第204回国会 衆議院 予算委員会第2分科会-2号

古屋(範)分科員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

本日、第二分科会、九時からトップバッターで質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 今、新型コロナウイルスのワクチン、予防接種の接種体制の整備について、各自治体では準備が進んでいるところでございます。私は比例区選出でございますが、地元は横須賀市でございます。武田大臣には、陸自の高等工科学校の卒業式に来ていただいた記憶がございます。その横須賀市におきまして、この準備を行っておりますが、横須賀方式ということで今取り組んでおります。

 一昨日、私も地元に参りまして、市長並びに関係者に御意見を伺ってまいりました。一刻も早く、一人でも多くということをテーマに、今、急ピッチで準備を加速させているところでございます。地元の医師会、病院会、それから地域の事業者、また行政が三位一体となって、今準備をしているところでございます。

 副反応にも対応できるように自宅の近くにあるクリニックでも接種できるようにということで、今、百四十余りの医療機関、クリニックが協力に手を挙げてくださっております。また、横須賀アリーナという大きな体育館がありまして、ここと、市の中心部にあります、市民にとってとてもなじみの深い、さいか屋というデパートがありまして、大きなところはこの二か所で集団接種を行おうということで今取り組んでおります。

 ただ、供給量が少ないということもあり、会場を押さえたものの、それが後ろ倒しになるということで、大変会場の確保にも御苦労しているところでございます。また、集団接種を行う医師、また看護師も確保しなければいけないということで、個別のクリニックで接種を行いつつも、集団接種会場でもやはり接種を行わなければいけないということで、今その調整をしているところだと伺っております。

 さらに、ワクチン接種に付加価値をつけようという取組をしております。一回目接種の接種済証交付時に、接種済証ホルダーというのを配付をする。それから、接種済証提示で様々なサービスを受けられる仕組みをつくっていこう。段階的に市内商店会等にも働きかけて、市全域での実施を今目指しております。また、付加価値として、その接種済証紛失の防止とか、再発行業務の削減を期待をしているということでございます。

 こうした各自治体でのワクチン接種体制整備が進んでいるところなんですが、基本的には厚生労働省の下に準備が行われていると思いますけれども、やはり自治体にとっては、総務省の支援というのが大変重要になってくるというふうに思います。

 特に市町村において、このワクチン接種が円滑に、また安全に進められるよう、是非とも、自治体の不安の声をしっかり聞いて支援をする必要があると思います。これにつきまして、熊田副大臣に答弁を求めたいと思います。

熊田副大臣 おはようございます。

 お答え申し上げます。

 このワクチン接種につきましては、もう言うまでもなく、政府一丸となって取り組んでいく課題でもあります。総務省といたしましても、しっかりとその責任を果たしてまいりたい、そんな決意であります。

 この接種を円滑に進めるためには、地方公共団体との連携協力が、御指摘のように大変重要であります。総務省におきましても、厚生労働省を支援する形で、都道府県・指定都市の幹部と総務省職員との連絡体制を通じて、地方公共団体の幹部に対して国の最新の情報を提供するとともに、現場の取組状況や課題を聞き取り、関係省庁にフィードバックしておるところでございます。

 例えば、厚生労働省から、都道府県における体制整備と市区町村の接種体制の進行管理についての通知が発出されたことを踏まえ、総務省として、都道府県幹部に市区町村への支援を含めた体制整備と進行管理をお願いしているところでございます。

 今後とも、国と地方の十分な連携協力の下、ワクチン接種が円滑に進められるよう、関係省庁と連携をしながら取り組んでまいります。

古屋(範)分科員 よろしくお願いしたいと思います。

 初めての感染症でありまして、市長も、国からの情報が刻々変化をしたり、その情報提供が急に来たりということで、自治体の対応も苦慮している部分もございます。しかし、それは世界中どこも同じわけでありまして、ともかく、どのような状況になっても臨機応変に、迅速に、機動的に対応していこうという決意でいらっしゃいますので、是非ともサポートをお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 次に、新型コロナウイルス、このワクチン以外のワクチンについて質問をしてまいります。

 コロナ禍にありまして、通常の予防接種の接種率が低下をしております。例えば、日本小児科学会、これは昨年の指摘なんですけれども、川崎市で行った調査によりますと、ゼロ歳とか一歳、二歳、小さなお子さんのところはそれほど接種率が下がっていない、微減なんですけれども、三歳児とかあるいはそれ以上、小学校入学前とかそういう予防接種に関しましては接種率が低下をしております。これは、VPD、ワクチンで防げる病気を知って、子どもを守ろうの会の方からも指摘をされていることでございます。

