第183回国会 衆議院 厚生労働委員会-13号
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。
きょうは、厚生年金法等一部改正案につきまして質問してまいります。よろしくお願いを申し上げます。
まず、第三号被保険者不整合記録問題の事実確認をしておきたいと思います。
先日の本会議におきまして、民主党長妻議員より、
民主党政権は、これまで長年にわたって放置されてきた主婦年金問題を明らかにした上で、不公正を是正するため、平成二十三年十一月に主婦年金追納法案を提出しました。
しかし、自民党は審議を拒み、昨年十一月に解散するまで、一年間もこの法案をたなざらしにしました。それによって、本来の年金支給額より年間約五億円も多く支払われることになってしまいました。
このような御発言がございました。
まず私が申し上げたいのは、民主党政権下で、私たち与党の法案審議に関する協力、これは非常に大きかったという事実でございます。タイトな日程の中、平成二十四年度通常国会、臨時国会を通しまして、数々の重要法案を成立させてまいりました。
通常国会だけでも、数えてみました、閣法七本、議員立法六本、この厚生労働委員会で成立をさせております。ましてや、昨年は、税と社会保障の一体改革があり、厚労大臣は出ずっぱりで、百時間もの審議をあちらで、我々もほとんど厚労委員会のメンバーが向こうに参りまして、審議を行い、年金法を初め、厚生労働省所管の法律も多く成立をさせたわけであります。
そして、そもそも主婦年金法案を提出する時期が余りにも遅かったと言えます。
主婦年金の救済問題をめぐりまして混乱が生じましたのは、平成二十二年三月、当時の長妻厚生労働大臣の判断であります。国会審議を行うことなく、切りかえ忘れをほぼ無条件に救済する、いわゆる運用三号制度を決められました。このとき、運用ではなく、法改正により改善策を講ずる、この判断が必要ではなかったかと思っております。
国会審議を経ずに、平成二十二年十二月、運用三号の実施を厚生労働省の課長通達で決められました。この課長通達の決定過程も判然といたしておりません。
それが国民や野党からの批判を受けたために凍結をし、その通達自体、後任の細川大臣は知りませんでした。これは、我が党の坂口元大臣が、この厚生労働委員会の場で、後任の細川大臣に、書面による大臣の引き継ぎがあったかどうか確認をし、委員会中に厚生労働省に確認をしてもらったところ、書面による引き継ぎはなかった、これが明らかになりました。そして、大臣の進退問題にも発展しそうになったわけでございます。
そして、平成二十二年三月、当時の長妻大臣の運用三号の判断から、十二月の決定通知までに九カ月、そして、その凍結を経て、約一年たった平成二十三年十一月に、ようやく主婦年金追納法案が提出をされました。
法改正が必要であったにもかかわらず、課長通達を行った。そして、その提出した法律に対して、審議が遅い、成立をさせることができなかった、拒んだという御発言でございます。この発言には矛盾を感じざるを得ません。
その後、本法案の提出、きょう審議に至っているわけでございますが、改めて、この事実関係について大臣の御所見をお伺いしたいと思いますし、また、この第三号被保険者の記録不整合問題への対応についてお伺いをしてまいりたいと思います。
まず、この法律案で、保険料の徴収時効が成立をしている不整合期間について、厚生労働大臣に届け出ることで老齢基礎年金の受給資格期間に算入をすることができます。
そして、不整合期間を有する者は、年齢が五十歳から六十歳までの間について、特定保険料の納付ができるようになることとしております。
また、現に受給をしている者を対象として、納付期限までに納付をした特定保険料に応じて、改定される年金額の減額幅は一割限度とするということになっております。
このように、不整合記録問題に対する抜本的改善策として、法的措置を講ずることに加えて、不整合記録を正しい年金記録に改定をして、公平性を保ちつつ、既に年金を受給している方々への配慮など、この法案は評価ができるものと思っております。
一方で、九五%の方々は真面目な訂正手続をされて年金記録を訂正している、この実態を考えますと、届け出を行わなかった方に対して、意図的に保険料負担を回避したとの見方もあって、本人の責任はかなり重い、救済措置は不要という御意見も一方であります。
改めて、本法案の救済措置の必要性についてお伺いしたいと思います。
○田村国務大臣 まず、後段の部分からですけれども、不整合記録問題でありますが、三号被保険者の方々にこういう問題が生じたということ自体は、年金の取り扱いを行ってまいりました社会保険庁等々、厚生労働省にも大きな責任があったということは改めて我々は申し述べなければならないというふうに思います。
その上で、記録の訂正をまずいただく期間というものを、今委員がおっしゃられましたとおり、過去十年間にさかのぼっての部分に関しましては、三年間の期間をもって、納付をしていただければ年金記録というものは回復するということにしたわけでございます。これは、我々もいろいろな問題があった中でこういう問題が生じたわけでございますので、このような措置を講じようと。
