来年度予算の焦点 部会長に聞く(3)(公明新聞 2015年12月5日付)
文部科学部会、厚生労働部会
浮島智子衆院議員 文科部会長
教職員定数の充実を進める
社会の変化に伴い多様化、複雑化する学校現場において安心で質の高い教育を実現するため、いじめや不登校、特別支援教育など教育現場の課題に対処する取り組みの加速化が必要だ。
まずは子どもに向き合う教職員の体制整備が重要である。諸課題に対応する加配教職員も含めた教職員定数の充実や教職員の資質向上策を進める。また、学校に多様なスタッフを配置する「チーム学校」の実現や安全・安心の教育環境を整えた学校を認証する制度「セーフティ・プロモーション・スクール」の普及も欠かせない。
教育費支援では、奨学金の無利子枠拡大、所得に応じて柔軟に返済できる所得連動返還型の創設をめざす。幼児教育無償化の実現や返済の必要がない高校生向け奨学給付金制度、海外留学支援の充実も進めたい。
このほかフリースクールや夜間中学校支援、本物の文化・芸術に触れる体験学習、障がい者スポーツも含めたスポーツ振興、がん教育の充実などに全力を挙げる。
古屋範子副代表 厚労部会長
マタハラ防止、がん対策提唱
来年度予算について厚生労働部会は、女性、若者、高齢者など、一人一人が持てる力を発揮できる環境の整備を訴えている。
子育て支援では、待機児童ゼロへ保育所の整備などを主張。妊娠から出産・産後まで切れ目なく支援する子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)の全国的な設置も進める。
また、妊娠・出産を理由に職場で不利益を被るマタニティーハラスメントの根絶や、不妊治療への助成拡充に取り組むほか、若者のキャリア形成支援を推進する。ひとり親支援では、相談窓口のワンストップ化や児童扶養手当の機能強化を提案。児童虐待の防止では、児童相談所や市町村の体制強化をめざす。
医療・介護については、がん対策で個別受診勧奨に胃・肺がんを加えるほか、胃がん検診での胃カメラ導入を提唱。介護休業給付引き上げや介護休業分割取得の実現、介護人材の確保、健康寿命を延ばすための予防や健康づくりにも力を尽くしていく。