 この全体的な予防接種の接種率低下への対応について厚生労働省の見解を聞きたいと思って、宮崎審議官、来ていただいております。よろしくお願いします。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 感染症を予防いたしまして子供の健康を保持するためには、定期の予防接種、大変重要でございます。新型コロナウイルス感染症の影響によりまして定期接種を控えることがないようにしていくこと、大変大きな課題だと認識しております。

 このため、厚生労働省といたしましても、接種期間内に接種を行っていただくように、保護者の方々や自治体への周知に努めているところでございます。

 具体的には、定期接種を遅らせずに受けていただくように、リーフレットを作成をいたしまして、自治体を通じて周知に努めておりますほか、インターネット上の政府広報、さらにはSNSを通じた情報発信も行ってきているところでございます。

 引き続き、接種の呼びかけに取り組んでまいりたいと考えております。

古屋(範)分科員 ここでやるべき予防接種を接種しなかったという影響が、今後、一年後、二年後、またその先、中長期的な影響が出てまいりますので、新型コロナウイルスのワクチンに今関心が本当に集中をしておりますけれども、是非、通常の定期接種の予防接種につきましても、接種が低下しないようお取組をよろしくお願いいたしたいと思います。

 それから、私も議員になりましてずっと取り組んでまいりましたワクチンギャップの解消について質問をしてまいります。

 これまでも、議員になりまして十八年目なんですが、世界において二十年とも三十年とも言われておりましたワクチンギャップ、日本においては予防接種が大変遅れているということで、長年にわたり、この解消に取り組んできたところでございます。

 大分解消されてきたんですが、まだ課題が残っております。まず、おたふくですね、定期接種化をされていないムンプスワクチンについてお伺いをしてまいります。

 おたふく風邪、ムンプスウイルスで、せき、くしゃみ、接触でうつってまいります。このおたふく風邪のワクチンは、WHOが、水痘と同様に定期接種にすべきワクチンと位置づけております。このおたふく風邪、はしかと風疹との混合で定期接種をされた時期もありました。しかし、それが、ワクチンによる無菌性髄膜炎が問題となりまして、一九九三年に中止をされました。ちょうど私の息子もこの時期に当たってしまいました。現在は任意接種で、接種率は約四割にとどまっているということです。

 このムンプス、大規模な流行を繰り返しています。患者は三歳から四歳が最も多いんですけれども、二歳から九歳が好発年齢で、年間数万人から数十万人の患者が報告をされており、大変感染する方が多いわけです。この合併症は、難聴のほかに無菌性髄膜炎、また、成人がかかりますと精巣炎、卵巣炎に感染する、合併症を起こすということもあります。

 予防のためのワクチンは、一九八九年から、先ほど言いましたように、風疹、はしかと合わせてMMRとして定期接種になり、その副反応の問題で、今、定期接種が中止になったということであります。現在の単独のおたふくワクチンに関しましては、無菌性髄膜炎を起こす頻度は非常に低いと言われております。

 平成二十五年の予防接種法改正におきまして、衆議院及び参議院の附帯決議で、四ワクチンにつきまして、水痘、おたふく風邪、成人用肺炎球菌、B型肝炎について、平成二十五年末までに定期接種の対象疾患に追加するか結論を得る、又は得るように努めるということが決議をされております。この中で定期接種になっていないのは、おたふくだけなんですね。

 ワクチン評価に関する小委員会におきまして、おたふく風邪ワクチンについて、新たなMMRワクチンの開発を待つ間の対応として、既存の単味のワクチンを定期接種に用いる場合の安全性について審議がなされた。単味のワクチンの接種後、無菌性髄膜炎の発生頻度に関しては、現在データが不十分で、引き続き検討することとされました。

 是非、こうした課題を克服をして、定期接種ができるように検討を急いでいただきたいと思います。

 もう一つ、高齢者の肺炎球菌ワクチンについて伺ってまいります。

 高齢者の肺炎球菌ワクチンは、接種率が子供よりも低いという課題があります。がん、心臓病に続いて肺炎が日本人の死因の第三位ということで、年間約十二万人が肺炎で亡くなっております。九割以上が六十五歳以上の高齢者です。

 肺炎球菌感染症を発症しやすいのは、免疫機能が未熟な乳児と六十五歳以上の高齢者ということで、加齢とともに免疫機能が低下してくるので、感染症にかかりやすくなります。特に、糖尿病、心臓病、腎臓病、呼吸器疾患など慢性疾患のある方は、免疫力が低下しているということで、感染の危険が高くなります。

