐことができるということで、利点があると承知しております。

 他方、何らかの理由で母親みずからが提供できない場合には、十分に感染管理された環境のもとであれば、第三者からの母乳であるいわゆるドナーミルクにつきましても同じような予防効果があるということが、海外等の事例においても報告されていると承知をしております。

○古屋(範)分科員 世界的にも、この母乳バンクを設立する動きというものがあります。母乳バンクの歴史、百年以上持っている。一九〇九年、ウィーンで誕生しております。母乳が赤ちゃんの病気を防ぐだけではなくて、赤ちゃんの将来にわたってよい効果をもたらすということがわかっておりまして、オーストラリア、ニュージーランド、ポーランド、トルコなど、多くの国で母乳バンクが広がっております。

 アジアでは、中国、韓国、台湾、シンガポール、ベトナム、インド、フィリピンなどで設立をされております。

 日本の現状といいますと、二〇一七年、国内唯一の母乳バンクである日本母乳バンク協会が発足をされました。この前身は、先ほど申し上げた、昭和大学の小児科の研究室内に設立をされた母乳バンクであります。現時点ではこの一般社団法人日本母乳バンク協会が営む一カ所のみでありまして、五年間で設立はゼロということであります。二〇一八年九月からの一年間で約百人にドナーミルクを提供しております。欧米社会では常識として広く普及している母乳バンク、日本ではまだドナーミルクの活用が十分進んでいないと思います。

 WHOやユニセフでは、母乳を乳児にとっての完全食品として位置づけておりまして、先進国、発展途上国を問わず、その利活用を強く推奨しております。

 母乳か人工乳か、どちらかしかないというのでは、母親も非常に追い詰められてつらくなります。その中間のドナーミルクがあれば、焦らずに母乳が湧いてくるのを待つこともできるというふうに思っております。

 普及への課題として、まず予算の確保、それから安全性の確保の上から運用基準を策定していくことが重要なのではないかというふうに思います。

 低体重児の栄養戦略、十分量の母乳が出ない母親のために、ドナーミルクを確保するこの母乳バンクは必要不可欠であると思います。日本も、今後、全国の需要に見合うだけの母乳バンクを整備するべきだと考えます。母乳バンクの全国配備を着実に展開すべきと考えます。また、そのときに、安全性を確保するための運用基準も策定する必要があると思います。

 この点に関する厚生労働省のお考えをお伺いいたします。

○渡辺政府参考人 御指摘のございましたこの母乳バンクにつきましては、まだ非常に普及が低い状況でございますので、厚生労働省としましても、来年度、令和二年度から開始します厚生労働科学研究におきまして、我が国における第三者からの母乳の摂取に係る安全性の確保のあり方なども含めて、必要な知見の収集に取り組んでまいりたいと思っております。

 特に安全性ということでは、先行して今動いておりますバンクでも、例えば登録時に血液検査によってウイルスなどがないかということを確認したり、殺菌処理などさまざまなことをしておりますので、こういった先行事例も参考にしながら考えていきたいと思っております。

○古屋(範)分科員 令和二年度からの厚生労働科学研究を着実に進めていただきまして、そのエビデンスに基づいて、ぜひ母乳バンクの全国整備に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 続きまして、こどもの国についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 こどもの国といいますのは、現在の上皇陛下が皇太子殿下の当時、御成婚を記念する事業の一つとして、一九六〇年に設立をされました。横浜の青葉区にございます。大体、神奈川県内あるいは隣接の東京都内も、子供を連れて一回は行く、そういう施設でございます。また、保育園、幼稚園なども遠足に行くような施設でございます。中央児童福祉審議会の答申に基づきまして設立をされております。児童健全育成のための中央施設として建設された施設でございます。

 一九六五年五月五日に開園をされました。園内は、非常に広い敷地がございまして、年代に合わせた遊具などもございまして、四季折々に花が楽しめます。プール、スケート場、キャンプ場、ボート乗り場、牧場、乗馬コーナーなどさまざまな施設がありまして、野外活動を学び、何よりも自然と親しめる施設となっております。

