第168回国会 厚生労働委員会 第13号

○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 本日は、参考人の皆様におかれましては朝早くから国会においでいただきまして、貴重な御意見をいただきましたこと、大変にありがとうございます。幾つか御見解を承れればと思っております。

 十二月二十三日に福田総理が、公明党が一貫して求めてまいりました薬害C型肝炎の被害者を一律救済していく、このことを決断されました。このたび、被害者全員の一律救済が議員立法で実現をする運びとなったわけでございます。長年にわたり御苦労されてこられた原告団、弁護団の皆様、また年末年始に本法案作成に携わってこられた皆様に敬意を表したいと思っております。

 私自身も、公明党としても、また与党プロジェクトの一員としても、何度か原告団の皆様ともお会いし、御意見も伺ってまいりました。特に、昨年の三月、原告団の皆様が座り込みをされているその中で、私たちも与党として、何とか政治決断をということで官邸に、当時の官房副長官にも申し入れに参りました。

 女性の方は、出産のときに血液製剤を投与されたという患者の方が多いわけでありますけれども、私も、出産を経験した一人として、やはり皆様の今までの御苦労、人生において、家庭において、生活において病を押してこうして闘ってこられた御苦労、察するに余りあるものがございます。苦しんでいる人々を救う、これがやはり政治の役割であると考えております。

 公明党は、昨年の十二月十八日、坂口副代表、また斉藤政調会長が町村官房長官に一律救済の実現を強く求めまして、また、十九日には太田代表が直接福田総理と会いまして、一律救済を決断するよう、また、肝炎ウイルスに汚染された血液製剤の投与によりC型肝炎に感染し、肝硬変、肝がんへの不安にさいなまれている、何の落ち度もない被害者の皆様、原告の皆様の気持ちを考えて、これまで活動してまいりました。さらに、二十日、政府の和解骨子案が拒否された後、もう一歩踏み込みが必要であるということで決断を迫るなど、微力ではございますが、全面解決に向け政治決断を促してまいりました。この法案、一刻も早い成立を求めていきたい、このように考えております。

 初めに、山口参考人にお伺いいたします。

 先ほども、意見陳述の中で本法案に対する評価を四点にわたって述べていただきました。長い間御苦労されてきて、今回こうした形で法案が提出をされ、国の責任と謝罪が前文に明記をされ、薬害C型肝炎の被害者に血液製剤の投与時期による線引きをなくした一律救済の理念を貫くものとなっているわけでございます。

 きょう改めて、長年の裁判の御苦労の末に本法案が提出をされ、こうして委員会で審議をされるに至ったその率直な御感想をいただきたいと思います。

○山口参考人 やはり五年というこの年月は本当に長かったんですけれども、しかし、ここまで闘ってこられたというのは、本当に私たち原告だけではなく、今まで支えてくれた支援者、特に若者、大学生たち、若者がまず最初に、これはひょっとしたら自分のお母さんにも起こり得たことなんだというふうに本当に想像力を働かせ、そして人ごとではないと、自分たちも一緒に街頭に出てビラを配り、そして道行く人たちに訴えてくれました。

 そして、私も何度かもうめげそうになったときがありましたけれども、そういった若者たちに支えられ、また、同じ年代の我が息子が、これまでこの裁判には余りかかわりたくないと言ったわけではありませんけれども、やはり、自分が四歳の幼いときに母親がこのC型肝炎に感染し入退院を繰り返したのをずっと見てきておりますので、かかわりたくないという思いがあったんでしょうけれども、しかし、私が一度、もうこの裁判をやめたいと漏らしたときに、お母さんは、原告となった以上は、これは社会的に義務があるんだよと言ってくれました。そこで私もはっとまた自分を奮い立たせることができた。

 そういったことがこの五年間何度か繰り返し繰り返しあって、ここまで来たというふうに思っております。

○古屋(範)委員 次に、高畠参考人にお伺いをいたします。

 先ほども意見陳述の中で具体的な御要望を伺いました。与党としても、医療費助成など総合的な肝炎対策の方針を決めているところでございますが、こうした肝炎の総合対策についてもう少し御意見があればお伺いしたいというふうに思います。

○高畠参考人 これまでの国の肝炎対策は、古くは二〇〇〇年の有識者会議が始まって、二〇〇二年からの五カ年計画、その後は、医療費助成を除けば、すべて、私ども患者会がいろいろ要求する検査の体制、治療体制の整備、四項目ぐらいありましたけれども、そのとおりそれは、私たちが患者の立場で要望した内容が今非常に進展をしております。

 ただ、二十年度からは、舞台は各都道府県で診療対策協議会ができて、そこが中心になって肝炎対策が行われますけれども、一つはやはり、治療体制の中で、医師の問題は消化器系の医師だけじゃありませんけれども、もう関西地方では、治療体制をつくる上でも、ウイルス肝炎の専門医すら拠点病院にいらっしゃらないということが出てきておりますので、そういった意味での治療をしっかりやっていくための体制をぜひつくっていただければというふうに考えております。

 以上です。

○古屋(範)委員 もう一度、山口参考人にお伺いいたします。

 今後の課題として被害者の掘り起こしということを先ほどおっしゃっていらっしゃいましたけれども、カルテが既に廃棄をされているなどなど、今後、被害者の掘り起こしの取り組みについてお考えがあればお伺いしたいというふうに思います。

○山口参考人 これまで本当に私たち、そういったカルテがない方たちとの出会いもありましたけれども、この法案では、やはり認定されるのは、カルテ等で、そういった証拠というか、特定できないと救済されないというふうになっておりますけれども、かなりの数でやはりこれに外れる方たちがおられると思います。

 私たち、フィブリノゲン製剤の納入医療機関公表をずっと言い続けてきて、今回もまた新聞で公表されると思いますけれども、実際には、現実的には病院にはそういったものが残っていない。そういった人たちはこの法案では救済されませんので、やはりもう一つの一般の肝炎対策の方でぜひとも救済していただきたいというふうに思っております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。
 本日の貴重な御意見を踏まえまして、今後も肝炎対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

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