第177回国会 衆議院 厚生労働委員会 21号

○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 予防接種法の法案審議に入る前に、被災地での雇用問題についてお伺いをしてまいりたいと思っております。

 先日、党の方で、「デフレの正体」の著者でもあります日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介氏をお呼びいたしました。かなり現場を歩いていらっしゃいます。藻谷氏も、ともかく復興の最重要課題は雇用であるということをおっしゃっていました。また、昨日、復興議員連盟で、コロンビア大学のジェラルド・カーティス氏をお呼びいたしましたけれども、氏もやはり、雇用問題が最大の課題だということをおっしゃっておられました。

 政府におかれましても、重点分野雇用創造事業、緊急雇用創出事業などを拡充されていることと思います。藻谷氏がおっしゃっていましたけれども、瓦れきの処理等を自治体で募集をかけたところ、三人しか応募しなかった自治体もあるということでもございました。非常に時期が遅くなったために、ほかの市町村あるいは被災地外での就労をしてしまう、このようなことも起きているようでございまして、なかなかねらいどおりに雇用問題が進んでいかない側面もあるのかなということを感じております。

 東日本大震災で多くの人が働く場所を失ったわけでありますけれども、離職せざるを得なくなって、震災から四カ月なんですが、職をいかに確保していくかということが大きなかぎでございます。

 そこで、雇用を守る重要な役割を果たしています中小企業緊急雇用安定助成金についてお伺いします。

 六十五歳定年の後の再雇用社員については、雇用保険の資格が取得できないために、この中小企業緊急雇用安定助成金の対象とはなっておりません。三陸海岸では、現役時代の賃金がやはり低かった、低い老齢年金を補てんしようと、六十五歳以降も常用工として水産加工場等で勤務をして、何とか生活していくという方が多いわけです。今回の震災による被災企業では、こうした多数の高齢社員を、何の補償もなく、即時解雇せざるを得なくなったということであります。

 そこで、雇用保険は未加入であっても、健康保険の被保険者については中小企業緊急雇用安定助成金を機動的に認めてはいかがか、この点についてお伺いをいたします。

○小林大臣政務官 今先生御指摘の、六十五歳以上で雇用された労働者は雇用調整助成金の対象にならないか、こういう御質問だと受けとめました。

 雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が休業等により労働者の雇用の維持を図った場合に、それにかかった費用の一部を助成する、これが雇用調整助成金の目的で、先生が言っていることと同じ内容です。

 この助成金は、雇用保険の失業給付を抑制する、要は、雇用維持をしていただき、失業給付を抑制する、こういう附帯事業として、事業主が納める雇用保険料のみによって運営されている、こういうものでございます。

 したがって、雇用保険の被保険者にならない六十五歳以上の方については、今議員御指摘のとおり、雇用調整助成金の助成対象とはしていない、これが現状でございます。

 こうした扱いですけれども、雇用調整助成金が雇用保険料で運営されている以上やむを得ない、このように政府としては思っておりまして、雇用保険の被保険者でない労働者を雇用調整助成金の助成対象にすることは困難である、これが政府の今の考え方でございます。

 しかしながら、雇用を維持するということが一番大事である、このように考えておりまして、議員御指摘の六十五歳以上の方も、被災地で働く労働者の雇用の安定、そういう意味で大変重要な課題でございますので、今後とも、被災地のさまざまなニーズに十分留意をしつつ、労働者の雇用の維持を全力で図っていきたい、こういう対応をさせていただきたいと思っています。

○古屋(範)委員 現行制度では使えないという御答弁でございますね。

 千年に一度の地震、津波、ましてや原発事故はかつて我が国が経験したことのない災害でございます。ですので、確かに理論上からいえば雇用保険の中に含めることはできない、そういうことなんでしょうが、こうした今までなかった復興を考えますと、やはり現行制度の限界といいますか、そういうものが見えてくるわけであります。そこをどう乗り越えていくか。

 松本前復興担当大臣は、知恵を出せ、知恵を出さないところは助けないとおっしゃった。今知恵を出さなければいけないのは、政府の側にあると思っております。私も、野党でありますが、責任を共有して、逃げるつもりはございません。ぜひ、この対象にならないのであれば新しい制度をつくるなりしていただきたい、このように思っております。私たちも、復興に向けてさらに、大事な雇用、政策立案をして提言をしてまいりたいと思っております。

 次に、雇用調整助成金についてお伺いをしてまいります。

 今も御答弁にございましたけれども、この雇用調整助成金、経済上の理由で追い込まれた企業が従業員の雇用を守るために申請をすれば、国が給与の大半を助成するという制度でございます。この経済上の理由には、地震、津波などの自然災害は含まれていません。

