第174回国会 衆議院 厚生労働委員会-3号

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、介護問題について質問をしてまいります。よろしくお願いいたします。

 今、日本は、世界に類を見ないスピードで超高齢社会に突入をいたしております。現在、六十五歳以上の高齢者人口が二千八百二十二万人、高齢化率が二二%。二〇二五年には三千六百万人、高齢化率三〇%を突破すると予定をされております。要介護者は、現在の約二倍の七百八十四万人に上ると推計をされております。それに備えて、社会保障制度の抜本的な改革が求められております。私は、だれもが長寿を喜んで、安心して暮らせる社会の実現が今の政治に求められている、そのように考えます。

 特に介護問題につきましては、高齢者の生活には欠かすことのできないサービスでありますけれども、制度施行十年を迎える現在、介護の現場では、サービス利用の大幅な伸びによる介護保険総費用の急速な増大、あるいは、いつまでたっても入所できない介護待機者、老老介護、介護うつなど、多くの問題が山積をいたしております。大臣所信の中でも、大臣もお触れになっていた点でございます。

 また、問題なのはシングル介護ということでありまして、家族の介護のために転職、離職を余儀なくされる、収入面の不安を抱え、行き先がないまま本当に介護に頑張っている、そういう方々も多いわけであります。また、独居の高齢者が多いという現実、孤独死の問題、こうしたひとりで暮らす高齢者の介護を社会がどう支えていくのか、こうした課題はメジロ押しでありまして、介護事業の抜本的な運営の改善は待ったなしであると思います。

 本会議あるいは予算委員会の場でも我が党から何度も申し上げている点でございますが、私たち全国三千人を超える議員で、昨年十一月から十二月にかけまして、介護総点検運動を行わせていただきました。私も、党の介護の政策責任者として、こうしたアンケートの作成からずっと携わってまいりました。要介護認定者、その家族、それから介護事業者、介護従事者、地方自治体、それから、今まで三千人の議員が長年受けてまいりました相談事例も全部今回集約をいたしまして、御意見を下さいといったものも類型化し、分厚い本になるほどの大きな意見が集まってまいりました。私も、それを全部読ませていただきました。

 この実態調査、全体で十万件を超える調査を行いまして、先日、私も上智大学の増田教授とも対談をさせていただいたんですが、学術的に見ても、十万件を超える調査というのは非常に大きな規模である、貴重であるという御意見もちょうだいをいたしております。御協力いただいた皆様に本当に感謝をいたしております。

 私も、そうした介護をされている皆様の思いを直接伺ってまいりまして、こうした介護現場の貴重な声、お一人お一人の苦労、悩み、それを何としてもやはり政策に生かしていかなければいけない、このように決意をいたしまして、今、公明党独自の新介護ビジョンというものの作成を行っております。

 団塊の世代が七十五歳を超える二〇二五年、ここで要介護者が増大をしてくる。もともと、当然、団塊の世代というのは大きな固まりでありますので、ここが七十五を超えたときに、そこをどうやって支えていくか。これは、年金だけではなく、介護においても非常に大きな問題であります。我が国にとって、そこをどう乗り越えていくか、介護基盤の整備が必要であると考えます。

 先日、本会議で、我が党の山口代表の質問に対しまして、鳩山総理から、今後、介護基盤整備の目標を示すこととしておりますとの御答弁をいただいております。また、長妻大臣の所信の中でも述べられておりました。公明党は、さらに医療と介護が連携をして質の高いサービス提供を行う社会基盤を整備し、高齢者が住みなれた地域で必要に応じたサービスを自分の意思で選んで受けることができる、介護にかかわる人が希望を持って働ける処遇改善、家族の負担が過大にならないよう、安心して老後が暮らせる社会、この実現を目指してまいります。

 そこで、高齢者と家族が安心して介護を受けることができる、そのための介護の将来像を早急に考えるべきと思いますが、大臣のお考えをお伺いいたします。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

○長妻国務大臣 公明新聞も拝見しておりますけれども、公明党がかなり綿密に調査をされておられるということで、参考資料があればぜひいただければとも思っております。

 やはり、今団塊の世代の方が六十二歳前後だと思いますが、そういう方が、六十五歳で定年に多くの方がなって、そして労働市場から去って七十五歳以上になったときに、では、介護をどういう体制でやるのかということで、これはもう我々の価値観も含めて大きな改善、改革をしなきゃいけない、非常に大きな問題である、社会構造の変革まで伴うものであると思います。