 ここは、多摩丘陵の地形をそのまま残している、自然に親しめる施設。また、歴史的背景も残しております。戦争の遺構も保存をされております。また、著名な彫刻家がこの建設プロジェクトにかかわりまして、五十年を経た今も、イサム・ノグチのものですとか、さまざまなそういった芸術作品も残されております。

 しかし、なかなか資金難で建設が頓挫をしたり、また、建設されたものも老朽化をしております。地元からも施設の老朽化の声が寄せられております。

 私も、この一月、視察に行ってまいりました。昭和四十七年竣工の皇太子記念館は老朽化が激しくて、台風で天井が破損しておりまして、雨漏りをしているという現状でございます。これまでも入場料を充てながらさまざま施設の維持管理をしてきたところでございますが、大規模なこうした耐震改修というのが難しい現状でございます。

 今後も、自然豊かな中での遊び場、このコンセプトを維持して、次世代に残すべきものは残しつつ、こどもの国でしか体験できないものを提供できる施設としてあり続けるためにも、各施設の老朽化に伴う大規模修繕の予算について着実に確保をしていただきたいのですが、この点、副大臣に御答弁を求めたいと思います。

○稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 こどもの国につきましては、私も数年前に一度訪問させていただいておりまして、大変自然豊かで、また、いろいろな意義深い施設も数多くあって、そういう意味でもすばらしい施設だと思っております。

 このこどもの国につきましては、特にシンボル的な存在であります皇太子記念館について、昭和四十七年の建設ということで、今議員からも御指摘のように大変老朽化が進んでいる、そこで、令和二年度の予算案において大規模修繕工事費として九億円を計上いたしまして、利用者の安全確保を図るともに、今後ともこの現状の形状を維持し、その記念を後世まで残す、このようにしたところでございます。

 昭和五十六年の国会での衆参における附帯決議もございますが、今後とも、利用者の安全確保とともに、児童の健全育成にふさわしい環境が保たれるように、国としても必要な助成を行い、その整備、発展に配慮してまいりたいと考えております。

○古屋(範)分科員 令和二年度予算案の中に、この皇太子記念館、九億円の修繕費を盛り込んでくださっているということでございます。ありがとうございます。また、その先も必要な予算を確保しつつ、施設の維持管理、ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、福祉用具について質問をしてまいります。

 昨年の分科会でも福祉用具関連について質問いたしました。

 昨年十月、消費税引上げとなりました。これに関しまして、福祉用具貸与価格の上限につきましては、消費税率一〇%となりました昨年十月以降の取扱いについて、税率分の引上げに対応していただきました。これについては感謝を申し上げたいと思っております。

 さらに、在宅また施設における介護ロボットについてお伺いをしたいと思っております。

 現在、施設や在宅において介護ロボットの導入が進んでおります。介護ロボットを継続的に活用していくために、職員に対する操作指導、機器のメンテナンスが不可欠であると思います。導入を促進しているけれども、導入したものの、その後使い続けていただくことが必要だと思います。倉庫に眠らせておいてはもったいないと思います。

 これは、老人保健事業推進費等補助金で行われました老人保健健康推進事業分の研究事業でございます。その報告書の中にも、ロボットの活用につきましてはその有用性が挙げられております。福祉用具専門相談員、介護支援相談員は総じて介護ロボットへの関心や普及への期待が高い、在宅への利用拡大に向けて自身が貢献する意欲も高い、このような調査結果が出ております。また、一定期間使うことによって、介護者の腰痛の問題、また、他の業務に従事する時間ができたなど、短期的、中期的、長期的に見ると変化がある。大変ロボットを活用していくということが重要であるというふうに思っております。

