第177回国会 衆議院 厚生労働委員会 26号

○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法案について質問を行ってまいります。

 八月四日、民主、自民、公明、三党の幹事長、政調会談で、民主党政権の最大の目玉政策でありました子ども手当、これが今年度限りで廃止をするということが合意をされました。来年度からは自公政権当時の児童手当を復活、拡充する、このことも合意をされました。

 今回の法案は、この三党合意に基づいてつくられたものであります。現行の子ども手当は平成二十四年度から廃止をする、民主党がマニフェストに掲げてきた子ども手当ではなく、自公政権時代の児童手当をベースに拡充をしていくということでございます。

 そして、この三党合意によりまして、今後、十月から支給に空白が生じる最悪の事態は避けることができました。民主党政権となって二年間、二転三転してきた子育て世帯への現金給付策が、これで、二十四年度以降、恒久的な制度へと一歩近づいたということが言えようかと思っております。

 さらに、今回の財政規模が、平年度ベースで二兆二千億から三千億ということであります。当初の二兆九千億と比べて、年間で六千億から七千億円が削減される。これを大震災の復興に回すことができます。この点においては評価ができると私は考えております。

 民主党の最大の目玉政策でありました子ども手当、これは当初から政策目的があいまいで、財源も確保できず、迷走に次ぐ迷走を続けてまいりました。最初に単年度限りの法案が出てくる、そして今年度、当初提出した内閣提出の法案は撤回をする、そして半年間つなぎ法案、このような、非常に子育て世帯にとっても予見性がない、家計にとってもこの先どうなるかわからない制度。迷走に次ぐ迷走を続けてまいりました。

 政策意図についても、少子化対策、今度は家計支援、それで今度は景気対策と、くるくると変わってまいりました。財源のめども全くない。政権公約で掲げられた、国費で月額二万六千円、全体で五・五兆円。この巨額な財源が必要なマニフェスト。民主党は無駄を排除し十六・八兆円の財源を捻出する、こう豪語されていましたね。しかし、政権交代したものの、まずは半額の一万三千円、この金額ですらきゅうきゅうとしている。この現状を見れば、当初からマニフェストの財源の裏打ちはなかったということが明らかになりました。それとともに、簡単に実現できるかのように宣伝したこと、これは極めて無責任と言わざるを得ません。

 財源の制約がなければ、私たちだって、子育て世帯に現金給付をしていきたい、それは同じ思いであります。しかし、その財源を捻出することは民主党政権にとって不可能であった。現実的な財源の中で何を優先し、いつまでにどうするのか、これを示すのがマニフェストであります。その意味で、財源がその一番の根本です。ここがなかった。毎年支給額が変動して、子育て世帯は非常に迷惑をしている。一体我々の家庭は子供にとって何を始めたらよいのか、続けられるのか、来年度はどうなるのか、半年後はどうなるのか、これさえもわからなかった。

 子ども手当は、民主党政権の屋台骨、目玉政策でした。他の政策の断念とは決定的に意味合いが異なります。非常に大きな意味を持っております。これを取り下げられた。これは、民主党みずからが政権公約の破綻を認められたということとイコールではないか。衆議院任期満了までの四年間で公約を実現する、そう言ってきたにもかかわらず、その根幹をわずか二年で放棄する。民主党は、任期満了まで政権にとどまる正当性を既に失っています。丁寧な説明なくして国民の理解は得られないと思います。

 大臣、この際、子ども手当は必要な財源が確保できず破綻をした、このことを国民にしっかりと御説明いただきたいと思います。いかがでしょうか。

○細川国務大臣 子供に対する金銭給付の制度については、これまでいろいろと変わってきたというような、そういうことで御迷惑をかけている面もあるかと思いますけれども、来年度以降につきましては、今般の三党合意によりまして、今回のこの特別措置法の中でも、附則におきまして、政府は、特別措置法に規定する子ども手当の額等をもとに、児童手当法に所要の改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずる、こういうことを規定したところでございます。二十四年度以降の制度につきましては、今後とも、各党の意見を十分に伺いながら、今回の合意に沿ってさらに具体的な内容を検討してまいりたいというふうに考えております。