 その中で、基礎としては、介護だけで申し上げれば、やはり在宅がいいという方もいらっしゃいます、御家族もいらっしゃるでしょう。あるいは、施設が安心だ、施設がいいという方もいらっしゃいます。あるいは、その重さによってもそれぞれ役割分担がございますので、ある程度選択できるということが重要であるというのが一点。

 もう一点は、やはり施設に入るにしても、自分の住みなれた地域の近くで、しかも小規模な形で、そこが、特養から、ある意味では老健とか、あるいはショートステイ、デイサービス、あるいは訪問介護のセンターとか、そういうのを兼ね備えた形で地域で展開していって、御家族もいつでもそこに訪問できる、こういう訪問介護の体制もあわせて整備するということで、具体的な数字としては、今後三年間で施設は十六万ベッドふやしていくと同時に、訪問介護の対象人数の増加の計画というのは今ありませんけれども、それについても、一定の前提を置いてそういう目標も立てられればというふうに思っております。

 いずれにしても、その地域で介護が実現できるということと、これは町づくりともセットになるという考え方が必要だと思います。

○古屋(範)委員 大臣の御認識、今お伺いいたしました。

 自分で選択ができるような、そして在宅のこうした体制を強化していきたい、こういう御意見だったかというふうに思います。

 街角アンケートを行いまして、あなたがもし介護を受けるようになったらどこで介護を受けたいか、こういう質問に対しまして、入所系の介護施設という方が四八・一%、自宅という方が四三・四%、ほぼ拮抗していた。私は、自宅の方が若干多くなるのではないかという予測をしたんですが、実際には施設の方が若干多かった。

 実際に在宅で介護をするのは難しい、あるいは自分の子供にしてもらうのもこれは無理がある、そのような気持ちがあったのか、あるいは、施設にしても、昔と違い、非常に設備もよくなってきている、そちらに行ってなるべく家族に迷惑はかけたくない、そのような思いがあったかというふうに推察をするんですが、いずれにいたしましても、こうした基盤の強化、施設あるいは在宅、どちらも基盤の強化が必要だ、私は、大臣と共通の認識を持っております。

 今回の介護総点検を行った中で、そこから浮かび上がってまいりました課題について、幾つか質問してまいりたいと思います。

 まず、介護保険を守り支えていくために、元気な高齢者、六十五歳になられてもお元気な方は非常に多いかと思います。今後、要支援また要介護状態にならないよう、そこを支援していくことが非常に重要だというふうに思います。こうした元気な高齢者をふやしていくことが重要だと思います。そのために、高齢者がやりがいを持って介護予防に励めるよう、新たな支援システムを考える必要がある、このように考えております。

 そこで、例えば、介護報酬の改定も三年ごとに行われるわけなんですが、この三年間、介護保険を利用せず元気に暮らしていた、こういう六十五歳以上の方々、たくさんいるわけであります。

 私の周りにも、毎日生活の中で運動したり、あるいは食事に気をつける、禁煙をする、またウオーキングをする、介護予防の運動もする、こういう努力をされている方がたくさんいらっしゃいます。また、もちろん元気で働いている方もたくさんいらっしゃるわけであります。また、自分自身の健康にとどまらず、家族の健康、あるいはさらに地域の方々のお手伝いをしようというボランティアなどで活躍をされている、こういう方も多いわけであります。

 しかし、そういう努力をし、頑張っている方々にとっては、介護保険料というのは納めるばかりである、こういう御意見が非常に多かったわけであります。このことに不満を感じているという方も少なくないわけです。

 しかし、保険の精神、保険というものはそういうもので、利用しない方がよいというのが理念だとは思いますが、こうして自分で努力をしている方々を何とか励まし、さらにやる気を出していただき、元気でいただきたい。全体的なサービス利用の大幅な伸びによって、介護保険の総費用も急速に増大をしているわけでありまして、この制度の持続可能性を確保していくことが、まさに大きな課題であります。この元気な高齢者がふえていくこと、また要介護者が少なくなることは本当に歓迎すべき、このように思います。

