第186回国会 厚生労働委員会 27号
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。
きょうは、労働安全衛生法改正案について質問をしてまいります。
法案の審議に入る前に、一問、がん検診の推進事業についてお伺いをしてまいります。
これは、奈良の方から参りました通知でございます。平成二十六年度新規事業として、働く世代の女性支援のためのがん検診推進事業国庫補助金についての内示があったそうでございます。
私たちも、ずっと、がん検診全体の受診率の向上、特に、まずは女性のがんの検診率の向上ということで、無料の検診クーポンの発行を実現させました。しかし、それが昨年、急な打ち切りがあり、私たちも強く要望して補正で組んでいただいたという内容でございます。
国の方は、検診費用は、無料クーポンの利用見込み人数掛ける受診率掛ける検診単価で算定をしているんですけれども、この受診率を、低い方の過去三年分のクーポン利用率の二分の一の数値を使っているために、過小な金額となっている。また、事務費は、事業計画書記述部分、受診票記載内容によって、満額控除から三割の範囲内で査定をされている。上記で計算した結果から、さらに二一・五%をカットしている。詳細を確認しようとしたが、自治体ごとの査定なので詳細は伝えられないということであったそうでございます。
この内示を受けて、各自治体とともに計画を考え直さなければいけないという事態に陥っております。
今、安倍内閣は、女性の活躍ということを前面に掲げていらっしゃいます。活躍するその基本というのは、まず健康であります。自公では、女性の健康を支援する法律も作成をいたしました。女性の健康を支援するこの事業の補助金カット、これはどうしても認めることができません。なぜ、このような事態に陥ったのか、また、今後の対応についてお伺いをいたします。
○佐藤政府参考人 お答えをいたします。
御案内のとおり、現在、地域レベルで行われているがん検診でございますけれども、市町村を実施主体として行われておりまして、その財源としては、長年、地方交付税措置ということでここまで至っているわけです。
ところが、例えば、乳がんや子宮がんでいうと五〇%の検診の受診率の目標というのを掲げているんですけれども、そこまでなかなかいかないということで、公明党の先生方を初めとして国会議員の先生方からの御指導もありまして、がん検診の受診率の一層の向上ということがありまして、地方交付税措置でやっているということに上乗せをする形で、今も申し上げましたけれども、平成二十一年度から、子宮頸がん、乳がんについて無料のクーポンを配るという形で取り組んできたわけです。
これらの一連の取り組みによりまして、平成二十五年度末で、当時対象と考えられていた集団全体に対して検診の機会を提供することができました。おかげさまでそういうことになりましたので、所期の目的は達したものだというふうには言えます。
そこで、平成二十六年度は、これまでのようなやり方とちょっと変えまして、一つは、初めて検診対象となる者、つまり、二十一年から二十五年まで五カ年計画でやってきましたけれども、二十六年にやはりさらに四十歳になる人とか、こういう方がいらっしゃいますから、そういった方とか、あるいは、過去に今申し上げました無料クーポンの配付を受けた方へ個別に受診を呼びかけるコール・リコールを重点とすること、二つ目が、とりわけ過去に無料クーポンの配付を受けながら未受診の者に対して、さらに無料クーポンの配付をするなど、地方交付税に上乗せする形で、予算についてはこれまでの実績を十分に精査した上で、四十四億円ということで確保したところです。
ところが、御指摘がありましたように、市町村からの要望を、前年度になりますけれども、二月中旬に締め切ったわけですけれども、予想に反して、上回る要望だったということです。
御質問の核心であるその理由ですけれども、まず一つ目は、市町村の中に、なかなかいわく言いがたいところがありますけれども、これまでの実績から見ますならば、やや過大に、多目に見積もって受診率を設定してくるところがあったように見受けられます。
それから二つ目ですけれども、そもそも、ちょっと冒頭に丁寧に説明しましたものは、予算の立て方の趣旨が十分御理解いただけていない中で、本来ならば、既に地方交付税でカバーされている、地財措置としてカバーされている部分と調整を図って要求を出していただくべきところだったんですけれども、どうも、その調整をしないまま要望額を出してきている市町村があるんじゃないかと思います。
厚生労働省としましては、冒頭、先生の御質問の中にもありましたように、こうした状況があるなということがわかりましたので、個々の市町村の過去の受診率の実績とか、本来、地方交付税で、地財措置でやっている検診の費用とのバランスもあるということで調整を行って、結果的にはこの範囲内で実施できるのではないかというふうに考えてやったところです。
ただ、今先生がおっしゃったように、この予算の立て方の本当の意味を御理解いただけていなかったり、十分に徹底できていない部分があったとしたら、そういうところはこれから必要に応じてやっていきたいと思いますし、私どもとしてはこの範囲内で実施できるようにということで努力してまいります。
