第171回国会 衆議院 決算行政監視委員会第二分科会-2号

○古屋(範)分科員 公明党の古屋範子でございます。きょうはよろしくお願い申し上げます。

 私は、テレワークの取り組みとそれから今後の新たな電波利用について、鳩山総務大臣にお伺いしてまいります。

 初めに、テレワークについてお伺いをいたします。

 多様な働き方の確立という観点で、私は以前よりこのテレワークの働き方に着目をしてまいりました。働きたいという意欲を持った人に仕事を提供できる、また在宅で、情報通信技術を活用して、場所を選ばない、また通勤時間もとらないというのがテレワークの働き方でございます。時間もとられませんし、また仕事削減にもつながろうかと思います。

 このテレワークが普及することによりまして、母子家庭のお母さん、子育て中の母親、また高齢者、障害者の方々への雇用の機会の拡大が期待をされております。そして、長時間通勤からの解放、それによって、子供と過ごすといった育児時間、また自分自身のキャリアアップのための学習機会の創出、労働人口が都市部に一極集中することを分散するというような、さまざまな利点があると考えられます。

 三年前になりますけれども、私が総務大臣政務官を務めさせていただきましたときに、郵政・情報通信担当でございましたものですから、子供の安全なネット利用、メディアリテラシー、そしてこのテレワークを強く推進しようと取り組んでまいりました。そして、平成十八年五月にテレワーク推進会議を設置いたしまして、少子高齢社会対策の一環として、また仕事と生活の調和、両立する、それを可能にするテレワークの導入の準備を積極的に進めてまいりました。そして、今でも、未来に向かってよりよい社会をつくっていくために、情報通信技術の利活用を積極的に進めたい、このように考えているところでございます。

 先日発表されました総務省の通信利用動向調査によりますと、平成二十年度末でインターネットの利用者、これが九千九十一万人、人口普及率が七五・三%になるということでございます。我が国のICTの利用も非常に進んできている、このように感じます。

 この情報通信技術は、単に普及が進めばよいというだけではなくて、生活の向上、暮らしの充実のために利活用を進めるべきであると考えております。その方法の一つがテレワークでございます。障害者、母子家庭、また子育て中の女性などの働き方また勤務形態として、少子化対策またワーク・ライフ・バランスの実現の観点からも、一層推進を図るべきだというふうに考えております。

 ワーク・ライフ・バランスの実現につきましては、二〇〇七年十二月にワーク・ライフ・バランス憲章が策定をされました。あわせて定められました行動指針におきまして、多様な働き方の選択を進める方策の一つとしてこのテレワークが掲げられました。また、テレワークについては、二〇〇七年にテレワーク人口倍増アクションプランが策定をされまして、二〇一〇年にテレワーク人口を倍増するとの目標を立てておりますけれども、まだまだ普及が進んでいないという実感を持っております。

 このテレワークの普及促進については、少子化対策やワーク・ライフ・バランスの実現の観点から、また内閣府、厚労省も含めて政府全体でしっかりと取り組んでいかなければならない、このように考えます。

 初めに、通信利用動向調査などが公表されましたけれども、テレワークの現状についてお伺いをしてまいります。

    〔主査退席、寺田(稔)主査代理着席〕

○戸塚政府参考人 お答えいたします。

 平成二十年の通信利用動向調査によりますと、平成二十年末でテレワークを導入している企業は、前年から四・九ポイント増加いたしまして一五・七%となっております。また、導入していないが、具体的導入予定がある企業も、前年と比べますと一・七ポイント増加の五・二%となっております。また、テレワーク人口につきましては、国土交通省がテレワーク人口実態調査を実施しておりまして、最新の調査結果によりますと、就業者に占めるテレワーカーの比率は二〇〇八年で一五・二%となっておりまして、二〇〇五年の一〇・四%から四・八ポイントの増加となっております。

 このように、最新の調査結果でもテレワークは増加傾向にございます。二〇一〇年二〇%という目標の達成に向けて、さらに取り組みを進めていく必要があると考えております。

 以上でございます。

○古屋(範)分科員 今お答えいただきましたけれども、テレワークの導入企業数、またテレワーク人口は増加をしているということでございます。しかし、単に数がふえるだけではなくて、よりよい働き方につながっていくことが大事なのではないか、そのように思います。テレワークの人口実態調査につきまして、担当は国土交通省ということでありますけれども、その実態をよく分析していただきたい、このように思います。

 また、このテレワーク、増加傾向にあるということでありますけれども、まだまだ導入していない企業は多いわけでして、子育て等で利用したくても、そこで働く人にとっては利用できない状況にもございます、もちろん職種にもよるわけでありますけれども。