 そこで、厚生労働省は、出勤できない、あるいは原材料が手に入らない、また事業所の修理がおくれているといった震災に伴う事態を経済上の理由と認めることとされました。そして、書類の提出も事後でよいとして、さらに、三年間最大三百日支給ということ、震災は別枠にするということで、さまざまな拡充を行っていただいたと思っております。これは感謝をしております。

 しかし、例えば被災地で七百人以上いる従業員を解雇せずそのまま雇用して頑張っている社長さんは、助成金がなければこの七百人もいる従業員の雇用を維持できたかわからないが、先が見えない、精神的に非常につらいとおっしゃっています。

 雇用の維持にこの雇用調整助成金は欠かせません。まだ先の見えない現状の今、最大三百日支給ということでございますけれども、これをさらに延長できないかどうか、これについてお伺いします。

○古屋(範)委員 私もこのパンフレットを拝見しました。よく説明をされていると思います。しかし、なかなか制度が複雑で、理解しにくい方もいるかもしれません。また、専門の方を雇えない小さなところもありますでしょう。ですので、ぜひこの制度の周知を図っていただきたいし、また、窓口でぜひこのような説明も十分に行っていただきたいと思っております。

 雇用調整助成金だけでは、確かにすべて担っていくということは無理かと思っております。やはり、中小企業の再生とそれから雇用、これは表裏一体で、両輪として進めていかなければいけないんだろうと思っております。企業が再生しなければ働けない、働けなければ生活ができない、となれば被災地から出ていく、そこに残されたのは働くことのできない高齢者のみというようなことに絶対なってはならないと思っております。ぜひ、インフラは回復しても雇用の場がない、このようなことがないように、内閣一体として進めていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。

 次に、社会保険料の免除基準の見直しについてお伺いをしていきたいと思っております。

 私も、四月十三日の本委員会で、被災企業の再建を支援して雇用確保を促進するという観点から、社会保険料の免除を求めたところでございます。大臣からも、「保険料の免除ということについても法的な特別の措置をとるということを今検討させていただいておりますので、それを積極的にやっていきたい」、そういう力強い答弁をいただきました。

 社会保険料の免除を定めた特別法が五月二日に施行されました。この特別法によりまして、三月納付分から二〇一二年、明年の二月納付分まで、最長で一年分免除されることとなったわけであります。このように、被災地では、保険料延納制度、あるいは免除の特例によって、三月十一日以降は社会保険料の徴収が停止をしております。しかし、社会保険料免除の基準が余りにも厳しいという声が上がってきております。

 この特別法、事業の全部もしくは一部が休業または事業活動が縮小していることにより、月単位で見た労働者一人当たりの賃金額が、東日本大震災発生前の直近の額と比較して二分の一未満となっている場合とか、震災、災害がやんだ後の二カ月目に保険料徴収が再開される、このようになっております。

 この五県、青森、岩手、宮城、福島、茨城における社会保険料及び労働保険料等に関する納期限等を延長する件ということについて、現行法令の災害のやんだ日から二カ月以内の日が定められるとなっておりました。これが適用されますと、やはり納付が困難になるということが当然予想されるわけです。社会保険の事業所全喪失に至る企業が多発する、そういう可能性も出てまいります。

 現在営業を再開している企業は、被災従業員の生計維持のため、相当無理をして、ほかのことはさておいても、まず従業員のお給料を優先して支払おう、いわば経営者としても、雇用されている側の立場に立った経営者。そういうところに関して、もっと理解をしてあげてほしいなというふうに思うわけです。

 厚生労働省は、災害がやんだ日以降、既払い給与に対する保険料徴収を予定していると聞いております。また、被災地の年金事務所徴収担当者は、被災地復興に逆行する政策ではないかと憤慨されているという声も聞いております。

 そこで、せっかく特別法を制定しまして社会保険料免除を決めたんですが、被災地の復興支援として、被災地の事業主が安心して従業員を復帰させられるよう、この免除基準を緩和していただきたい、このように思うんですが、いかがでしょうか。

○細川国務大臣 今委員が御指摘の厚生年金あるいは健康保険料の免除の基準をもっと緩和してほしい、こういうことでございますけれども、これは免除そのものも特例で認めたわけでございます。その特例で認めた基準をさらに緩和する、こういうことは、免除を受けた被保険者の方々への給付というものは社会保険制度全体で負担するというものでございますから、緩和することによって、保険料を負担する他の被保険者との公平性をいろいろと考えていかなきゃいかぬということもございます。