 子ども手当につきましては、震災復興への財源拠出の必要性、さまざまな状況変化がある中で、衆議院のマニフェストでお約束をした内容が達成できていないという委員の御指摘につきましては、これは私も国民の皆さんに大変申しわけないというふうに考えているところでございます。

 一方、マニフェストにおきます子育て支援施策は、社会全体で子供一人一人の育ちを応援するという考え方に立ちまして、現金の給付だけではなくて、待機児童の解消など保育サービスの拡充、あるいはまたワーク・ライフ・バランスの実現など、引き続き総合的な子育て支援施策を充実してまいりたい、このように考えているところでございます。

    〔委員長退席、郡委員長代理着席〕

○古屋(範)委員 細川大臣は国民に申しわけないと殊勝な言葉を述べられておりますけれども、そうした反省、謝罪、果たして民主党の皆さんは持っていらっしゃるのかどうか、非常に懸念がございます。

 私も、この民主党が刷られたビラ、このことに触れないわけにはまいりません。やっと三党合意ができて、いよいよ国会が正常化してくる、その直前に、「誤解しないでください 「子ども手当」存続します。」、このビラを三十五万枚も刷られた。一体、本当に今回の三党合意を踏まえた特措法を成立させようという気持ちがおありになるのか。政府・与党一体です、まさにそれをぶち壊すビラではありませんか。私たちは、坂口元大臣が実務者協議に入り、真摯な協議を続けてきたわけであります。そうした野党の姿勢を踏みにじるようなビラであります。

 この民主党の政策ビラ、「「子ども手当」存続します。」とタイトルに書いてありますね。「三党合意により恒久的な制度になりました。」、このようにも明記をされております。子供への現金給付総額がまるで倍増したかのように強調されています。

 私もよくよく裏表読んでみましたけれども、子ども手当は廃止になりませんと。よくよく読んでみると、「「子どもに対する手当」制度を存続する」と中では言っているんですが、見出しには「子ども手当」となっているんですね。非常に許しがたい、私たち公明党が一貫して推進をしてまいりました児童手当の拡充をまさに民主党の成果であるかのような言い方をしているビラであります。実績を横取りするような、こそくな内容のビラとなっております。

 児童手当は、まず自治体の制度として私たちはスタートをさせました。そして、昭和四十七年の一月、国の制度化を主導して、今日まで着実かつ一貫して児童手当制度を拡充してまいりました。約四十年間になります。公明党が連立政権に参画をする平成十一年十月以前、児童手当の支給対象児童は二百四十万七千人であったんですね。支給総額は一千五百八十七億円、これだけでした。それが平成二十年度には、支給対象児童が一千二百九十万人、支給総額は約一兆円まで大幅に拡充をしてきたわけであります。

 このように、現行の児童手当制度は、始まって以来十年以上の年月をかけて法案提出に至ったわけです。今申し上げましたけれども、この施行に当たっては、三年間で段階的に支給対象を広げてまいりました。このように一貫して児童手当の拡充に取り組み、五回にわたって制度を拡充してきたのが公明党でございます。この際、限られている財源の中できっちり対応いたしております。

 この裏側には、御丁寧にも児童手当制度の沿革まで載せられていますね。どうせ載せるのでしたら、このわきに、民主党が児童手当制度の拡充に四回反対したと民主党の態度も付記をしていただきたかったなと私は思っております。二〇一〇年、政権交代して以降、「「子ども手当」制度発足」とあるんですが、ここには児童手当制度は残っていることも明記をしなければいけなかったでしょう。児童手当に子ども手当という名前をくるんで、そして今の制度になっている、そのこともぜひ付記をしていただきたかった、私はそう思っております。

 この児童手当制度をばらまきと批判された。当委員会においてもはっきり私はそのとき聞きました。そして、法改正四回、拡充案に反対をし続けてきたのが民主党であります。よく平然とこのようなものが、我が党がやったような形でお書きになれるなと、私はその神経を疑わざるを得ません。さらに、二〇〇〇年から民主党がチルドレンファーストを主張、旧政権下でも時代の要請を取り入れ、政権交代前には約一兆円まで増額されましたと。皆さんは反対されてきたわけです。にもかかわらず、このような表現をされている。