 導入が進まない原因といたしまして、そもそもテレワークについてよく知らなかったり、雇用管理の方法がわからなかったりするのではないかと思います。また、技術面でいえば、テレワークの機器やシステムの導入方法や使い方がわからないということも考えられます。また、情報漏えい等セキュリティー面での不安が強かったり、技術を上手に活用すれば可能であるにもかかわらず、職種や仕事の内容によっては初めから技術的に難しいというふうに考えているという傾向もあるかと思います。さらに、導入のコストも課題になってくるかと思います。

 テレワークの普及促進のためにはこうした問題点を解消していくことが重要であると思います。テレワークの推進について総務省はどのような取り組みを行っていらっしゃるのでしょうか。

 また、総務省では、官公庁で初めて、平成十八年十月に、育児期間中の職員などに対して、週一回以上、部分的な在宅勤務、テレワークができるよう、本省、この霞が関で先駆的に本格的実施を進めてこられました。それから二年半が経過をしておりますけれども、その後の状況についてもあわせてお伺いいたしたいと思います。

○鳩山国務大臣 事務方から詳しい御説明をいたしますが、古屋先生のお話を承っておりまして、先生が総務省におられて大臣政務官をなさったときにこのことを大変強力にお進めになって、その後のテレワークの推進に非常に先駆的な形でお力をちょうだいいたしておりますことについては、心から感謝申し上げなければならないと思っております。CO2の削減という問題もあります。

 ですが、私は、みずからの思い出を語りますと、十四年か五年ぐらい前に労働大臣を務めたことがあります。御党からは浜四津先生が環境庁長官をなさったときで、一緒の内閣におりました。そのころ、育児休業問題というのはまだ始まったばかりで、とても一般の企業に広げるということではなくて、せめて国家公務員から始めようかというか、始まっていたかもしれません。そういう状況のときに、私は、例えばこの育児休業という制度がオール・ジャパンになるのはいつぐらいなのということを随分尋ねますと、まだまだ時間がかかるのではないでしょうかというような、そんな答えであり、そんな議論を随分労働省の中でした記憶がございます。

 この育児休業の問題というのは、今でも実際大きな問題だろうと思います。問題が完全に解消したわけではない。そうなりますと、やはり、それは、ジェンダーフリーという考え方は、私は、基本的には間違っていないと思いますが、行き過ぎたジェンダーフリーはどうかなという思いはあります。そうした中で、やはり男女の本質的な違いというのは、一番違う点は、男は子供を産むことができないということだろう、育てることはできますけれども。そう考えた場合に、女性は子供を産む、その子供を産んだときに職場を去ることがやむなしという状況になる。

 したがって、テレワークが推進され、さらに一層推進されると、育児休業問題のかなりの部分が解決をするのではないか、私はそう思いまして、このことについては総務省として一生懸命取り組んでいきたい、こう思っております。

○戸塚政府参考人 それでは、お答えいたします。

 総務省の取り組みでございますが、総務省では、技術的な課題の解消を中心といたしまして取り組みを実施しております。

 具体的には、テレワークについて、先生の御指摘のとおり、導入方法がわからない企業だとかセキュリティーの面での不安を持つ企業がございまして、こういった企業に対しまして、テレワークの理解を促進するという観点から、セミナーの開催等を通じましての啓発活動でございますとか、安全で簡易なテレワークシステムを実際に体験していただくという観点からのテレワークの試行・体験プロジェクトの実施といったことをやっております。

 また、技術面では、先進的な技術やシステムを用いた実験を行うということで、技術的にテレワークの導入が難しいと思われているような職種への適用の問題でございますとかさまざまな効果の検証等を行うテレワークモデルシステムの実験の実施ということもやってございます。

 また、テレワークの設備投資に伴うコストを軽減するという観点からのテレワーク環境整備税制といったようなことにつきましても実施してございます。

 平成二十年度につきましては、ワーク・ライフ・バランスの観点ということも考慮いたしまして、家族の生活空間と隣接した環境下での短期移住型のテレワークモデルシステムの実験というものと、また、出産、育児等のために在宅中の医師の方、女性の医師の方が多うございますが、このテレワークを支援するためのモデルシステムの実験というのも実施しておるところでございます。

 また、先生、大臣からのお話もございましたが、総務大臣政務官の当時御指導いただきました総務省職員のテレワークにつきましては、平成十九年五月から本省に勤務する全職員を対象に実施しておりまして、平成二十年度における登録者の延べ人数は八十名ということになっております。今後とも、その拡大に努力してまいりたいと考えております。