 この肺炎球菌ワクチンは二種類ありまして、一つは、二〇二〇年の五月二十九日、プレベナー13というんですが、これが適応拡大となりまして、全年齢の肺炎球菌による罹患リスクが高いと考えられる者に適応拡大されました。これまでの小児と六十五歳以上の高齢者に加えて、成人にも接種可能となったわけです。全年齢で接種が可能となりました。

 今、日本で、六十五歳以上の方で、定期接種費用の一部を公費で負担ができるようになっております。二十三価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン、長いんですけれども、いわゆるニューモバックスと、任意接種の沈降十三価肺炎球菌結合型ワクチン、通称プレベナー、この二種類が肺炎球菌ワクチンとして使用が可能となっております。

 ニューモバックスの方は、五歳ごとに接種をしてまいります。五年ごとに効果が弱まるということで、五年ごとの接種となります。

 プレベナーの方は十三種の血清型に対応していて、これも任意接種が可能です。これは、ニューモバックスと異なって、一度接種すると免疫の記憶がつくということで、一回の接種のみでよいということで、生後二か月から六歳未満の小児に定期接種をされているワクチンであります。高齢者も安心して受けられるワクチンということであります。

 この二種類の肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎の予防効果がより高められると言っております。

 米国で予防接種をつかさどっているACIP、ここでは、六十五歳以上の高齢者に対してプレベナー13の接種を行って、一年以上経過した後、PPV23の接種をすることを推奨しております。

 プレベナー13が昨年適応拡大されたことを契機に、ニューモバックスと同様に定期接種を考えるべきではないかと考えております。

 また、もう一つ、続いて済みませんが、帯状疱疹について伺ってまいります。

 一昨年、私が大学時代から本当に親しくしていた友人が、帯状疱疹から意識不明となり、亡くなりました。六十歳前後でありました。最近では、横浜の市長が帯状疱疹にかかったという報道を目にいたしました。

 脊髄神経節に潜伏する水痘ですね、この帯状疱疹ウイルスが再活性化をすることが原因で、片側の神経支配領域に生じてまいります。最大の合併症というのは痛みであります。合併症、皮膚感染症、角膜炎などを起こす。

 この帯状疱疹ワクチンについては、生ワクチンに加えて、新たに二〇一八年三月に不活化のワクチンが薬事承認をされました。

 この帯状疱疹、五十歳ぐらいから発症率が急激に上昇する。高齢化によって発症者が多くなっております。二〇一四年に水痘ワクチンの定期接種が始まったことで水痘の流行が減って、高齢者が帯状疱疹ウイルスに暴露される機会も減ったんですけれども、免疫の増強効果が得られなくなって、帯状疱疹の増加というものが逆に懸念をされております。

 この三種のワクチンの定期接種化への検討状況、また、今後是非とも定期接種にしていただきたいと思っております。これについての答弁を求めたいと思います。

宮崎政府参考人 委員から三点、おたふく風邪ワクチン、肺炎球菌ワクチン、そして帯状疱疹ワクチンについての御質問をいただきました。お答え申し上げます。

 まず一点目のおたふく風邪ワクチンでございます。

 この点につきましては、委員御紹介のように、予防接種行政における大変大きな課題の一つだと認識をしております。

 二〇一二年の五月に、厚生科学審議会におきましては、既に「予防接種制度の見直しについて」という提言の中で、広く接種を促進していくことが望ましいワクチンの一つという結論が出ておりまして、また、その翌年に開かれた審議会におきましては、より高い安全性が期待できるワクチンの承認が前提で、新たなMMRワクチンの開発が望まれるとされているところでございます。

 新たなMMRワクチンの開発を待つ間の対応といたしまして、委員御指摘ございました単味のワクチンを定期接種に用いるという議論もございますけれども、この点について審議がなされた二〇二〇年一月の小委員会での議論におきましては、現時点では無菌性髄膜炎の発生頻度に関してデータが十分ではないので、更なる研究等が必要とされたというのが現状でございます。

 引き続き、これは大変重要な課題でございますので、審議会の議論を踏まえて、必要な検討を続けてまいりたいと考えております。

 二点目の肺炎球菌ワクチンでございます。

 肺炎球菌ワクチンにつきましては、二十三価の肺炎球菌ワクチン、ニューモバックスと、対象範囲が少し狭いプレベナー13、十三価の肺炎球菌ワクチンがございますが、高齢者における定期接種におきましては、現在、二十三価の肺炎球菌ワクチンを使用しております。