○古屋(範)委員 もともと、がん対策推進計画の五〇%という目標、そこをしっかりと目指すということがまずは基本だと思います。ぜひ丁寧な説明、丁寧な対応を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、法案の質問に入ってまいります。
本法案の中では、受動喫煙防止について、事業者の努力義務となっております。二十三年提出の法案については、ちょうど田村大臣が筆頭理事をされていて、ここの箇所について義務としていたわけです。自民、民主がこの点について協議を行っていたという経緯がございます。今回、そこから一歩後退してしまったのではないかという意見もございます。
受動喫煙防止、努力義務となっている、これで本当に目標が達成できるのかどうかという点についてお伺いします。
そして、受動喫煙防止について、イギリスの喫煙対策を聞く機会がございました。OECD三十四カ国を対象としたたばこ規制政策比較評価では、イギリスがたばこ規制が最も高得点でありまして、最先端を行っている。二〇〇七年の禁煙法が導入されて、喫煙率が一九八〇年以降五〇%低下をしたという結果が出ております。
我が国も、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックを開催いたします。そこで、屋内が全面禁煙になっている国が多い、そこから選手とかお客様が来るのに、日本は本当に清潔な国という定評があるんですが、禁煙が達成されていないということをどう思われるか。きれいな空気でおもてなしができるようにすべきではないのか、このように思います。今後、日本において、職場に限らず、広く受動喫煙防止対策を徹底すべきであると考えております。
健康局長通知においても、多数の者が利用する公共的な空間については原則として全面禁煙にすべき、このような方針が示されております。
この受動喫煙防止対策の基本的方向性、また、明確に法律に位置づけることを検討すべきではないかと考えます。お考えをお伺いいたします。
○田村国務大臣 委員おっしゃられますとおり、第十二次防では、受動喫煙を受ける方々を、労働者でありますけれども、平成二十九年までに一五%以下にするということでございます。平成二十九年というと、もうそんなに期間はないわけでありますが。
今まで、実際問題、見てみますと、平成十九年が、受動喫煙を受ける労働者六五%、これが、平成二十四年、下がってはきておるんですが、まだ約五二%ということで、なかなか、目標に向かってこれから大変な努力をしていかなきゃならないということであります。
そんな中において、前回、民主党時代に、この法案を考える中において、これは義務であったにもかかわらず、努力義務となった。いろいろな経緯もあるわけでありますが、労働政策審議会の御議論の中でも、やはり義務化をすると、制度のたてつけ上、助成金というものが出せないというようなことがございます。助成金があった方が、喫煙室、施設をつくらなきゃならぬわけでありまして、小規模な事業主等々の負担を考えると、そういう制度があった方が進むのではないか、こういうような御意見がございました。結果的に、今般、努力義務という形にさせていただいたわけであります。
ただ、努力義務だからやっていただかなくていいというわけではないわけでありまして、これはあくまでも努力ではあっても義務でございますので、しっかりとこれを進めていかなければなりませんし、我々も、助成だけではなくて、受動喫煙防止に向かってのいろいろな支援をしてまいりたいと思っております。あわせて、労働基準監督署等と周知徹底もしてまいりたいというふうに思っております。
結果、五年後、検討規定があるわけでありまして、必要があればこれは措置をするということでございますから、このときの状況も見ながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。
なお、オリンピックに関しては、この法律は労働者に関する受動喫煙でございますが、いろいろな面で、これからオリンピックに向かっても、東京を中心に我々も検討していかなきゃいけない部分はあろうと思います。東京都ともいろいろと連携しながら、受動喫煙の防止というものをこれからも進めてまいりたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
しっかり進めていただきたいと思います。公明党の衆議院の第七控室もまだ禁煙になっていないので、まずそこからしっかりと始めなければいけないのではないかと思っております。
次に、もう時間がないんですが、最後、ストレスチェックについて質問をさせていただきます。
私も、うつ対策、もうかれこれ六年取り組んでまいりました。勤務問題を理由に自殺する人が一年間で約二千五百人、この年の労働災害による死亡者は千九十三人、自殺者数が上回っているというような状況でございます。
この中で、メンタルヘルス対策は非常に重要でございます。職場におけるメンタルヘルス対策が十分に進んでいない現状を考えますと、従来の指針や通達による行政指導だけではなくて、事業者にメンタルヘルス対策を義務づける、この法改正によるその対策が進むことが期待をされております。
