第204回国会 衆議院 内閣委員会-4号

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 本日は、大臣所信に対する質疑を行ってまいります。

 まず冒頭、コロナ禍におきまして、医療、介護を始め最前線で奮闘されている方々、また、生活の窮状に至った方々への支援を行っている方々、エッセンシャルワーカー、全ての皆様に感謝を申し上げ、質問に入りたいと思います。

 順番を変えまして、まず二問目から質問させていただきたいと思います。一人親家庭の課題について質問をしてまいります。

 今回のコロナ禍で、非正規で働く方々、女性、また一人親家庭、こうした日頃から経済的な基盤、生活の基盤が脆弱な方々を直撃をしております。離職に追い込まれるようなケースも増えておりまして、生活が一層今後困窮することも懸念をされております。

 こうした現状を踏まえまして、年末年始に向けて、予備費を活用して給付金が支給をされることとなりました。私も、当委員会におきまして、是非とも年内支給をしていただきたいということを申し上げ、実施をしていただいたわけでございます。

 先日、ひとり親支援協会という方々から御要望いただきました。ここは、今井智洋さんという方が代表を務めていらっしゃいます。彼自身はシングルファーザーではないんですが、いわば本当にボランティアでこういう方々への支援の活動をされています。

 本年、このひとり親支援協会で、一月の二十三日から二月の一日まで、一人親家庭を対象とした調査を行っております。ここは、シングルマザーが二割でシングルファーザーが八割、こちらの方が多い団体です。コロナ禍の影響で七三・二%が収入減、あるいは収入減の見込みである。また、コロナの影響で八〇・一%が支出増となっている。回答者のうち八二・〇%の方が、昨年末、この一人親家庭の臨時特別給付金の再支給を受給しています。この一人親世帯の臨時特別給付金の使い道は、生活費、また返済、年末の出費として充てたという方が九一・九%であったということでございます。

 年末、年内に支給していただいて大変よかったというふうに思っております。しんぐるまざあず・ふぉーらむの方々からも、何とか年を越すことができたとか、あるいは、雪が降るのにスニーカーしかなくて足に霜焼けができていたんだけれども、冬のブーツを買ってあげられたとか、あるいは、一人五百円のお年玉を子供に上げることができたとか、本当に切実な声を伺っております。確かに、光熱費などを払うことができた、このような声を伺っているところであります。こうした、振り込まれたらすぐに使わなければいけないというような家計の逼迫した状況が続いております。

 これから新学期を迎えます。非常事態宣言が延びているところもあり、入学の、新学期シーズンを迎えて、制服、かばん、また靴、教科書など、出費がかさむとの不安の声が寄せられております。実は、一人親に限らず、コロナ禍で家計が急変をした世帯についても同様のことが言えるというふうに思います。

 更なる給付金の支給を求める声が届いているわけでありますけれども、まずは、この児童扶養手当受給世帯はもう支給がなされておりますけれども、まだ申請をしていない方々もいらっしゃるわけです。ですので、改めて、家計が激変をした、対象となっている方々、申請期間、多くの自治体で二月末となっているわけなんですね。この方々が支給対象であるということをまずは周知を徹底していただきたいし、この申請期間の延長ということも考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 ひとり親世帯臨時特別給付金の申請期限につきましては、申請受付から給付金の振り込みまでの事務処理に一か月程度の期間を要するものと想定されております。

 今年度中に給付金の支給を完了する必要がありますので、地方自治体に対しましては、可能な限り二月末日を申請期限とし、十分な申請期間を確保することを依頼しております。また、申請期限を過ぎて申請がなされた場合等につきましても、給付金の支給が年度内に完了することが確実である限りにおいては申請を受け付けていただくなど、柔軟な対応も地方自治体に依頼したところでございます。

 支給要件に該当しているにもかかわらず申請されていない方につきましては、SNSや地方自治体を通じて申請勧奨を重点的に行っておりまして、引き続き、地方自治体と連携して、必要とされる方にきちんとお届けできるよう取り組んでまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 ありがとうございます。