 そういうことで、私ども、そこで考えておりますのは、やはり委員が言われるように、被災地の事業主に対してはいろいろと配慮しなきゃいかぬということでございますので、免除のほかに、被災地にあるすべての事業所についての保険料の納付期限の延長、それから震災により財産に相当な損失を受けた事業所が今申し上げました納付期限の延長後の納付期限までに保険料を納付することが困難な場合、こういう場合には保険料の納付の猶予、こういう措置も講じているところでございます。

 したがって、被災地の事業所の皆さんには、こうした特例措置を受けられるようにぜひ相談に来ていただきたいというふうに思っているところでございます。

○古屋(範)委員 大臣、そのようにおっしゃってくださいました。

 これは労働基準局長名で「「青森県及び茨城県における社会保険料及び労働保険料等に関する納期限等を指定する件」の制定について」、このような通達が出ております。これによれば、茨城県そして青森県に関しては七月二十八日にその期限が到来するので、それ以降はこれまでの分と合わせて納付をしてくれ、こういうような内容になっております。ですので、ぜひこれも、担当者によって格差があるようなことになってはならないと思います。そして、期限が来ていても猶予があるのだということ、窓口で十分相談に乗り、またそういうものを活用していただけるように配慮をしていただきたい、このように思っております。ぜひよろしくお願いいたします。

 さらに、労災について伺ってまいります。

 今回の震災による労災認定につきまして、申請する側は、多数回、こうした多くの労災の申請をするということは今までなかったと思います。大震災において申請する側が法的な知識も少ない、また、そうした事務的手続もふなれである、こういうことから門前払いにされる、あるいは不受理になるというケースが多発をして大変困っているとの相談が寄せられております。

 労災認定は、現認者なし、死体検案書と申請者の申告内容のみで判断をしていくために、労基署担当官の事情聴取がポイントとなってくる、申請者が担当官の誘導尋問等、こういう事情聴取に対して不確実な発言を繰り返すこととなって門前払いになってしまうということを伺いました。

 例えば、避難の途中、自宅に寄ったかもしれない、あるいは避難の途中、地域の被害拡大を防ぐために水門を閉めに行った、このように担当官が執拗に帰宅を確認する、そうではないかと誘導してくる。指揮命令者が高台に避難しろと指示し、自家用車の中で溺死した以外に証明される事実はない、このように押し通して受理を認めさせた例もあるそうです。

 今回の労災認定についても、阪神大震災や地下鉄サリン事件と同様に、政治的な判断による労災適用をすべきではないかと思います。過度な事情聴取、これは絶対あってはならないと思っております。また、不受理となった労災申請についても再度受け付けられるような体制整備をしていただきたいと思っております。この点について見解をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、藤田(一)委員長代理着席〕

○細川国務大臣 労災の請求があった場合にどのように事務処理に当たらなければならないかということについては、本省の方から、現場に対して、窓口に対しては、懇切丁寧に対応するようにということできちっと指示をしてきております。

 今回の震災で被災されました労働者の方々に関する労災請求につきましては、請求手続そのものも弾力化するということにしておりますし、今般の震災の状況を踏まえました判断基準をしっかりと示しまして、迅速な労災補償が行われるような取り組みもしてまいりました。

 例えば、請求の相談があった場合には、業務上ではない、業務上の可能性が低いというような説明をしたりして労災保険給付に係る請求を拒否するようなことは厳に慎め、こういう通達というか指示もしております。また、今回の地震により、被災労働者の所属事業場等が倒壊したなどの理由から、労災保険給付請求書における事業主の証明を受けることが困難な場合には、事業主証明がなくとも請求書を受理することというようなことも指示をいたしまして、現場の労災請求に対しては柔軟に、そして懇切丁寧にやるように、こういうことも指示をしておりますが、今委員が御指摘のような事例があるとするならば、これは本意ではありませんので、さらに、委員が言われるように懇切丁寧にこの労災の受理をやるようにということは、これはまた指示をしたいというふうに思います。

○古屋(範)委員 ありがとうございます。

 本省の側はそういう姿勢でいらっしゃったかと思います。また、再度大臣も、懇切丁寧に対応するようにとおっしゃってくださっておりますので、ぜひそれを現場に徹底していただきたいと思っております。

 三県で千四百件申請があり、支給千二百件までいったということも伺っております。非常に多い件数であると思うんですが、不受理のところはここに入ってまいりませんので、ぜひ懇切丁寧な対応をしていただきたいと思いますので、重ねて要望をしておきたいと思います。

