新成長戦略 公明党の提言(1)(公明新聞 2014年6月5日付)

女性の活躍
「希望の実現」が大前提
柔軟な発想生かして 地域・日本を活性化
応援プランさらに進化 健康、育児・介護にも力点
党女性委員長 古屋 範子 衆院議員に聞く


成長戦略ポイント(女性の活躍)
●女性活躍推進加速化法の制定
●育児・介護休業制度の見直し
●在宅テレワークなど多様な働き方への支援
●女性の健康包括的支援法の制定
●営利・非営利を問わない多様な起業支援



公明党は5月30日、政府が今月下旬に示す予定の成長戦略に党の主張を反映させるため、菅義偉官房長官に対して、持続的な経済成長を実現するための成長戦略を提言しました。提言の柱となる各テーマのポイントについて、国会議員に聞きました。

―成長戦略の女性政策で最も重要な点は。

古屋範子女性委員長 一人一人の女性の幸福や希望の実現を推進していくことが大前提です。仕事や家庭、地域など、活躍の場は異なっても、女性たちが持てる力を発揮できるようになれば、それが結果的に日本の成長へと結び付きます。

どこまでも一人一人に焦点を当てた、きめ細かい支援が大事です。

―女性の活躍は、社会にどのような変化をもたらすと考えますか。

古屋 女性には生活に即した柔軟な発想があります。

例えば農業なら、農産物を消費者が使いやすいように販売するなど、消費者の立場も兼ね備えた生産者になれるということが挙げられるでしょう。

ものづくりや研究なども含めて、あらゆる分野で女性の視点が浸透すれば、産業自体が進化し、地域や日本の活性化につながることは間違いありません。

―成長戦略の女性政策は、党女性委員会が5月14日に政府へ提言した「女性の元気応援プラン」を抽出したものでもあります。

古屋 応援プランは、全国900人超の全女性議員が、女性の登用や活躍について、300以上の関係団体などへの聞き取り調査や視察を行い、その現場の声を基に策定したものです。

私も各地の先進事例を視察しましたが、女性の活躍には現場の知恵、つまり「現場力」が重要だと実感しました。応援プランでは、こうした各現場における先進事例を取り入れ、普遍化・展開をめざしています。

―その上で、成長戦略では、応援プランから前進した項目はありますか。

古屋 はい。「女性活躍推進加速化法」と「女性の健康包括的支援法」の制定が視野に入ってきたため、両法に関する記述を成長戦略に盛り込みました。

女性の活躍推進については、首相を本部長とする「女性の活躍加速化推進本部」(仮称)を設置し、加速化プランを策定・公表して、2020年までに指導的地位での女性の割合を30%に引き上げるという政府目標の達成を推進します。

一方、健康包括支援法では、女性の活躍の基盤となる健康づくりへ、生涯を通じた支援を推進します。具体的には、性差医療の研究拠点創設や相談体制の強化などに取り組みます。

―このほか成長戦略のポイントは。

古屋 育児・介護と仕事の両立支援に向けて、育児・介護休業制度の見直しや「学童待機児童解消加速化プラン」(仮称)の制定、働き方による男女賃金の格差是正などを提唱しました。在宅テレワークなど多様な働き方への支援や、NPOを含む多様な起業支援も訴えています。

―今後の取り組みは。

古屋 今回の政策は、女性議員が一丸となり、調査に協力していただいた方々も含めて、全員でつくり上げたものです。その過程を踏まえて、今後もネットワークの力を生かし、国と地方の両方で政策が推進されるように力を尽くします。

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