 年度内支給をするために一定の事務処理期間が必要だということは承知をしておりますけれども、その辺は、自治体によって事務処理能力にも差があったり申請者の数にも差があると思いますので、今、柔軟な対応をしてよいということでございましたので、そのことも自治体に徹底をしていただいて、皆様に是非とも支給を受けていただけるように、今後とも努力をお願いしたいと思っております。

 次に、緊急小口資金、また総合支援資金についてお伺いをしてまいります。

 先ほど言った団体のアンケートによりますと、家計が急変した方のうち、生活福祉金を受けた方というのが一九・五%にとどまっているんですね。これは、そもそも制度を知らないとか、あるいは制度が分かりにくいとか、基本的にはこれは借入れということになりますのでハードルが高いといった理由が挙げられております。こうした必要な制度があるにもかかわらず、非課税世帯に返済免除の案内がないということで、こうした制度自体を知らないということも大きな原因だと思います。

 こうした返済免除制度、これを周知していただくとともに、この返済免除の対象拡大についても検討すべきではないかというふうに思います。

 また、申請をするときに、社会福祉協議会の担当者の方、本当に申請が多くて御苦労されていると思います。中には、政府の方針と異なる案内をしたために、対象となるべき方が断られた事実が複数あるということが報告をされております。こうした公的支援というのは申請者にとっては本当に最後の頼みの綱なんですね。命綱になっているわけです。こうした、窓口によってそのようなことが起こらないよう、担当の方々に制度の徹底をすべきであると思います。

 今後の対応についてお伺いしたいと思います。

 この緊急小口資金、また総合支援資金の特例貸付申請期間、本年三月末までとなっておりますけれども、コロナの感染状況を見ながら、特例貸付けの再延長ということも検討すべきではないかと思いますが、この点についてお伺いしたいと思います。

岩井政府参考人 お答え申し上げます。

 生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金、総合支援資金に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等により当面の生活費が必要な方について、従来の低所得者世帯の要件等を緩和するとともに、償還免除の特例を設けて、必要な貸付けを進めてきております。償還免除の対象については、償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯としているところでございますが、様々な御意見があることは承知しております。

 いずれにせよ、生活に困窮される方にきめ細かに配慮するよう、早急に検討を進め、詳細が決まり次第広く周知してまいります。
 特例貸付けの具体的な運用につきましては、QアンドAの発出等により、全国一律の取扱いの徹底を図っております。引き続き必要な対応を行ってまいります。

 特例貸付けの申請受付期限につきましては、本年三月末までとしているところでございます。四月以降の取扱いについては、感染症の状況や貸付けの動向等を踏まえる必要があると考えております。

 引き続き必要な対応を行うことで、お困りの方々の生活を支えてまいります。

古屋(範)委員 政府の方は、新型コロナウイルス禍で生活に困窮する人向けのこの支援、最大二百万まで拡充をする方針を示されておりますけれども、二百万というのは庶民にとってとても大きな額であると思います。ですので、ただ借りればよいというふうに私自身も思っておりません。こうした、当面生活することができないという方々が、そこを乗り越えて、いわば生活や命をつないでいくためのものであって、その先には、仕事を見つけ、就労に就いていただいて、自立をしていくということが大事なんだと思います。そこへつなげていくということが最も必要なことではないかなというふうに思っております。

 ひとり親支援協会の方々と話しましたけれども、自分たちも、公助へ本当に窮状にある方々をつなげていく、この共助の活動をすることが自分たちの主眼であるということをおっしゃっていました。

 是非とも、こうした小口資金などの制度を徹底をしつつも、就労に向けてつないでいくということもよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 続けて、児童扶養手当についてお伺いをしてまいります。

 私も児童扶養手当の拡充については取り組んでまいりました。また、回数を増やすということも取り組んでまいりました。

 この児童扶養手当、前年の所得で決まるんですね。ですので、現在生活が厳しい一人親世帯、これはもう、制度上致し方ないことなんですけれども、なかなか届かないわけなんですね。コロナによって年収が下がって、児童扶養手当をもらう範囲となったんだけれども、収入審査が八月のために児童扶養手当をもらえない、すぐに収入審査をしてほしいというようなシングルマザーがいます。