しかしながら、その間に、過去十年間の部分を振り込まないといいますか、納付していただけない方々に関しましては、これやはり年金の減額はいたし方がないことでございまして、減額をする。
しかし一方で、その期間がもし失われれば年金をもらえないという方々が、これは二十五年という支給開始のための、受給権のための年金の納付期間というのがあるわけでございまして、これを失ってしまうと無年金になってしまいますから、これに関しましては、空期間というんですけれども、期間は保証しましょう、しかし、お金はついてきませんよと。納付実績がないわけですから。こういうような措置を中に盛り込ませていただいたわけであります。
なお、今までもらっていた部分に関しては、これは返せというのはなかなかつらいところがあります。年金というのは日々の生計を立てる大きな糧でございますから、そこに関しましては、返せとまでは申し上げない。
それともう一方、減額も、余りにも減額になりますと、これは生活がなかなかできないということになりますから、上限一〇%を設けさせていただいたというのが今回の年金改正の中の内容でございまして、これに関しましては、いろいろな御議論はあるんですけれども、もちろん我が党にもいろいろな議論がございます。
しかしながら、法案を通していくという意味では、そもそも、当時政権与党でございました民主党政府の中において出されてきたものでありますけれども、それと整合性をとりながら早く措置しなきゃいけないということで、それぞれの御意見というものを今の現与党においても調整をいただいて、このような法案を提出させていただくということでございますので、一定の御理解をいただきたいなというふうに思うわけであります。
そういうような措置をとらせていただくこの年金法案でございますが、では、そもそも、今、長妻先生が本会議でいろいろなことをおっしゃられたというお話がございました。
年金記録の不整合が生まれたこと自体は厚生労働省それから社会保険庁の大きな問題でありますが、二十二年の春にそれがわかったわけでありまして、当時、長妻大臣であられました。わかってすぐにこういう法律で対処しようとすれば、多分、その年中には大体法案というものは臨時国会にも提出できたのであろうというふうに今おっしゃられましたけれども、その推測は我々もできるわけでございますが、そこを、どうもその年の十二月に、課長通知という形で、法的な根拠のない形で、しかも救おうという形でこれを発出されたということでございまして、それが、次の年、大臣がかわられた後に実はこの課長通知が出たわけでありまして、細川大臣のときでございました。
細川大臣がその後の国会審議で、私は知らなかったというような御発言をされたわけでございまして、意思の疎通ができていなかったということに関して、細川大臣もたしかおわびを申されたんだというふうに思います。そんな記憶がございます。正確には、後ほどまた記録の方を確かめたいというふうに思いますが。
その結果、国会での議論になって、課長通知なる法的根拠のないもので救済するというのはおかしいのではないかというような議論が出た後で、法案を当時与党が作成をされて、その年のたしか十一月、臨時国会に提出をされたということでございますから、もし当初同じような措置をされておられれば一年間早く法律が提出をされておったのであろうということも、これは推測の域を出ないわけでございますけれども、推測はされるわけでございます。
その後すぐに法律を通せばよかったじゃないかという御議論もあるんですが、その当時、私はずっと筆頭理事をやっておりまして、法律はいっぱい通しているんですね。実は、昨年の通常国会、七本閣法を通しましたが、これは委員会提出法案まで入れますと何と十三本法律を通しておるわけでございまして、法律という意味では過去類を見ないぐらい、その前の年も実は私が筆頭理事をやっていたんですけれども、この年も十三本通したんですけれども、それ以前から比べると、そんなに法律を通していなかったものですから、私は野党の国対からかなり怒られたんです。
しかし、そこは与野党のそれぞれの筆頭同士の信頼関係というのがありまして、それだけの法律を通してきたという事実もございますので、決して法律を邪魔したわけではないです。ただ、理由がいろいろございました。その理由をここで話すとまたいろいろなことになりますから、もう細かい話はしません。
ただ、当時の与党の筆頭理事と野党の筆頭理事の私が話して、どれが優先順位として、法律をたくさん通すために、しかも可及的速やかに必要なものを通すためにどれが必要かということを話し合った上で決めてきたことでございまして、決してこの三号法案、これをないがしろにしてきたわけではないということは、与野党筆頭間の信頼関係の中において、私は申し上げたいというふうに思います。