 これに対しまして、民主党の岡田幹事長は十八日に、法案が成立する前にビラを配布したということは大変申しわけないことだと。成立後でも私はこれはよくないと思います。誤解を与えかねない表現で、不適切だと謝罪をされました。そして、このビラ配布中止を行った翌日、十九日発行の党機関紙プレス民主で、子ども手当の存続が決定しましたとする記事を掲載されたとの報道を目にしております。機関紙は七万部印刷をされたそうですね。地方組織にもお配りになられたということであります。民主党が子ども手当存続をアピールする政策ビラを配布し、反発を招いたわけですが、また機関紙も発行する。一体どういうふうにお考えなのでしょうか。

 事実上のこのうそのビラ、機関紙を製作するに至った経緯、また、内容に関する国民への釈明、謝罪が必要かと思います。そして、本法案にも明記をされておりますけれども、「平成二十四年度以降の恒久的な子どものための金銭の給付の制度について、この法律に規定する子ども手当の額等を基に、児童手当法に所要の改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずるものとする。」このように法案にございます。今後、総理もかわられ、内閣もかわられるかもしれませんけれども、この三党合意の内容、そして、当然のことながら、本法案のこの条文、重視をしていただきたい。これに関しまして、明確な答弁を求めます。

    〔郡委員長代理退席、委員長着席〕

○細川国務大臣 まず初めに、この子供に対する手当、自公政権下では児童手当、この制度の拡充に向けて、御党を初め、多くの皆さん方が長年努力をされた結果、児童手当が一歩一歩前進をしてきたということ、このことについては、私は、御党を初め、皆さん方にも敬意を払っているところでございます。

 また、ビラの内容について委員から御指摘がございましたけれども、このビラの内容につきましては、岡田幹事長が十八日の記者会見、これによりまして、今の子ども手当が、一万三千円がそのまま続く、これから来年度以降も続いていくというふうに受け取られかねない表現でありますので、そういう意味では不適切であったというふうに考えています、こういうふうに岡田幹事長は説明をいたしておりまして、私も同じような考えでございます。

 また、今後の問題でありますけれども、今、この特措法案、三党合意に基づいて提案をさせていただいております。この法案の中に、附則の中で、政府は、特別措置法に規定する子ども手当の額等をもとに、児童手当法に所要の改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずる、こういうことも規定をいたしまして、今回のこの特措法の法律の中にこのことも規定をいたしております。したがって、成立をさせていただきましたならば、この法律に基づいて、来年度以降の子供に対する手当について、これをまた法律をつくっていく、こういうことになります。

 したがって、それは三党合意のもとに行われています今回の特措法、そして二十四年度の法制上の措置でありますから、政権がかわろうとも、これは絶対に守ってやっていかなければならないことだと私は思っております。

○古屋(範)委員 大臣の御答弁、児童手当の原点に戻る、このことを確認させていただきました。そう受けとめてよろしゅうございますね。もう一度確認をさせていただきます。

○細川国務大臣 先ほども申し上げましたように、措置法案の附則におきまして「児童手当法に所要の改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずる」、こういう規定でありますから、したがって、そういう趣旨で法制上の制度をしっかり構築していく、こういうこと。これは三党合意の内容でありますから、これは当然実現していくということになります。

○古屋(範)委員 ただいま大臣から、児童手当法でいくということを、言質をとらせていただきました。しっかり、どなたが大臣になろうとも、これは遵守をしていただきたい、このことを申し上げておきます。

 次に、来年度以降の所得制限についてお伺いをしてまいります。

 本法案で、手当額について、年少扶養控除廃止の影響を考慮して、中学校修了前まで原則一万円ですけれども、三歳未満、小学生までの第三子以降の子供は一万五千円とする、このような配慮措置が盛り込まれております。

 また、平成二十四年度六月以降は所得制限を適用されることも明記をされております。その基準については、従来の児童手当と同様、中学校修了までの子供を持つおおよそ九割の家庭が受給できるよう、夫婦、児童二人世帯で年収九百六十万円程度、このようなことが三党合意で確認をされました。こちらも従来までの基準を緩和する方向となっていると思います。

 この所得制限の対象となりますのは子育て世帯の約一割ほどということで、この世帯に対する目配りが非常に重要になってくる、このように思います。やはり、恒久的な制度ができない、恒久財源がない中で、税制改正は行われ、年少扶養控除の廃止がいわば先行して実施をされてしまった、そのように思います。先走っての税制改正であったかもしれない。全体ができるかどうかわからないのに、このところだけが先行してしまった。

