網膜再生医療研究開発プロジェクトを視察

党再生医療推進プロジェクトチーム(渡辺孝男座長・参院議員)で神戸市の理化学研究所「発生・再生科学総合研究センター」を訪問。網膜再生医療研究開発プロジェクトを視察しました。

(以下、2013.3.18付 公明新聞より引用)

【再生医療 患者に希望を/iPS 目の難病に移植へ/世界初の臨床研究を視察/公明、実用化へ法整備推進/神戸市で党PT】

公明党の再生医療推進プロジェクトチーム(PT、渡辺孝男座長=参院議員)は15日、神戸市の理化学研究所「発生・再生科学総合研究センター」を訪れ、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた臨床研究について話を聞いた。
 同センターは2月28日、iPS細胞を使って「滲出型加齢黄斑変性」(別掲)という目の難病の臨床研究を行う計画を厚生労働省に申請。iPS細胞を使った世界初の臨床研究となる見通しだ。計画では、6人の重症患者を選んだ上で、患者自身の皮膚からiPS細胞をつくり、網膜の細胞に成長させてシート状に加工し、移植する。ただ、了承が得られても移植細胞の作製などに時間が掛かるため、実際の移植は2014年度中になるとみられる。
 研究責任者の高橋政代プロジェクトリーダーは、今回の研究の利点について「大量生産ができ、産業化にもつながる可能性を持っている。iPS細胞で心配される腫瘍形成も、純化された最終産物であり安全性は高い」と強調。一方で、iPS細胞を使った初の臨床研究として注目を集めていることについては、今回は安全性の確認が主な目的だと説明した。また、米国では昨年1月に受精卵を利用する胚性幹細胞(ES細胞)で作製した網膜細胞の移植が成功したことに言及し、「iPS細胞で巻き返しを図りたい」と意気込みを語った。
 さらに、京都大学の山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞の受賞以来、再生医療に大きな期待が寄せられていることにも触れ、「iPS細胞に注目が集中しているが、周辺の技術も発展しないと再生医療は確立できない。バランスのよい支援が必要だ」と訴えた。
 視察後、渡辺座長は「万全な体制で臨床に臨み、良い結果を出してほしい。目の疾患以外でも研究が進んでおり、患者の希望となる研究促進を期待し、支援したい」と述べた。
    ◇ 
 iPS細胞をはじめ夢の再生医療の実現へは、なお時間を要するとみられる。また、研究促進とともに迅速・安全に再生医療を提供するための法的枠組みも必要だ。公明党は昨年秋、坂口力元副代表の私案をもとに、自民、民主両党の有志と法案をまとめるなど、再生医療の普及・実用化へ議論をリードしている。
 【加齢黄斑変性】年齢を重ねるうちに網膜に異常な血管が生じ、血管が破れたり血液成分が漏れ出すことで視力が低下する難病。日本眼科学会によると、50歳以上の約1%がかかっていると推定され、失明に至ることもある。網膜の裏にできる余分な血管から出血が生じる「滲出型」と、網膜の一部が萎縮する「萎縮型」がある。今回は滲出型を臨床研究の対象とする。

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