第203回国会 衆議院 内閣委員会-2号

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 内閣委員会、初めて質問させていただきます。きょうは、坂本大臣、橋本大臣、また大隈厚生労働大臣政務官においでいただいております。よろしくお願いいたします。

 十月の九日でございますが、私たち公明党の女性委員会で、菅総理大臣並びに橋本大臣に、真の男女共同参画社会の実現に、全ての女性が安心して希望を持って生きられる社会を目指す提言をお届けいたしました。
公明党には現在、地方議員、国会議員含めまして約三千名の議員がおりますけれども、うち九百五十名が女性議員でございます。本年一月から、さまざまな分野の方々、またさまざまな境遇、立場にある方々から声を聞くというウイメンズトークを全国で開催をしてまいりました。途中、コロナの問題もあり、オンライン会議なども使いながら全国から声を集めまして、提言を作成をいたしました。コロナ禍にある方々、大変な窮状をお伺いしてまいりました。その中で、きょうは、第五次の男女共同参画社会基本計画に盛り込んでいただきたい内容を中心に質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 男女共同参画とそれから少子化対策、これはいわば車の両輪だと思っております。まず最初に、男性の育休取得率向上、また男性の産休の創設についてお伺いをしてまいります。

 私も、仕事、生活の調和の観点から、育休制度の拡充に取り組んできました。二〇〇九年なんですが、育児・介護休業法を改正いたしまして、男性も育休をとるということを何としても推進したいと思いまして、北欧などでは既に根づいておりますパパクオータ制、男性も必ず育休をとるという、この理念を取り入れたパパ・ママ育休プラスの制度をこの改正のときに盛り込みました。その後、期間の延長ですとか給付率の向上など、短時間勤務の拡充なども累次の改正、強化を行ってきたところでございます。夫も妻の出産直後に育児休業をとることはできるわけなんですけれども、御存じのように、二〇一九年、男性の育休取得率は七・四八%と、徐々に上がってきたものの、まだ低いところにとどまっております。

 女性の方は、出産後、産休として、現在、出産予定日の六週間前から取得する産前休業、また出産後八週間という産後の休業があるんですけれども、これは母体保護を目的として母親だけに認められております。フランスでは、夫が妻の産後二週間休暇をとるという制度がございます。

 出産後、女性は本当に身体的また精神的にも厳しい状況に置かれます。なかなか理解されない面もありますけれども、みんなそうだと簡単に片づけられない産後うつの問題がございます。妊産婦の死因のトップである自殺との関連も指摘をされております。

 そこで、男性の産休制度というものを創設していくべきだと思います。菅総理も、このことを申し上げたときに、まず公務員が一カ月とるところから始めたい、このようにおっしゃってくださいました。全ての男性が子供が生まれた後、育休をとることを義務づけるべきだというふうに思っております。

 企業から従業員に積極的な周知をしていく、また、休業開始一カ月前までとなっている申請手続の緩和、給付率、休業前賃金の今六七%ですけれども、実質一〇〇%を目指していくことをぜひ考えていただきたいと思います。また、社会全体の意識を変えていかなければならないと思います。

 この産休の創設、これが大きな契機になると思いますが、坂本大臣の御見解をお伺いいたします。

坂本国務大臣 古屋委員におかれましては、党の女性委員長として、多方面にわたってさまざまな活動をやっていただいて、さきに菅総理に提言をしていただいたということで、大変敬意を表したいと思います。

 今委員言われましたように、核家族化などの進展によりまして家庭における家事、育児の担い手が限られる状況の中で、男性の家事、育児の参画を促していくことは本当に重要なことであるというふうに考えております。父親の育児へのかかわりについては、夫の休日の家事、育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高いという調査結果も出ているところでございます。

 少子化社会対策大綱では、男性の育児休業取得率を二〇二五年には三〇%にするという目標を掲げ、男女がともに子育てに参画していく観点から、男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取組を総合的に推進する方向を示しております。そのための具体策として、配偶者の出産直後の時期を中心に男性の休業を推進するための枠組みについて検討をすること、それから、妊娠、出産の申出をした労働者に対して、育児休業制度等について個別に周知を行うことなどを盛り込んでおります。

 現在、厚生労働省におきまして、男性の育児休業取得促進策を検討しているところというふうに承知しておりますので、少子化社会対策大綱を推進する立場として、この検討状況をしっかりとフォローしていきたいと思いますし、先般、経済団体の代表者の方々とお話合いをしましたときも、男性の育児休業についての申入れをしっかり私自身も行ってきたところでございますので、これから全力で進めてまいりたいと思っております。

