第186回国会 厚生労働委員会 18号
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。
きょうは、四人の参考人の皆様、厚生労働委員会の地方公聴会においでいただき、そして貴重な御意見をお述べいただきました。心から感謝を申し上げます。
私たち公明党は、現在、全国約三千名の議員がおります。この医療、介護の改正に合わせまして、全国の議員でそれぞれの地域に即した地域包括ケアシステムを構築しようということで、全国から意見を寄せていただき、また、移動本部も実施をして、それぞれの地域の現場の方々、関係者からの御意見を今聴取している最中でございます。
まず、今井参考人にお伺いしてまいります。
今回の法改正で、病床の機能分化、これは大きな柱でございます。その中で、地域の医療ビジョンをどう構築していくか、これが最大の課題であろうかと思います。
きょうも、地元の県会、また市会、傍聴に公明党から来ておりますけれども、調査をして、そしてその調査の結果を分析していく、それに基づいて病床の推計をし、それに基づいてそれぞれの医療機関に機能の変更を求めていくということになるわけなんですが、紙の上ではそういう計算ができたとしても、現実にそうした病床の機能転換を行っていくというのは非常に難しいことかと思います。
ここは、やはり、都道府県と医療関係者の非常に丁寧な議論が求められていくというふうに思います。そこには、当然、都道府県の側もしっかりとそこに体制をつくっていただかなければいけないんですが、そのほかにも、議会でありますとか、そのほか幅広く関係者の意見も聞きながら、ここは十分な、慎重な議論が必要かと思いますけれども、この点に関してお考えをお伺いいたします。
○今井立史君 御質問ありがとうございます。
確かに、これから地域医療ビジョンというものをつくるというふうなことについては、実際にまだ始まっているわけじゃないんですけれども、大変なことになるのではないかなと。これはもちろん、地域格差というのがあって一つのマニュアルにはまらないこともありますし、いろいろなところでいろいろな意見が出てくるんじゃないかなと思うんですね。
それと、今まで高度機能病院としてやっていた、そういうものがまた別なところに行くというようなことに関して、どういうことになるのかなと。そんな簡単に、わかりました、ではこういうふうにしますなんてわけにいかないなというふうなことで、実際にどういう形になるかはまだ具体的にわからないんですけれども、きめ細かく、本当にそこの状況を把握しながらやらなきゃいかぬ、先生おっしゃったとおりだと思うんですね。
それで、何らかの、今の特別支援基金の問題を、インセンティブなんかの形でうまく使いながらというふうなことも当然考えないかぬと思うんですけれども、その辺を含めて、医師会としましても、当事者の意見を聞きながら、また行政とも話し合いながら、あるいは一般の市民の方とも、その説明をしながら鋭意検討していきたいというふうなことで、何かちょっと漠然としちゃっているんですけれども、済みません。
○古屋(範)委員 ありがとうございます。
きめ細かな議論の場が必要だということだと思います。私たちもネットワーク政党ですので、そうした協議の場が持てるような環境づくりに、これは県会議員や私たちもしっかりとバックアップをしてまいりたいと思います。
続けて、今井参考人にお伺いいたします。
医療従事者の偏在、不足について先ほど御意見がございました。山梨県においては、既に地域医療支援センターを全国に先駆けて立ち上げられて、ここの活動を開始されているということも伺っております。こうした地域医療センターが法律に位置づけられてまいりますけれども、この機能に期待すること。
そしてもう一つ、医師不足に関しまして、やはり、女性医師が出産とか育児を越えて働き続けられるということも一つ大事な観点ではないかと考えております。私もこれまで、女性医師バンクを医師会に委託をして設立し、女性医師が何とか働き続けられるように、その能力も非常にもったいないですので、そのようなことにずっと努めてまいりましたけれども、女性医師の活躍について、医師不足の観点から御意見をいただければと思います。
○今井立史君 御質問ありがとうございます。
医療センターの問題ですけれども、これがきちんと位置づけられたというふうなことで、しっかりした根拠ができたんじゃないかと思うんですね。
山梨の場合も、既に奨学金の生徒さんも約二百名を超えまして、ことしも二十名ぐらいの人が卒業するというふうなことです。この新規卒業した若い医者に、どういうふうに県内にとどまってもらってスキルアップを図るかというふうなことでこれが本格的に始まるのではないかというふうなことで、在宅の問題を含めて、かかりつけ医、総合医というふうな視野の中で、医師会がどの程度、どの部分に協力していけるのかなというふうなことを、これからしっかり医師会内でも検討していくというふうに考えております。
それと、女性医師の問題。先生御指摘のとおり、日本医師会でも、これから女性の理事を登用しようというふうなことで、開業医の方と勤務医と二名出すというふうなことになりまして、国の方でもかなり進められているんだというふうなことです。山梨の場合は、やはり女性理事さんの枠がなくて、それで、何とか年度内に女性の理事さんを一人ふやしまして、女性の立場を専門に主張していただくというふうなことで、実現しようと思って予定をしております。
やはり、直接的に、出産もいろいろ経験している、実際に勤務して苦労したというふうな話を私たちが聞いて、そしてそこの場に出していかないといけないと思いまして、そういう取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
ありがとうございました。
○古屋(範)委員 ありがとうございます。