 そこで、この介護保険、三年間一度も利用していない本人に対しまして、介護予防に取り組んでいることを評価して、例えば、お元気ポイントというような介護保険料やサービス利用料の負担を軽減するこうしたシステムを導入する、こうしたアイデアに対して、どうお考えになりますでしょうか。

○長妻国務大臣 私もそういう御指摘をいただくことはありますけれども、お気持ちは本当によくわかるわけでございますが、やはり介護保険というのは公的保険で、ある意味では共助ということで、みんなで支え合うということであります。

 これは、御自身の御努力で介護のお世話にならないということもあろうかと思いますけれども、どんなに努力しても、体のぐあいで介護を受けざるを得ないという方も一方ではいらっしゃるということで、そこに差をつけるときに、逆にその介護を受ける可能性がある方の保険料が相対的に上がってしまう、こういうような事実もありまして、実際、現在、八十五歳以上に限ると四七・四%が介護保険サービスを受けておられるということで、半分ぐらいはいずれは受けるということもあります。

 ただ、今おっしゃった趣旨で言うと、我々、一つ注目しているのは、例えば東京都の稲城市でありますけれども、これはよく御存じだと思いますが、そういうお元気な高齢者の方がボランティア活動をした場合、ポイントをそこでその方に交付して、そのポイントによって実質的に保険料が安くなる、こういうことを自治体がやっているケースもあります。

 長寿応援ポイントというのは、これは東京都杉並区、介護支援ボランティア・ポイント制度は東京都墨田区でありますけれども、そういう各自治体の事例も全国の自治体に広めながら、そういう趣旨を、その自治体単位の取り組み、ボランティアのポイント等々で普及をするということは大事だと思います。

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

○古屋(範)委員 私の申し上げたアイデアに対しては否定的なお答えかと思いますが、各自治体で調査をいたしたところ、全体で八百四十三の自治体が回答を寄せておりますけれども、介護サービスの課題は何かということに関しまして、二番目に、介護予防が進んでいない、こう挙げている自治体が三八・六%ございます。ですので、こうした介護予防に対して、なかなか現実にはそれが進んでいないということを考えますと、こうした観点も、介護予防に対するインセンティブを与えていくということから私は必要なのではないかというふうに考えております。

 また、今大臣がおっしゃいましたボランティアに対するポイント、私も、稲城市に平成二十年に行ってまいりまして、皆さん、このポイントを集めまして、上限五千円ということで、ボランティアを行った方々に支給をするという制度をとっております。そこに参加をしている方々にもお声を伺ったんですが、お金が目的ではない、こうして地域のために頑張ってボランティアができる、その楽しみを続けていると自然とポイントがたまってくる、そういう非常に喜んでいらっしゃるお声も伺いました。

 また、こうしたボランティアに対するポイントというようなものも、自治体だけに任せるのではなく、ぜひ国としても推奨していっていただきたい、このように思っております。

 それから、次の課題なんですが、家族の介護者への支援体制の強化ということでお伺いをしてまいります。

 今回の介護総点検運動の中で、高齢者が介護を受けている場所、この七割強が自宅でありました。さらに、潜在的には、病院、介護施設よりも住みなれた我が家で介護を受けたいと願っている高齢者も多くいるというふうに思われます。

 しかし、さまざまな事情で施設に入る高齢者の実態もありまして、また、家族に介護する意思があっても、疲労こんぱいする、精神的に限界に達してしまって、高齢者への暴力、また介護放棄、高齢者虐待がふえているというのが実態であります。自宅で介護する四分の一にうつ状態が疑われている、介護うつの問題、また、七十代の高齢者を介護する家族の半分以上が七十歳以上、老老介護の実態も深刻であります。在宅生活の継続には、本人の療養生活の支援とともに、家族の介護負担を軽減するレスパイトサービスが必要となってまいります。

 私たちの行った調査で、自宅で介護を受けている人のうち、困っていること、介護する家族の負担が大きい、身体的、精神的、経済的に、これが三五・八%と最も多く、本人や家族のぐあいが悪くなったときに一時入所する施設がない、これが一八・八%。また、利用料が高い、一八・六%でございました。在宅介護はやはり家族の負担が重い、緊急時に入所できる施設をふやしてほしい、これは非常に多くございました。

