女性議員の国政リポート「脳脊髄液減少症 7月から先進医療の治療始まる」(公明新聞 2012年8月14日付)
脳脊髄液減少症
7月から先進医療の治療始まる
脳脊髄液減少症とは交通事故やスポーツなどで、頭部や全身を強打することで脳脊髄液が漏れ、頭痛や倦怠感など、さまざまな症状を引き起こす疾病です。
長年悩んできた患者の方々の切実な声を聞き、2004年3月、私は、同症の調査研究の実施や治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の保険適用などを求める質問主意書を提出しました。
06年には、渡辺孝男参院議員が座長となり、党内にワーキングチームが設置され、そこを軸に、本格的な活動を開始しました。その結果、07年に厚労省は診断基準を定める研究班を立ち上げ、昨年、画像による初めての診断基準を発表しました。
これまで、粘り強く、署名や申し入れを続けてきた関係者の思いをかみしめ、昨年11月の予算委員会で、私は、ブラッドパッチ療法の保険適用への道を開く「先進医療」として承認するよう、強く主張しました。 そして本年6月1日、先進医療施設基準が決定され、7月1日から日本医科大学など、申請が認められた病院で公的医療保険との併用が認められる先進医療による治療が開始されたのです。
これにより、治療に伴う検査や入院などの諸費用に保険が適用され、患者にとっての治療費負担軽減が実現しました。質問主意書提出から8年、非常に感慨深いものがあります。
しかし、周辺病態や子どもの症例に関する研究など、まだまだ課題は残されています。早期発見・早期診断と、何より当初からめざしてきたブラッドパッチ療法への保険適用へ、さらに力を尽くしていきたいと思います。