 次に、被災者雇用を促すための助成制度についてお伺いをしてまいります。

 このたび、震災後に創設をされました被災者雇用開発助成金、震災で離職をした人を雇った企業には賃金助成として、中小企業、一人当たり年間九十万円、大企業においては五十万円を支給する、雇用を促す制度として大変期待をしております。

 しかしながら、この制度は再雇用者は対象外となっているんですね。震災後、やむを得ず一たん解雇してしまった元従業員を、再建を期して雇い直そうとした事業者は、この新制度は利用できないわけであります。

 これは六月三十日の朝日新聞なんですが、岩手県の山田町というところのスーパー、びはんコーポレーションの例なんですけれども、ここは、スーパー、ガソリンスタンドなど年商二十億の仕事をされている。津波でいずれも全壊して、三月末に従業員全員、百人を解雇した。そのときは多分、次のめどが立っていなかったと思うんですね。

 ここの専務さんは、まず現金が必要だと思い、退職金を払った、店舗を再開できた際には声をかける約束だったというふうにお話をされています。解雇しなければよかったと言われるけれども、三月にはとてもそこまで考える余裕などなかった、新規採用には国からの賃金の補助が支給される、本当に戻ってほしいベテランの再雇用が補助の対象外なのは本末転倒、使い勝手の悪い制度だとおっしゃっているわけです。

 本当に、せっかくの制度も、当時は経営者の方も再び雇えるかどうかというのは非常に難しい判断だったと思います。解雇をして、その後再開をしようとするときに、それは仕事をよくわかっているベテランを雇いたいというのは当然のことであります。

 また、地域雇用開発助成金は、従来の制度を拡張して、被災地の求職者を雇った企業に、雇い入れた人数と設備投資の額に応じて百二十万から二千七百万を支給するものとありますけれども、これも再雇用は対象外となっている。

 また、従業員にとって、もとの会社に戻ると不利益があります。それは、失業手当の受給期間中、早期に再就職すれば、残りの期間の手当、最大五割を再就職手当として受給できますけれども、もとの会社だと対象外になってしまいます。

 解雇と再雇用を繰り返す不正受給を防ぐということは当然あります。しかし、今回の震災でせっかく再雇用したい、再就職したいという雇用を促す取り組みの効果も、これでは半減してしまいます。

 そこで、被災者雇用開発助成金、また地域雇用開発助成金、そして失業手当といった被災者雇用を促すための助成制度について、再雇用も対象とする要件の緩和をぜひ図っていただきたいんですが、いかがですか。

○小林大臣政務官 被災者雇用開発助成金、これについて、同じ事業主に再雇用された場合もこの適用をすべきじゃないか、こういう御質問と受けとめました。結論から言うと、いろいろ課題が大きい、このように考えております。

 この助成金は、被災者を取り巻く厳しい雇用状況を踏まえて、その雇用機会を少しでもふやすことを目的としている、これが目的でございます。委員御指摘の、一度解雇した労働者を再度雇い入れた場合にこの助成金の対象にするということは、震災で事業を一時中断していた事業主が事業を再開する場合には、以前働いていた労働者を再雇用するのが一般的である、このように考えます。こうした再雇用を促進するためにこの助成金を必ずしも必要としないと考えられるということが一つです。

 それと、被災地の事業主の中には、労働者を解雇せずに休業手当を支払って雇用の維持に取り組んできた方もいらっしゃいます。一度解雇した労働者を再び雇い入れる場合も助成対象とすることは、こうした事業主よりも手厚い支援を行うことになるということから不公平ではないか、こういうことも指摘されておりまして、冒頭お話ししたとおり、この場合は適当でないんじゃないか、このように考えているところでございます。

 ただし、事業再開を目指す事業主にとっては、資金面での支援を必要としているケースが非常に多い、このように考えられますので、ハローワークにおいて、日本政策金融公庫などが行っている融資制度等について周知を行っている。

 さらに、事業の再開に当たって以前働いていた労働者を再雇用する場合には、さまざまなコスト負担が生じることも考えられる、このように思っております。したがって、事業主の負担を軽減するために別途何らかの支援が行えないかどうか、これを検討してまいりたいと思います。

○古屋(範)委員 よかったです。最後に、別途の支援を考えると。それがなければ、余りに政府の見解と現場の今の状況と乖離がある、そう言わざるを得なかったものですから。現場ではこういう声が上がっていることは確かですので、職を失った人の再雇用は最重要課題ですね、これはもう共通認識だと思います。ですので、ぜひそこへの支援、これが使えないのであれば、早急に新しい制度をつくって実行していただきたい、このように思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、予防接種の質問に入ってまいります。不活化ポリオワクチンについてお伺いをしてまいります。