 そこで、家族に休息をとってもらうために、ショートステイやデイケアによって一時的に施設に預かってもらう、あるいは短期間病院で預かってもらうレスパイトケア事業、この大幅な拡充が必要、このように考えております。

 山井政務官に、この件に関して御所見をお伺いします。

○山井大臣政務官 古屋委員にお答えを申し上げます。

 古屋委員は、高齢者虐待防止法のときにも、公明党の中心となってその高齢者虐待防止法の成立に御尽力くださいまして、まさに、介護をする御家族の支援に中心になって御尽力いただいております。敬意を表したいと思いますし、また、今回の御質問も、介護総点検という、現場の声を踏まえた非常に重要な御指摘だと思っております。

 そして、家族が一番困っているのは、やはり精神的、肉体的な負担とともに孤立ですね。ひとりぼっちになって孤立になる。その意味では、おっしゃったようなデイサービス、ショートステイ、ホームヘルプという在宅サービスの中で、家族が共倒れにならない、そのような方向で厚生労働省としても施策を進めていきたいと思いますし、根本的には、介護保険法の改正ということも視野に入れて今後検討していきたいと思いますが、やはり介護保険の理念である、家族任せにせずに社会全体で支えていくという方向性で、古屋委員の御指摘も踏まえて、今後、検討していきたいと思っております。

○古屋(範)委員 高齢者虐待防止法、私も山井政務官とともに成立に取り組んでまいりまして、そこにも養護者への支援として、市町村に、養護者負担軽減のために、養護者に対する相談や助言、さらに、緊急の必要がある場合には高齢者が短期間養護を受けるために必要となる居室の確保、これを設けております。この措置をしっかりと拡充して、要介護者のニーズに応じて各自治体が一定程度緊急時の受け入れ病床を確保していくこと、また、介護の悩みを抱える人の二十四時間の相談窓口、このような整備が必要というふうに考えております。ぜひこれからも総力を挙げていただきたい、このように考えております。

 次に、介護保険制度の利用者負担の見直しについて伺ってまいります。

 高齢者の年金水準が変わらない、その中で、介護保険料というのは上昇してきております。私たちのアンケート調査の結果でも、介護保険料につきましては、高過ぎるという方が約四割、将来どこまでふえるのか心配、上限、月額五千円が限度だ、これは非常に正直な御意見かと思います。また、介護保険料の負担感については、負担を感じる人が全体の七割弱を占めておりまして、適当と答えた人の三倍強に達しております。やはり非常に負担感が重いということであります。年金収入のみの高齢者夫婦が負担できる介護保険料にしてほしい、このような訴えもございました。

 これらの結果をもとにしまして、高齢者の介護保険料については、年金受給額に対して過度のものとならないよう、現行の所得段階別の保険料を見直しまして、所得に応じてよりきめ細やかな設定を行って、低所得者の保険料の一層の軽減を図ることが急がれております。この点を大臣にお伺いいたします。

 また、現在、国民年金だけで生活している高齢者が例えばグループホームなどのサービスを利用するということは、現実には困難であります。現行の利用者負担の水準では、介護保険制度の精神と実態はかけ離れている、使いたくとも使えないというのが現状です。この年金水準の確保と同時に、改めて、低年金、低所得の方々に対する軽減措置、これを検討し、たとえ低年金、低所得であってもグループホーム等の施設利用が可能となるよう、利用者負担の軽減、これも考えていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

○山井大臣政務官 グループホームのことについてお答えしたいと思います。

 私も政治家になるまで老人福祉の研究者で、グループホームの本は五冊ぐらい書かせていただいたことがありまして、やはり古屋委員御指摘のように、特別養護老人ホームには食費、居住費を軽減する制度があるにもかかわらずグループホームにはないということで、非常にいいサービスなんですが、なかなか、所得が十分でない方々には利用しづらいということになっております。