 御指摘の十三価の肺炎球菌ワクチンの適応につきましては、平成三十一年の一月に審議会で検討を行いましたけれども、その時点での検討結果といたしましては、小児における十三価のワクチンの定期接種化によりまして、十三価のワクチンでカバーできる侵襲性肺炎球菌感染症の社会全体の流行が現時点では阻止されていること、このことから、広く高齢者全体を対象とした定期接種に使用するワクチンとしては、新たにこの十三価のワクチンを取り上げるメリットというのは少ないのではないかということで、現時点では二十三価のワクチンで継続していくということが妥当との結論がなされたところでございます。

 一方で、その審議会におきましては、この十三価のワクチンが、高い有効性が見られる免疫不全者などのハイリスク者を対象として海外で使用されている実績もありますので、そのハイリスク者の定義ですとかその接種の在り方について引き続き検討していくというような結論も出ております。

 御指摘の適応拡大につきましては、令和二年の八月に審議会の小委員会にも報告をいたしました。今後とも、その時点での適切なエビデンスを基に、必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

 三点目の帯状疱疹ワクチンでございます。

 帯状疱疹ワクチンにつきましては、現在、二種類のワクチンが薬事承認を受けている段階でございます。

 これを定期接種という形にするかどうかということにつきましては、現在、厚生労働省の審議会で議論を行っている段階でございます。感染症研究所によりこの帯状疱疹ワクチンに関するファクトシートを作成をいたしまして、そのファクトシートに基づきまして、帯状疱疹の疾病の負荷、定期の予防接種に用いる場合に期待される効果、安全性等について議論を行っているところでございます。

 引き続き、データの収集等を進めて、必要な検討を進めてまいりたいというところでございます。

古屋(範)分科員 是非検討を急いでいただきたいと思います。

 そして、定期接種という結論が出ましたら、その予算の確保は総務省の所管になってまいります。昨年十月、ロタウイルスワクチンの定期接種がスタートいたしましたけれども、その前年、交付税措置約三百億、高市大臣にお願いをして確保していただき、定期接種がスタートしました。その前は、三種一遍にいったものですから、当時の新藤大臣、約六百億円、これの、成人の肺炎球菌を含めて予算を確保していただきました。その暁には、総務省、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、福祉用具について聞いてまいります。

 高齢者の生活の質を担保する、あるいは人にしかできないところに介護を行ってもらう、また自立をしていく、そのために福祉用具は大変重要なものであると認識をしております。

 財政審におきましては、この貸与につきまして、令和二年十一月、議論がなされまして、貸与ではなく、これは購入させるべきだという議論がございました。三年間、購入した方が、これだけの差が出るというような指摘がありました。しかし、三年間同じものを使い続けるという人は実は非常に少なくて、実際には、歩行のつえにしても、貸与期間六か月未満が約四割、一年未満が約六割、短期の利用の方が多くて、なかなか、この財政審の試算は、前提条件がかなり無理があるなという気がしております。

 それで、昨年十一月の財政審のそういう指摘があったわけなんですけれども、社会保障審議会介護給付費分科会におきましては、令和三年度介護報酬改定の議論の中で、福祉用具の種目の在り方について議論をする、福祉用具は適時適切な利用が重要であり慎重な検討が必要である、利用実態を見ながら必要な検討をしていく必要があるということが、意見が出されているところであります。

 それで、厚生労働省におきましては、福祉用具の利用実態を踏まえながら、現行制度の貸与原則の在り方や福祉用具の適時適切な利用、利用者の安全性の確保、保険給付の適正化などの観点から対応を検討していかれるものというふうに承知をしておりますけれども、今後の検討予定について伺いたいと思います。

 また、福祉用具の価格の上限設定につきまして、平成三十年、貸与価格の上限設定が導入をされました。一年に一度見直しをすると言われていましたけれども、これは令和元年度から二年度にかけて状況を把握して、上限設定の見直しの頻度、三年に一度の頻度で見直すこととなっております。

 今後、福祉用具貸与事業者が適切なサービス提供を実施していく、質の維持向上に努めていくためにも、事業者の経営が圧迫されないような制度の運用をお願いしたいと思います。

 全国どこでも、離島でも福祉用具を使う方はいらっしゃいます。本年四月、この新たな上限が見直されるに当たって運用状況の検証が行われると思うんですけれども、その予定についてお伺いしたいと思います。

堀内政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま二点御質問がございました。

 まず一点目、福祉用具種目の在り方についてでございます。

 介護保険の福祉用具につきましては、給付に当たりまして、議員より先ほどお話しいただきましたように、利用者の身体状況や要介護度の変化に応じて適時適切な利用ができるようにするため、貸与を原則としておるところでございます。