 現在、出生率が回復傾向にある、団塊ジュニア世代を含みます三十五歳から四十四歳の母親、ここが出産をする数がふえております。晩婚、晩産化傾向の中で、この世代はどうしても、年齢を考えると、所得が高く、制限の対象となりやすいわけです。

 これまで、仕事が忙しい、また、税金も納めている、保育料は所得に比例するために高い、しかし、何も支援されたことがない、こういう感覚があった層かと思います。この方々が、単年度、またあと半年間、子ども手当を支給されてしまった。この方々にも、子育てをしながら頑張って働くのが大事だ、あるいは、頑張りを認めてもらえた、所得に関係なく、子育て世帯は社会から応援されている、こういうメッセージが明確になる政策が必要かと思います。税制改正が先走ってしまったわけですから、やはりこれは手当てをしていく必要があります。

 附則にも、平成二十四年度以降の所得制限を受ける世帯に対しては税財政上の措置の検討が盛り込まれておりますけれども、今後、平成二十四年度以降の恒久的な子供のための金銭給付制度において、この所得制限、また、所得制限を受ける世帯に対する税制上、財政上の措置を講ずるに当たりまして、子育て世帯に対する支援策として、世帯の所得に応じてどのような支援がふさわしいのか、ぜひ全体的なイメージを皆様に御提示する必要があろうかと思っております。

 そこで、子ども手当のかわりに扶養控除が廃止をされていたことで税負担が重くなる世帯に対しまして緩和措置等の支援策を講じることが重要になってまいりますけれども、これに対してどういうお考えなのか、ここを確認させていただきたいと思います。

○細川国務大臣 この所得制限の導入でいろいろと影響を受ける世帯が出てくる、この緩和措置についてどういうふうに考えたらいいか、こういうことであります。

 今回のこの合意に基づく内容でいきますと、比較的所得の高い方を中心に実質手取り額のマイナスが生じることは事実でございます。

 一方、今回の合意の内容は、チルドレンファーストやあるいは控除から手当へといった考え方も大事にしながら、しかし一方で、震災復興のための財源を捻出するためにはぎりぎりの判断だったというふうに思っております。

 実質手取り額がマイナスになる方については大変申しわけないというふうに思っておりますけれども、この事情も御理解をいただけたらというふうに思っております。

 なお、平成二十四年度以降の所得制限世帯につきましては、今般の三党合意に沿って、税制上、財政上の措置についての検討を加え、所要の措置を講ずるということを法案に規定をしているところでございます。

 それから、委員が言われましたように、子育てで大変厳しい世帯に対してどういうふうに支援をしていくかということは、現金の給付もあるかと思いますけれども、また一方で、待機児童の解消とか、あるいはまたワーク・ライフ・バランスだとか、そういう施策をしっかりやることによって子供を育てる環境をできるだけ充実していくということが大事なことだというふうに思っております。

○古屋(範)委員 恒久財源がない、恒久制度がつくられない中で、いわば見切り発車で子ども手当というものをスタートさせていった、その結果が結局はこういうひずみとなっている、子育て世帯に非常に迷惑をかけている、そのことを重く受けとめていただきたい、私はこのように思っております。みんな、子ども手当に振り回されてしまった。そのことを考え、ぜひ、この所得層への配慮、きちんとした形で手当てをしていただきたい、このことを強く求めておきます。

 次に、このたび法改正に盛り込まれました、児童養護施設入所の子供への支援等についてお伺いをしてまいりたいと思います。平成二十二年度子ども手当法に盛り込まれた検討規定の対応でございます。私たちが修正を申し込み、それが盛り込まれた点でございます。

 まず、児童養護施設等に入所している子供、あるいは里親に託されている子供、非常に難しい家庭事情を抱えている子供ということが言えるかと思います。この子供たちへの支援についてお伺いをしてまいります。

 平成二十二年度法では、子育て支援に係る全般的な施策の考え方あるいは支給対象の不備などについて問題点がございました。公明党は、よりよい法案とするために、二点、修正を提案し、検討規定に盛り込まれた経緯があります。