 こうした介護保険の居宅サービスで福祉用具サービスを効果的かつ安全に提供するために、福祉用具専門相談員がメンテナンスとかモニタリングを継続的に実施していく仕組みが導入をされているんですが、在宅、施設等で、介護ロボットについて、メンテナンスなど、どのような対策が講じられているのか、この点についてまずお伺いをしたいと思います。

○大島政府参考人 委員御指摘のとおり、介護職員の負担軽減を図る上で、介護ロボット等のテクノロジーの活用は非常に重要な課題と考えております。

 これまでも、厚労省におきましては、介護ロボットの活用あるいは人材育成に取り組みやすくするための介護事業所向けの生産性向上ガイドラインというのをつくりまして、その普及に努めております。また、介護ロボットに着目した移乗支援や見守りセンサーなどの、それぞれの種類に応じた有効な使い方あるいは期待できる効果などをまとめた手引書もつくっているところでございます。

 一方、福祉用具専門相談員の方につきましては、在宅サービスの利用者を対象に、適宜、利用者の御自宅などに訪問されて、福祉用具の点検や修繕などの保守管理あるいは使用方法の助言等を行っているところであります。

 こういった方々に、ではそういう介護施設における介護ロボットの操作方法の指導あるいはメンテナンスにつきましてどうしていくのかというのは、まだ取り組んでいない分野の一つでございます。現実には、メーカー等が販売やレンタルの一環としてそういった部分をやっていらっしゃるところもあろうかと思いますが、今後ますます介護ロボットほかテクノロジーの普及を進める上で、操作方法ですとかメンテナンス、こういった分野におきまして福祉用具専門相談員の方々にどのように御活躍いただけるかにつきましては、まずは実態把握などを含めまして研究を行ってまいりたいと思います。

○古屋(範)分科員 さらに、福祉用具専門相談員の更新研修の義務づけについてお伺いをしてまいります。

 昨年、この更新研修は重要であるけれども、団体独自の取組を注視していく、このような答弁をいただいたところでございます。

 その後、団体主催の更新研修修了者におきましては、この受講を通じて利用者本位のサービスの提供につながっておりまして、より専門的知識、経験を有する福祉用具専門員としての質の高いサービス提供に努めていることが確認をされております。研修を受けていない者との格差が大きく開いて、利用者にとっては、これが差がつくということはよい結果にならないと思っております。

 こうした観点からも、更新研修の義務づけが必要と考えますけれども、この点はいかがでしょうか。

○大島政府参考人 福祉用具専門相談員の資質向上につきましては、平成二十五年度の審議会の中で議論が行われまして、平成二十七年度から、指定基準省令の中で指定講習カリキュラムの見直しと講習時間の拡充を行っておりまして、さらに、自己研さんに関する努力義務の規定を設けているところであります。

 こうしたこともありまして、全国福祉用具専門相談員協会におきまして、平成二十九年度から、より専門性を高めていくための独自の研修講座を開設していただき、三年に一度受講するよう促しておられるところであります。

 こういった取組をまずはまだ、去年もそのように申し上げたかもしれません、見守りたいと思っておりまして、今義務化いたしますと、全体の事業所に占める受講した方の割合とまだ相当開きがございますので、まずは、団体の独自の取組、これは自己研さんの方法として望ましいものであると考えておりますので、こうした取組の広がりに期待していく段階ではないかなと考えております。

○古屋(範)分科員 こうした更新研修の義務化に向けて、更に検討をお願いしたいと思っております。

 それから、福祉用具サービスの計画書についてお伺いをしてまいります。

 平成二十四年四月、指定居宅サービス等の事業人員、設備及び運営に関する基準等の改正におきまして、福祉用具貸与、特定福祉用具販売等のサービス利用者に対して、福祉用具サービス計画書の作成が義務づけをされました。

 この計画書に最低限記載すべき事項は利用者の基本情報などなどがあるわけなんですけれども、平成三十年度改正で利用者へ複数商品を提示する過程が追加をされました。この書式自体、任意の扱いになっております。