古屋(範)委員 ぜひ坂本大臣にリーダーシップをとっていただき、男性の育休取得率向上、また産休制度の創設に取り組んでいただきたいと思います。

 引き続き、仕事と不妊治療の両立につきましてお伺いをしてまいります。

 私たち公明党の女性委員会、二〇〇〇年、もう二十年前になるんですが、不妊治療の保険適用を求める署名を行いまして、全国約五十五万人の署名を政府に申し入れました。二〇〇四年に不妊治療の助成制度が始まりました。

 不妊治療にかかる費用は大変高額でありまして、若い世代の大きな負担となっております。こうした不妊治療についての実態調査を当事者の意見を踏まえて速やかに実施をして、保険適用のあり方を見直して負担の軽減を図っていただきたいと思っております。

 総理に、九日、このことを申し上げたときも、仕事と不妊治療の両立をできる社会をつくっていただきたいと申し上げましたら、じゃ、何が必要なんですかと逆に問われまして、それは、企業の理解が必要です、女性も男性も休みをとらなきゃいけない、それも急にとらなきゃいけないことも出てくる、ですので、休みをとりやすい職場環境をつくっていただきたい、そのことを総理に申し上げました。

 できるようにしますとそのときコメントを下さったわけなんですけれども、不妊治療中働く女性のうち九五・六%が不妊治療と仕事の両立は困難だとおっしゃっています。四人に一人が仕事と両立できずに退職をしているという現状がございます。

 まず、不妊治療の経済的な負担軽減のために、この助成制度、所得制限の撤廃を含め、大幅に拡充をしていただきたい。そして、保険適用、早急に結論を出していただきたいと思います。また、不妊治療と仕事が両立できるよう、フレックス勤務であるとか、あるいは時間単位で年休が取得できるようなことを企業が取り入れていく、そのようなことを進めていただきたいと思いますが、坂本大臣の答弁を求めたいと思います。

坂本国務大臣 今おっしゃいましたように、御党におかれましては五十五万人の署名をもって保険適用をいち早く提出されるということ、本当にその取組の早さに心から敬意を表したいと思います。

 子供の数に関する希望がかなわない理由として、欲しいけれどもできないからを挙げている割合が二割に達しております。まだ二割を超えております。不妊に悩む方への支援を通じて、その希望をかなえていくことがまずは重要であると思います。

 少子化社会対策大綱では、不妊治療への支援につきまして、広く医療保険の適用を検討し、支援を拡充すること、それから、不妊治療と仕事の両立のための職場環境の整備を推進することなどを盛り込んでいるところであります。

 不妊治療への支援を求める切実な声が多くある中で、保険適用の検討とあわせて、不妊治療への社会的な理解を促進し、それぞれの企業において不妊治療を受けやすい職場環境を整備していくことが大切であります。

 そのため、先般、私と田村厚生労働大臣を共同座長といたしまして、そして、厚労三原副大臣、私の方の内閣府の三ッ林副大臣とともに、不妊治療を受けやすい職場環境整備に向けた検討チームというものをつくり上げまして、第一回目の会合を開催をしたところであります。社会的機運の醸成や、あるいは不妊治療と仕事の両立のための職場環境整備などに向けました取組をその場で検討して、これから検討してまいりたいと思っております。

 少子化社会対策大綱を推進する立場といたしましては、内閣府だけではできませんので、厚労省と常に連携をとりながら、不妊治療を受けやすい職場環境を必ずつくり上げていく、そういう方向でこれから働いてまいりたいと思いますので、御支援もよろしくお願いいたしたいと思います。

古屋(範)委員 厚生労働大臣と共同の検討チームを立ち上げられたそうであります。本当にスピード感を持って進められているということを実感いたします。ぜひ、不妊治療と仕事の両立を進めていただきたいと思います。

 次に、出産育児一時金の増額について質問してまいります。

 一九九四年、出産育児一時金、この創設を推進いたしました。最初三十万円で始まりまして、現在四十二万円まで引き上げてまいりました。また、一時お金を立てかえなくて済むように、医療機関への直接支払い制度も導入をしてきたところでございます。

 今、調査によりますと、国民健康保険中央会、二〇一六年度調査なんですが、出産費用、正常分娩で平均額約五十万六千円となっております。ぜひ、この出産育児一時金を五十万円に引き上げていただきたい、そのように思います。

 出産にかかる費用の無償化を目指すべきと考えます。初回の妊娠検査のさまざま、ここら辺も無償化するとともに、ぜひ現状に合った金額まで引き上げていただきたいと思います。

