厚生労働大臣に生活困窮者対策の申し入れ

田村憲久厚生労働大臣に「新たな生活困窮者対策の制度化及び生活保護の見直しに関する要望」を提出。生活保護の見直しにあたり、相談事業の創設、就労・教育・住宅支援など、埼玉で行っている「アスポート」事業のような支援を全国でできるよう、法律を今国会に提出すること。また、それに必要な財源措置をするよう求めました。

(以下、2013.3.2付 公明新聞より引用)

【新たな困窮者支援制度を/自立促す法整備急げ/厚労相に申し入れ 埼玉県の事業を参考に/党厚労部会、生活支援PT】

『きめ細かな相談体制整備』
 『中間的な就労の場を確保』
 『子どもに学習支援の実施』
 公明党の厚生労働部会(部会長=渡辺孝男参院議員)と生活支援プロジェクトチーム(PT、座長=同)は1日、厚労省を訪れ、田村憲久厚労相に対して新たな生活困窮者対策の制度化と生活保護の見直しに関する要望書を手渡した。渡辺部会長、古屋範子衆院議員、山本博司参院議員のほか、桝屋敬悟厚労副大臣(公明党)が同席した。
 席上、渡辺部会長は、生活保護制度の見直しに併せて、生活困窮者を支援するための新たな法律を早急に検討し、今国会に提出すべきだと強調。その上で、生活保護受給者が自立できるよう埼玉県が実施している「生活保護受給者チャレンジ支援事業」(アスポート)を例に挙げ、新たな生活困窮者支援制度については、同事業と同様のものを「全国一律で継続的に実施できるよう必要な財源を確保してほしい」と訴えた。
 具体的には、新たな生活困窮者支援制度として、(1)生活困窮者への包括的な相談支援事業の創設(2)生活訓練、社会訓練などの就労準備をするための訓練を有期で実施する事業の創設(3)一般就労が困難な生活困窮者に中間的な就労の場を提供する事業の育成支援と、一般就労を受け入れた事業者に対する支援(4)離職などで住居を失った生活困窮者に対する期限付きの家賃補助の制度化――を要望した。
 また、生活保護世帯で育った子どもが大人になって再び受給者となる「貧困の連鎖」を断ち切るため、生活困窮家庭の子どもへの学習支援などを実施する事業の創設や、生活困窮者の家計収支などに関するきめ細かな相談支援事業、住居がない生活困窮者に衣食住を提供する事業の創設などを求めた。
 一方、生活保護制度の見直しに関しても要望。就労収入積立金の創設や勤労控除の見直しなどで、生活保護受給者に対する就労・自立のインセンティブ(誘因)を強化することを求めたほか、不正受給対策として地方自治体の調査権限の強化や罰則の引き上げなどの見直し、後発医薬品の使用促進で医療扶助の適正化を図ることなどを要請した。
 新たな生活困窮者支援制度の構築について、田村厚労相は「絶対必要なものだ。やらなければならない」と述べ、財源確保に努めていく考えを示した。

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