 また、手当の支給は十八歳までなんだけれども、十八歳以上の子を扶養する一人親家庭でも教育費がかさんで影響を受けている。夜間高校は十九歳までですので、こういう意見も届いております。

 この給付金、児童扶養手当を受給していない一人親家庭でも、家計は逼迫をしています。また、一人親家庭だけではなくて、二人親がいたとしても、病気であるとか様々な理由で苦境にある方々がたくさんいます。貧困率が極めて高い一人親世帯への児童扶養手当の増額、また支給要件の緩和、さらに、給付対象についても、一人親に限らず、生活困窮世帯への拡大をしてほしいという要望が寄せられておりますけれども、これらについて見解を聞きたいと思います。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 一人親家庭に対する支援でございますが、就業支援を基本としつつ、子育て・生活支援や経済的支援などの施策を総合的に進めているところでございます。

 御指摘の児童扶養手当制度につきましても、多子加算の倍増、全部支給の所得制限限度額の引上げを行いましたほか、御指摘もございましたが、令和元年十一月分の手当から支給回数を年三回から年六回にするなど拡充を行ってまいりました。

 また、本年三月分からでございますが、一人親の障害基礎年金等受給者につきまして、児童扶養手当と障害年金の併給要件を緩和をいたしまして、新たに児童扶養手当の額と障害年金の子の加算部分の額との差額を受給できるようにする、こういった拡充を図っているところでございます。

 今後とも、子供の貧困対策に関する大綱に基づきまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 児童扶養手当につきましては、累次の拡充に取り組んできていただいていると思います。一人親家庭にとって大変重要な手当でございますので、また更に、この先への拡充を是非とも御検討をお願いしたいというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 坂本大臣、御到着になりまして、よろしくお願いします。

 今も一人親家庭について、るる質問をしてまいりましたけれども、大臣、今回、孤独また孤立問題を担当されることとなりました。

 コロナ禍において、非正規の方々、女性あるいは一人親家庭など、日頃からの経済的な基盤が弱い方々の生活というのは、更に逼迫度を増していると思います。日頃抱えている、虐待であるとか、また、DV、引きこもりであるとか、様々な問題を抱えた、困難を抱えた方々というのは、コロナにおいて困難の度合いが更に高まっている、深刻の度合いが深まっているというふうに思います。

 まず、女性の自殺が増加をしております。

 大臣も当然御存じのことと思いますけれども、昨年の女性の自殺者数というのは、前年より八百八十五人多いんですね。全体で六千九百七十六人ということで、二年ぶりに増加をいたしました。また、さらに、就業の機会が損なわれているということなど、社会的孤立が広がっているというふうに思います。こうした、積極的な女性への支援ということが必要だと思います。

 また、子供の自殺も最多となっております。

 これは、せんだって、十五日に、文部科学省、児童生徒の自殺予防について検討する有識者会議で示されたものでございます。ここにおきましては、昨年一年間に自殺をした小中学生また高校生を合わせまして四百七十九人となっております。前の年の一・四倍ということで、過去最多となっております。

 文部科学省が厚生労働省また警察庁の統計を基にまとめたところ、去年一年間に自殺した児童生徒の人数は前の年より百四十人増えているわけなんですね。ここ五年の厚生労働省などによる調査の中では最も多い、文科省が異なる方法で昭和六十三年度から実施している調査と比べても最多となっております。

 学校別の内訳なんですけれども、小学生が前の年より八人増えています、十四人。中学生が四十人増えて百三十六人。また、高校生が九十二人も増えておりまして全体で三百二十九人となっており、特に女子の増加率が高くなっています。また、小学生の女子は三人から十人に増えておりまして、高校生の女子は六十七人から百三十八人ということで約二倍に増えておりまして、大変大きな問題だと思います。

 日頃、新学期が始まる四月であったり、あるいは九月の始め、こういうところで自殺者が急増するということなんですが、昨年は、コロナの影響で一斉休校がございましたので、それがずれていることから、それも少し前倒しをした形で自殺者が増えております。