 介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会の中間取りまとめが令和元年十二月四日に行われております。そこでも、書式の簡素化、標準化の検討がICT化の推進につながるということを述べております。

 ぜひとも、この事務負担軽減に向けて、福祉用具サービスの計画書の書式の統一をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大島政府参考人 平成二十九年に、全国福祉用具専門相談員協会におきまして、この福祉用具貸与計画書の参考様式を作成していただいているところであります。今委員御指摘のように、利用者の方々の適切な選択に資するようにという観点からは非常にいい内容の様式をつくっていただいていると考えておりまして、厚労省としても、こうした様式の周知に取り組んでいるところでございます。

 今後、この書式自体は、自治体に対して提出を求めた場合に、自治体から、自治体独自の書式の要求などはございませんので、出して、ちゃんとそれが通用するようにはなっているところでありますが、利用者の方の利便性、適切な選択の向上という観点から、引き続き、この参考様式の周知に取り組んでいきたいと思っております。

 そうした過程を通じまして、まずは普及を図ってまいりたいと思います。

○古屋(範)分科員 ぜひとも、この書式の統一、周知徹底をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

 次に、認知症施策について質問をしてまいります。

 認知症のサポーター、二〇〇五年度に厚生労働省が創設をしたボランティア制度でございます。自治体、企業などが実施する原則無料の養成講座を受けると資格が得られます。私も受けました。政府は、二〇年度末までに一千二百万人のサポーターを養成するという目標を掲げていらっしゃいます。また、こうした認知症サポーターを一千二百万人養成するということなんですが、この方々の活躍の場もぜひともつくっていかなければならないと思っております。

 厚生労働省では、チームオレンジを全国展開していくということを打ち出していらっしゃいます。

 昨年十月なんですが、三重県の松阪市に行ってまいりました。ここでは、住民全体が認知症の方を見守っていく見守り隊というものをつくって活動しています。認知症の人が安心して地域で暮らせる、そういう見守り隊のシステムをつくっています。

 松阪市、人口約十六万なんですが、ことし三月末までのサポート登録者が二万四千人以上いらっしゃるということで、大変熱心な市であります。この方々は、道に迷っている認知症の人などに対して声かけをしていく、そういう研修を行って、認知症高齢者の見守りをしていくということであります。登録者は約千百人いらっしゃるということであります。声かけだけではなくて、ごみ出しの支援とか、さまざまな支援を行っていらっしゃいます。

 認知症施策推進大綱で、このチームオレンジを全市町村で整備していくということを掲げていらっしゃいます。しかし、チームをつくった、形をつくり、人を決めた、形をつくったとしても、こうした今まで取り組んでいるさまざまな地域での特色というものもあると思います。そうしたこれまでの取組も生かしつつ、地域に沿った実効性あるチームオレンジにしていかなければ意味がないというふうに思っております。

 このチームオレンジについて、厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。

○稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 昨年六月に取りまとめられました認知症施策推進大綱では、二〇二五年、ここを目標にいたしまして、チームオレンジを全市町村に整備することを掲げてございます。

 このために、令和二年度予算案では、市町村がその立ち上げや運営支援を行うコーディネーターの配置のための費用等の助成を設ける、また、都道府県がこの市町村の取組を支援できるように、コーディネーターに対する研修のための費用、これを地域医療介護総合確保基金の助成対象に位置づける、このように予算の充実を図ることといたしております。

 そして、これらの財政支援に加えまして、意欲のある市町村が、このチームオレンジの立ち上げ、これがスムーズにできるように、ただいま議員から御指摘のございました先駆的な取組を収集し横展開をしていく、こうしたことを通じて市町村が実効あるチームオレンジづくりができるようにしてまいりたいと考えております。

○古屋(範)分科員 前に副大臣がおっしゃいましたように、今まで非常に積極的に取り組んでいる地域もございます。そうしたものを生かしながら、今、認知症の初期集中支援チームもあり、さまざまな会議体もございまして、複雑になり過ぎないように、実効性あるチームオレンジをぜひとも全国展開していっていただきたいと思います。