○古屋(範)分科員 大臣、労働大臣当時のことも含めまして、ありがとうございます。

 子育てと仕事を両立する、これには、育児休業も当然必要ですが、やはりテレワークというような働き方改革も大変必要である、そこに着目を既にしていらしたのかなというふうに思っております。ありがとうございました。

 また、総務省では、八十名まで増員をテレワーカーはされているということで、かなり頑張って取り組んでくださっているのだな、そういう印象を持っております。これが全省庁に広がっていくことを私も期待しております。これが先駆けとなって広がっていってほしい、このように思っております。

 今御答弁いただきましたように、ワーク・ライフ・バランスの観点からいろいろなモデル事業を行っていらっしゃるということで、非常にすばらしいと私も思っております。子供の夏休み期間中に都市圏の社員が地方でテレワークを行って家族と生活するモデルシステムの実験、あるいは、育児中の女性医師が現場復帰するときのための、医師の業務負担軽減等の観点からの医師分野でのモデルシステム実験などが実施をされておりまして、ぜひすぐにでも全国に広げてほしいなという取り組みだと思っております。

 特に勤務医、小児科医、産婦人科の医師不足が非常に深刻な問題となっているわけなんですが、出産、育児などで病院での過酷な勤務との両立ができない、やめていかなければいけないという女性医師、非常にもったいないわけなんですね。この就労継続のための支援が必要であるかと思います。そこで、現在、信州大学医学部で、附属病院で実証実験が行われていると聞いております。これも、テレワークシステムが円滑な職場復帰に貢献できるのではないかということも注目をしております。

 ほかにもあるかと思いますけれども、特にこの二つのモデル事業について具体的に御説明をいただければと思います。

○鳩山国務大臣 これも事務方から御答弁申し上げますが、今先生のお話を伺っておって、すばらしいなと思ったのは、周産期医療の問題がここまで問題になって、産科、婦人科不足、これは、こういうことを言ったら怒られるかもしれませんけれども、やはり女性は子供を産み育てますから、より周産期医療については、こう言っては怒られるかもしれませんが、男性医師以上にみずからの経験をもとにして親身になれる。そういう女医さんが、まさに自分が出産をして、そしてそのために全く職場に出られないというようなときに、テレワークでいわゆる御自身が担当する妊産婦の方と連絡がとれたら、これは最高にすばらしいだろうなと、今感動して聞いておりました。

○戸塚政府参考人 お答えいたします。

 先生の御指摘の二つのタイプの実証実験でございますが、まず短期移住型のテレワークモデル実験でございますが、この結果といたしまして、仕事に偏りがちな現代社会におきまして、家族とのつながりの強化や心身の充実といったワーク・ライフ・バランスの健全化が図られたというような面での効果でございますとか、短期移住の受け入れ地域、これは北海道でございますが、こちらとの交流といった面での、地域との交流の面でも効果が実証されたというふうに考えております。

 また、医師の分野の方でございますが、これは先生の御指摘のとおり、現場の医師の業務負担軽減の観点から、育児期の在宅の女性医師の活用や、一たん休業された方の将来の現場復帰を実施するためのモデル実験でございましたが、これも、在宅医師の医療業務の支援といった意味での効果でございますとか、円滑な現場復帰の効果というのが検証されたというふうに考えてございます。

○古屋(範)分科員 大臣、ありがとうございました。

 これは、女性の患者の側からいたしましても、調査をいたしますと、やはり特に産科などは女性医師に受けたいという希望が非常に強いんですね。検診も女性医師なら行ってもよいというようなお答えも多く、その女性医師が出産、育児を経て職場復帰をするために、その円滑な手だてとして、このテレワークというのは非常に有効だというふうに考えております。

 また、このたびの追加の経済対策、経済危機対策と銘打たれておりますけれども、この中に、一人親支援、母子家庭の支援といたしまして、この在宅就業支援、いわゆるIT、テレワークのこうした就業への支援というものも盛り込まれております。

 総務省では、今までもこうした形でさまざまなモデル事業等を行いながら推進をしてこられているとは思いますけれども、厚生労働省あるいは内閣府等々、関係省庁とぜひ連携をして、このテレワークの普及を推進していただきたい、このように思います。

 大臣にもう一度御決意をお伺いしたいと思います。

○鳩山国務大臣 先ほどいろいろ申し上げたとおりで、先生のテレワーク推進の御努力に感謝申し上げながら、そういった意味で、幸せ増進のために、また働く方々、とりわけ女性の方のためにテレワークを推進していきたい、こう思っております。

