第203回国会 衆議院 内閣委員会-7号

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 冒頭、西村大臣に追加の経済対策についてお伺いをいたしたいと思います。

 八日に追加の経済対策、閣議決定をいたしました。今、感染者が多く、本当に経済にも大きな影響が出ている状況でございます。この新型コロナウイルス感染症拡大の中で、減収、失業を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃいます。

 私たちも、公明党、全国で九百五十名女性議員がいるんですが、ことし、多くの方々から声を伺ってまいりました。特に非正規雇用の方、また一人親家庭、こういうところに大きな影響が出ております。また、医療現場も大きく逼迫をして、医療崩壊の危機が迫っているということが言えるかと思います。

 今回の経済対策、事業規模七十三・六兆円ということで、三本の柱が立てられていると承知をしております。公明党の提言を反映されまして、医療機関の病床確保、また軽症者向けの宿泊療養施設の確保に向けた緊急包括支援交付金、これが増額をされております、盛り込まれております。また、時短要請に応じた飲食店への協力金などに使える地方創生臨時交付金、これも拡充をされております。また、経済の好循環に向けて、脱炭素社会の実現に、技術開発を支援する基金創設、また、事業転換に取り組む中小企業に最大一億円を補助する制度の創設などが盛り込まれているところでございます。

 国民をコロナ禍から守る、また一方で経済の停滞を防いで成長軌道に押し上げていく、日本に安心と希望を届けるために、この総合経済対策、一刻も早く実現をさせていかなければならないと承知をいたしております。まず、この今回の経済対策の意義についてお伺いをしてまいります。

 また、あわせまして、医療機関への支援についてお伺いをしてまいります。

 今、重症となっている方が増加をしております。四月のピーク時よりも大きく上回ってきております。家庭内感染、また介護施設、福祉施設での感染が広がっており、旭川の病院では大規模なクラスターが発生をしております。自衛官の看護師が支援に入ったということでありますけれども、医療従事者、疲労が本当に極限に達していると言えるというふうに思います。

 また、こうした医療機関、軒並み減収に陥っております。また、看護師等々、離職がとまらない状況になっております。過酷な労働環境で、十分な待遇もなく、周囲から差別的な発言もされる。また、国からの慰労金もまだ届いていないという声も伺っているところでございます。

 今回の追加の経済対策、緊急包括支援交付金の増額が盛り込まれましたけれども、まず、これまでの補正予算で計上しました重点医療機関への交付金の執行を急ぐために申請手続を簡素化する、また人材確保を支援することが重要だと思っております。この医療機関への支援、これも早急に行うべきと考えますが、これについて御見解を伺います。

西村国務大臣 私から全体的な意義それからポイントを御説明申し上げたいと思います。

 御指摘のように、国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策ということで、大きなGDPギャップがまだ相当程度存在するということを念頭に置きながら、決してデフレには戻さない、そういう強い決意のもとで策定したものであります。

 御指摘のように、新型コロナの感染拡大防止に全力を挙げ、そして、厳しい影響が出ている事業体、そして国民の皆様に対して雇用と生活をしっかり守るということ、あわせて、民需主導の成長軌道に乗せていくための民間投資を促していく、予算、規制、税制、こういったものを総動員した対策となっております。

 全体の規模、御指摘のとおりでありまして、財政支出四十兆円、事業規模七十三・六兆円ということで、全体として三・六%程度実質GDPを押し上げる、また、六十万人の雇用を創出する効果があるものというふうに期待をしております、私ども試算をしております。

 私ども、来年度中には日本の経済の姿をコロナ前の水準に戻していけるようにということで対策を講じ、補正予算を決定したところであります。

 御指摘の医療機関の支援につきましては、これまでも、診療報酬の特例的な対応、あるいは空床確保への支援、こういったものも含めて、包括支援交付金など約三兆円を手当てしてきたところでありますけれども、また、御指摘の看護師さんたちの負担軽減のため清掃などの業務を民間にできるだけ委託をする、こうしたことを補助していく、こうしたことも講じてきているところであります。

 また、一人当たり最大二十万円の慰労金も措置したところでありますが、これまで都道府県から医療現場に届いている支援が〇・八兆円程度ということでありまして、知事会の平井知事が分科会にも出席されておられますのでいろいろ御意見を聞きますと、議会の手続は終わっているけれども、まだ医療機関からの申請がうまく出てきていない状況だということを聞いておりますので、手続の迅速化など、医療機関への早期の支援について、都道府県にも厚労省からも要請をしているところであります。

 あわせて、三次補正において、この緊急包括支援交付金の約一・二兆円の増額など、約一・九兆円の措置を医療機関への支援として講じているところであります。

 必要とする資金を、できるだけ早くお手元に届き、医療機関の現場の皆さん方、医療従事者の皆さん方の負担を少しでも軽減しながら、その御尽力に報いていきたいというふうに考えております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 明年の通常国会にこの第三次の補正予算案、国会提出されると思いますけれども、国会の側としても、一日も早く成立をさせ、全国の現場に届けてまいりたいと決意をいたしております。

 次に、ワクチンの接種体制の整備についてお伺いをしてまいります。

 このワクチン政策、今極めて重要な局面を迎えていると思っております。新型コロナウイルス感染症に対応した国内のワクチン政策、その安全性と有効性に対してきめ細やかな対応が重要になってくると思っております。

 ファイザー社のプレスリリースによりますと、十二月十四日、米国において使用許可を取得をしたという報道がございます。また、アストラゼネカ社、少し伺ったところでございますけれども、十二月十日、ワクチンの供給について厚生労働省と契約を締結をした、来春の接種を目指していく、国内での工場を確保したい、年内にはイギリスで初の承認が予定をされている、このようなことを伺っているところでございます。