 また、これは国立成育医療研究センターが発表した数字なんですけれども、高校生の三割にうつ症状が表れているということです。本当に危機感を募らせているわけです。中でも、死んだ方がいい、又は自分を何らかの方法で傷つけようと思ったとの問いに、全体の六%が、ほとんど毎日であるということを回答しています。

 ですので、成人のみならず子供たちに対しても、このコロナうつというものの課題が深刻になっているということだと思います。

 私も、うつ対策に十年以上、党の中で取り組んでまいりました。しかし、昨年は各精神福祉センターに寄せられる相談数も増加をしておりますし、生活が困難になる、あるいは仕事がなくなる、また、人と会えなくなる、社会活動が低下をしてくる、様々な要因によってこのコロナうつが広がっているんだろうというふうに思います。

 また、これは昨日、NPOあなたのいばしょという、大空代表から活動について伺う機会がありました。

 ここは、令和二年三月にチャットによる相談を始めています。開設以来、一年ぐらいなんですが、相談者数が二万八千九百名、また、受信メッセージそのものはもう三十一万二千件を超えているんですね。二十四時間体制で取り組んでいらっしゃるので、日本時間の夜は、ヨーロッパとか北米等の相談の方にお願いして、それで、時差を活用して二十四時間の相談を行っているそうです。女性からの相談が全体の七割を占めている。年代別でも二十代、十代が最も多い。

 チャットによる相談がしやすいということなんだろうというふうに思いますけれども、こうした、孤独、孤立、でも、家族と一緒にいても非常に孤独であるという人たちが多いわけです。BONDプロジェクトという団体もあるんですけれども、親に虐待を受けて、行く場所がなくて夜の町をさまよう、こういう方々への支援を行っているところもありますけれども、こうした、社会的に孤立し、あるいは、家庭にいるんだけれども孤独な人たち、こうした方々に、孤立、孤独の担当室を立ち上げられるということで、大変期待しております。

 坂本大臣の御決意をまず伺いたいと思います。

坂本国務大臣 菅総理から一番最初に孤独、孤立対策の担当大臣を御指示いただきましたときに、今委員言われましたように、女性の自殺、それから子供さんの自殺も含めて、増えている、この長引くコロナ禍の中で、様々な問題が顕在化している、一つ一つ、それぞれ課題を洗い直して、そして、総合的な政策をやってほしいというようなことで、御下命をいただきました。今日、孤独・孤立対策担当室がスタートをいたしました。総勢三十名、兼務も兼ねますけれども、三十名のスタートでございます。夕方に看板かけを行います。

 そして、まずやるべきことは、今、令和三年度の予算におきましても、今言われました、若者あるいは高齢者、それぞれ対策が、文部科学省だったり、厚生労働省だったり、あるいは住まいの支援は国土交通省だったり、それぞれ各省庁が持っているわけでありますので、これを一種、私の方が司令塔になって、孤独、孤立対策として総合的に取りまとめながら政策を進めていくというふうにしたいというふうに思います。

 まずは、来週、現場でいろいろと御苦労いただいておりますが、NPOの皆さん方、十人近くに集まっていただいて、緊急フォーラムを行うことにしております。その中には、今委員の方から言われました慶応大学の大空幸星さんも来ていただくことにしております。

 また、御党の方からは、関係省庁連絡会議をつくりなさいというような御提言もいただきました。そういったことも参考にしてまいりたいと思いますし、それぞれの政党で、御党の方でも、孤独、孤立対策本部が立ち上がったというふうなことを聞いておりますので、各省庁と連絡を取りながら、そして、現場の意見を聞きながら、さらには、それぞれ、野党も含めました各政党の御意見も含めながら、総合的な対策をやってまいりたい、国民的な社会運動として少しでも前に進めるような政策、活動というものをやってまいりたいと思っておりますので、御指導もよろしくお願いいたしたいと思います。