○古屋(範)委員 この第三号問題について、私も全く同じ認識でございます。国民生活にとって必要なものは、野党であろうとも、審議の協力、それ以上に、労働法などにつきましては、その法律の存立そのものにつき協力をしてきたということをここで申し上げておかなければいけないというふうに思います。
大臣おっしゃいましたように、本法律案は、やはり救済という側面、そしてまた公平性、ここのところを最大公約数をとったバランスのとれたものであるというふうに私も考えます。
そこで、不整合期間の届け出漏れの対策についてお伺いをしてまいりたいと思います。
不整合期間を受給資格期間に算入をしていく、この期間が長期に及んでいる被保険者、既に年金を受給している高齢者が無年金になることを防止できるという、評価できるものでございます。
この措置を受けるためには厚生労働大臣への届け出が必要とされております。届け出がなければ受給資格期間への適用が受けられず、第一号被保険者の保険料未納期間とそのままなってしまうわけであります。こうした届け出がない方々の中には、制度が理解できなかった、あるいは届け出を行うことそのものが困難であるという方もいらっしゃると思います。
そこで、不整合期間に関する対象者への通知をする場合、これらの方々も確実に救済が図られるようきめ細やかな対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高倉政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御指摘いただきましたように、今回御審議いただいている法案におきましては、不整合期間の届け出でございますとか、あるいはさらに、その上で不整合期間に係る追納など、対象者の方御自身に手続をしていただく必要がございます。この手続を確実に行っていただくために制度のきめ細やかな周知を徹底していくべきという御指摘はそのとおりでございまして、重要な課題と考えております。
そのための対応策でございますけれども、一つには、まず、一般的な広報ということで申しますと、今回の制度の内容や手続の方法につきまして、年金事務所などの窓口にリーフレットを用意する、また、厚生労働省及び日本年金機構のホームページを活用すること、さらには、市町村などの関係団体に周知の協力を依頼することなど、広く広報を行うこととしております。
加えまして、個別のお知らせというのも大変大事と思っておりまして、日本年金機構において、対象者の方をできる限り把握できるよう新たにシステムを開発しまして、個別にお知らせを送付していく。そのこととともに、お知らせした上でなお、お手続を一定期間たってもいただけないという場合には、再度のお知らせもしていくなどのきめ細やかな対応に努めてまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 これにより、年金を受給できるかできないか、もしそのような方がいれば非常に人生にとっては大きな問題でございますので、丁寧な対応をよろしくお願いしたいと思います。
次に、第三号被保険者制度そのものについてお伺いをしてまいりたいと思います。
私も、大学を卒業してからは厚生年金を納付しておりましたし、その後は三号になり、現在は国民年金ということで、その都度都度きちんと届け出は行ってまいりましたけれども、そもそも第三号問題を今後どうしていくのかということが大きな課題でございます。
高齢単身世帯の年金受給額あるいは所得を比較してみました。男性の年金平均は百五十二・八万円、女性の方は百二十七万円。また、収入の状況を見ますと、男性は二百四十九・二万円、女性の方は百六十五万円ということで、やはり、高齢になって、男性と女性、女性の方が非常に収入が低いという統計がございます。
女性が一人になって、家があればこのくらいの収入でも何とか食べてはいけるかもしれませんが、家がない、家賃を払ってとなると、非常に、これは大変困窮に陥るんだろうということが予測をされるわけでございます。
この公的年金制度の中で、サラリーマンの夫に扶養されている第三号被保険者、これにつきましては、不公平感をもたらしている、見直すべきだという意見がございます。特に今、共働き世帯がふえています、また単身者あるいは自営業者の妻、こういう方々から、第三号は保険料を支払っていないという不満の声が上がっているわけであります。
一方では、厚生年金は、夫婦世帯単位で同一拠出、同一給付が成り立っていて、不公平ではないという見解もあるんですね。世帯単位での賃金額が同じであれば、共働き世帯も一人で働いている世帯も、保険料額は、年金額も同じであって、これは不公平じゃないじゃないかという意見も一方でございます。
この第三号被保険者の見直しについて、平成十三年、少し前になりますけれども、女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会の報告、あるいは、平成十四年、厚生労働省の社会保障審議会年金部会で提示された「年金改革の骨格に関する方向性と論点」など、この十年以上にわたり議論が繰り返されてまいりました。当事者にとってもなかなか難しい問題だなというふうに思います。