 私たち、昨年、公明党として、この認知症に関する認知症施策トータルビジョンという施策をつくり、政府に提出をいたしました。この中で、今まで厚生労働省では認知症対策室でありましたこの対策室を課に格上げすべきだということをこの中の提言で述べております。

 ぜひとも、今、現在でも五百万人の認知症の人がいる、二〇二五年には七百万人にまで増加をする、さまざまな意味で、認知症の施策の推進というのは我が国にとっても最重要課題であると思っております。ぜひ室から課に格上げをしていただきたいと思っております。この点、いかがでございましょうか。

○稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 認知症の人の増加が大変重要な政策課題になってきているということでございまして、御党についても、この認知症の施策の充実、とりわけ部署について室から課への格上げ、こういう要望をいただいてまいりました。

 令和二年度の組織・定員要求におきまして、認知症施策を担当する部署を室から課とする要求を行いまして、認められたところでございます。

 現時点では、地域支援の取組と一体として推進していく、このような観点から、名称を認知症施策・地域支援推進課、このように考えているところでございまして、新たな課の創設によりまして、認知症施策推進大綱に基づくそうした取組を着実に推進してまいりたい、このように考えているところでございます。

○古屋(範)分科員 認知症対策室を課に格上げしてくださるということでございます。感謝を申し上げたいと思います。しっかり、厚生労働省一丸となって、この認知症の施策に取り組んでいただきたいと思っております。

 最後の質問になります。

 介護離職が後を絶たない。なかなか、介護休業、介護休暇の取得が少ないと思っております。この介護休暇、これを時間単位で取得できるようにしていっていただきたいということを、私たちはこの認知症施策トータルビジョンの中で掲げました。

 骨太二〇一九の中で、働き方改革、少子高齢化対策の一環として、介護休暇を一時間単位で取得できるように法令の見直しを行うということが明記をされました。これは大変意義のあることだと思っております。この改正についてお伺いをしたいと思います。

 また、こうした制度改正を行ったとしても、やはり民間企業が理念を理解して、介護休暇、介護休業を取得できる、そうした雰囲気をつくっていかなければ、介護離職を防ぐことはできないと思っております。こうした介護離職を防ぐ環境をつくっていくためにも、今回の制度改正について周知徹底をしていただきたいと思っております。いかがでしょうか。

○藤澤政府参考人 お答え申し上げます。

 初めに、介護休暇の時間単位でございますが、今委員おっしゃいましたように、昨年の夏の骨太の方針のその後、労政審でも審議をいただきまして、昨年の十二月に育児・介護休業法の施行規則などが改正をされまして、来年、令和三年の一月から介護休暇制度について時間単位での取得ができるようになったところでございます。

 続けての御指摘の周知などでございますけれども、改正をされました内容につきましては、周知用のリーフレットを作成し、既にもう昨年十二月には厚生労働省のホームページに掲載をし、また一月には都道府県労働局に送付をするとともに、労働局より各種説明会の開催や事業主への個別訪問などによって周知徹底を図っているところでございます。

 加えまして、介護休業制度全般でございますが、これは、昨年六月の規制改革実施計画で、介護離職ゼロに向けた対策としまして、労働者への介護休業制度の周知徹底を図るというふうにされたところでございます。来年度の予算案におきましては、労働者への介護休業制度などの周知広報の強化、また、ケアマネジャーなどが仕事と介護の両立に関する知識を習得するための研修カリキュラムの策定、さらに、円滑な介護休業の取得と職場復帰に取り組む中小企業に対する助成金の拡充などの施策を盛り込んだところでございます。

 引き続き、今般の改正内容を含めて、介護休業等の制度について周知、定着を図って、仕事と介護が両立できる職場環境づくりに取り組んでいきたいと考えております。

○古屋(範)分科員 令和三年度から実施ということでございます。しっかり周知をお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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