 通常ですとワクチンの開発は数年以上かかるところでありますけれども、今回のように本当に短期間で実用化をされたということは、異例というふうに言えるかと思っております。

 このワクチンは、ウイルス感染をとめられるのか、あるいは、発症、重症化を防ぐのか、誰にでも同じ効果を発揮するのか、感染力を下げられるのか、また、感染症予防効果の持続期間、副反応等の安全性、接種開始後の状況等、まだ未知数であると思っております。

 また、接種を望まない人への啓発はどうするのか。

 十日、厚生労働省は、ワクチン接種が可能となった後の実施体制についての方針案を示されました。政府は、実施主体となる自治体と緊密に連携をして、人員の確保、また相談窓口の設置など、円滑に接種できるよう体制を進めるべきと思います。

 その方針案のポイント、また、接種率の向上が鍵になると思いますが、厚生労働省の考えをお伺いしたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 新型コロナワクチンの接種につきましては、先般成立していただきまして、また十二月九日に公布されました改正予防接種法に基づきまして、厚生労働大臣の指示のもと、都道府県の協力を得て市町村が行うということでございます。

 この接種体制などにつきましては、今委員御指摘のように、十二月十日に審議会で基本的な方針をお示ししているところでございますが、ポイントは大きく四つあるというふうに思っています。

 第一は、まず接種場所に関しては、原則として住民票の所在地の市町村において、医療機関か、あるいは会場をつくっていただいて、市町村が設ける会場で接種を受けていただくという点が第一点でございます。

 それから第二点目は、かなり多くの方に接種していただくというので、体制をつくるために、契約、自治体と医療機関の契約が必要になるのですが、自治体や医療機関の事務負担の軽減のために、平成三十年度の風疹追加的対策と同様に、市町村と医療機関の間で集合契約、例えば医師会と都道府県知事会とか、そういう形で事務負担を軽減することを考えてございます。

 三点目は、搬送などの関係で、今回のワクチンは低温貯蔵が必要になるということでございますので、それに対応するために、冷凍庫を、マイナス七十五度で保存できるものは既に三千台、それからマイナス二十度で保存できるものについては既に七千五百台確保しておりまして、更に確保に努めたいと思いますが、これを必要な自治体に割り当てることや、それからドライアイスにつきましても、国が調達した上で医療機関に供給するということを考えてございます。

 それから四点目は、円滑な流通体制の構築が非常に重要でございますので、自治体、医療機関、それから卸の業者さん等の関係者間で情報伝達を行うシステム、V―SYSと我々通称しておりますが、それを利用することなどを考えてございます。

 いずれにしましても、自治体を始めとして関係者と緊密に連携して、国民の皆様に円滑に接種を受けていただけるように、引き続き、接種体制、流通体制の構築に努めてまいりたいと思います。

 また、接種率の向上の御指摘もございました。

 これはやはり国民の皆さんの御理解が非常に重要だと思いますので、ここは、接種を受ける方がみずからの意思で接種を受けていただくことができるように、安全性や有効性に関する情報について丁寧かつわかりやすい情報提供を行ってまいりたいと思います。

古屋(範)委員 ワクチン接種に向けて万全の体制をとっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 最後になりますが、一人親支援についてお伺いをしてまいります。

 この新型コロナウイルス感染症拡大の中で、職を失う、あるいは減収、休業を余儀なくされる、そういった女性がふえております。特にこの一人親家庭の経済困窮、極めて深刻であります。

 国内の一人親世帯、約百四十二万世帯、二〇一六年時点。二〇一七年時点の平均年収、二人親七百三十五万円と比較をして、父子家庭六百二十四万円、母子家庭三百万円ということでございます。

 また、しんぐるまざあず・ふぉーらむが十二月四日に公表いたしました調査結果によりますと、コロナ拡大前に比べて就労収入が減少した人の割合は四割から五割に達しております。東京では九月まではこの減少した人々の割合が減少傾向にあったんですが、十月、また再び増加に転じております。それぞれ、十月の就労収入は七月のときよりも下回っております。

 経済的な理由で家族に買ってあげられないものがあった項目に関して、子供の服や靴、また食料、肉、魚、野菜などが買えなかった、こうした回答も四五%から五五%と約半数に上っております。食料、主食も買えなかったと回答している方々もいるところでございます。

 九月の一日ですけれども、公明党の女性委員会で、このしんぐるまざあず・ふぉーらむ赤石代表からお話を伺いまして、臨時特例給付金の再給付の要望を受けました。それで、十月二十九日、本会議で我が党の幹事長からも代表質問をいたしました。私も強くこれは要望したところでございます。

 この一人親世帯の臨時特別給付金再給付におきまして、予備費で対応することが十一日に閣議決定をされました。年内に給付することが重要だと思っております。確実に年内給付を実施できますよう、この件についてお伺いをしたいと思います。

木原委員長 厚生労働省岸本室長、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお答えをお願いします。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 今般のひとり親世帯臨時特別給付金の再支給につきましては、一人親世帯の家庭にできるだけ早く給付金をお届けできるよう、第二次補正予算で実施いたしました臨時特別給付金と同一の対象者に同額を同じ自治体から申請不要で振り込むという仕組みとしているところでございまして、自治体における支給事務が簡便な形で可能な限り進むように工夫をしているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、御指摘のとおり、支給を年内をめどに実施するという総理の御指示を踏まえまして、支給事務を担っていただく自治体と連携しつつ、支給に向けて準備を進めているところでございます。

古屋(範)委員 年内給付を強く求めて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

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