多くの識者と同じように、私は、第三号問題については、全ての人が納得して満足する制度改正はなかなか難しいんだろうと思います。しかし、女性の就労を促していくということとともに、できる限り男性と同等の就労、処遇機会を実現していく中で解消していくべきだと考えています。
この第一歩として、昨年の八月、年金機能強化法によって、短時間労働者への厚生年金適用要件が週二十時間以上に、ほんの少し拡大をされました。この適用拡大の議論とあわせて、第三号のあり方についてお考えをお伺いしたいと思います。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
先生御指摘のように、今の公的年金、男性と女性の間で年金額にも格差があるという問題がございます。これは、御案内のように、実は給付設計上は、男性、女性、全く同じ設計になっているわけでございますが、御指摘のように、男性と女性とを比べますと、女性の方が賃金が低い、それから、女性は、非正規の方が多いので加入期間が短いというようなこともありまして、年金額が少なくなっている。
年金制度側としては、一つは、できるだけやはり女性の方にも二階の年金がつくようにということで、御案内のように、厚生年金の適用拡大を考える。あるいは、年金制度の側で、就労の継続の御支援を申し上げるということで、産休とか育休取得時の保険料免除でありますとか、このような措置を講じてきております。これは、先ほどお話ありました、平成十二年、十三年のさまざまな報告書等を踏まえた対応ということになります。
それから、三号につきましては、十六年改正で、御案内のように、夫婦共同拠出で共同で受給をするという形にして、その考え方から、離婚等の場合に夫の報酬比例年金を分割するというような制度もつくったということで、基本的にはそういった形で対応してまいったわけでございますが、三号本体については、やはりいろいろ御議論があって、先生まさにおっしゃるとおりで、さまざまな立場からの御議論もあります。
今の一体改革法案の中でも、三号の問題は、いわば残された大きな検討課題の一つということになっておりまして、現在、国民会議あるいは公党間でも御議論がされているわけでございますが、そういった議論も踏まえて、できるだけ事務的にも対応してまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 やはり、厚生年金の世界に女性も入ってくれば、老後の経済的基盤というのは安定していくんだろうというふうに思います。厚生年金の適用拡大については、昨年の税と社会保障一体改革で一歩前進をいたしました。しかし、やはりこれはさらに進めていくべきと考えます。
やはり、外食産業とかスーパーマーケットなど、パート労働者を多く雇用しているところは反対の意見が多いですし、これは本当に景気、経済の影響も大きいと思います。また、一方で、御本人にとっても、将来の年金よりも今の手取りの方が必要だという御意見もあり、なかなかこれは難しい問題を抱えておりますけれども、低年金・無年金者を減らし、また、女性の高齢になってからの生活の安定ということを考えると、やはり、厚生年金の適用拡大、これはその中で努力を続けていくべき課題と考えます。
次に、この第三号被保険者制度に対して、自営業者や共働きの世帯から見れば不公平だという意見もあるんですが、一方で、女性の就労に対する影響も指摘をされているわけです。
短時間労働者に関する調査結果では、女性の短時間労働者の二六%が就業調整をしているという実態がございます。そして、その理由の一つとして、四三・二%の方が、一定額、百三十万円を超えると配偶者の健康保険とか厚生年金等の被扶養者から外れる、自分で加入しなければならなくなるからというふうに回答されているわけなんですね。
男女雇用機会均等法が施行されて四半世紀以上たつわけなんですが、平成二十三年の調査では、民間企業の課長職以上、女性は七・二%にとどまっております。指導的地位に女性が占める割合を二〇年までに少なくとも三〇%にするという政府の目標からは、ほど遠いわけであります。
安倍総理は成長戦略の中で、全ての上場企業に対して、役員の中に一人は女性を登用するようにということを求めていらっしゃいます。能力ややる気があっても責任ある役職を任されない、そう感じている女性は少なくないと思っております。女性が活躍できる社会、男性の働き方もその中で変わってくるものと思います。
役員の女性比率が四割強という世界一のノルウェーでは、法律で上場企業に四割以上を義務づけている。私も、子ども家庭大臣に以前お会いしましたけれども、どうやってやったのかと。まず法律を施行するんだという端的なお答えをいただきました。
日本でも、企業に、いつまで、何人の女性を管理職に登用していくかという目標を定めるなど、積極的な企業を政府は後押しをすべき、このように思います。これについて、御所見をお伺いしたいと思います。