 テレワークなどというのは、それこそ我々の子供のころには夢のような話で、テレビ会議とか、テレワークという言葉はありませんが、自宅で仕事をして、それがまたテレビを通じて職場と結ばれるなどというのは、まさに夢のまた夢であったことが実際に現実のものになってきているわけですから、これはもう大いに進めていきたい、こう思います。

 子供のころ、ぜいたくな話で申しわけないんですけれども、私ども、祖父以来、軽井沢に別荘がありまして、小学校のころは一月以上、我々家族は軽井沢生活をいたしておりました。父親が大蔵官僚でありまして、大体金曜の夜遅くやってきて、夏休みですから土曜日はとれたんでしょうね、土日と軽井沢にいて、日曜の夜には帰っていく。実際にはゴルフばかりしておりまして、余り子供の面倒を見る父親ではありませんでしたけれども、それでも、寝食をともにするというのかな、そういう充実感がありました。

 だから、毎週そういうことが繰り返される。もし父親が土日月火ぐらいいてくれたら、やはり私ももっと品格のある政治家に育ったのではないかとみずから思うわけです。ですから、それこそそういうときにテレワークがあったら、ぜいたくな話で本当はよくないかもしれませんが、夏休みの別荘生活なんて全然違ってくるわけですね。先ほどの例で、例えば北海道で夏を過ごす、そのときにテレワークができれば家族一緒に暮らせるなんというのは、本当にすばらしいことだと思いますね。ですから、そういう意味で頑張っていきたいということが一つでございます。

 それから、私は、以前から環境のことが一番興味があるものでありますから、ICTを使った環境問題への対処、とりわけ地球環境問題への貢献というものを考えた場合に、やはりこのテレワークによって通勤というものが不要になる。フードマイレージとよく言われますけれども、実は人間にもマイレージがあるわけですね。通勤マイレージというのがあるわけで、通勤マイレージが高いということは、それだけCO2が出る。

 例えば、私の地元あたりですと、もうほとんど車、福岡県ですとほとんど車通勤です。一台の車で会社へ行くということは、三百人か五百人ぐらいの大名行列でみんながはあはあ二酸化炭素を出すのと同じだということですから、人間のマイレージというのか、この移動がなくなるということは大変なCO2削減効果になりますので、そういった意味でもテレワークはそれこそ一石何鳥ということではないかと思います。

○古屋(範)分科員 大臣御自身の体験も交えながらの踏み込んだ御答弁、ありがとうございました。

 では、次の質問に移ります。

 現在、戦後最大の同時不況の中で、その危機を脱して我が国の経済再生、さらなる飛躍を実現するために、世界最先端の技術力を持つ情報通信技術の活用、特に携帯電話を初めといたしました電波を有効に活用して、新産業の創出や国民生活の基盤を構築していくことが極めて重要だと認識をいたしております。

 これまでも、携帯電話など、我々の生活の利便性の向上に役立つ電波の利用が進んできたものと思われます。我が国が世界で最初に体験すると言われている少子高齢化の問題のほか、地域での医師、医療機関の不足や老老介護などの医療、福祉関連の課題、またCO2排出量の削減などのエネルギー、環境問題といった、ふだんの生活を取り巻くさまざまな社会問題を解決する一つの手段として、無線通信が果たす役割、これはこれまで以上に大きくなるものと期待をしております。

 例えば、出産や子育てに追われて仕事との両立がなかなか難しいと言われていた女性が、無線を利用していろいろな場所から社内の会議に参加したり、あるいは体の不自由な方も自宅にいながら仕事に従事できる、こういった社会参加の機会も増加をする。その上、物理的に移動しなくてもいい。今も大臣おっしゃいましたように、時間の制約またCO2の排出量の削減に貢献したりということも、現実的なものとなってきていると思われます。

 ほかにも、小型の無線チップを使って製品の物流管理ができるようになる。特に食品偽装問題などを解決し、日々の私たちの生活の安心、安全を確保するという面でも貢献が非常に期待をされているところであります。

 そのほかにも、電波の利用分野が広がることで国民生活が豊かになっていくものと思われますが、今後、二〇一〇年代、どのような電波利用が新たに見込まれ、それらが国民生活の向上にどう役立つと考えられているのか、総務省のお考えをお伺いいたします。

○桜井(俊)政府参考人 お答え申し上げます。

 電波利用につきましては、先生先ほど御指摘のとおり、従来からの主要な利用形態であります携帯電話ですとか、あるいは放送などに加えまして、さまざまな分野において新たな期待というのが高まっているというところでございます。

