胆道閉鎖症早期発見の便色カラーカード

胆道閉鎖症の早期発見のための便色カラーカードを母子手帳に盛り込むことが実現したことについて、同症の子どもを持つ「肝ったママ’S」の酒井有理さん、その要望をつなげた横浜・川崎市議会、神奈川県議会議員と公明新聞の取材を受けました。酒井さんの要望を横浜の加納市会議員が受け、西村県会議員につなぎ、そこから私が昨年8月16日に関係者にお会いしました。そして、同23日に衆議院厚生労働委員会でこれを取り上げ、もう一度、10月に質問をし、12月に母子手帳の改正に盛り込むことができました。酒井さんは、「すぐに国会で取り上げてくれたことに感激した」とおっしゃっていました。

(以下、2012.1.15付 公明新聞より引用)

【公明が訴え、政治が動いた/胆道閉鎖症の早期発見へ/カラーカードを母子健康手帳に/患者家族「ネットワーク力を実感。本当に感謝している」】

公明党は、いのちを守り、育む取り組みに全力を挙げてきました。切実な訴えに素早く反応し、たとえ難しい課題でも、地方と国政の強力な連携で道なき道を開く。真摯な姿勢に、関係者からは称賛の声が上がっています。二つのホットな実績を紹介します。

 「市議から県議、国会議員へと話がすごいスピードで進み、公明党のネットワーク力を実感しました。本当に感謝しています!」――。難病の胆道閉鎖症などの子どもを持つ母親のグループ「肝ったママ’S」の酒井有理さんは、笑顔で語ってくれました。
 赤ちゃんの便の色から同症を早期に発見できる「便色調カラーカード」が、今年4月から母子健康手帳に原則とじ込まれることになり、酒井さんら患者家族から喜ばれています。
 一部自治体で配布されているカラーカードは、神奈川県内の一部でもパイロット(試験)事業として配布されています。
 しかし、同県の試験事業は今年3月末まで。関係者の不安が募る中、2011年7月中旬、横浜市議会公明党の加納重雄議員のもとへ酒井さんから相談が寄せられました。加納議員は、公明党の西村恭仁子県議と横浜市の手塚静江前議員に呼び掛け、同年8月4日には酒井さんと懇談し、その声に耳を傾けました。「自分と同じつらい思いを他の母親にさせたくありません。カラーカードを母子健康手帳に!」。酒井さんの訴えに「自治体レベルの話ではない。全国規模で実施すべきだ」と深くうなずく公明党議員。折しも、10年に1度の同手帳改訂の検討が始まる直前でした。
 その後、加納議員らは、川崎市議会公明党の山田晴彦議員とも連携。山田議員はこれに先立ち、酒井さんらと協力して、川崎市独自でカラーカードの母子健康手帳へのとじ込み配布を実現していました。
 そして、8月16日、公明党議員と酒井さん、長年にわたりカラーカードの普及に取り組んできた国立成育医療研究センター病院長の松井陽氏が、国会内に公明党の古屋範子衆院議員を訪ね、国政の場で取り上げるよう要望しました。その1週間後の衆院厚生労働委員会。古屋さんの主張に対し、政府は「積極的に検討していく」と約束したのです。「まさか国会まで話が届くなんて……」。インターネット中継で傍聴していた酒井さんは、当時の感動をこう振り返ります。
 その後も、公明党は国会内での勉強会や国会質問などで実現を迫った結果、同年12月末、母子健康手帳にカラーカードをとじ込む法改正の省令が出されました。
 松井病院長は、公明党を「先頭に立って応援してくれた」と高く評価しています。“一人の声”を実現するとの公明党の熱意が、また一つ結実したのです。
 『不育症対策が前進/初めて国会で取り上げ/ヘパリン自己注射に保険適用 社会的認知を広げる』
 『「素早い対応に驚いた」』
 妊娠はするけれど流産を繰り返す不育症――。主な原因はさまざまですが、適正な検査や治療を行えば、8割以上の患者が出産を迎えられることが分かっています。しかし、そこには経済的な負担という“壁”が立ちはだかっていました。
 「息子の妻が『不育症』です。その医療費が本当に高くて……」。09年8月中旬、公明党の市川隆也岐阜県関市議は、Aさん(65)から切実な訴えを聞きました。「検査と治療合わせて月10万円近くかかるということも……」。Aさんの声は市川議員を通じて、荒木清寛参院議員に伝わりました。
 荒木氏は、さっそくAさんの息子から現状を聞くと、同年11月10日の参院予算委員会で不育症への公的助成実施を訴え、当時の厚労相から「(検査・治療について)有効性や安全性が確認されれば速やかに保険適用したい」との答弁を引き出しました。これが国会で初めて不育症の問題を取り上げた瞬間でした。Aさんは「まさかあんなに早く国会で質問してくれるなんて。スピード感ある対応に驚き、うれしくなりました」と振り返っています。
 公明党は荒木質問をきっかけに、専門家を講師に招き不育症に関する勉強会を開催。全国各地の公明党議員が地方議会で公的支援を訴え、自治体独自の支援を求めるなど、党を挙げて対策に取り組んできました。
 一方、政府側には具体的な動きが見られませんでした。10年11月19日の参院予算委員会。荒木氏は「1年たっても何の動きもない! どうなっているんだ!」と迫りました。
 その結果、血栓ができやすい体質が原因とみられる不育症患者に対するヘパリンカルシウム製剤(ヘパリン)の在宅自己注射への保険適用について、厚労相から前向きな答弁を引き出し、今年1月1日から同注射への保険適用が始まりました。
 不育症治療に詳しい名古屋市立大学大学院の杉浦真弓教授は「公明党が(国会質問などで不育症の)社会的な認知を広げるのに尽力していただき、ありがたいです」と語っています。荒木氏は「今回の保険適用は対策の第一歩です。不育症に関する理解を広げ、さらに公的支援を訴えていきます」と決意しています。
 『語句説明』
 【胆道閉鎖症】肝臓から十二指腸へ胆汁を送る胆管が詰まり、胆汁が流れなくなる病気。出生児の約1万人に1人の割合で発症する。手術が遅れると生存率は一気に低下するため、早期発見・手術が重要となる。
 【不育症】妊娠が困難な「不妊症」とは異なり、妊娠はするものの、流産や死産を繰り返す症状。厚労省研究班は「2回連続した流産・死産があれば不育症と診断」すると定義。患者数は全国140万人(推定)に上る。

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