 まず、子ども手当の対象から、児童養護施設に入所する子供、あるいは里親のもとにいる子供などが漏れておりました。これについて、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援するとしている子ども手当の理念に反する、最も援助を必要としている子供に対して手当が支給されない、これはあってはならないのではないか、このように申し上げまして、これは二十二年度から安心こども基金による特別支援事業として対応していただきました。しかし、これによって、同一施設内において特別支援事業の助成を受ける子、そうでない子、これが混在する、このような問題もございました。

 そこで、平成二十二年度子ども手当法の附則の検討条項に「児童養護施設に入所している子どもその他の子ども手当の支給対象とならない子どもに対する支援等を含め制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」ということを盛り込みました。

 今回の法案でこの対応がどうなったのか、これについてお伺いをしたいと思います。

○小宮山副大臣 おっしゃるとおり、児童施設にいる子供など、本当に必要な子供への手当てというのは必ずやらなければいけないことだと考えておりまして、今回の特別措置法案では、平成二十二年度の子ども手当支給法附則の検討規定を踏まえまして、すべての子供たちが手当の恩恵を享受できるよう、これまで子ども手当が支給されていなかった、親のいない施設入所の子供など、これは里親も含まれておりますが、それについては、施設設置者あるいはその里親に支給するという形で子ども手当の対象といたしました。

 従来は、子供が施設に入所していても親に子ども手当を支給している場合がありましたが、今回の特別措置法案では、施設に入所している子供に関しましては、親ではなく施設設置者に支給することで取り扱いを統一することといたしました。

○古屋(範)委員 今回の東日本大震災でも、両親を失い施設に入らざるを得ない、このようなお子さんもおられます。ですので、今回そのことが法律にきちんと明記された、このことは大変よかったと思っております。しっかりと実施をしていただきたいと思っております。

 次に、地域の実情に応じて子育て支援サービスを拡充するための新たな交付金制度についてお伺いをしてまいります。

 子育て支援策につきましては、このような現金給付、そしてまた現物給付、このバランスを図りつつ施策全体を拡充していくことが重要となってまいります。この点、平成二十二年度の子ども手当法の審議においても大変議論となりました。現金に偏ってしまってはいけない、皆さんが求めているのは、やはり、待機児童の数を見ましても、また、潜在的な待機児童の数を見ましても、保育サービスを求めていらっしゃる。公明党が主張いたしまして、「平成二十三年度以降の子育て支援に係る全般的な施策の拡充について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」このことも検討条項に盛り込まれました。

 そこで、今回、新たな交付金の創設がなされることとなったと理解をしております。この新たな交付金なんですが、これまでの次世代育成支援対策交付金を改組して、平成二十三年度予算において、既に新たに五百億円が措置をされていますね。しかし、この事業はもともと予算措置で行われていたものでありまして、二十二年度では三百六十一億円が計上されていまして、プラス約百四十億なんですね。非常に少ないと私は思っておりまして、皆が必要としている保育サービスを考えますと焼け石に水だな、あえて条文に入れたにもかかわらずこのように少ないのかというのが私の印象です。

 平成二十三年度子ども手当法案が撤回をされまして、つなぎ法にこの規定がなかったため、執行できておりません。半年間の執行のおくれが地域における子育て支援サービスの提供に影響を及ぼすことがないように、ぜひ早急に執行していただきたいと思っております。

 平成二十四年度以降の恒久制度においてこの交付金はどのような扱いとなっていくのか、これについてお伺いをしたいと思います。

○小宮山副大臣 今回の特別措置法に基づきます新たな交付金、おっしゃるように従来の次世代育成支援対策交付金を改組いたしまして、地方が独自の子育て支援サービスまた待機児童解消を実施するために、市町村などに対して交付することを予定しています。事業が円滑に実施できるように、四月からの事業につきましても交付対象として、施行後できる限り速やかに執行していきたいというふうに考えています。

 来年度以降もこうした子育て支援の現物サービスの拡充、大変必要なことで、二十四年度以降の制度について、おっしゃるように今回は実増は百四十億ぐらいしかできませんでしたけれども、さらに各党や地方の御意見も十分に伺いながら、しっかりと拡充をしていきたいというふうに考えています。