ストレスチェック義務化の意義について、政務官にお伺いをしたいと思います。
○高鳥大臣政務官 古屋委員にお答えをいたします。
近年、職業生活に強いストレスを感じておられる労働者の割合は高い状況で推移をしておりまして、また、精神障害の労災認定件数が三年連続で過去最多を更新するなど、職場でのメンタルヘルス対策を推進することがますます必要となっております。
職場のメンタルヘルス対策といたしましては、まず、労働者がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止することが重要でございまして、そのためには、労働者自身のストレスへの気づきを促すこと、それとともに、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが重要でございます。
このため、今回の改正では、事業者が、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査、いわゆるストレスチェックを実施いたしまして、検査結果を通知された労働者が申し出た場合には、面接指導を実施し、必要に応じ就業上の措置を講ずること等を内容とする新たな制度を設けることといたしまして、メンタルヘルス不調の未然防止のための取り組みを強化するものといたしたところでございます。
○古屋(範)委員 時間になりましたけれども、今おっしゃいましたように、労働者の気づきを促して、早期にストレスを把握していく、そして、強いストレスがある方については医師の面接指導を促していく。この中で、さまざまな不安の声などがございます。ぜひこれは払拭をして、円滑に進めていただきたいと思います。
何かこの点についてございましたら、お答えをお願いいたします。
○高鳥大臣政務官 御指摘のように、さまざまな御意見が寄せられていることは事実でありまして、これらのストレスチェックの結果に基づく面接指導について、申し出をしたことを理由とする不利益な取り扱いを法律上禁止するということとともに、面接指導の結果を踏まえた事後措置の適切な方法等について指針等で示すことによりまして、不利益な取り扱いがなされないような仕組みとしているところでございます。
また、ストレスチェックの具体的な内容や方法につきましては、これまでの知見を踏まえまして、精神保健や産業保健の専門家、労使の代表等の意見をお聞きしつつ、信頼性、妥当性、効果の高いものとなるように検討しているところでございますが、いずれにいたしましても、労働者に不安を与えることのないよう、しっかり対応してまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
きょうは、労働安全衛生法改正案について質問をしてまいります。
法案の審議に入る前に、一問、がん検診の推進事業についてお伺いをしてまいります。
これは、奈良の方から参りました通知でございます。平成二十六年度新規事業として、働く世代の女性支援のためのがん検診推進事業国庫補助金についての内示があったそうでございます。
私たちも、ずっと、がん検診全体の受診率の向上、特に、まずは女性のがんの検診率の向上ということで、無料の検診クーポンの発行を実現させました。しかし、それが昨年、急な打ち切りがあり、私たちも強く要望して補正で組んでいただいたという内容でございます。
国の方は、検診費用は、無料クーポンの利用見込み人数掛ける受診率掛ける検診単価で算定をしているんですけれども、この受診率を、低い方の過去三年分のクーポン利用率の二分の一の数値を使っているために、過小な金額となっている。また、事務費は、事業計画書記述部分、受診票記載内容によって、満額控除から三割の範囲内で査定をされている。上記で計算した結果から、さらに二一・五%をカットしている。詳細を確認しようとしたが、自治体ごとの査定なので詳細は伝えられないということであったそうでございます。
この内示を受けて、各自治体とともに計画を考え直さなければいけないという事態に陥っております。
今、安倍内閣は、女性の活躍ということを前面に掲げていらっしゃいます。活躍するその基本というのは、まず健康であります。自公では、女性の健康を支援する法律も作成をいたしました。女性の健康を支援するこの事業の補助金カット、これはどうしても認めることができません。なぜ、このような事態に陥ったのか、また、今後の対応についてお伺いをいたします。
○佐藤政府参考人 お答えをいたします。
御案内のとおり、現在、地域レベルで行われているがん検診でございますけれども、市町村を実施主体として行われておりまして、その財源としては、長年、地方交付税措置ということでここまで至っているわけです。
ところが、例えば、乳がんや子宮がんでいうと五〇%の検診の受診率の目標というのを掲げているんですけれども、そこまでなかなかいかないということで、公明党の先生方を初めとして国会議員の先生方からの御指導もありまして、がん検診の受診率の一層の向上ということがありまして、地方交付税措置でやっているということに上乗せをする形で、今も申し上げましたけれども、平成二十一年度から、子宮頸がん、乳がんについて無料のクーポンを配るという形で取り組んできたわけです。