古屋(範)委員 全省庁を是非、引っ張って、リーダーシップを発揮していただきたいと思っております。

 イギリスでは、この孤独対策、既に始まっておりまして、今、ダイアナ・バランさんという方が担当していらっしゃいます。我が国にとって最大の課題だというふうに思いますので、大臣の活躍を期待しております。よろしくお願いいたします。

 最後になります。赤澤副大臣に質問させていただきます。

 日本経済がコロナ禍で今足踏みを余儀なくされております。また、この先行き、更なる低迷ということも懸念をされているわけであります。当面、感染拡大を防止していくということが経済回復のまず最重要課題なんだろうというふうに思います。感染拡大防止に全力を挙げていくということがまず重要になってくると思います。国民の生命と暮らしを守る、また、強力なメッセージで国民に安心感を与えていただきたいというふうに思います。その上で、雇用対策であったり様々な支援を強化していくということにつなげていただきたいと思います。持続的な経済回復をしていく、これこそ国民の生命と暮らしを守ることに直結をしてまいります。

 この新型コロナウイルスは私たちが初めて直面をする感染症であります。ですので、どうしても試行錯誤にはならざるを得ないというふうに思います。だからこそ臨機応変な対応が重要なんだというふうに思います。

 コロナ禍で失業率が少し増加をしているんですけれども、この失業による生活苦で命を落とすというケースも増えているわけです。失業率が一%上がると自殺者が一千八百人増えるという分析もあります。感染症の拡大から国民の生命を守ること、また、それに伴って様々な困難を抱えた方々に支援をしていくこと、休業要請などを背景に経済の急激な縮小が続きますと、これがまた孤立、自殺の増加につながっていくケースもあります。

 今ワクチンの接種体制も各自治体で進んでいるところでありますけれども、供給体制の問題もあり、各自治体も大変苦労している現状だというふうに思います。ポストコロナの時代、今後の日本経済の活路を開かなければいけないということで、今非常に重要な局面にあると思っております。

 コロナ感染症を防止していく、そしてポストコロナ時代に政府が今取り組むべき政策課題、また展望についてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。

赤澤副大臣 御質問ありがとうございます。

 委員御指摘の、失業率が一%上がると千八百人自殺が増える、別の、ニューズウィークの日本版なんかだと二千三百人というような数字も紹介されたりしております。大変重要な問題だと思っています。

 そういった中ですので、やはり感染拡大防止と社会経済活動の両立をしっかり図っていかなきゃなりませんが、当面は感染拡大防止最優先ということで全力で取り組んでいきたい。ワクチンについても接種が始まりましたが、これはコロナの終わりの始まりになってほしいという思いで、思っております。

 委員の御指摘の点については、西村大臣の経済演説にもありますとおり、新型コロナウイルス感染症が浮き彫りにした長年の課題、これに是非正面から取り組んでいきたいと思っています。グリーン、デジタル、ヒューマンの三つのニューディールに全力で取り組んでいくということでございます。

 グリーンについては、昨年末にグリーン成長戦略を策定いたしました。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、十年間で二兆円の基金の活用などを通じてイノベーションを創出する。当面、十年後の二〇三〇年に洋上風力や水素など十四の重要分野で年額九十兆円の経済効果を見込んでおります。

 また、デジタルについては、昨年末にデジタル・ガバメント実行計画を策定いたしました。行政のデジタル化を実現するため、今後五年で全国の自治体のシステムの統一化、標準化を目指すこととしております。

 また、昨年末の経済対策においても、二〇三〇年頃の導入が見込まれるポスト5Gの実現に向け開発を進めることとしております。

 最後にヒューマンでございますが、昨年末の経済対策において十兆円規模の大学ファンドにより若手研究人材育成の基盤整備を行うこととしたほか、今後五年かけて少人数学級の実現に取り組むなど、人材育成に努めてまいります。

 こうした政策に中長期で取り組むことにより、ポストコロナにおいて、成長と分配の好循環、そしてまた、生産性の向上と所得の向上の好循環を実現をして、我が国経済が再び成長して世界をリードし、世界の中でも安全、安心の魅力ある国づくりを進めてまいりたいと考えてございます。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 質問を終わります。

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