札幌医科大学で神経再生医療を視察

札幌医科大学を訪問し、同大学の本間修教授が取り組んでいる骨髄幹細胞移植による再生医療を視察しました。脳梗塞などに対し、自己骨髄幹細胞を抜き取り、それを2週間ぐらいかけて増殖させ、静脈投与します。すると、片側が麻痺していた患者の上肢が動くようになる。失語症に陥っていた患者が会話ができるようになるなど、12の症例が確認されているとのことでした。
脳梗塞の他、認知症や脊髄損傷、パーキンソン病などにも効果があるのではないかと考えられています。毎年40万人が発症し、多くの人が後遺症に苦しむ脳梗塞の治療に希望をもたらす研究です。

(以下、2011.10.4付 公明新聞より引用)

【最先端医療を後押し/脳梗塞治療へ細胞再生/渡辺、古屋、稲津、横山氏ら 札医大の培養施設など視察/札幌市】

公明党厚生労働部会の渡辺孝男部会長(参院議員)と古屋範子部会長代理(衆院議員)は3日、札幌市の公立大学法人・札幌医科大学を訪れ、脳梗塞治療の最先端技術である細胞再生治療について視察した。これには、稲津久衆院議員と横山信一参院議員、北海道議、札幌市議らが同行した。
 初めにあいさつした島本和明学長は、「世界的にも注目されている研究であり、本格的な治療が始まれば、多くの国民に貢献する」と強調。これに対し渡辺氏は、患者やその家族から早期実用化を望む声が数多く寄せられていることを紹介した上で、「医師主導型の治験の開始や、治療実施に伴う法整備に全力を挙げていく」と語った。
 この後、長年、再生医療の研究に取り組んできた本望修教授が、技術概要について説明。骨髄に含まれる体性幹細胞が、臓器や神経などの修復に関与し、人間の自然治癒力に深く関わっていることから、「この細胞を培養して投与することによって、脳梗塞で死にかけた脳細胞の再生を促すばかりでなく、神経の再生や血管の新生を進める」と述べた。
 また、本望教授は、これまでの臨床例を示しながら、(1)大掛かりな手術を必要とせず、静脈注射によって投与できる(2)発症直後の急性期だけでなく、数カ月後でも効果がある(3)脳梗塞のほか、脊髄損傷や脳腫瘍など応用の拡大が見込める――と同療法の利点を指摘。「医療費の抑制や、要介護度の改善による保険料の軽減に貢献するものと思う」と力説した。
 この後、一行は、同学に新設された培養施設「細胞プロセッシング施設」を視察。稲津氏は、「国民待望の新たな治療法であり、予算措置を含め全面的にバックアップしていきたい」と話した。

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