第187回国会 厚生労働委員会 8号

○松本(純)委員 改正法案では、指定薬物等に係る違法広告のプロバイダーに対し、厚生労働大臣または都道府県知事が送信を防止する措置を講ずることを要請することができるとし、プロバイダーが指定薬物等の違法広告について送信防止措置を講じた場合において、情報の発信者に生じた損害については賠償の責めに任じないと規定しています。背景には、インターネットによる違法な広告が氾濫していることがあると思います。

 そこで、公明党の動議提出者、古屋範子議員に質問いたしますが、プロバイダーへの削除要請、プロバイダーの免責規定を新設した理由はどのようなものか、また、どのような効果が期待できるのか、お伺いします。

○古屋(範)委員 委員御指摘のように、インターネット上における危険ドラッグの広告の氾濫は、目に余るものがあります。インターネットを通じて容易に危険ドラッグを入手できる現状を踏まえると、こうした広告をなくしていくことは、危険ドラッグ対策において極めて重要と考えます。

 そのために、本法案におきましては、プロバイダーが厚生労働大臣等から要請を受けた場合等に、違法な危険ドラッグの広告を削除しても責任は問われない、このことを明確化することとし、これにより、プロバイダーによる自主的で適切な措置を支援することとしております。

 これらの規定を設けることにより、プロバイダーによる危険ドラッグ広告の削除を行う取り組みがより一層進むことが期待をされます。◇ ◇ ◇ ◇ ◇

○伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。

 危険ドラッグにつきましては、国会の中でも累次審議が重ねられまして、参考人質疑も行わせていただきました。この参考人質疑の中で、ある参考人は、これはもうテロ行為だという言葉をおっしゃっておりました。無関係の人々の命が奪われていくんだ、テロ行為なんだと。もしそうであるなら、我々国会は、徹底的に危険ドラッグに対して戦っていかなければならない、そう思っております。

 この危険ドラッグ、今まで、新しいものがどんどんと出てくる、規制をかけてもかけても、中身を変えて、また名前を変えて、イタチごっこが続いてきた。このイタチごっこをどうするのか。そういう意味では、今回の法案は、イタチごっこの今の状況に対してまさしく強力な一撃を加える、そういう法案ではないか、そう思っております。

 そこで、まず、提案者であります古屋議員にお伺いします。

 イタチごっこの状況を脱して危険ドラッグをしっかりと取り締まっていくという今回の法案のポイントについて、御説明いただければと思います。

○古屋(範)委員 伊佐委員、これまでも青年委員会の一人として薬物依存対策に取り組んでこられたことと思います。

 拡大する危険ドラッグの対策を強化するために、自民、公明で危険ドラッグ対策の与党案を取りまとめました。そこに野党の皆様の御意見も盛り込んだ形で、このたび法案を取りまとめたところでございます。

 今回の改正案では、まず、検査命令、販売等停止命令の対象について、現行の指定薬物である疑いがある物品に加えて、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高いものである疑いがある物品を追加し、その範囲を拡大するとともに、販売等停止命令の対象行為に広告を追加し、その範囲を拡大しています。

 また、現行薬事法の検査命令や販売等停止命令については店舗ごとの規制であり、個別に命令をかけても、他の店舗で流出をとめられない問題点がありました。この問題を解決するために、販売等停止命令の対象となった物品と名称、形状、包装等が同一と認められる物品について、全国的に販売等を禁止することができることとしました。その上で、この禁止に違反した者に対し、その行為の中止等を命じ、この命令に違反した者に罰則をかける、いわゆる間接罰の仕組みを設けています。

 次に、無承認医薬品や指定薬物の違法広告については、これまでの直罰に加え、より捜査機関が動きやすくなるよう、広告中止命令をかけ、その命令違反の罪を問う、いわゆる間接罰を問える仕組みを設けました。

 さらに、プロバイダーの削除要請の根拠規定を設けるとともに、削除を行ったプロバイダーが損害賠償責任を負わない旨を明確化する規定を盛り込んでおり、プロバイダーが厚生労働大臣等による削除要請等に応じて違法な危険ドラッグの広告を削除する取り組みが一層進むことが期待をされております。

○伊佐委員 こうした、これまでにないさまざまな新しい取り組みというのが今回盛り込まれた。あとは、これをどうやって本当に動かしていくのか、実効性を持たせていくのかということが大事だと思います。

 その実効性の話の前に、もう一つ、水際対策について確認をさせていただきたいと思います。

 これまで危険ドラッグというのは、海外からその多くが、原材料が輸入されてくる。輸入されてくる中で、原材料というのは、そもそも、危険ドラッグの形というよりも、その材料が輸入されて、まさしく粉末状であったりとか粒状であったりとか、これを国内で例えばハーブにしみ込ませるとかさまざまな加工をして、危険ドラッグとして売られていた状況がありました。

 そもそもこの水際対策、どうやってとめていくのかということですが、今までであれば、海外からこうした化学物質が運ばれてくると、まず税関がそれを検査する、チェックをする。もし、この化学物質が指定薬物なら、禁止されている指定薬物だとわかれば、同定されれば、輸入はできませんということで不許可になっていました。

 ところが、指定薬物には当てはまらなかったけれども、これはいかにも疑わしいな、怪しいな、新型のものかもしれないなと思ったとしても、もし輸入する側が、いや、これは工業用ですと言ってしまえば、これ以上調べられなかった。そのまま、怪しいものであっても、水際をすり抜けて国内に入ってきた。こういう状況でした。

 今回の法案、この水際対策というのが、では、どのように変わるのか。再び古屋議員に伺いたいと思います。

○古屋(範)委員 伊佐委員御指摘のように、水際対策が非常に重要だと思います。

 今回の法改正によりまして、検査命令及び販売、輸入等停止命令の対象に、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高いものである疑いがある物品が追加をされました。そのような物品が発見をされた場合には、当該物品に対して、検査命令及び販売、輸入等停止命令をすることが可能となります。

 この点、改正前には、検査命令及び販売、輸入等停止命令の対象が指定薬物である疑いがある物品とされているために、陸揚げしたときに税関で行われる検査で指定薬物でないことが判明した場合には、検査命令等がかけられず、輸入の許可をせざるを得ませんでした。堂々と入ってきておりました。

 しかし、今回の法改正によりまして、税関で行われる検査で指定薬物でないことが判明をしても、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高いものである疑いがある物品であれば検査命令をかけることができるため、関税法の規定によりまして、指定薬物に指定されるまでの間、輸入の許可が出ず、かつ指定薬物に指定された後は輸入を不許可とすることができるようになるため、より強力に水際で国内流通を防止することができるようになると考えております。

 いずれにしても、税関、また厚労省等関係諸機関がしっかり連携をして水際対策を行っていくことが重要と考えます。

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