 このため、総務省におきましては、昨年十月に電波政策懇談会というのを開催いたしまして、二〇一〇年代に実現が期待される新しい電波利用のシステムあるいはサービスにつきましての将来像について御検討いただいているというところでございます。

 この電波政策懇談会の議論の中では、携帯電話、放送、衛星といった従来の主要なメディアに加えまして、例えばでございますけれども、医療分野においては、ワイヤレス化したカプセル型の胃カメラ、これによります人体内の診察でありますとか、あるいは、先ほど先生も御指摘ありましたような電子タグを利用して、子供や高齢者は外出先でも位置を正確に把握できる、そういった見守りシステム、あるいは見通しの悪い交差点で出会い頭の事故というのを防ぐためにぶつからない車を実現する次世代のITSシステム、こういった安心、安全のワイヤレスシステム、あるいは家庭内のテレビですとか、あるいはパソコンといったものがワイヤレスでつながるというコードの要らない快適な生活環境を実現する家庭内のブロードバンドシステム、こういったいろいろな御指摘がなされているところでございます。

 総務省といたしましては、本年六月にこの懇談会の取りまとめを予定しておりますので、そういった取りまとめを踏まえまして、新しい分野での電波利用の促進ということに努めてまいりたいというふうに考えております。

○古屋(範)分科員 幾つかの例を挙げてお答えをいただきました。それぞれ非常に重要な、そして国民生活に非常に役立つ研究開発であると思います。

 携帯電話のさらなる高度化に加えましても、新たな電波利用システム、またサービスを世界に先駆けて実用化していくこと、国際競争力を持つ機器やアプリケーションの開発、製品化を急ぐべきであると考えております。

 例えば、無線通信技術の最先端の研究開発機関が集積をしております横須賀リサーチパークにおいて、産官学が連携してさまざまな研究開発に取り組んでいる状況でございます。今後、日本の強みを生かした新技術の市場投入を図って、新たな産業を創出していかなければなりません。しかし、なかなかこうした経済危機の中で、各企業ともに研究開発費を捻出すること、これが非常に難しくなってきております。特に、電波利用分野への取り組みは、産業の活性化、国際競争力の強化を図る観点において、その中核となると考えております。そのためには、産官学の研究機関の力を結集して、いわばオール・ジャパンとして無線通信技術の研究開発を加速化すべきであると考えます。大臣のお考えをお伺いいたします。

○鳩山国務大臣 私は、恥ずかしいことに、数学は物すごく得意だったんですが、最近の科学技術にはついていけなくて、恐らく古屋先生の百分の一の知識もないと思うんですけれども、今も、ワイヤレス胃カメラなんというのは本当にびっくりしました。私は大病をしたことが一度もないんですが、初めて選挙に二十八歳で出たんですが、そのころ神経性胃炎というのか、やはり選挙というのは体がおかしくなるんですね、それで、胃カメラをのんだときの恐怖は今でも忘れられないですよ。こんなものをのみ込むような感じでしょう。おえっとなって、だから、とにかく生涯二度と胃カメラだけは入れたくないと思っていましたけれども、こういうものができれば本当にすばらしいと思います。

 また、電子タグの利用というのは、子供や高齢者の安全のためにも大切だと思いますけれども、嫌がるけれども、うちの秘書たちにつけたいですね、すぐサボるものですからね。だから、この電子タグをつければちゃんと、町を歩いているとかがわかるんだなと思いますが。ただ、実はこの問題は、私は動物愛護議連の会長をやっておりまして、みずからのかわいらしいペットにこういうのを使って、野良犬、野良猫にならないような利用もできるというふうに考えているわけでございます。

 三月に、デジタル日本創生プロジェクト、ICT鳩山プランということで幾つかお示ししたことがありまして、中長期的には数十兆円規模の新産業だろうと。大体今はこんな、百年に一度という経済の縮小というか、GDPがどうなるかという問題が出ておりますけれども、GDPの成長する部分の大体四〇%はICTと言われておりますから、ICT抜きに日本の経済というのはこれから考えられなくなるんだろう、そういうふうに思っておりまして、私は本当に知識が少ないんですが、いわゆるワイヤレス時代というんでしょうか、ワイヤレスブロードバンド環境の実現ということを努力していきたい。

 それから、私の聞いた話では、ワイヤレスで電力まで送ることも可能になる、何か怖いような気がするんですが、ワイヤレスで電気を送るようなことができればすばらしいな、こういうふうに思っておりまして、ワイヤレスブロードバンド環境のためには百九十八億円という予算、これは今回の補正でお願いをすることに予定いたしております。一生懸命頑張ります。

○古屋(範)分科員 テレワークの普及、また無線通信技術の研究開発の促進を求めまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

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