これらの一連の取り組みによりまして、平成二十五年度末で、当時対象と考えられていた集団全体に対して検診の機会を提供することができました。おかげさまでそういうことになりましたので、所期の目的は達したものだというふうには言えます。
そこで、平成二十六年度は、これまでのようなやり方とちょっと変えまして、一つは、初めて検診対象となる者、つまり、二十一年から二十五年まで五カ年計画でやってきましたけれども、二十六年にやはりさらに四十歳になる人とか、こういう方がいらっしゃいますから、そういった方とか、あるいは、過去に今申し上げました無料クーポンの配付を受けた方へ個別に受診を呼びかけるコール・リコールを重点とすること、二つ目が、とりわけ過去に無料クーポンの配付を受けながら未受診の者に対して、さらに無料クーポンの配付をするなど、地方交付税に上乗せする形で、予算についてはこれまでの実績を十分に精査した上で、四十四億円ということで確保したところです。
ところが、御指摘がありましたように、市町村からの要望を、前年度になりますけれども、二月中旬に締め切ったわけですけれども、予想に反して、上回る要望だったということです。
御質問の核心であるその理由ですけれども、まず一つ目は、市町村の中に、なかなかいわく言いがたいところがありますけれども、これまでの実績から見ますならば、やや過大に、多目に見積もって受診率を設定してくるところがあったように見受けられます。
それから二つ目ですけれども、そもそも、ちょっと冒頭に丁寧に説明しましたものは、予算の立て方の趣旨が十分御理解いただけていない中で、本来ならば、既に地方交付税でカバーされている、地財措置としてカバーされている部分と調整を図って要求を出していただくべきところだったんですけれども、どうも、その調整をしないまま要望額を出してきている市町村があるんじゃないかと思います。
厚生労働省としましては、冒頭、先生の御質問の中にもありましたように、こうした状況があるなということがわかりましたので、個々の市町村の過去の受診率の実績とか、本来、地方交付税で、地財措置でやっている検診の費用とのバランスもあるということで調整を行って、結果的にはこの範囲内で実施できるのではないかというふうに考えてやったところです。
ただ、今先生がおっしゃったように、この予算の立て方の本当の意味を御理解いただけていなかったり、十分に徹底できていない部分があったとしたら、そういうところはこれから必要に応じてやっていきたいと思いますし、私どもとしてはこの範囲内で実施できるようにということで努力してまいります。
○古屋(範)委員 もともと、がん対策推進計画の五〇%という目標、そこをしっかりと目指すということがまずは基本だと思います。ぜひ丁寧な説明、丁寧な対応を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、法案の質問に入ってまいります。
本法案の中では、受動喫煙防止について、事業者の努力義務となっております。二十三年提出の法案については、ちょうど田村大臣が筆頭理事をされていて、ここの箇所について義務としていたわけです。自民、民主がこの点について協議を行っていたという経緯がございます。今回、そこから一歩後退してしまったのではないかという意見もございます。
受動喫煙防止、努力義務となっている、これで本当に目標が達成できるのかどうかという点についてお伺いします。
そして、受動喫煙防止について、イギリスの喫煙対策を聞く機会がございました。OECD三十四カ国を対象としたたばこ規制政策比較評価では、イギリスがたばこ規制が最も高得点でありまして、最先端を行っている。二〇〇七年の禁煙法が導入されて、喫煙率が一九八〇年以降五〇%低下をしたという結果が出ております。
我が国も、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックを開催いたします。そこで、屋内が全面禁煙になっている国が多い、そこから選手とかお客様が来るのに、日本は本当に清潔な国という定評があるんですが、禁煙が達成されていないということをどう思われるか。きれいな空気でおもてなしができるようにすべきではないのか、このように思います。今後、日本において、職場に限らず、広く受動喫煙防止対策を徹底すべきであると考えております。
健康局長通知においても、多数の者が利用する公共的な空間については原則として全面禁煙にすべき、このような方針が示されております。
この受動喫煙防止対策の基本的方向性、また、明確に法律に位置づけることを検討すべきではないかと考えます。お考えをお伺いいたします。
○田村国務大臣 委員おっしゃられますとおり、第十二次防では、受動喫煙を受ける方々を、労働者でありますけれども、平成二十九年までに一五%以下にするということでございます。平成二十九年というと、もうそんなに期間はないわけでありますが。
今まで、実際問題、見てみますと、平成十九年が、受動喫煙を受ける労働者六五%、これが、平成二十四年、下がってはきておるんですが、まだ約五二%ということで、なかなか、目標に向かってこれから大変な努力をしていかなきゃならないということであります。