地域医療支援センターを中心に、そこから地域枠で輩出をされてきた方々が総合医としてあるいはかかりつけ医として実際に地域を担っていただく、ここまでの育成をまた医師会の先生方にも担っていただきたいと思いますし、私自身も、国として全面的にバックアップをしていきたい。
また、女性理事を医師会の中につくっていただくということで、これも非常にすばらしいというふうに思います。やはり、女性の事情、立場をわかった方々がそうしたトップについていくということがまずは重要なことだと思いますので、これは大変にありがたく拝聴いたしました。
それでは、流石参考人にお伺いをしてまいります。
私も、在宅医療の現場、医師ではございませんが、患者や家族の方々に了解を得て、在宅医療の医師とともに、現場をずっと往診について回るというようなこともさせていただいたことがございます。やはり、在宅医療の現場の主役というのは看護師だというふうに思います。しかし、なかなかこの在宅医療、やはり病院の方に流れてしまうということがあるのではないかと思います。
在宅医療に、能力のある看護師さんについていただく、このために国としてどのような施策が必要でしょうか、お願いいたします。
○流石ゆり子君 御質問ありがとうございます。
現在、在宅医療を担っているのは、看護職の中では、訪問看護ステーションの訪問看護師ですね、看護師が中心となっております。古くからは保健師が地域を単位として受け持って、そしてその住民の健康管理をしておりましたが、現在では訪問看護師が中心となっております。
そして、私の大学でも、卒業生の傾向を見ますと在宅への志向が非常に高くて、先ほども申し上げましたように、二人が新卒で訪問看護ステーションに就職をいたしました。
そういうふうな動きもありますし、また、臨床経験を積んだ後、在宅での訪問看護師としてやってみたいというふうな希望も非常に多くありまして、これは教育機関に限らず、看護協会等、あと、もちろん医師会ですとかいろいろな関係職種とも、今、一緒になって仕事をしております。連携教育が今非常に主流を占めておりますので、そういう中でも地域でやってみたいという気持ちは非常に高まっているかと思います。
以上です。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
みとりに関しても非常に重要な取り組みをされているということでございますので、在宅医療の中で、このこともあわせて、ぜひ、大学でのこうした在宅看護への流れといいますか、そちらの方向への、教育者としてのお立場からの推進もお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
それでは、石井参考人にお伺いいたします。
今後の高齢社会を担っていく上で、介護従事者の確保が喫緊の課題であるという御意見でございました。確かに処遇改善はしなければいけない。私たちは、与党としても、これは何としても進めていきたいと決意をいたしております。
そうした賃金のアップということに加えまして、処遇改善でそのほかにも重要なことがあろうかと思います。処遇改善の、その他の重要な観点について御意見をいただきたいと思います。
○石井貴志君 御質問ありがとうございます。
まず、処遇改善については、やっていただけるということは、本当に介護従事者にとってはありがたいことだと思っております。
ただし、その金額というのに皆さん注目している。また、世間といいますか、先ほど親御さんの話もしたんですが、そこにインパクトのある改善ということが求められるんじゃないかと思っております。
もう一つは、その他の勤務環境ということですが、先ほど病院さんの方には保育環境等整備ということ、私どもの介護職場についても、女性の職員が多いですから、当たり前にそういう子育てがしやすい環境の整備がやはり必要だと思っています。成長戦略の中にも入っていますし、やはり、そこの部分も含めて御検討いただきたいというふうに思っております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
インパクトのある処遇改善ということでございますので、年末に向けて私たちも最大限の努力をし、また勤務環境の改善も、女性が多い職場だと思いますので、女性が働きやすい、そうした介護の環境の場の改善にこれからも努めてまいりたいと思います。
それから、唐木参考人にお伺いをしてまいります。
自助、互助、共助、こうしたことを御本人にしっかりと説明をして予防意識を高めていただく、すごいことだというふうに思います。特に、この地域では、田畑があるので、高齢になっても多分そこで農作業などをして働いていらっしゃるんだというふうに思います。それが介護予防につながっていくということもあろうかと思います。平均余命と健康寿命の関係性、そして、今、労働寿命という概念は確立はされていないんですが、やはり働いていく、あるいはやりがいのあることが身近にある、こういうことが介護予防につながっていくのではないかと思うんですが、この点について御意見があれば伺いたいと思います。
○唐木美代子君 どんなに年をとっても自分がやるべきことがあるとか役割があるというのは、介護予防の中では当然大事な視点だと思います。ただ、環境の問題も大きいかと思いますので、北杜市のように、田畑があって、自分たちがやらなきゃならないことがあるというところは、予防に対しても非常にプラスかなというふうに思っています。
ただ、本当に八十五、九十、九十五になったときにどのくらい労働ができるかというのはまた別の問題ですので、それはそれで、人口構成的には北杜市はまた違った問題点もあるのかなというふうには思います。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
皆様の御意見を参考に、しっかりとこれからも医療、介護の改革を進めてまいります。ありがとうございました。