○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。
女性のスキルアップを図るということで、そういった環境を整えていくというのが非常に大切である、もう委員の御指摘のとおりでございまして、やはり、こういった、頑張っている女性を積極的に活用しようとしている企業をこれから支援していくというのはとても重要なことだと思います。
委員も先ほどおっしゃいましたように、女性の活躍している管理職以上の比率が、日本は、統計にもよりますけれども、平成二十四年で六・九%と、先進国の中では本当に下の方でございまして、このような状況が何で起こるかというと、必要な知識と経験の不足、さらに勤続年数の短さ、こういったものがあります。
これを克服するために、研修制度を充実させたり、そして、女性が継続して就労ができるような環境整備、さらに、格差の解消を目指した取り組み、ポジティブアクション、目標をしっかり定めていただいて、個別企業に積極的に働きかけを行っていこう。さらに、女性が継続して働けるように、育児の話、両立支援体制、こういったものも充実させていきたいと思っております。
平成二十五年度の予算におきましては、女性の活躍に積極的に取り組む企業への助成金の支給加算制度、これを創設させていただきました。
五月の十九日に、若者・女性活躍フォーラムの提言におきましても、女性が積極的に活躍していく、こういうインセンティブをしっかり設けていくことが大切である、こういった御提言もいただいておりますので、引き続き、頑張っている企業の背中を押しながら、女性の活躍の場をつくっていきたいと思っております。
○古屋(範)委員 政務官、ありがとうございました。
育休法の改正、これは私も、前回の改正、長年取り組んでまいりまして、改正をすることができました。
また、先日、安倍総理は、今原則一年、最長一年半という育児休業を三年に延長するよう、企業の自主的な取り組みを求めていらっしゃいます。これは、選択肢をふやすという意味ではいいことなんだとは思いますが、やはり、三年休むよりは、短時間でもっと早く復帰をしたい、保育所をしっかり整備してほしいというのが女性の側の本音ではないかというふうに思いまして、この三年育休というのも、必ずしも皆さんが喜んでいるわけではないということもつけ加えなければいけません。
しかし、ここに光が当たっているということと、選ぶ側が、さまざまな人生設計の中で選択肢をふやしていくということは非常に必要だと思います。
そこで、改正をした育休法なんですけれども、男性の育児休業取得率というのが平成二十三年時点でわずか二・六%ということで、非常に低いわけであります。
前回の育休法の改正点で、父母ともに育児休業して、一定の要件を満たした場合には、子が一歳二カ月に達するまで育児休業を取得できるというパパ・ママ育休プラス制度が始まりました。これは、私が求めてまいりましたパパクオータ制というものを導入したものでございます。
長時間労働を前提とした働き方を見直して、フレックスタイム制度、短時間勤務、テレワーク、勤務時間や場所の自由度を広げるなど、柔軟な働き方で、男性も積極的に子育てができるよう、それこそが女性の活力を生かすことになるのではないかと思います。
この点について御所見をお伺いします。
○とかしき大臣政務官 委員御指摘のとおりでありまして、男性の育児休暇を促すことはとても大切なことでありまして、女性が働いていく上では、やはり男性と女性がともに協力し合って子供を育てていく、こういった体制が整わないと、女性の社会進出はなかなか実現できないわけであります。
御指摘のとおり、平成二十二年から新しい法律が施行になりまして、これによりまして、休業期間延長、先ほどおっしゃいましたようにパパ・ママ育休プラスとか、こういった新しい制度を充実してきているところでありますが、中でも、育児休暇を利用したい男性は三一・八%もいらっしゃるにもかかわらず、実際に利用していただいているのが二・六三%と、思いと現実がなかなか一致していないのが今の現状でございます。
このために、政策といたしましては、育児のための短時間勤務の義務化等を盛り込んだこの法律の周知徹底をさせていくということと、あと、くるみんの認定の一層の促進、さらに、助成金、頑張っているところの表彰制度など、こういった企業の取り組みを促進していくような形を考えております。
私、あした、実はイクメンプロジェクトのイクメンの星の方にお目にかかる予定でありまして、イクメンの活動をどれだけ世の中に普及させていくことができるか、現場の声をお伺いして考えていきたいな、こういうふうに思っております。
これからも、女性が活躍できる場をどんどんふやしていきたいと思っておりますので、またお力添えのほどよろしくお願い申し上げて、御答弁とさせていただきます。
○古屋(範)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。