 これまでも何度も、不活化ポリオワクチンへの円滑な移行、早期の導入を訴えてまいりました。また、四種混合そして単独ワクチンについても、最速のスピードで承認していただきたいということも質問してまいりました。

 五月二十六日に開催されました厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会においても、四種混合ワクチンの円滑な導入のために、できるだけ早く単独の不活化ポリオワクチンについて開発を進める、こういう指針が了承されております。そしてまた、大臣からも、この方針を踏まえて、単独不活化ポリオワクチンの開発を事業者に対し積極的に促し、できる限り迅速に審査もしていきたい、四種混合ワクチン及び単独ワクチンの導入、これを積極的に促していくとともに、できるだけ迅速に審査を行って、可能な限り早期に不活化ポリオワクチンが導入できるように取り組んでまいりたい、非常に前向きな御答弁をいただいております。

 きょうの東京新聞にも関連の記事が載っておりまして、「来年度不活化ワクチンへ 移行を前に接種控え」、こういう記事が出ております。

 個人輸入で不活化ポリオワクチンを自己負担で接種した場合に、非常に高額な料金となります。これは渋谷区のたからぎ医院の場合なんですが、まず一回打って一回四千五百円、そして二回目も打たなきゃいけない、半年後から一年後にもう一回打つ、そして四歳から六歳にもう一回ということで計四回、非常に負担が大きいわけです。ですので、今、不活化ワクチンの定期接種化を待ってポリオのワクチン接種そのものを控えてしまう、こういう傾向がございます。

 このたからぎ医院では、ことしの接種率は例年と比べて二割近く低下したと言われています。宝樹医師は、免疫のない乳児がふえれば二次感染の危険もある、三種混合ワクチンの接種を控える可能性もあると警戒をしています。ポリオの会の小山代表も、不活化ワクチン導入までのタイムラグに現場は非常に混乱をしてしまっている、速やかに不活化ワクチンを導入すべきだ、このように訴えられています。

 そこで、この単独不活化ワクチンの治験も始まったところだと聞いておりますが、四種混合また単独不活化ワクチンそれぞれの承認までの道筋、スケジュールについてお伺いをしたいと思います。

    〔藤田(一)委員長代理退席、委員長着席〕

○大塚副大臣 まず四種混合ワクチンについては、今開発が進められておりますけれども、本年末ごろより順次薬事承認申請される予定であります。速やかに対応させていただきたいと思っております。また、不活化ポリオ単独のワクチンについても、予防接種部会で了承された方針を踏まえまして、四種混合ワクチンの導入から近い時期に国内で使用できるように、企業において準備が進められております。

 なお、補足でございますが、前の質問で小林政務官がお答えをした再雇用の件ですが、検討してまいりますと小林政務官がお答えいただきましたが、他の既存の制度を有効活用して対応する方向で財務省とほぼ話がまとまりつつありますので、そのこともあわせて御報告をさせていただきます。

○古屋(範)委員 重ねての答弁、ありがとうございます。これも待ったなしの課題ですので、ぜひ早急に、その既存の制度が使えるのであれば、それを発表して、活用してもらえるようにしていただきたいと思います。

 またワクチンの話に戻りますけれども、来年の春ごろ、四種混合ワクチンの発売が期待をされております。しかし、三種混合ワクチンから四種への切りかえのタイミングで、この移行期に単独の不活化ワクチンが必要だ、これは認識されていると思います。単独ワクチンの発売は、遅くともこの四種混合ワクチンの発売と同時期、あるいはその前に発売されなければいけないと思います。

 さらに、単独ワクチン個人輸入も、今、百七十を超える医療機関でしていると聞いております。国立の長崎大学病院でさえも、お母さんたちの要望で、先月より個人輸入を始めているということです。個人輸入は、健康被害の救済が行われる認可されたワクチンと異なり、このワクチンによる被害がもし発生した場合には、公的な補償制度は適用されません。承知の上で不活化ワクチンを選択する親たちがふえているわけです。この状況をしっかり受けとめていただきたいと思います。

 一刻も早い承認、発売が待たれていることは十二分に御承知のことと存じます。単独ワクチンの承認、発売については、遅くとも四種混合ワクチンと同時期、できればその前に速やかに発売できるよう頑張っていただきたいと思います。

 最後に、大臣の御見解をお伺いできればと思います。

○細川国務大臣 古屋委員からは、この件につきましては毎回御質問あるいは御提言をいただいておりまして、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

○古屋(範)委員 よろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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