 昨年十一月、財政制度審議会におきまして、歩行補助つえ等については貸与ではなく販売とすべきという指摘を受けたところでございます。これを踏まえまして、社会保障審議会の介護給付費分科会の中で検討いたしまして、令和三年度介護報酬改定の議論の中で議論し、審議報告におきまして、利用実態を把握しながら、現行制度の貸与原則の在り方、福祉用具の適時適切な利用、利用者の安全性の確保、保険給付の適正化などの観点から、どのような対応が考えられるのか、今後していくべきというふうにされたところでございます。

 したがいまして、厚生労働省といたしましても、この審議報告を踏まえまして、速やかに必要な対応を検討したいと考えておりまして、来年度、すなわち令和三年度に検討の場を設けて、どのような対応が考えられるか、検討してまいりたいというふうに思っております。

 二点目、福祉用具貸与価格の上限の関係でございます。

 福祉用具貸与につきましては、平成三十年十月から貸与価格の上限価格を設定しまして、施行後の実態を踏まえつつ、おおむね一年に一度の頻度で見直すこととしておりまして、平成三十年度及び令和元年度に実施した実態把握を踏まえまして、令和三年四月に見直すということにしております。

 また、一方で、令和二年六月の社会保障審議会介護給付費分科会におきまして、事業者のシステム改修等の負担等を考慮して、上限設定の見直し頻度を三年に一度というふうに見直すことといたしました。

 したがいまして、次期見直しは令和六年度ということになりますけれども、令和三年度以降も、この新しい上限価格を受けた貸与平均価格の変化、事業所の事務負担等の影響の把握を行いながら、令和六年度の見直しに向けた検討を行ってまいりたいと考えております。

古屋(範)分科員 是非、実態に即した検討を進めていただきたいと思います。

 最後の質問になります。同じく福祉用具関連なんですけれども、福祉用具専門相談員につきまして、更新研修、是非義務づけていただきたいということでございます。

 平成二十五年の介護保険部会におきまして福祉用具専門相談員の資質向上について議論が行われて、平成二十七年度から、指定講習カリキュラムの見直しと講習時間の拡充を行っておりまして、さらに、自己研さんに関する努力義務の規定を設けられています。

 様々、福祉用具も改良が加えられておりますし、質の高いサービス提供を行っていくためにも、是非この研修が必要であると考えます。昨年も局長に答弁いただいているんですけれども、こうした自己研さんの取組、協会においては自主的に研修を行っていただいております。こうした全国福祉用具専門相談員協会の研修講座などの取組を広げるためには、各自の自覚により普及を待つというのではなくて、やはり更新研修を義務づけることが必要ではないかと思っております。これについてお伺いしたいと思います。

 それから最後に、福祉用具のサービス計画書なんですけれども、福祉用具の貸与、また特定福祉用具販売のサービスの利用者に対して、福祉用具サービスの計画書の作成が義務づけられました。書式は事業所ごとに定められております。

 介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会でも、書式の簡素化、標準化の検討がICT化の推進につながると言われております。今後、介護分野もデジタル化を進めなければなりません。事務負担の軽減のためにも、福祉用具サービスの計画書の書式、統一すべきではないかと思います。

 この二点についてお伺いします。

堀内政府参考人 二点お答え申し上げます。

 まず、福祉用具の更新研修の件でございますけれども、今御紹介いただきましたように、福祉用具の専門相談員の資質の向上に向けましては、カリキュラムの見直しや講習時間の拡充等を行ってきております。また、一方で、一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会の方では、平成二十九年度から、専門性を高めていくための独自の研修講座を開設していただきまして、三年に一度受講するよう促していただいていると承知しております。

 更新制の研修受講の義務化につきましては、定期的な研修の効果、全事業者に占める割合も、まだ少し、相当開きがあるようでございます。そうした実態や普及状況、また福祉用具貸与事業所の負担などを踏まえながら検討してまいりたいと思っております。

 また、計画書の書式の統一化についてでございます。これにつきましても、現在、書式は事業所ごとで定めていただいておりますけれども、書式の標準化は、事務負担の軽減という観点からも重要だと思っております。

 これも、先ほどの社団法人専門相談員協会の方で、調査研究事業を活用して計画の参考様式の作成、改定を行っていただいておりまして、平成三十年度に厚生労働省から自治体を通じて福祉用具貸与事務所等に周知したところでございます。

 現在、この参考様式の活用状況等を調査しているところでございます。今後、この結果も踏まえまして、独自の計画書様式を使用しているような事業所の負担などにも考慮しながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。

古屋(範)分科員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

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