○古屋(範)委員 総合的な子育て支援が大切です。ぜひ、現金給付に偏ることなく、ここにしっかり力点を置いて進めていっていただきたいと思っております。

 次に、今回の措置の実施主体となる市町村の負担について考慮をお願いしたいということを申し上げたいと思っております。

 二年前に子ども手当が始まって以来、当初単年度、そしてつなぎと、子育て世帯だけではなく、自治体にも非常に迷惑をかけております。皆、この次のシステムはどうなるのか、予見が成り立たない。非常に人騒がせといいますか、迷惑な制度でございます。

 子ども手当の創設時は、自治体は児童手当に対応した設計システムをまず変更する、ソフトを子ども手当用につくり直した。さらに今後のことを考えると、今のシステムを改修するなど、対応を迫られることになりますね。また、所得制限の導入で、対象世帯の所得を把握する調査も行わなければいけない。各自治体には、既に今後について住民からの問い合わせもふえてきているそうです。システム改修の費用、事務負担増への懸念もあるというふうに私は伺っております。さらに、国内居住要件の新設など、制度変更に伴いまして、現在子ども手当を受給している場合であっても改めて申請を行わなければいけない。受給漏れが起きないように、対象世帯に対して十分な周知徹底を行う必要がございます。

 そして、こうした作業は市町村が行うこととなりまして、現場からは最低一年は必要との声が聞こえてきております。しかし、現実にはもうそんな期間はないわけです。新制度の実施に当たっては、市町村のシステム改修、また支給事務等、煩雑にならないよう、国としても十分な配慮が必要となってまいります。どういう対策をお考えなのか。

 また、特に被災した自治体、ここは市町村の職員の方も被災され、あるいはお亡くなりになっている方もいる。日本全体から今応援態勢もございますけれども、被災者の支援で手いっぱいである。こうした被災地の自治体への支援、これが非常に重要となってまいります。そこで、こうした被災地の市町村に対して国としてどのような支援を行っていくおつもりなのか、これについてもお伺いをしたいと思います。

○小宮山副大臣 今回の特別措置法案での支給額や支給要件の変更、またおっしゃるような申請事務などにつきまして自治体に御負担をおかけすることになりまして、これは大変申しわけないというふうに思っています。

 厚生労働省といたしましては、QアンドAをつくってそれを活用していただくことや、担当者会議の開催などを通じまして早期に情報提供を行うとともに、今回の制度見直しに伴うシステムの改修などの事務費について補助をという声を強くいただいていますので、国からしっかり補助が行えるように検討をいたしまして、自治体での円滑な施行に努めていきたいというふうに考えています。

 その際、おっしゃるように、特に被災地の市町村はただでさえいろいろと大変なところですので、御指摘のとおりきめ細かな対応が必要だと考えていまして、個別に県を通じて状況を確認しながら必要な対応を講じていきたいというふうに考えています。

○古屋(範)委員 ぜひ被災地へのきめ細やかな支援をお願いしたいと思っております。見切り発車をしてスタートした子ども手当、恒久的な制度ができないままにスタートしたものが、こうした自治体へも大きな負担となり迷惑をかけている、このことも責任を感じていただかなければならない、このように思っております。

 次に、地方との協議の場についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 平成二十二年度また二十三年度の子ども手当制度の検討過程におきまして、国と地方との協議は行われてきているはずなんですけれども、地方側は、合意を得ないままに決定されたと、国に対する不信、不満、これが渦巻いております。私の地元の知事からも、これは何度も伺いました。平成二十四年度以降の制度については、このようなことがないよう、ぜひ地方自治体と十分な協議を行っていただきたい、このように思います。

 十二日に国と地方の協議の場が開催をされたということです。子ども手当の見直し方針が説明をされて、引き続き協議を行っていく、このことが確認をされたと伺っています。

 二十四年度以降の制度について、中学生を支給対象に加えるなど、これまでの児童手当よりも予算規模が大きくなります。その分、地方また企業に新たな負担増を求めることとなり、今後の協議で国と地方の合意ができるのかどうか、ここが注目をされております。恒久的な制度づくりに向けて、今後、十分に地方との協議を行っていただきたい。