 坂本大臣の御決意を伺いたいと思います。

坂本国務大臣 出産育児一時金につきましては、出産に要する経済的負担の軽減を図るものでありまして、少子化対策の観点からも大変重要であるというふうに思っております。

 この支給額につきましては、今委員がおっしゃいましたとおり、三十万円からスタートしてやっと四十二万円まで今来たというような状況で、見直しがこれまで数次にわたって行われてまいりました。厚生労働省におきまして、医療保険制度に関する見直しの議論の中でも検討が行われているものというふうに承知をしております。

 少子化社会対策大綱におきましても、出産一時金などにより妊娠、出産に関する経済的負担の軽減を図ること、それから、妊娠、出産に関する経済的支援のあり方について検討することというのが明記をされております。

 大綱を推進する立場といたしまして、厚生労働省における検討状況をしっかりフォローし、そして、安全かつ安心して妊娠、出産ができる環境の整備に取り組んでまいりたいと思っておりますし、今委員が言われた目標額に向けて一生懸命取り組んでいきたいと思っているところでございます。

古屋(範)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 次に、橋本大臣に、性犯罪対策、性暴力被害者支援についてお伺いいたします。

 本年六月、菅当時の官房長官とそれから橋本大臣に、性犯罪、性暴力対策の抜本的強化に対する提言をお届けをさせていただきました。その中では、今法務省で議論が始まりました性犯罪をめぐる法制度の見直し、これは三年前の刑法改正で残されている課題がございますので、これに対して早急に結論を出して必要な措置を講ずる、また、ワンストップ支援センターの体制強化も申入れをさせていただいたところでございます。

 本年十月一日より運用を開始していただきましたシャープ八八九一、性暴力被害者の支援のための全国共通ダイヤルの開設をしていただきました。ぜひ、これを更に周知を図っていただきたいと思っております。また、電話だけではなく、若年層が相談しやすいSNS等による相談体制も速やかに構築をしていただきたいと思っております。

 また、全都道府県に設置をされている性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、まだ二十四時間三百六十五日の体制が全ての都道府県は整っておりません。この必要な予算を確保いたしまして、医療費支援も拡充することが必要だと思うんですが、橋本大臣のお考えを伺いたいと思います。

橋本国務大臣 お答え申し上げます。

 性犯罪、性暴力への提言、そして十月の九日には第五次に向けた基本計画に対する提言、真の男女共同参画社会の実現に向けての提言をいただきまして、本当にありがとうございます。本当に多くの皆様方、切実な思いをお聞きいただいて提言にまとめていただいたということ、本当に参考になりました。ありがとうございます。

 性犯罪、性暴力、これは被害者にとって、身体面のみならず、多くの場合は精神的に長期にわたる大変な傷跡を残しております。人権を踏みにじる、決して許すことのできないものでありまして、被害を訴えることをちゅうちょせずに必要な相談を受けられるような相談体制、これが急務だというふうに思っております。

 御指摘いただきました八八九一、これにつきましては、本年十月より、全国どこからでも最寄りのワンストップ支援センターにつながる全国共通の短縮ダイヤル、シャープ八八九一ということで、「はやくワンストップ」、この運用を開始しております。通話料金の無料化については、これは急がなければいけないと思っておりますけれども、令和四年度での通話料の無料化ということで、今、各都道府県に御理解をいただき御協力をいただくために働きかけをしております。

 また、SNS相談の体制構築については、御指摘いただいたように、若年層の方々が相談しやすいようにということで、キュアタイムを、試行を実施しておりまして、令和三年度内から通年実施に向けて検討、準備に入っております。

 八八九一、「はやくワンストップ」及びキュアタイムの周知についてですけれども、あす十一月十二日から二十五日までの期間に実施をしている、女性に対する暴力をなくす運動でもまた、「性暴力を、なくそう」をテーマとしておりまして、こういった機会に、さまざまな機会を活用して進めてまいります。

 ワンストップ支援センターの二十四時間三百六十五日対応については、現在、二十の都道府県で実施をしておりますけれども、国において、夜間、休日に対応できるコールセンターの令和三年度中の設置に向けた検討、準備を進めております。

 医療費支援については、性犯罪、性暴力被害者のための交付金により都道府県に対して三分の一の補助を行っておりまして、被害当事者の負担のさらなる軽減を検討してまいります。

 公明党様からいただきました、第五次計画に向けて、しっかりと充実した取組ができるように進めてまいります。

古屋(範)委員 時間が来てしまいました。大隈政務官、きょうおいでいただいたのに、待機児童解消について伺おうと思っていました、本当に申しわけございません。

 時間が参りました。以上で終了いたします。ありがとうございました。

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