 このことに関しては、財源が伴うことですぐに明快な回答はしにくいんですけれども、重要な御指摘だというふうに受けとめております。

○古屋(範)委員 ちょっと時間がございませんので、次の質問に移らせていただきます。

 きょう、わざわざ国土交通大臣政務官がお見えいただいておりますので、住宅政策についてお伺いをしてまいります。

 昨年の六月なんですが、品川区にあります、中高一貫校をつくるために廃校となりました小学校を改修して、高齢者向けの優良賃貸住宅、介護拠点などを複合した施設、ヘルスケアタウンにしおおいというところを視察してまいりました。

 ここは、三階建ての校舎を、一階部分は介護予防拠点、触れ合い広場などにして、二階、三階部分には全室個室、教室を二つに割りまして改修をして、高齢者向け優良賃貸住宅が四十二戸入れるというようなものでありまして、ここの一階はおふろがありまして、近所の方もここを利用していい、私も、有料なんですかと聞きましたら、無料ですというふうにおっしゃっていました。

 そういった地域との交流もできまして、当然、要介護の入居者に食事や介護、安否確認、緊急通報などのサービスが提供されております。また、保育園も併設されておりまして、子供たちの元気な声が響いているという、非常にそうした地域のコミュニティーの再生にもつながるようなところでもございました。

 雨露をしのぐという言葉がありますが、高齢になって、ともかく住宅が確保されているか否か、ここが非常に重要でありまして、樋口恵子さんなんかも、日本において、やはり年金、医療、介護は必要だが、住宅政策が非常に欠けているという御指摘もいただいております。

 そこで、さまざまな介護サービス、生活支援サービスをいつでも受けられる高齢者向けの優良賃貸住宅、また高齢者専用賃貸住宅、この整備、質の確保、先ほどの、学校のあいた教室を使う、あるいは公共住宅にそうした医療、介護のケアをつけていく、こうした住宅政策というものが必要かと思いますが、いかがでしょうか。

○長安大臣政務官 古屋委員の御指摘、まさにそのとおりでございます。

 高齢化が進展している中で、介護、医療などの生活支援サービスを受けながら安心して暮らすことができる住まいの整備、これは非常に重要な課題でございます。我々国土交通省といたしましても、厚生労働省と連携して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 このために、平成二十二年度、来年度の予算でございますけれども、福祉施設、医療施設等の生活支援施設を併設する高齢者向けの住宅の整備に対しまして、地方公共団体の負担なしに、従来は地方公共団体の負担があって国も助成をしていたわけでありますけれども、地方自治体がこのように厳しい財政状況にある中で、地方自治体が負担を負わなくても国が直接助成できる制度を今回盛り込ませていただいております。この制度では、新規の建設だけではなくて、今お話のございました空き校舎の利用、こういった既存ストックの改修というものに対しても支援することとしております。

 我が国の高齢者人口に対する介護施設や高齢者向け住宅の割合というのは、これは欧米諸国と比べても非常に低くなっております。今後とも、厚生労働省としっかりと連携をさせていただきまして、生活支援施設と一体となった質の高い高齢者向けの住宅の供給の拡大を目指して、取り組みを進めてまいる所存でございます。

○古屋(範)委員 ぜひ、国土交通省また厚生労働省が連携をして、医療、介護、生活支援などの機能を備えた多機能支援センター、こうしたものの整備をしっかり進めていただきたい、このように思います。

 もう時間がなくなってまいりましたが、最後に、先日もお伺いいたしましたが、介護従事者の処遇アップということで、民主党マニフェストには月々四万円アップするということを掲げていらっしゃいます。大臣も答弁の中でそのように明言をされていましたけれども、この具体的な制度設計、また財源の確保についてどのようにお考えか、お伺いいたします。

○長妻国務大臣 まずは今、処遇改善交付金というのがございまして、これは我々もいろいろ事業者に働きかけをいたしまして、今、申請率八〇%になっておりまして、極力、一時金というよりはお給料に上乗せしてほしいというお願いをしているところであります。

 そして、それにつながる制度として恒久措置を考えておりまして、最終的には月額四万円程度の報酬をアップする、こういうようなことで考えております。

 それについて、私どもとしては、今介護のビジョンを検討しておりまして、公明党さんも検討されていると思いますけれども、その中で、どういう道筋で実現をしていくのかというのも提言をしていこうというふうに考えております。

○古屋(範)委員 ぜひともこの四万円アップ、子ども手当だけではなく、マニフェストをしっかりと実現していただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

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