 この国と地方の協議の場の位置づけはどうなっているのか。今後、混乱を回避する上で、ぜひ政策決定過程を明らかにしていただきたいと思います。この点、いかがですか。

○小宮山副大臣 今回は、大変時間がなかったので十分だとは思いませんけれども、細川大臣からそれぞれの地方の団体の責任者の方には電話などでお話をしたところです。

 今後、平成二十四年度以降の制度の検討に際しましては、この法律案の附則で、三党合意を踏まえて、地方自治法に規定する全国的連合組織の代表者その他の関係者と十分に協議を行い、これらの者の理解を得るよう努めるものとすると規定をしております。この規定を踏まえまして、国と地方の協議の場を初め、それ以外の場も含めまして、地方団体と十分に協議をしていきたいと考えております。

 来年度以降の制度については、各党そして地方の御意見も十分に伺いながら検討していきたいというふうに考えております。

○古屋(範)委員 今の政権は地方をちっとも重視していない、地方軽視の政権だと言っている知事さんもおりました。ぜひ地方の意見を大事に協議を行っていただきたい、このように思います。

 最後の質問に参りたいと思います。

 本法案とは直接関係がないんですが、子供の健康、難病のお子さんを持つお母様から、先日、切実な声を伺いましたもので、その点について質問してまいります。胆道閉鎖症についてでございます。この早期発見についてお伺いをしてまいります。

 十六日なんですが、この胆道閉鎖症患者会、肝ったママ’s、このお母さん、また国立成育医療研究センター松井病院長よりお話を聞きました。

 胆道閉鎖症というのは、原因不明で胆管に炎症ができまして、出生児の九千人に一人の割合で起こる病気です。生後二、三カ月までに、黄疸ですとか、淡黄色、白っぽい黄色の便が出る、あるいは濃黄色尿、濃い黄色の尿が出る、時には出血などが起きると言われていまして、十年生存率はわずか一六%であります。早期発見、早期手術が重要です。

 胆道閉鎖症の乳児では、生後約一カ月までに便の色に異常を来すということが多いそうです。毎日お子さんの便を見ている、その色をチェックする方法、これがさまざまな方法が模索をされております。

 今回お話を伺った、松井病院長が導入をした便の色のカラーカードもその一つなんですね。はがき形の便の色のカラーカードがありまして、現在、早期発見のツールとして、栃木県、新潟県など九自治体で取り入れられています。さらに改良した新版カード、色調定量化便色カラーカードの普及が求められています。この新しいカードを普及するために、昨年十二月から神奈川県では二十六市町村でパイロット事業が行われています。今年度でこの事業は終了してしまいます。この事業で得られた結果は、今後の胆道閉鎖症の総合的な診断支援につながるものと考えております。

 この早期発見の一番よい方法として、新版カラーカードを母子手帳に挿入して、お母さんたちに気づいてもらう、これが最も効果的なスクリーニングだということです。脳の切開手術をしなければならなかった同症のお子さんを持つお母さんから、この事業に対して強い要望をいただきました。

 母子手帳改訂への検討がこの秋から始まると聞いています。ぜひとも母子手帳にこのカードを挿入して、里に、自分の実家に帰って出産をしている人もいますので、出産前からこのことをお母さんに伝え、そして出産後すぐに自分の子供の便の色がチェックできるようにしてほしいと思っております。

 母子手帳は市町村によって若干違いがありますけれども、一カ月ごろの保護者の記録というページの欄外に、便の色が薄い黄色、クリーム色で、白目や皮膚が黄色、黄緑色である場合には、胆汁が流れにくい状態があるので、一日も早く小児科医等の診察を受けてくださいと記載されているんですが、こうした文書だけでは色はわかりません。そこで、このページにカードを挿入してほしい、このように思っておりますけれども、前向きな御答弁をいただければと思います。

○小宮山副大臣 乳児に日常的に接する保護者自身が乳児の便をチェックするということは、健康管理で非常に重要なことだと考えています。

 御指摘の便の色のカラーカードによる胆道閉鎖症の早期発見につきましては、厚生労働科学研究によりまして一部の地域で試験的に実施されていまして、その活用方法などが検討されているところです。

 厚生労働省といたしましても、この研究成果を参考にして、今委員からは母子手帳に挟むという御提案がございましたが、御意見も伺いながら、このカラーカードの活用方法について積極的に検討をしていきたいと考えています。

○古屋(範)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 いずれにいたしましても、真に子育て支援に資する的確な政策を打っていただきたい、このことを申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

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