そんな中において、前回、民主党時代に、この法案を考える中において、これは義務であったにもかかわらず、努力義務となった。いろいろな経緯もあるわけでありますが、労働政策審議会の御議論の中でも、やはり義務化をすると、制度のたてつけ上、助成金というものが出せないというようなことがございます。助成金があった方が、喫煙室、施設をつくらなきゃならぬわけでありまして、小規模な事業主等々の負担を考えると、そういう制度があった方が進むのではないか、こういうような御意見がございました。結果的に、今般、努力義務という形にさせていただいたわけであります。
ただ、努力義務だからやっていただかなくていいというわけではないわけでありまして、これはあくまでも努力ではあっても義務でございますので、しっかりとこれを進めていかなければなりませんし、我々も、助成だけではなくて、受動喫煙防止に向かってのいろいろな支援をしてまいりたいと思っております。あわせて、労働基準監督署等と周知徹底もしてまいりたいというふうに思っております。
結果、五年後、検討規定があるわけでありまして、必要があればこれは措置をするということでございますから、このときの状況も見ながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。
なお、オリンピックに関しては、この法律は労働者に関する受動喫煙でございますが、いろいろな面で、これからオリンピックに向かっても、東京を中心に我々も検討していかなきゃいけない部分はあろうと思います。東京都ともいろいろと連携しながら、受動喫煙の防止というものをこれからも進めてまいりたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
しっかり進めていただきたいと思います。公明党の衆議院の第七控室もまだ禁煙になっていないので、まずそこからしっかりと始めなければいけないのではないかと思っております。
次に、もう時間がないんですが、最後、ストレスチェックについて質問をさせていただきます。
私も、うつ対策、もうかれこれ六年取り組んでまいりました。勤務問題を理由に自殺する人が一年間で約二千五百人、この年の労働災害による死亡者は千九十三人、自殺者数が上回っているというような状況でございます。
この中で、メンタルヘルス対策は非常に重要でございます。職場におけるメンタルヘルス対策が十分に進んでいない現状を考えますと、従来の指針や通達による行政指導だけではなくて、事業者にメンタルヘルス対策を義務づける、この法改正によるその対策が進むことが期待をされております。
ストレスチェック義務化の意義について、政務官にお伺いをしたいと思います。
○高鳥大臣政務官 古屋委員にお答えをいたします。
近年、職業生活に強いストレスを感じておられる労働者の割合は高い状況で推移をしておりまして、また、精神障害の労災認定件数が三年連続で過去最多を更新するなど、職場でのメンタルヘルス対策を推進することがますます必要となっております。
職場のメンタルヘルス対策といたしましては、まず、労働者がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止することが重要でございまして、そのためには、労働者自身のストレスへの気づきを促すこと、それとともに、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが重要でございます。
このため、今回の改正では、事業者が、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査、いわゆるストレスチェックを実施いたしまして、検査結果を通知された労働者が申し出た場合には、面接指導を実施し、必要に応じ就業上の措置を講ずること等を内容とする新たな制度を設けることといたしまして、メンタルヘルス不調の未然防止のための取り組みを強化するものといたしたところでございます。
○古屋(範)委員 時間になりましたけれども、今おっしゃいましたように、労働者の気づきを促して、早期にストレスを把握していく、そして、強いストレスがある方については医師の面接指導を促していく。この中で、さまざまな不安の声などがございます。ぜひこれは払拭をして、円滑に進めていただきたいと思います。
何かこの点についてございましたら、お答えをお願いいたします。
○高鳥大臣政務官 御指摘のように、さまざまな御意見が寄せられていることは事実でありまして、これらのストレスチェックの結果に基づく面接指導について、申し出をしたことを理由とする不利益な取り扱いを法律上禁止するということとともに、面接指導の結果を踏まえた事後措置の適切な方法等について指針等で示すことによりまして、不利益な取り扱いがなされないような仕組みとしているところでございます。
また、ストレスチェックの具体的な内容や方法につきましては、これまでの知見を踏まえまして、精神保健や産業保健の専門家、労使の代表等の意見をお聞きしつつ、信頼性、妥当性、効果の高いものとなるように検討しているところでございますが、いずれにいたしましても、労働者に不安を与えることのないよう、しっかり対応してまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。